国土交通委員会(2019年5月9日)

三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。
 まず冒頭、答弁は求めませんけれども、大臣にお願いがございます。
 このゴールデンウイーク中にドローンが都心上空を飛んだという案件がありました。参議院では航空法の先議をさせていただいて、衆議院に今、航空法の改正案を送ったところではありますけれども、DID地区であるということ、また重要施設の上空であったというその報道もあり、加えて夜でもありました。航空法を所管する国交省として、しっかりこの事案も総括をしていただき、今後の安全対策のことも含めて検討していただきたいということをまず冒頭お願いをさせていただきたいと思います。
 法案について質問に移らせていただきます。
 オイルショックを契機として昭和五十四年に制定されたエネルギーの使用の合理化等に関する法律、すなわち省エネ法により住宅、建築物について規定がなされ、その後、省エネ法から建築物の規定を移行するとともに見直しを行う建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律、すなわち現行の建築物省エネ法が平成二十七年の六月に成立をしております。
 まず、建築物省エネ法に基づくこれまでの取組状況について伺います。その上で、なぜ今回法改正することとしたのでしょうか。意義について、大臣に御答弁をお願いしたいと思います。

国務大臣(石井啓一君)  我が国のエネルギー消費量の約三割は住宅、建築物に関連する業務・家庭部門におけるものであり、住宅、建築物の省エネ性能の向上は地球温暖化対策の推進等の観点から重要な課題と認識をしております。このため、住宅、建築物の省エネ対策の充実に向けまして平成二十七年に制定をされました建築物省エネ法に基づきまして、大規模なオフィスビル等を対象とした省エネ基準への適合義務制度、中規模なオフィスビルやマンション等を対象とした届出義務制度、建て売り戸建て住宅を大量に供給する事業者を対象とした住宅トップランナー制度等の措置を講じてまいりました。
 本改正案は、平成二十八年十一月にパリ協定が発効し、省エネ対策の更なる充実が喫緊の課題となっていることを踏まえまして、住宅、建築物の規模、用途ごとの特性を踏まえつつ、より実効性の高い総合的な省エネ対策を進めようとするものでございます。

三浦信祐君 今大臣から御答弁いただきましたように、COP21でパリ協定が採択されて、既に発効されております。温室効果ガス排出削減のために、日本は二〇三〇年度までに二〇一三年度比二六・〇%減の水準とすることを目標としております。この実現、達成のために、平成二十八年の五月十三日に閣議決定をされた、先ほどもありましたけれども、地球温暖化対策計画等において、二〇二〇年までに新築の住宅、建築物について段階的に省エネ基準適合を義務化することとされておりましたけれども、なぜ本法案では見送られたのでしょうか。また、この法案でパリ協定の削減目標は達成できるのでしょうか。

政府参考人(石田優君)  お答えを申し上げます。
 先ほど御指摘ありました二十八年五月の閣議決定されました地球温暖化計画におきましては、規制の必要性や程度、バランス等を十分に勘案しながら義務化を進めていくということが示されているところでございます。この閣議決定の方向性を踏まえながら住宅、建築物の省エネ対策の充実につきまして検討を進めてまいりましたけれども、住宅や小規模の建築物につきましては、省エネ基準への適合率が低い水準にとどまっているために、適合義務制度の対象とした場合に市場の混乱を引き起こすことが懸念されること、また関連する事業者に省エネ関連の技術について習熟していない者が相当程度存在していることなどの課題があることから、本法案におきましては適合義務制度の創設とはせずに、届出義務制度の監督体制の強化、説明義務制度の創設、住宅トップランナー制度の対象拡大などの措置を総合的に進めることで省エネ性能の向上を図るということにさせていただいたところでございます。
 また、パリ協定を踏まえた地球温暖化計画におきましては、二〇一三年度から二〇三〇年度までに新築をされます住宅、建築物について、エネルギー消費量を原油換算で六百四十七万キロリットル削減することが目標として設定されたところでございます。
 将来におきますエネルギーの消費量は、今後の関連施策の推進状況や市場の状況等にも左右されるところでございますが、本法案に盛り込まれました施策が的確に実施されるという前提で行った試算によりますと、この目標とされていますエネルギーの削減量を達成することができる見込みでございまして、この点につきましては、社会資本整備審議会にも御報告をし、確認をいただいているところでございます。

