予算委員会(2022年3月7日)

ウクライナ情勢について

三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。
 冒頭、ウクライナ情勢について伺います。
 先週金曜日、我が国は自衛隊の装備品等をウクライナに提供する方針を発表しました。スピードが大切であります。その意義と準備状況、そしてウクライナ支援に向けての決意について総理に伺います。

内閣総理大臣(岸田文雄君) 今般のロシアによるウクライナ侵略は、国際秩序の根幹を揺るがすものです。国際社会はウクライナ支援のために結束し、前例のない対応を行っております。我が国も、ウクライナからの要請を踏まえ、ウクライナへの強い連帯の意を表するため、防弾チョッキ、ヘルメット、防寒服、非常用糧食などを提供する方向で調整を行っています。
 先週金曜日、こうした支援について私からゼレンスキー大統領に直接伝えたところ、日本の貢献に対する謝意が示されたところです。困難に直面するウクライナの皆さんを支えるため、一日も早く必要な物資を届けたいと考えています。
 我が国は、主権と領土、そして祖国と家族を守ろうと懸命に行動するウクライナの国民と共にあります。引き続き、ウクライナへの支援、続けていく決意であります。
 以上です。

三浦信祐君 是非スピード感を持って当たっていただきたいと思います。
 三月二日、国連総会の緊急特別会合にて、ウクライナに対する侵略決議が採択をされました。その状況も踏まえつつ、ロシアによるウクライナ侵略は力による一方的な現状変更であり、インド太平洋地域でも許さないことを正確に、世界へ明確に示す必要がある中、三日の日、日米豪印、クアッド首脳テレビ会談が開催されました。結束が固いことを示す機会でありましたが、結果を伺いたいと思います。
 その上で、クアッドのみならず、G7、同志国を始め強力な経済金融制裁などを行い、ロシア軍の即時撤退を強く求めることを発信、行動すべきであります。
 総理に伺います。

内閣総理大臣(岸田文雄君) 今回のロシアによるウクライナ侵略は、欧州のみならずアジアを含む国際社会の秩序の根幹を揺るがす行為であります。明白な国際法違反であり、厳しく非難をいたします。
 先日の日米豪印、いわゆるクアッドのテレビ会議においては、ウクライナ情勢について率直な議論を行い、緊密に連携していくことを確認し、インド太平洋地域においても力による現状変更は認めない、こうした点で一致をした次第です。国際秩序の根幹を守り抜くため、国際社会が結束して毅然と行動しなければなりません。ロシアに対し強い制裁措置をとりつつ、即時の停戦と撤退を強く求めていかなければならないと考えています。
 我が国としては、今後の状況を踏まえつつ、G7、日米豪印を始めとする国際社会と緊密に連携して対応してまいります。今後、数か月のうちに東京で日米豪印首脳会合を開催いたします。こうした機会も活用し、日米豪印の連携、確認をしたいと考えております。

日本のエネルギー確保の具体的取り組みについて

三浦信祐君 しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 日本のエネルギー確保、原油価格抑制が緊急の課題であります。米国に対するシェールガスの増産の依頼など、また、原油取引先の安定的な確保、LNGのロシア供給途絶を想定した必要分量確保など、政府は具体的な取組を急ぐべきであります。
 現状の取組について、萩生田大臣に伺います。

国務大臣(萩生田光一君) お答えします。
 ロシアによるウクライナ侵略などを受けて、原油価格は一層上昇傾向にあることを踏まえ、原油市場の安定化に向けて主要消費国との連携の強化や産油国に対する原油の増産の働きかけを行ってまいりました。
 また、六千万バレルのIEA石油備蓄の協調放出に関し、我が国としては米国に次ぐ七百五十万バレルを民間備蓄から放出する予定であります。
 ロシアへの制裁強化に伴うLNGの影響については、現時点では我が国のエネルギー安定供給に直接的な影響が出ることは想定されていないものの、ロシアの金融機関がSWIFTから排除されたことなどにより間接的にエネルギー関連プロジェクトの操業に影響が出る可能性があり、ここはしっかり注視をしてまいりたいと思います。
 一方で、LNGは、電力、ガス会社において二、三週間程度の在庫を有しているほか、あらゆる可能性も視野に入れつつ、スポットマーケットからの代替調達や事業者間の融通など、安定供給確保に全力を尽くしてまいりたいと思います。
 国際的なロシア制裁強化の動きの中でエネルギーの安定供給と安全保障を最大限守るべき国益として、G7とも歩調を合わせ、適切に対応してまいりたいと思います。

