国土交通委員会(2019年4月9日)

気象庁の状況予測力強化について

三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。
 大変恐縮ですが、質問の順番を入れ替えさせていただいて、気象庁の観点について先に質問をさせていただきたいと思います。
 初めに、防災・減災の観点から、気象庁の状況予測力強化について伺います。
 国民の生活、命を守り、安心、安全のために気象庁が天気予測や各種情報提供の強化に努められてきたことに改めて敬意を表したいと思います。
 一方で、近年の気候変動や大規模な地震災害など、従前の経験のみに頼るわけにはいかないことも生じております。気象庁からの情報が、的確さ、そして更なる向上とともに、基礎自治体が情報を確実に活用し、防災や情報提供等に活用することが大切だと思います。
 まず、自治体等が防災対応に効果的に役立てていくための防災気象情報の精度向上等への取組は不断に行っていただきたいと思います。気象庁として今後どのように取り組んでいくのでしょうか。

政府参考人(関田康雄君) お答えいたします。
 気象庁では、平成三十年七月豪雨を始め近年相次ぐ大雨災害を踏まえ、防災気象情報を避難等の防災対応に効果的に活用いただくための方策を検討するため、昨年十一月から外部有識者による検討会を開催し、この三月末に改善策を取りまとめたところでございます。
 この改善策の中で防災気象情報の精度向上等に向けた取組についても取りまとめておりまして、具体的には、最大級の警戒を呼びかける大雨特別警報について、局所的な現象に対しても適切に発表できるようその発表基準を改善すること、市町村による避難勧告等の判断により効果的に活用できるよう土砂災害の危険度を地図上に示す分布図について高解像度化を行うこと、大雨によるリアルタイムの災害危険度という動的な情報とハザードマップ等の静的な情報を組み合わせることにより情報の一覧性を改善することなどを速やかに取り組んでいくこととしております。自治体等の防災対応に効果的に役立てていただくため、これらの情報改善をしっかり進めてまいります。
 また、このような防災気象情報の精度向上に向けては、それを支える気象観測・予測技術の更なる高度化が必要不可欠でございますので、気象庁といたしましては、関係機関とも連携し、技術改善に不断に取り組んでまいります。

三浦信祐君 是非、技術改善、しっかりと我々も応援していきたいと思います。
 また、動的と静的な情報のリンク、これ極めて重要だと思いますので、これが社会実装できるように不断の努力をしていただきたいと思います。
 公明党は、国民の生命と財産を守るために、防災・減災、復興を政治と社会の主流にしていくこと、そのためには国、県、市町村とのネットワーク力をより強化しなければいけないと考えております。
 地域防災力向上のために、地方自治体が防災情報の活用、的確な伝達、理解促進と、避難対策策定及び責任を果たすことが欠かせません。情報内容の改善のみならず、関係機関との連携、平時からの支援が重要と考えます。防災情報の提供を受け、具体的行動の責任がある自治体への支援をしていくために、国土交通省はどのような取組を行っていくのでしょうか。
 また、この情報を地方議会においても理解し支援していただくことが防災意識社会構築のために不可欠だと考えます。地方自治体が具体的な取組へと進展できるように、大臣に御答弁をいただいた内容を各地域の議員とも共有することが大事だと私は考えております。
 自治体への支援について、石井大臣、具体的に明示をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

国務大臣(石井啓一君) 国土交通省では、防災意識社会への転換を促進するための取組を進めており、平時から防災情報の活用に向けた自治体への支援を行うことが重要と考えております。このため、市町村長に災害の危険性を直接情報提供をするホットラインの構築、災害時に実施すべき行動などを時系列で整理した水害対応タイムラインの作成など、防災情報を自治体の皆様に理解、活用していただくための取組を行ってきたところであります。
 加えて、今後は、各地域の実情やニーズに応じた支援を強化するため、気象台の地域ごとの専任チームによるきめ細かい気象解説の充実、災害時の防災対応を疑似体験をする気象防災ワークショップなど、自治体の防災担当者向けの実践的な研修の一層の充実、気象防災アドバイザーや地域に精通した水害、土砂災害の専門家による市町村への気象や防災に関する助言、住民一人一人の避難計画であるマイタイムラインの作成などの自治体支援を一層進めていく予定であります。
 今後とも、各地で設置をしております河川管理者、気象台、自治体等を構成員といたします大規模氾濫減災協議会なども活用いたしまして、住民が我が事感を持って防災情報を活用いただけるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

