国土交通委員会(2019年3月12日)

三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。
 昨日、東日本大震災から八年を迎えました。改めて、被災をされた方々にお見舞いを申し上げます。
 防災・減災、復興を社会、政治の主流にしていくことが国民の生命と財産を守ることに直結をいたします。国土交通行政が担う役割はますます重要であります。国としてできること、自治体と連携を強化すべきこと、それぞれの役割を存分に発揮していただきたいとの思いで一つ一つ伺わさせていただきます。
 水防災意識社会の構築について質問いたします。
 近年、全国各地で多発しているゲリラ豪雨について、浸水・洪水対策が必要です。人口が集中している大都市部では、地表から地中に吸い込む領域が少ないために排水能力の向上が求められております。現在、東京、横浜、名古屋、大阪、福岡等、大都市市街地域の施設設計に当たっての計画降雨はどのようになっているのでしょうか。

政府参考人(塚原浩一君)  お答え申し上げます。
 大都市におけます下水道による浸水対策につきましては、一時間当たり五十から六十ミリメートル程度の降雨を対象に計画がされておりまして、整備が進められております。
 また、一部には、過去に甚大な被害が発生した地区や地下街を有する地区など、重点的な地区といたしましては、これについては一時間当たり七十から八十ミリ程度の降雨への対策に取り組んでいる都市もございます。

三浦信祐君 近年の気候変動により時間当たりの雨量が増加をしております。五十ミリではなく、むしろ今、八十ミリ、百ミリという時間当たりの雨量になっているのがよく報道されます。
 局所的にも集中豪雨もあります。また、台風の大型化、強力化が進んでいること、その進路が従前では想定できない進路を進んでいること、そして上陸回数も増加していることなど、従前の雨量とは異なる状況となっております。
 今後、防災を軸としたまちづくりの上でも、排水路の設計、計画規模を現状に対応していく必要があると私は思います。そのためにも排水能力向上などの対策を急ぐべきだと考えます。石井大臣、いかがでしょうか。

国務大臣(石井啓一君)  平成三十年七月豪雨など近年の頻発する大規模な水害の教訓を踏まえまして、災害リスクに関する知識と心構えを社会全体で共有し、様々な災害に備える水防災意識社会への転換を図り、整備効果の高いハード対策と住民目線のソフト対策を総動員していく必要があると考えております。
 排水能力の向上につきましては、計画を超える降雨が増加する中、河川改修等の治水事業と雨水排水施設や貯留施設などの下水道事業が連携した整備が重要であります。国土交通省といたしましては、雨水排水施設の整備などの排水能力の向上等の対策について、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策にも盛り込むなど、今後とも財政的な支援を実施をしてまいります。
 あわせて、事業推進のためのガイドラインの整備や、各都市で行われた好事例の横展開などの技術的な支援を行ってまいりたいと考えております。

三浦信祐君 是非強力に進めていただきたいと思います。
 豪雨時の地下街の浸水対策についても従来以上に講じなければならないと考えます。これまで以上に是非取り組んでいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

政府参考人(塚原浩一君)  地下街の浸水対策につきましては、水防法で避難確保・浸水防止計画の作成を義務付けておりまして、平成三十年三月時点で、対象となります一千百九の施設のうち七二%に当たります八百一の施設で計画が作成されたところでございます。
 このような計画の作成を円滑に推進するため、計画作成の手引きの公表であったり、接続するビル等が多い地下街に対しては、協議会を設置をいたしまして連携した計画を作成するよう助言をいたしたり、あるいは計画作成の参考となる優良事例の収集、公表などを実施しているところでございます。また、止水板等の浸水防止用設備の設置を促進するため、助成制度や税制特例措置等も設けているところでございます。
 今後は、更に市町村と連携いたしまして、地下街における浸水対策の導入促進に向けた説明会を新たに開催するなど、地下街の利用者の避難確保及び浸水対策が着実に推進できますよう、一層取り組んでまいりたいと思っております。