私立高校授業料実質無償化における初年度先払解消への取り組みについて

三浦信祐君 材料や部品、そして電気代など、国民生活に直結をする原油の価格であります。是非、上昇を抑制する取組、不断なく取組を是非お願いをしたいと思います。
 公明党は、教育費負担の軽減を推進し、年収五百九十万円未満の世帯を対象に私立高校授業料実質無償化を推進し、実現をしてまいりました。コロナ禍ではセーフティーネットとしても効果が発揮をされております。
 一方で、私立高校入学時に授業料の先払いを求める学校が多いのが実態であります。初期負担をなくすために事前払い解消への取組などを国は進めるべきであります。そのためには親御さんへの事前情報の確実な提供、支払猶予ができる学校の増加は必須であります。
 自治体の事務処理加速、デジタル化を早急に進め、世帯年収の確定を図り、迅速な情報提供に取り組んでいただきたいと思いますが、文科大臣、いかがでしょうか。

国務大臣(末松信介君) 三浦先生御指摘のように、何人かの御父兄の方からどういうことになっているんだというようなお話がございます。したがいまして、この私立学校授業料の実質無償化に関しまして、先生の御指摘のとおり、その声があること、承知をいたしております。
 これは、保護者が私立学校授業料の実質無償化によりまして入学時に授業料の支払が発生しないと思っていたところに学校が授業料の先払いを求め、その後、都道府県による就学支援金の支給額の決定後に差額を還付するとの手続を取っていることに起因するものと理解いたしてございます。
 授業料の徴収時期などは各学校設置者の裁量に委ねておりますが、御指摘のような声を踏まえまして、文部科学省としては以下の二つの点を指摘したいと思います。指摘していきたいと思ってございます。
 一つは、授業料を納付することが困難な生徒、保護者に対しまして授業料の徴収を猶予すること、これ一点目。二つ目は、就学支援金の取扱いにつきましては、生徒募集要項や学校の説明会で適切な案内を行うこと。この二つを大事にしたいと思います。
 また、令和四年度から就学支援システムの、就学支援金ですね、この判定システムにマイナポータルとの連携機能を追加しまして、支援手続の更なる早期化を図っていく予定でございます。
 文部科学省としては、引き続き、システムの改善など、より支給手続の早期化に努めるとともに、正確な情報が生徒、保護者に伝わるように都道府県や学校関係者に周知を一層強化してまいりたいと思います。
 やはり父兄の方にとりましては、一時的に経済的な負担が大きいということと、先生御指摘のとおり、周知されていないという問題がございます。ただ一方で、短期間で退学する生徒も多いため、何人かおられるため、数か月間の授業料の納付を猶予し、後日まとめて徴収することが困難であるという、そういった問題もあります。
 いずれにしても、丁寧に親切な対応が必要だと思いますので、よろしく御指導のほどお願い申し上げます。

コロナ禍におけるメンタルヘルスケアについて

三浦信祐君 大臣、よく御理解をいただいて、ありがとうございます。
 神奈川県では、百四校あるうちに、今、事前払いをしなくていいですよというのは十一校、そして猶予しているのは七割程度であります。これ一〇〇%に持っていくということと、そして現場の声、しっかりと承っていただいて、多くの方々が、無償化だから払わなくていいというのが、急に言われると大変なことになります。制服も買わなきゃいけない、そういう実態もありますので、是非、先ほど御答弁いただいた内容、全国あまねく広めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 コロナ禍でメンタルヘルスリスク、メンタルヘルスリスクが増加し、ケアの重要性が高まっております。一昨年の九月、私が事務局長を務めます公明党うつ対策プロジェクトチームの要請に基づいて厚生労働省は即座に対応していただいて、心の状態をAIを活用してセルフチェックできる非接触型の相談システムであるKOKOROBOを創設し、研究の推進を共に図ってまいりました。テレビを御覧の方、KOKOROBO、メンタルと検索をしていただければホームページで出てまいります。
 現状、KOKOROBO実用化に向けた研究活用がなされている中、当初の想定以上に、中等症以上の方、また希死念慮を抱いている方が多いとの結果も出ております。多くの方を救うためにKOKOROBOに参画する自治体を増やし、多くの地域で活用できるようにするとともに、更なる研究促進を図っていただきたいと思います。是非取り組んでいただけませんでしょうか。