気象庁の地震情報について

三浦信祐君 是非、気象情報提供をしっかりと進めていただくようにお願いをしたいと思います。
 緊急地震速報が導入されて十年となります。緊急地震速報の的確度、的中率について、これまでの結果と総括について伺います。
 加えて、地盤の状況によって地域別に揺れの違いが生じることも想定をされますが、どのように計算、反映をされているのでしょうか。的確な情報提供の観点から不可欠だと思いますが、いかがでしょうか。

政府参考人(関田康雄君) お答えいたします。
 緊急地震速報は、地震の発生を検知後、瞬時に各地の震度を予測し国民の皆様に伝える情報であることから、人の手を介さずに、全て計算機による自動処理で発表しております。
 御質問の緊急地震速報の的中率につきましては、気象庁では、震度四以上を観測又は予測した地震について、予測震度と観測震度の階級差が一以内であった場合を的中として計算しているところでございます。
 緊急地震速報は、運用開始当初、ほぼ同時に発生した複数の地震を自動処理により識別できないなどの課題がありました。このため、平成二十三年の東日本大震災の際には多数の地震が同時多発したことから、震災が発生した平成二十二年度の的中率は五〇%を切るまで低下いたしました。その後、このような同時多発した地震を適切に識別する技術を導入したことなどにより、平成三十年度には的中率は約九〇%まで向上しております。
 また、緊急地震速報で発表する予測震度につきましては、震源から離れるほど震度が小さくなるという性質に加え、過去の震度の観測実績や国土数値情報を基とした地盤のデータを活用し、各地域の地盤の揺れやすさを考慮することで精度の向上を図っております。
 緊急地震速報は国民の皆様の命を守る情報であり、信頼して使っていただくことが大変重要であると考えておりますので、気象庁としましても引き続き予測精度の向上に努めてまいります。

三浦信祐君 是非、取組を加速をしていただきたいと思います。
 外国人への緊急地震速報、津波警報等、防災気象情報の提供体制の現状はどのようになっているのでしょうか。発出をされた重要情報を外国人の方々が理解できなければ、その効力が発揮をできません。例えば、情報を提供する言語は、日本語のみでは当然困るわけであります。加えて、日本を訪れる方に対して、防災気象情報が発出されることがあることも事前に情報を提供していくことが大切であります。
 また、これら防災気象情報が提供された後、外国人が命を守るためにどのように行動をすればよいか等、アドバイスはどのようになっているのでしょうか。観光庁、防災担当等関連機関とも連携をしていただいて、より具体的に体制整備をしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

政府参考人(関田康雄君) お答えいたします。
 気象庁では、緊急地震速報や津波警報などの防災気象情報を六か国語で提供できるよう多言語辞書を作成、公表しており、観光庁が監修し防災気象情報等を外国人旅行者にプッシュ通知で発信するアプリであるセーフティーチップスや民間事業者等においてこの辞書が活用されているところでございます。
 これらの情報を受けたときの行動につきましては、気象庁が発表する緊急地震速報や津波警報の中で例えば身の安全の確保や高台への避難を呼びかけているところでございますが、これらにつきましても多言語辞書を活用し、外国語で提供されております。また、セーフティーチップスにおいては、取るべき行動を外国語によるフローチャート形式で示す機能もございます。
 外国人の方への防災情報の提供はますます重要性が増しており、気象庁では、平成三十一年度に気象庁ホームページにおいて十一か国語で津波警報や気象警報等の防災気象情報の提供を開始する予定でございまして、あわせて、多言語辞書の対象についても十一か国語に拡充する予定でございます。
 今後とも、観光庁を始め関係機関と連携し、防災情報を外国人の方に分かりやすく提供する取組を進めてまいります。

