予算委員会(2022年5月31日)

医療用ラジオアイソトープ国産化への内閣府原子力委員会専門部会のアクションプランについて

三浦信祐君 おはようございます。公明党の三浦信祐です。
 がん対策について質問いたします。
 ラジオアイソトープを用いたがん治療医薬品の利用を進め、がん医療の均てん化には、放射線治療病床の拡充が欠かせません。核医学治療を含む放射線療法を行う専門医、また医学物理士も不足をしております。
 放射線病床確保と専門医の位置付けの明確化、人材確保について取り組んでいただきたいと思いますが、厚労大臣、いかがでしょうか。

国務大臣(後藤茂之君) がん医療におきましては、手術や抗がん剤を用いた薬物治療、放射線治療等を効果的に組み合わせた集学的治療を行っておりまして、その中において放射線治療は、がん患者の身体の負担軽減の観点などから重要な選択肢であります。
 放射線治療の一つである核医学治療を行うには、放射線を遮蔽するための放射線治療室、治療病室が必要であります。放射線治療病室に対する診療報酬上の対応については、令和四年度診療報酬改定において、放射線治療の病室管理加算について、治療する病室の構造設備の違い等も踏まえまして、評価を細分化する見直しを行っております。
 日本専門医機構が行う新専門医制度においては、例えば放射線治療専門医について、基本領域である放射線専門医を取得した上で更に専門的な研修を行うことで修得するサブスペシャリティー領域の専門医として今後日本専門医機構において認定されていくと承知いたしております。
 また、核医学専門医等を含め、新たに今後どのような専門性を専門医制度に位置付けるかにつきましては、疾病構造の変化や医療技術の進歩等を踏まえまして、日本専門医機構において定期的に見直しが行われるものと承知をしております。
 さらに、医学物理士等も含めた専門人材の活躍の場を確保することは重要でございまして、例えば、がん診療連携拠点病院等には放射線機器の精度管理等に関わる常勤の技術者の配置を求めております。
 今後も、がん患者に適切な放射線治療を提供するため、がん治療連携拠点病院における専門的な人材の在り方について、がん患者や専門家の御意見を伺いながら、検討してしっかり取り組んでまいりたいと思います。

第3期がん対策基本計画の検証と医工連携を踏まえた第4期計画策定について

三浦信祐君 是非進めていただきたいと思います。
 第三期がん対策基本計画は本年度までです。がん対策基本計画にのっとった効果の検証を図っていただくとともに、医工連携の視点も、また日米共同研究推進も踏まえて、第四期がん対策基本計画の策定を行っていただきたいと思います。
 コロナ禍でも、がん対策は強力に進めていかなければなりません。総理、いかがでしょうか。

内閣総理大臣(岸田文雄君) まず、平成三十年三月に閣議決定された第三期がん対策推進基本計画については、現在、厚生労働省において、専門家やがん経験者を交え、中間評価を進めているというところであるということを承知しております。そして、次期がん対策推進基本計画の策定に当たっては、委員御指摘のようなこの医工連携の視点も踏まえて、関係者の御意見を十分聞きながら検討を進めていきたいと思います。
 また、先日の日米首脳会談を踏まえた日米のがん研究については、健康・医療分野におけるムーンショット型研究開発事業において、がん分野における日米共同による挑戦的な研究開発、これを推進していきたいと考えております。

三浦信祐君 がん対策の推進、国民の皆さんの健康を守るということに全力を尽くすことをお誓いしまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。