三浦信祐君 是非実効性あるものにしていただきたいと思います。
 本法案第十一条では、建築確認手続において、省エネ基準適合義務化の対象となる特定建築物についての範囲を中規模建築物に拡大することとしております。具体的には、政令にて延べ面積の下限を二千平方メートルから三百平方メートルに見直すと想定をされております。
 新築段階における省エネ性能の確保は、既存ストックとしての運用段階における省エネ効果にもつながることを踏まえれば、三百平方メートル以下の小規模建築物も対象とすることが考えられます。しかし、今般、対象拡大範囲を中規模建築物としたのはなぜでしょうか。

政府参考人(石田優君)  お答えを申し上げます。
 御指摘のとおり、建築物の新築段階において省エネ性能を確保することは、既存建築物となった後の活用が長期間にわたってエネルギーの消費量の削減につながることから、非常に重要であると考えております。
 こうした点も踏まえまして、本法案では、中規模の建築物については、省エネ基準への適合率が現状九割程度の水準に既に達していて、円滑に適合義務化が進められると考えられること、新築の件数が比較的少なく、必要となる審査体制も円滑に整備されることが見込まれることなどから、総合的にそれらを勘案して適合義務制度の対象に追加するということにさせていただきました。
 一方で、小規模の建築物につきましては、先ほども御答弁いたしましたとおり、市場の混乱を引き起こすことが懸念されるなどの課題があることから適合義務制度の対象とはせずに、説明義務制度の創設などによりまして省エネ性能の向上を図ることとしているところでございます。

三浦信祐君 これ、将来的には削減をするというところが大事でありますので、不断の見直しも検討もしなければいけないのかなというところは感じるところであります。
 本法案では新築を中心とした措置が盛り込まれております。現状の経年建築物が新築となった場合には、本法案に基づく省エネ基準適合となっていきます。しかし、中規模以下の建築物の新築が進まない限り、本基準に適合していかないことになっていきます。新築の観点のみならず、既存の建築物、すなわちストック対策が重要であると考えます。
 リノベーションへの注目が集まってきている中、どのように既存建築物ストックの改修に係るパリ協定削減目標を達成していくのでしょうか、具体的取組を伺います。

政府参考人(石田優君)  お答えを申し上げます。
 御指摘のとおり、省エネ対策の推進につきましては、新築の建築物に係る対策と併せまして既存の建築物に係る対策を推進することが極めて重要であると考えております。
 本法案では、新築の建築物の省エネ性能を向上させるための措置を中心として構成しておりますけれども、既存建築物の一定規模以上の増築、改築につきましても、今般の改正に係ります適合義務制度の拡充や説明義務制度の創設の対象となるところでございます。また、既存建築物の省エネ性能の向上を図るため、既存建築物に対しまして、省エネ改修工事に対する財政上の支援措置も実施しているところでございます。
 委員から御指摘がありました、パリ協定を踏まえた既存建築物の改修によるエネルギー削減の目標につきましては、平成二十八年五月に閣議決定された地球温暖化計画におきまして、二〇三〇年度においてエネルギー消費量を原油換算で四十一・一万キロリットル削減することが規定されているところでございます。
 本目標を達成するため、建築物につきましては、合計で二億七千万平米程度の改修をこの期間に行うことが必要となりますが、これまで実施してまいりました既存建築物の省エネ対策の効果も含めまして、これまでのところ、省エネ改修の進捗はこの目標の達成に向けましておおむね順調な推移を示しているところでございます。
 このような措置を今後より一層推進することによりまして、既存建築物に係ります省エネ対策にもしっかりと取り組んでいきたいと考えております。

三浦信祐君 是非推進をしていただきたいと思います。
 中規模建築物の省エネ基準適合義務化により適合判断の審査対象が増加すること、加えて、届出義務制度の監督体制強化に当たっては行政庁や民間審査機関の体制の確保が重要であると考えます。
 現状、都道府県四十七、比較的大規模な市二百三十五、特別区二十三が建築物省エネ法に基づく建築物エネルギー消費性能適合性判定を行う所管行政庁となっていると承知をしております。大規模な市といっても、経験や人員の課題が今後生じる可能性も想定もされております。加えて、登録省エネ判定機関数は八十五であります。現行体制で対応可能なのでしょうか。また、対応する人員は確保されていくのでしょうか。