三浦信祐君 大臣、是非、この情報が提供を受けられるという観点で考えると、WiFiの整備等も含めて通信環境の整備も重要であると考えますので、是非総務省等とも連携をしていただいて国としてしっかり進めていただきたいと思います。
 東日本大震災で生じた長周期地震動により、従前の対応に加えて対策も必要であることが教訓となっております。長周期地震動に対する気象庁としての取組はどのようになっているのでしょうか。情報共有の観点から御答弁いただきたいと思います。

政府参考人(関田康雄君) お答えいたします。
 長周期地震動は、周期が数秒以上のゆっくりとした揺れで、遠くまで揺れが伝わりやすいという性質がございます。また、主に高層ビルへの影響が懸念されるものでございます。委員から御指摘がありましたとおり、平成二十三年の東日本大震災の際には、震源から遠く離れた東京都心や大阪市の高層ビルの上層階において大きな揺れが生じ、エレベーターの停止や閉じ込め、内装機材の破損等が生じました。
 気象庁では、高層ビル内における防災対応に資するよう、地震発生時における高層ビル内の人の行動の困難さや家具や什器の移動、転倒などの被害の程度から長周期地震動の強さを四つの段階に区分した長周期地震動階級を設定するとともに、平成二十五年三月から、気象庁のホームページにおいて長周期地震動の観測情報を提供しているところでございます。また、長周期地震動の予測情報の提供に向けた検討も進めておりまして、予測情報の効果や利活用方法を検証するため、建設事業者やビルの管理者等の参加を得て実証実験を実施しているところでございます。
 長周期地震動の情報が広く社会で役立ち、さらに防災対応に資するものとなるよう、引き続き関係機関ともよく連携して取り組んでまいりたいと考えております。

羽田空港便数増加対策について

三浦信祐君 是非、長周期地震動のこの知見というのを社会の中に実装できるように、的確な情報提供、また研究の促進に当たっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 次に、羽田空港の便数増加対策について質問させていただきます。
 政府目標である二〇三〇年訪日外国人観光客六千万人を目指すに当たり、今後増加する外国人観光客を迎え入れるインフラ体制の整備が不可欠であります。航空機、クルーズ船等によって全国各地の空港、港湾の利用をした入国となる中、首都空港として羽田空港の利用増大が見込まれます。
 現状、首都空港として、羽田空港の受入れ可能体制はどのようになっているのでしょうか。具体的には、旅客受入れ最大数や離着陸最大数、これは幾つになっているのでしょうか。ターミナルのスポット数やゲート数、これは旅客航空便の増加に対応できる体制となっているのでしょうか。

政府参考人(蝦名邦晴君) お答え申し上げます。
 首都圏空港の機能強化は大変必要不可欠であると認識しておりまして、羽田空港では、飛行経路の見直し等を図ることによりまして、二〇二〇年までに発着回数を現在の約四十五万回から約四十九万回へと約四万回増回することを目指しております。
 こうした発着回数の増加に併せまして、国土交通省といたしましては、スポット数の増設、また、民間事業者と協力をして、CIQ施設やサテライトビルの整備などによります国際線ターミナルビルの拡充を図りますとともに、国内線の第二ターミナルビルにおきましても、ビルの南側の増改築やCIQ施設の整備など国際線施設の整備などに取り組むことによりまして、羽田空港におけます受入れ体制の強化を進めてまいりたいと考えております。

三浦信祐君 是非、便数増えたけれどもスポットに入れず外側に置き止めされてバスでしょっちゅう行かなければいけないという、そういう雨にぬれる羽田空港にならないように、しっかりと予測も踏まえて、サービス、おもてなしができるような空港整備に不断の努力をしていただきたいとお願いをさせていただきます。
 東京オリンピック・パラリンピックの訪日客増加への対応として、羽田空港国際線旅客発着便増加の計画があると承知をしております。そのために、現状の離着陸方向に追加あるいは変更を行い新飛行経路を導入すること、これに伴い、現状は行われていないB滑走路22からの離陸、A、C滑走路の16レフト及び16ライトへ都心上空からの直線的着陸の運用予定があると伺っております。新運用方法へ向けて、現在の準備状況はどのようになっているのでしょうか。
 また、一方で、三千フィート以下の飛行制限が掛かる川崎市コンビナート上空を低空で通過しなければいけなくなってしまうB滑走路04からの着陸はないと理解をしておりますけれども、これも併せて確認をさせていただきたいと思います。