政府参考人(田原克志君) お答えいたします。
 KOKOROBOでございますけれども、遠隔型のメンタルヘルスケアシステムでございまして、AMED、日本医療研究開発機構で研究開発中のものでございます。ウエブ上で現在の生活や不安などの状態を入力して自分で心の健康を確認し、その結果に基づいて専門の相談員が遠隔で相談を行い、必要に応じて医療機関の受診を勧奨するといった機能を持つことを目指したものでございます。
 現在、自治体や医療機関との連携を行いながら研究の対象地域を増やしているところでございまして、このシステムを利用いただくことにより、自治体の保健師等の負担軽減や、相談しやすい環境づくりにつながると考えております。
 今後とも、様々な地域の方に研究に参加していただきたいと考えておりまして、AMEDと連携をして効果的なシステムとなるよう研究を推進してまいりたいと考えております。

コロナ後遺症対策について

三浦信祐君 是非推進をお願いします。
 新型コロナ感染者の増加に伴い、コロナ後遺症の方が増えております。対策は急務であります。後遺症の対策には、情報がほとんどない精神状況に関するデータの収集が欠かせません。脳波や血液等の情報も含めて一元的に集約し、オールジャパンで横断的にデータベース化を図り、病態解明、治療方法の開発につなげていただきたいと思います。開発には、KOKOROBO等の既存の研究事業等も活用していただきたいと思います。
 厚生労働大臣、是非取り組んでいただけませんでしょうか。

国務大臣(後藤茂之君) 新型コロナウイルス感染症の罹患後症状、特に精神に関する症状については、現在実態把握を進めており、令和四年度も引き続き実態を把握する厚生労働科学研究を行う予定でございます。また、症状や各種検査データを一元的にデータベース化し、病態解明等につなげていくことも、委員御指摘のとおり、重要な課題であると考えております。
 こうした取組を推進できるように、厚生労働省としては、御指摘のKOKOROBOの活用も含め、AMED、日本医療研究開発機構、事業等とともに連携を図ってまいりたいと思います。

CBTのオンライン診療促進について

三浦信祐君 是非、後遺症で苦しまれている方の希望になると思いますので、推進をお願いしたいと思います。
 うつ病に有効な治療法に認知行動療法、CBTがあります。そして、これは保険収載されております。うつ病と闘う方から、CBTを受けたいが、調べても一覧化されていないため、どこの病院で受けられるか分からない、午前中はどうしても体を動かすことができず、午後や週末に診療を受けられるようにしてほしいとの切実な声をいただきました。
 また、この声に応えていただくために、CBT受診可能な医療機関のリスト化を行い情報提供すること、受診機会の拡充へ精神医療へオンライン診療を活用すること、そしてCBTオンライン診療を通院外来保険点数に反映することで体制確保と促進を図ること、以上三つについて、是非、厚労大臣、進めていただけませんでしょうか。

国務大臣(後藤茂之君) オンライン診療に関する診療報酬上の取扱いは、令和四年度診療報酬改定におきまして、初診料の新設を行い、各種の点数について引き上げ、そして診療報酬の要件を緩和することといたしております。これにより、精神疾患を持つ患者さんもオンライン診療を活用しやすくなると考えております。
 現在、厚生労働科学研究費補助金やAMEDの研究班におきまして、認知行動療法の活用も含めた精神疾患のオンライン診療による治療の有効性を研究いたしております。この研究結果や関係学会等の御意見も伺いながら、精神疾患を持つ患者のオンライン診療に対する診療報酬の在り方について引き続き検討してまいりたいと思います。
 また、認知療法、認知行動療法、CBTを受けることのできる医療機関については、保険診療の届出医療機関をリストにまとめてウエブサイトなどで公表するなど、国民の皆様への分かりやすい情報提供方法について検討してまいります。

AIホスピタルの推進について

三浦信祐君 リスト化、是非お願いしたいと思います。
 医療の高度化、複雑化、さらにはコロナ禍により顕在化した医療従事者の負担の軽減を欠かすことはできません。科学技術イノベーション実現のために創設した国家プロジェクトであるSIP事業において、AIホスピタル実用化への取組が進んでおります。
 AIホスピタルでは、病棟における身体のチェック、また、診察等にマイクを通した音声入力によってAIを活用したカルテ入力ができるなど、医療の質、また、それの確保、従事者の負担軽減、加えて時間削減に多大な効果をもたらします。
 実用化へは、企業、病院、そして研究開発が一体として進めていくことができるAIのプラットフォームの開発が必須であります。そして、公的認証、いわゆるデジュールスタンダードではなくて、市場における実質的な業界標準、デファクトスタンダード化を図ることが極めて大切であり、政府一体となって後押しをしていただくことが急務であります。
 医療現場のデジタル化、AIホスピタルの実用化へ、支援、そして強力な推進をお願いしたいんですけれども、総理、いかがでしょうか。