三浦信祐君 今、自治体とも連携をというふうに言っていただけました。自治体のノウハウを、国からのノウハウを是非しっかり伝えていただきたいと思いますし、また、地下街によっては、高齢化が進んでいる中で経営者がその店舗をそのまま運営をしていないというケースもあって、財政体力の課題もあるかもしれませんので、是非幅広に検討をしていただきたいと思います。
 明年のオリンピック・パラリンピックを見据え、大会期間中、万が一の豪雨に備え、東京都心部における重要な移動手段である地下鉄などへの浸水対策についても取組が急務であります。当然、全国的に行う必要があるとは思いますけれども、現状、東京圏での地下鉄への浸水対策の対応内容、そして対策が必要な箇所数、どれぐらい対策が済んでいるのでしょうか。確実に大会開催までに終えておくべきだと私は考えますけれども、いかがでありましょうか。

政府参考人(蒲生篤実君)  お答え申し上げます。
 河川の氾濫やゲリラ豪雨等の発生時に地下駅等への浸水を防ぎ、多くの鉄道利用者の安全を確保することは非常に重要と認識しております。このため、地下鉄事業者等は、地方公共団体の作成したハザードマップの浸水想定等を踏まえ、地下駅の出入口の止水板の設置やトンネルへの防水扉の設置等の浸水対策を行っており、国土交通省では、これらの浸水対策が促進されるよう補助制度を設けて地下鉄事業者等への支援を行っているところでございます。
 東京都内におきましては地下駅は二百七十一駅あり、そのうち、平成三十年十二月末時点で百七十九駅、約六六%の浸水対策が完了しております。なお、地下駅への出入口、換気口、トンネル坑口等の箇所ベースでは約八〇%の対策が完了しているところでございます。
 国土交通省としては、東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、引き続き地下鉄事業者等の浸水対策が着実に進むよう取り組んでまいりたいと思います。
 以上でございます。

三浦信祐君 六六%、そして排水関係は八〇%との御答弁をいただきました。是非一〇〇%を目指すように是非連携を取っていただきたいと強くお願いをしたいと思います。
 住宅地ではなく、商業地における水害リスクの周知はどのように考えられているのでしょうか。例えば大都市部において水災害が発生した場合、地域外からの就労者、邦人、外人問わず、観光客が理解できる体制になっているのでしょうか。確認が必要だと私は思います。自治体、企業等と連携をし、例えばアプリなどのようなものを作成し、広めたりすること、あるいは町じゅうに看板等での見える化を図るなど、災害対応の情報提供体制の強化を図るべきだと思います。
 特にオリンピックの最中には、多くの外国の方が夏、雨が降る時期に来ていただくことにもなります。見える化が図られないことが、安全に運営ができないようなことがあってはならないと私は思います。総じて取り組んでいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

政府参考人(塚原浩一君)  水害が発生した場合には、住民だけでなく、通勤者や旅行者など地域外から一時的に滞在している方々も被災するおそれがございますので、誰でもどこにいても水害リスク情報が把握できるということが重要だというふうに考えております。
 例えば、御指摘のように、生活空間である町の中に想定される浸水の深さや避難所の情報などを表示する、まるごとまちごとハザードマップと呼んでおりますけれども、このような施策であったり、あるいはスマートフォンの位置情報を活用した水害リスクの周知などは、地域の水害の危険性を実感し、避難の実効性を高めるために重要な取組であると考えておりまして、このような事例の共有、普及に努めてまいりたいというふうに思います。
 また、水害ハザードマップ作成の手引きというのを作ってございますけれども、その中では、外国人観光客などを念頭に、日本語版だけでなくて英語版などの多言語で水害ハザードマップを作成するということといたしております。
 このように、国土交通省といたしましては、引き続き、大規模氾濫減災協議会等の場も活用しつつ市町村とも連携しながら、広く多様な方々が地域の水害リスクを理解できるよう情報提供体制を強化してまいります。

三浦信祐君 極めて大事なことだと思います。見える化を図るということ、そして、ふだんからそういうことがあった場合にはどうすればいいかということも不断の取組として行っていただきたいと思います。
 個人のタイムラインと大規模河川等を考慮したタイムラインとの隙間、例えば小河川であったり、ごく短時間で溢水する水路などについて、自治体がタイムライン作成に知見を持ち得ていない場合もあると伺っております。加えて、最近、基礎自治体において、防災対応、建築土木の知見、経験を有している専門的な職員が不足をしているという声も伺っております。地域防災計画を作成する体力が必要であります。住民にとっては、国と県と市町村との役割分担を強調されたとしても、実の部分が重要だと思います。
 その上で、災害発生時の公助を担う自治体への水防災関係の計画、タイムライン作成の支援等について、国は知見の提供、技術支援、細かくアドバイスできる体制、また相談できる体制の強化をすべきだと私は考えます。いかがでしょうか。