政府参考人(蝦名邦晴君) お答え申し上げます。
 羽田空港の新飛行経路案では、南風の場合の十五時から十九時のうち三時間におきまして、今御指摘がございましたように、A滑走路及びC滑走路の北側から着陸する経路と、B滑走路から西側に離陸する経路を新たに設定している一方で、川崎方面からB滑走路へ着陸をする経路は設定をいたしておりません。
 羽田空港の飛行経路の見直しに向けましては、騒音対策や落下物対策に取り組みますとともに、できる限り多くの方々の御理解をいただくために、これまで、新経路下となる地域を中心にいたしまして、延べ九十七回以上、百六十三日間にわたります住民説明会を五巡にわたりまして開催をしまして、約二万七千九百人を超える方々に御参加をいただくなど丁寧な情報提供を行ってまいりました。
 国土交通省といたしましては、引き続き、地元の方々に対しまして様々な手法を組み合わせた丁寧な情報提供を行い、幅広い御理解を得た上で、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会までに新経路案を運用できるように準備を進めてまいりたいと考えております。

三浦信祐君 国際線のスケジュールを決定するためには、発着調整業務が必要となります。
 世界中の民間航空会社約二百九十社が加盟する国際航空運送協会、IATAと書いてイアタと読む、これが、国際定期便の運航を確実、安定的にするため、就航空港における航空機の運航曜日、発着時刻、いわゆるスロットを調整する際に、世界共通のIATAガイドラインを定めてあります。これにのっとって国際航空便の運航調整がなされ、日本における国際線発着調整は、一般財団法人日本航空協会の国際線発着調整事務局、JSCが担っていると承知しております。毎年、国際線のスケジュール期間は夏ダイヤと冬ダイヤとして定義されており、年二回、IATAスロット会議が開催をされ、調整の上、航空会社のスケジュールが確定をされていきます。
 さて、二〇二〇年夏ダイヤを調整する目的のIATAスロット会議が、本年、二〇一九年十一月の十二日から十五日までの間でオーストラリア・ブリスベーンにて開催されると承知をしております。このダイヤは、二〇二〇年三月の二十九日の日曜日から十月二十六日土曜日の七か月間、東京オリンピック・パラリンピック開催期間中を含むスケジュールとなっております。リクエストの取りまとめ、スロット割当て等は今年の九月頃から集中作業に当たるというのが一般的なこれまでのやり方だと思います。当然、明年の羽田空港新飛行経路を導入し、便数増加を踏まえたスロットにて計画をするはずです。混雑空港としてレベル3に指定されている羽田空港の規制値を現状から変更した上での設定としなければならないのではないかと私は思います。
 スロット会議を迎えるに当たり、調整に必要な情報、特に規制値について、国土交通省はJSCや航空会社に対してどのような情報提供を行っていくのでしょうか。

政府参考人(蝦名邦晴君) お答え申し上げます。
 一般に、羽田空港を含みます我が国の混雑空港では、先生今御指摘になりましたように、国際航空運送協会、IATAが定めます国際的なガイドラインに従いまして、第三者機関である国際線発着調整事務局、JSCが夏、冬のダイヤ分けて発着枠の調整を行っております。
 例えば、夏ダイヤの調整の場合には、航空会社に対し、通常、当該の年の前年九月上旬頃に発着調整事務局に提出をする具体的なダイヤの作成依頼とその前提となる条件を通知をいたしております。
 また、当省から混雑空港の発着調整を委嘱している国際線発着調整事務局に対しましては、当省が発着調整基準の中で定める規制値の範囲内での発着調整を徹底するよう、平素から指導いたしているところでございます。
 一方、羽田空港の増枠に関しましては、現在、先ほども御説明申し上げましたとおり、できるだけ多くの方々の御理解を得られるよう、引き続き丁寧な情報提供を行っているところでございまして、二〇二〇年夏ダイヤの調整に関しまして、国土交通省としていつどのような情報提供を行うのか、現時点でお示しをすることは困難でございます。
 いずれにいたしましても、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックまでの増便を目指す上で必要なスケジュールを勘案し、引き続き必要な準備行為を進めるとともに、今後も地元の御理解が得られるように努めまして、その後に、御指摘も踏まえまして、航空会社等に対し適切な情報提供を行ってまいりたいと考えております。