政府参考人(石田優君)  お答えを申し上げます。
 本法案におきまして、中規模のオフィスビルなどの適合義務制度への対象の追加、またマンションなどに係ります届出義務制度の監督体制の強化に係る措置を盛り込んでいるところでございます。これらの措置を効果的に推進するためには、御指摘のとおり、所管行政庁及び民間の審査機関におきます計画の審査業務が円滑に行われることが必須となってまいります。
 適合義務制度につきましては、所管行政庁又は民間の省エネ判定機関が計画の審査を行うこととされておりますが、現状、約九割の物件が省エネ判定機関において審査が行われている実態がございます。中規模建築物の計画の審査が今後対象に入ってまいりますけれども、これにつきましても、既に実務を担っております民間の省エネ判定機関が中心となってその実務を担うことになると考えております。
 これらの機関に対しますアンケート調査によりますと、適合義務制度の対象の拡大が実施されます二年間の準備期間におきまして、約九割の機関が中規模建築物の計画の審査に必要な体制を整備することは可能であるという回答を得ているところでございます。
 このように、中規模建築物の計画の審査に必要な体制を整備することは可能であると考えておりますが、省エネ判定機関の準備状況などを丁寧にフォローアップしながら、必要に応じて体制充実に向けた調整等を行ってまいりたいと考えております。
 また、届出義務制度につきましても、本法案におきまして、省エネ基準に適合していることを証明する民間審査機関による評価書が提出される場合に、その事務、行政庁の方の事務を簡略化するということで、審査手続の合理化を進めることとしております。
 この際に利用されます民間審査機関の評価書は、既に一定程度普及しております住宅性能表示制度の活用を想定しているところでございまして、大きな混乱を生じないものと考えておりますけれども、審査業務が円滑に実施されるか注視をいたしまして、必要に応じて体制の充実に向けた調整等を図っていきたいと考えております。

三浦信祐君 明確に御答弁いただいて、ありがとうございました。重ねて、円滑に制度が実施できる体制であるということをしっかりと担保していただきたいと思います。
 次に、本法案において、予算に関連した支援として、複数の建築物の連携による省エネ性能向上計画の認定を受けたプロジェクトに対して、コージェネレーション設備の整備費等を支援することとされております。本法案が成立した場合、どの程度取組を行う事業者を見込んでいるのでしょうか。
 また、既存の建築物を前提ですけれども、エネルギー発生供給源設備について、既存の施設などを活用する、あるいは新たに施設整備をして近接、近傍の建築物等へのエネルギー供給の連携を前提に設備投資をすることができれば、地球温暖化対策に効果が得られると考えます。そこで、複数の既存建築物が連携してエネルギーマネジメントシステムを改修し、高効率熱源を導入する場合にも支援の対象となるのでしょうか。
 二つお答えいただければと思います。

政府参考人(石田優君)  本法案におきましては、高い水準の省エネ性能が確保されました住宅、建築物を特定行政庁が認定いたしまして、容積率の特例措置を認めます省エネ性能向上計画認定制度の対象に複数の建築物が連携したプロジェクトが対象になるように、その追加措置を盛り込んだところでございます。
 また、本法案に基づき特定行政庁の認定を受けた複数建築物が連携したプロジェクトに対しましては、エネルギー供給施設の整備等を補助いたします省エネ街区形成事業の創設を今年度の予算に盛り込んだところでございます。
 関連事業者からのヒアリングなどによりますと、複数の建築物の連携によりまして高い水準の省エネ性能を確保するプロジェクトにつきましては、現時点において全国で十五を超える案件が計画されていると承知をしております。また、本事業につきましては、既存の建築物を改修して高い省エネ性能を確保するケースも補助の対象とさせていただいたところでございます。
 なお、具体の補助事業の採択等につきましては、法案等が成立した後に対象事業の公募など所定の手続を経た上で行われることになるため、現時点で具体の地区数等を確定することは困難でありますけれども、本補助制度の活用などによりまして、多くの複数の建築物の連携による開発プロジェクトの具体化が促進されるものと考えているところでございます。