内閣総理大臣(岸田文雄君) 委員御指摘のように、医療現場の負担を軽減する取組、これは誠に重要であり、戦略的イノベーション創造プログラム、SIPにおいて、AI、IoTなどを医療現場に実装することにより、業務の効率化を図り、医療従事者の抜本的負担軽減の実現を目指すAIホスピタルシステムの構築に取り組んでおります。
 御指摘のAIプラットフォームについては、AIを用いた画像診断ソフトウエアなどの新しい技術が医療現場で利用され、定着するためには、現場にとって使いやすいプラットフォームをつくることが重要であり、このために民間企業等と日本医師会が連携して開発などを担う主体を組織し、プラットフォームの社会実装に向けて取り組んでいるところです。
 引き続き、政府一体となってAIホスピタルシステムの社会実装に取り組んでまいりたいと考えます。

医療用ラジオアイソトープの国産化について

三浦信祐君 研究に当たられる方は一生懸命やられていますので、是非後押しをお願いしたいと思います。
 がん対策に用いる医療用ラジオアイソトープの国産化について伺います。
 パネルを御覧いただきたいと思います。(資料提示)
 核医学治療についてですけれども、核医学治療とは、医療用の放射性同位体、これラジオアイソトープ、RIとも言いますけれども、物質を含む医薬品を静脈の注射若しくは経口投与し、病変だけに集まって放射線を当て、がんをたたく治療方法であります。病変以外の臓器の機能を保ち、正常細胞への影響が小さく、体への負担が小さい、そういう利点があります。
 しかし、医療用ラジオアイソトープの大半が輸入であるということ、世界最先端のがん治療で細胞殺傷効果の高いアルファ線を用いたアクチニウム225内用療法などの研究は世界から二十年遅れとも言われ、核医学治療推進への対策が急務であります。
 そこで、私と同僚の公明党の秋野公造参議院議員とともに、昨年の五月、参議院の決算委員会にて、核医学治療に使う医療用ラジオアイソトープの国産化、そのために必要な高速研究炉「常陽」の運転再開を強く求めさせていただいた結果、成長戦略フォローアップに試験研究炉等を使用したラジオアイソトープの製造に取り組むと明記され、担当大臣も明確化もできました。
 その責任者であります総理に伺います。
 ラジオアイソトープの国産化に当たり、技術伝承できる人材の期限が迫り、技術者の確保、試験研究炉「常陽」を期限内に、確実にかつ早急に運転再開が必要であります。がん患者の皆さんから、一日も早い創薬の希望が寄せられております。スケジュールを死守していただきたいと思います。是非、総理、取り組んでいただけませんでしょうか。

内閣総理大臣(岸田文雄君) ラジオアイソトープと呼ばれるこの放射性同位元素には、がんの診断や治療にも使用される医療用のものもありますが、これらの医療用ラジオアイソトープの多くは海外からの輸入に頼っていることから、その国産化に向けた取組は経済安全保障の観点からも重要であると考えています。
 この点、国産化に向けては、高いエネルギーの中性子を活用してがん治療に高い効果が期待されるラジオアイソトープを国内で大量に生産することができる施設が必要であり、原子力機構が保有する高速実験炉「常陽」が最も高い能力を有した施設であることから、この施設の安定的運用がラジオアイソトープの国産化に資するものと承知をしています。
 しかしながら、この施設については、現在、新たな規制基準に適合するため、運転を停止し安全審査を行っていることから、早期の運転再開について関係学会を始め各方面から多くの要望が寄せられています。
 この御指摘の技術、そして今委員の方から御指摘がありました技術承継の課題については、「常陽」の安全かつ安定的な運用を通じて、人材育成と技術基盤の構築に取り組むことが重要だと考えています。
 こうしたことを踏まえ、「常陽」については、安全審査への適切な対応を前提とした早期の運転再開に向けて取組を進めてまいります。