三浦信祐君 是非、やることがたくさんあると思いますので、不断の努力でやっていただきたいと思います。
 B滑走路22からの離陸機が通過する直下となる川崎市から、平成二十七年十二月、平成二十八年六月、平成三十年九月に国交省に対して要望書が提出され、対応を求められていると承知をしております。
 これまでの要望は六つありまして、その内容と回答は、一つ目は試験飛行の実施であり、それに対して、現時点で技術的課題があり実施は難しい状況だが、引き続き検討すると。二つ目、地元住民への説明等については、市民窓口の設置や音響機器による疑似騒音体験等の丁寧な情報提供に努めると。三つ目に、騒音影響の軽減については、一時間当たりの便数を当初案から削減をすること及び低騒音機導入促進を行うとの回答がなされております。四つ目に、学校、病院等の防音工事、地域対応の要望に対しては、騒防法に基づく学校、病院等の防音工事基準を弾力化し、経路周辺施設へ適用できるようにするということ。五つ目に、キングスカイフロント研究機関への配慮については、研究への影響想定がされないことを確認をしているが、試験飛行の検討や新飛行経路運用後の状況において何らかの影響が確認された場合には、必要な方策について関係者と協議をする。六つ目に、石油コンビナート上空飛行の安全確保、これについては、早期に高度上昇を図り海側へ抜ける運用に努める、安全管理の徹底と落下物未然防止策強化を図る、飛行制限の取扱いについて川崎市にも示していくとなっていると私は承知をしております。
 石井大臣、国交省としてこのような回答をされている中で、施設整備や検査飛行など安全確保、確認を速やかに実施をしてほしい、その上で早期に試験飛行を実施していただきたいという旨の要望がございます。私は、IATAスロット会議の前、情報調整に掛かるまでには実施をすべきなのではないかなというふうに思います。
 住民理解に資することから早期に実施をしていただきたいんですけれども、石井大臣、お願いできませんでしょうか。

国務大臣(石井啓一君) 住民の皆様などから、実際の騒音等を体感するため試験飛行を実施すべきとの御意見があることは承知をしております。
 試験飛行につきましては、航空保安施設の整備や飛行検査の実施等が終了しなければ実施できないため、当該整備の状況、飛行検査の時期及び地方公共団体等からの御要望等を勘案をして、慎重に判断をしたいと考えております。
 一方、航空機の音や見え方を分かりやすくお伝えすることは大変重要と考えておりまして、これまでもオープンハウス型の住民説明会において、会場ごとに伊丹空港周辺等での屋外と屋内での実際の音や航空機の見え方を空港からの距離等に応じて体感いただけるコーナーを設置するなど、御説明をしております。
 今後とも、できる限り多くの方々に御理解をいただけるように、様々な手法を組み合わせた丁寧な情報提供に努めてまいりたいと考えております。

三浦信祐君 是非、準備の加速、試験飛行について段取りをしっかりと進めていただいて、住民の理解、また安定的な航空運輸の確保を図っていただきたいということをお願いさせていただきたいと思います。
 羽田空港の新飛行経路について、周辺住民の方々の理解促進、万が一必要となる可能性があるならば防音工事等を適切に対応すべきだと考えます。重ねてですけれども、取組と対応について伺います。

政府参考人(蝦名邦晴君) お答え申し上げます。
 羽田空港の新飛行経路につきましては、先般も御答弁いたしましたとおり、新飛行経路下となる地域を中心にいたしまして、延べ九十七回以上、百六十三日間にわたりますオープンハウス型の住民説明会を五巡開催をして、約二万七千九百人を超える方々に御参加をいただくなど丁寧な情報提供を行っているところでございます。その際、住民の方々から、航空機からの騒音等を心配する声をいただいております。
 これを受けまして、騒音対策といたしましては、飛行高度の引上げや騒音の要素を組み合わせた着陸料金の見直しによる低騒音機の導入促進を図ることといたしております。
 また、新飛行経路の運用に伴います住宅への影響につきましては、運用時間を限定するなど音の影響を小さくするための方策を講じることで、想定される運用のシミュレーション結果により、住宅のある地域では法律に基づく住宅防音工事が必要となる水準にまでは騒音のレベルは到達しないと見込んでおります。
 一方で、関係自治体からの御要望や住民説明会での御意見を踏まえまして、学校等の公的施設に関わります防音工事につきましては、国の補助要件を緩和するとともに、新たに小規模保育事業を行う施設等を補助対象に追加するという助成制度の拡充を行っておりまして、騒音影響をできる限り軽減するように努めてまいりたいと考えております。