三浦信祐君 是非、正確に情報提供もしていただいて、今後新たに計画をする際にもこの制度が活用できるということもしっかり宣伝をしていただきたいと思います。また、そういう意味では予算の確保もしっかりと応援をしていかなければいけないということもお伝えいただいたのかなというふうに承知をしました。
 次に、本法律案でトップランナー制度の対象拡大を規定し、年間住宅供給戸数が政令で定める数以上、いわゆる一定以上の事業者を大手住宅事業者、法律の文章上では特定建設工事業者とする予定としてあります。
 初めに、この一定以上の具体的な数、またその該当者数はどの程度だと見込んでおられるのでしょうか。
 また、次に、住宅事業者においては統廃合や事業拡張等により供給戸数が増減するケースも想定をされます。該当基準日をどのように規定していくのか。
 また、企業の統廃合あるいは事業拡張によって対象事業者となった場合、技術的対応も必要となること、あるいは、現状建築途中、設計途中の場合も想定されるなど、決定をすべきことがあります。このような場合に、トップランナー制度の対象となる事業者の混乱を招くことがないよう、対象とする事業者の要件や取組状況に関する報告の対象期間等について、明確に設定した上で事業者に周知し、安易に変更しないことが重要だと考えますが、取組方針はどのようになっているのでしょうか。是非明確にお答えいただきたいと思います。

政府参考人(石田優君)  お答えを申し上げます。
 現行のトップランナー制度では、建て売り戸建て住宅を大量に供給する事業者を対象として制度を運用しております。この対象につきましては、戸数に係る要件は対象事業者による年間の供給戸数の合計が建て売り戸建て住宅の年間の総供給戸数のおおむね半分になるような水準として設定しておりまして、まず具体的には各年度で年間百五十戸以上を供給するものを対象としているところでございます。
 また、今回の法案におきまして住宅トップランナー制度の対象に追加することとしております注文戸建て住宅及び賃貸アパートにつきましても、この現行制度と同様の考え方で戸数に係る要件を設定することを想定しております。具体的には、注文戸建ての住宅については、各年度で三百戸以上供給する事業者、おおむね七十社程度になると想定しております。また、賃貸アパートについては、各年度で一千戸以上を供給する事業者、事業者数で約十社程度になると想定しておりますが、そういったものを対象にすることを今考えているところでございます。
 こういった対象者の選定の要件につきましては、現行制度が平成二十一年度から導入されて運用しておりますけれども、関係事業者に広く周知を行うことによりまして、この要件に関して関係事業者における混乱は生じていないというふうに理解しているところでございます。
 さらに、報告の関係につきましては、取組状況に関する報告の対象期間は、現行制度同様に、各年度の一年間に供給された住宅におけるトップランナー基準の達成状況について翌年度に、一年ごとにまとめて報告を徴収するということにしております。
 また、こうした要件などにつきましては、対象事業者における混乱が生じませんよう、これまでも安定的に運用してきているところでおり、引き続き適切な運用を図っていきたいと考えております。
 このように、今回の制度拡大につきましては、現行制度を基本踏襲いたしますので大きな混乱は生じないと考えておりますけれども、お聞きのとおり、制度を円滑に運用していくために、対象とする事業者の要件などについて関係事業者への周知徹底を図ることが重要でございますので、その点についても的確に進めていきたいと考えているところでございます。

三浦信祐君 明確に答えていただいて、ありがとうございました。
 次に、トップランナー制度については、基準適合状況が不十分である、性能向上を相当程度行う必要があると認める場合など、必要に応じ国が対象事業者に対し勧告、命令等を行うこととしていますが、どのように状況確認等を行い、実効性を担保していくのでしょうか。これも大事なことですので、是非明快にしていただければと思います。