三浦信祐君 昨年の十一月、小林大臣に医療用ラジオアイソトープの国産化と安定供給、大量生産可能な「常陽」の運転再開の予算確保を要望させていただきました。大臣からは後押しをしたいとお答えをいただいて、決算委員会での質疑を網羅した上で、内閣府の原子力委員会で、医療用等ラジオアイソトープ製造・利用専門部会を即座に発足をしていただきました。
 ラジオアイソトープの製造から医薬品化、現場での活用まで一貫性を実現するためには、各省庁の役割に横串を刺して、そして横断体制が必要であります。経済安全保障の観点からも、ラジオアイソトープ製造国産化の推進には、司令塔機能をつくり、予算化、人材確保、そして特に必要な規制緩和も行うべきであります。
 アクションプランを早急に作り、オールジャパン体制を整えていただきたいと思いますが、小林大臣、是非取り組んでいただけませんでしょうか。

国務大臣(小林鷹之君) 三浦先生を始め与党の議員の皆様からも高い関心を示していただいている御指摘の医療用のラジオアイソトープでございますけれども、この医療用RIの国内製造や安定供給体制の確立につきましては、我が国の医療体制の充実だけではなくて、今おっしゃっていただいたように、経済安保の観点からも重要な政策と認識しておりまして、昨年十一月、原子力委員会の下に専門部会を設置したところであります。
 この専門部会では、医療用を始めとするラジオアイソトープを製造するための研究開発から、放射性医薬品の実用化、サプライチェーンの確立、そして医療現場での活用に至るまでの取組が切れ目なくつながっていくように、克服すべき課題や必要となる対策などについて議論を行っているところでございます。
 今後、原子力委員会としてアクションプランを早急に取りまとめまして、関係府省庁が連携して実施に移していくこととなります。我が国において医療用RIの製造と利用が着実に進むように、関係省庁とも連携しながらアクションプランの早期策定に向けて議論を深めてまいります。

三浦信祐君 是非、大臣、先頭に立ってやっていただきたいと思います。
 がん対策に資する医療用ラジオアイソトープの製造、研究、そして活用について、科学技術イノベーション政策に明確に位置付けた上で、健康・医療戦略、がん対策推進基本法に明示をしていただきたいと思います。国民の皆様の命を守ることに直結します。具体的な経済安全保障の一つの位置付けとして総理が先頭に立って国産化、戦略化を推進をしていただきたいと思います。
 総理、いかがでしょうか。

内閣総理大臣(岸田文雄君) 国産の医療用ラジオアイソトープの製造を進め、患者の元に届けることは、我が国の医療充実の観点のみならず、経済安全保障の観点からも大変重要だと認識をいたします。政府の定める、関係する各種戦略等に適切に位置付け、政府一体となって取り組むよう検討を進めてまいります。

神奈川湾岸地域の創薬のホットスポット化について

三浦信祐君 力強い御決意をいただきました。是非お願いしたいと思います。
 コロナ感染症の流行で、日本の創薬力強化の必要性を国民の皆様を始め痛感をしております。世界では人材と技術、資金が集中する創薬のエコシステムが確立をされているのに、日本では強いエコシステムは存在していないと言っても過言ではありません。
 しかし、神奈川には、理化学研究所の生命医科学研究センター、IMSや、iPS細胞全ゲノム解析能力等の研究基盤や実用化に不可欠な動物実験の供給源であります、日本で唯一WHOから認証を、認定を受けている実験動物中央研究所などがあり、そして湘南アイパークもあります。
 今後、再生医療拠点として総合的な中核拠点機能を果たし得る能力も高いと思います。難病や難治性のがん、脊髄損傷など、治療方法がないものへの治療手法導出が期待でき、多くの方々への希望につながってまいります。その上で、官民連携体制の環境が整っている神奈川の湾岸地域について、経済発展に寄与できる創薬のホットスポット化を国家戦略として実現をしていただきたいと思います。
 御地元の山際大臣、是非御答弁願います。

国務大臣(山際大志郎君) 神奈川に限らず、ライフサイエンス、特にその創薬という部分においては、バイオの部分で相当日本は遅れたということは間違いない話だと思っております。その問題意識を持って、全国でその意思のある地域に関しては応援をしようというふうに思っておりますが、特に、地元ということだけではなくて、神奈川は、お示しいただいた資料にもあるように、藤沢、横浜、川崎と相当バイオの拠点がそろっておりますから、ここの場をしっかり利活用して、バイオ医薬品に限らずですけれども、創薬の部分に関してもしっかり後押しをしていきたいと思っております。

三浦信祐君 是非国民の皆様の命と、そして未来を守るために、政府一体となって取組を進めていただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。