三浦信祐君 是非よろしくお願いします。
 今後の国際線の増便に対応するためには、安全確保、定時運航確保のためにも、航空管制体制の強化が不可欠だと考えます。新技術の導入や管制方式の更なる効率化、管制官人員確保等、不断の取組が必要であります。
 特に管制官の育成は不可欠です。そして、魅力の向上も欠かせないと思います。現状の認識と今後の見通し、対応について伺います。

政府参考人(蝦名邦晴君) 航空交通の増加に対応するため、航空管制官の確保と育成というのは大変重要であると認識をいたしております。
 羽田空港におけます航空管制官の体制につきましては、航空交通量の増加等に対応するための要員確保に努めておりまして、既に平成二十七年度から増員を順次お願いをしておりまして、また、それに対する適切な訓練というものを実施しているというところでございます。

三浦信祐君 これからの想定も踏まえて頑張っていただきたいと思います。
 国際線航空便数の増加により座席提供数が増加をすること、あるいは旅客需要の増加に対応するために使用機材の大型化も想定をされ、航空機の取り回しのみならず、グラウンドハンドリング対処能力の強化も不可欠であります。基本的な利用客数の増加、時間当たりの対応処理数の増加によって、旅客バゲージ等に対応するグラウンドハンドリングの人員不足が顕在化することも予想をされます。今後の見通しについて伺うとともに、国交省として人手不足の対応をしていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。

政府参考人(蝦名邦晴君) お答え申し上げます。
 インバウンドを始めといたします増加する航空需要に適切に対応するためには、航空機の誘導や手荷物、貨物の搭降載等を行いますグラウンドハンドリング業務を行う人員の確実な確保が大変重要であると認識をいたしております。このため、グラウンドハンドリングにつきましては、機動的な要員配置を可能とするための車両運転要件の見直し等の規制の緩和、貨物牽引車の自動走行や手荷物自動積付け、取卸しなど省力化、自動化に向けた先端技術の活用促進、手荷物取扱いの負荷を軽減する着用型のロボットの導入などによる労働環境改善の取組を通じました人材の確保等に取り組んでいるところでございます。
 また、先般施行されました出入国管理及び難民認定法の改正法によりまして創設されました特定技能の在留資格に係る制度におきまして、グラウンドハンドリング業務に従事する外国人の受入れも進めることにいたしております。
 国土交通省といたしましては、こうした施策を通じまして、羽田空港を含めまして増加する航空需要にしっかりと対応できるように適切に取り組んでまいりたいと考えております。

三浦信祐君 羽田空港は二十四時間空港であるにもかかわらず、都心部との公共交通のアクセスは深夜から早朝にかけて激減するのが実態です。アクセス利便性向上を図るべきだと考えますが、いかがでしょうか。

政府参考人(蝦名邦晴君) お答え申し上げます。
 深夜早朝時間帯におけます羽田空港への更なるアクセス改善のためには、平成二十七年一月に、国、関係自治体、学識経験者、関連事業者から構成されます東京国際空港の深夜早朝時間帯におけるアクセスバス運行協議会を設置をいたしまして、平成二十九年度まで空港と都心部の駅等を結ぶ深夜早朝アクセスバスの運行支援等を行ってまいりました。この間に利用者数が検証できましたことから、平成三十年度からはバス事業者の自主運行によりまして深夜早朝アクセスバスが運行をされております。
 国土交通省といたしましては、この協議会を通じまして、広報活動の強化等によりまして利用促進を図るなど、引き続き空港アクセスの改善に取り組んでまいりたいと考えております。

三浦信祐君 残り二つできませんでしたけれども、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 ありがとうございました。