政府参考人(石田優君)  お答えを申し上げます。
 トップランナー制度におきましては、対象事業者の取組状況を把握するために、国が対象事業者に対しましてトップランナー基準の達成状況に関する報告徴収を毎年行っていくことになります。この報告内容を踏まえまして、トップランナー基準に照らして省エネ性能向上を相当程度行う必要が認められるときは、国から対象事業者に対し省エネ性能向上を図るべき旨の勧告をすることができるということになります。さらに、事業者が国による勧告に従わなかった場合にはその旨の公表、また勧告に係ります措置をとることを命ずることができるという制度となってございます。
 また、仮に報告内容に疑義がある場合でございますが、この場合には、建築物省エネ法の規定に基づきまして追加の報告徴収を行いますとともに、同じく規定に基づきまして事業者の事務所や工事現場などの立入調査を行うことが可能でございます。
 住宅トップランナー制度につきましては、こうした枠組みを最大限活用しながら、制度の適切な運用を図っていきたいと考えているところでございます。

三浦信祐君 本法律案では、設計を行った建築士に対し、建築主への省エネ性能の評価等に関する説明を義務付けることとしております。一方で、現実的に高い省エネ性能の住宅等が建設されるよう、中小建設業者等の技術力の向上も必要であります。省エネ基準に習熟していない建築士や中小建設業者も当然おられると思われますけれども、これらの者が省エネ基準等に対応できるようにするためにはどのような対策を行っていくのでしょうか。先ほど来ありますけれども、確認をさせていただきます。

政府参考人(石田優君)  お答えを申し上げます。
 本法案に盛り込まれました施策を進めていく上におきましても、住宅の建設の担い手であります中小工務店などの技術力の向上が非常に重要であると考えているところでございます。このため、建築士や中小工務店などを対象とした省エネ技術に関します講習会を平成二十四年度より実施しております。
 本講習会におきましては、平成三十年度までに延べ十三万人受講いただいておりますが、それでもなお、中小工務店に対するアンケート調査によりますと、約五割が省エネ計算ができないというような回答をいただいているところでございまして、引き続き技術力の向上を進めることが必要な状況だと理解しております。
 こうした状況も踏まえまして、省エネに関する技術力の向上に向けた準備のための期間も考慮して、説明義務制度の施行日は法律の公布から二年以内という規定とさせていただいております。また、本法案の施行までの準備期間におきまして、建築士や中小工務店等向けの講習会を全国各地でより一層推進することを予定しております。さらに、建築士や中小工務店などが省エネ基準の適否を簡易に判断することができるようにするために計算シートを整備することを予定しておりまして、当該計算シートに関する情報につきましても当該講習会において提供していきたいと考えております。
 これらの措置を進めることによりまして、建築士や中小工務店等が円滑に省エネ対策に取り組むことができる環境を整えていきたいと考えているところでございます。

三浦信祐君 是非、どちらかといったら電子化ということも好きじゃないというケースもあるでしょうし、手でやった方が、紙と鉛筆の方がいいという方も当然おられると思います。多様なニーズにも応えられつつ、シンプルにすることが実効性担保になると思いますので、更なるいろんな制度の研究もしていただきたいと思います。
 最後に、一つ飛ばせていただきますけれども、パリ協定による温室効果ガスの削減には、建築物のみならず運輸部門なども大きく関わっております。これら運輸部門も含めた国土交通省所管の部門についての温室効果ガス削減対策、省エネに向けた取組についていかがでしょうか。石井大臣に伺います。

国務大臣(石井啓一君)  我が国のエネルギー消費量の約三割は住宅、建築物に関連する業務・家庭部門におけるものであり、また約二割は運輸部門におけるものであるなど、温室効果ガスの削減を通じた地球温暖化対策につきまして、国土交通省の役割は非常に大きいと考えております。
 温室効果ガスの削減につきましては、地球温暖化対策計画に基づき目標の達成に向けて政府一体となって取り組んでいるところでありますが、国土交通省におきましては、住宅、建築物の省エネ対策に加えまして、都市のコンパクト化や公共交通網の再構築等を通じた低炭素型の都市・地域づくり、自動車の環境性能の向上を促す燃費基準の設定や財政的支援等の施策にも取り組んでいるところであります。
 今後とも、地球温暖化対策の推進の重要性を踏まえまして、住宅、建築物分野において本改正案に盛り込まれた措置を的確に推進することを始めといたしまして、国土交通省の所管する各分野において更なる歳出削減に向け、関係省庁と連携をしつつ、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

三浦信祐君 是非、大臣のリーダーシップの下、皆さんで進めていただきたいと思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。