政府参考人(塚原浩一君)  国土交通省におきましては、平成二十七年九月の関東・東北豪雨災害を契機といたしまして策定いたしました水防災意識社会再構築ビジョンの取組の一つとして、河川管理者と関係市町村等による水害対応タイムラインの作成を推進しているところでございます。
 このタイムラインにつきましては、国管理河川では関係する七百三十の市町村で策定が完了しているところでございますけれども、地方自治体が管理する河川等への普及にも資するよう、このタイムラインの策定・活用指針を平成二十八年八月に取りまとめ、地方自治体に周知をしたところでございます。都道府県が管理をする河川につきましては、二〇二〇年度末までに水害対応タイムラインの策定を完了させることとしておりまして、二〇一八年十二月末の現在で、全体の約四八%に当たる五百六十二の市町村で策定がされているところでございます。
 御指摘のとおり、地方自治体によっては、タイムライン作成の経験や知見等をお持ちでないこともございますので、国土交通省といたしましても、都道府県管理河川における大規模氾濫減災協議会への参画、あるいは各河川事務所に設置された災害情報普及支援室での相談など、様々な機会を通じまして、これまでの取組で得られたノウハウ等を生かして積極的な技術的支援に努めてまいります。

三浦信祐君 皆様の知見が国の中での生命を守るということに直結をしてくることであります。住民に直接ということではなくて、自治体の担当者であったり、また首長さんとも連携を取る、相談ができる体制というのを是非強化をしていただいて、その事例も更にまたフィードバックをする体制を取っていただきたいとお願いいたします。
 次に、災害発生時の命綱である、全国で約十万キロ指定されている緊急輸送道路について伺います。
 緊急輸送道路について、災害発生時に障害物が道路を覆ってしまえば当然使用することができなくなります。いざというときに緊急輸送道路が役割を果たせるようにするために、道路近傍に設置されているものの倒壊リスクを除却する取組をすべきだと思います。特に、無電柱化の促進は効果的であると考えます。これらについて、石井大臣、いかがでしょうか。

国務大臣(石井啓一君)  大規模災害時の救命活動や復旧活動において、緊急輸送道路の通行が確保されていることが重要であります。
 昨年九月の台風二十一号では、大阪府を始めといたしまして多数の電柱倒壊による道路閉塞が発生をいたしまして、救命活動等に支障を来すなど、国民生活に重大な影響がありました。
 このため、無電柱化推進計画や防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策に基づきまして、二〇二〇年度までの三年間に、緊急輸送道路等において二千四百キロメートルの無電柱化に着手することとしております。また、新設電柱の占用禁止措置につきまして、直轄国道のほぼ全線に導入するとともに、地方公共団体が管理する緊急輸送道路への拡大に取り組んでいるところであります。
 国土交通省といたしましては、引き続き、今後の大規模災害に備え、電柱等の倒壊リスクを低減することで緊急輸送道路の安全性の確保、向上に努めてまいります。

三浦信祐君 緊急輸送道路に接続する道路についても、倒壊リスク除却の対策が必要だと考えます。特に、避難所とつながる道路等についての対応は欠かせません。地方自治体の地域防災計画へのアドバイスをより強固にするなど、実効性を担保するためにも、国と自治体との連携強化を図るべきだと私は思います。これについていかがかなと。また、支援などのメニューはどのようになっているのでしょうか。

政府参考人(池田豊人君)  緊急輸送道路と避難所などを接続する道路につきましては、緊急車両が通行できる幅員を有すること及び災害時の通行確保に必要な体制を備えておくことが重要であると考えております。このため、地方公共団体に対し、啓開活動に向けた建設事業者との災害協定の締結や、占用物件の点検などのソフト対策を十分に実施するよう指導、助言に努めておるところでございます。
 また、無電柱化や必要な道路拡幅などのハード対策を組み合わせて所要の機能が確保されるよう、交付金などで支援をしてまいりたいと考えております。

三浦信祐君 その上で、これまでの災害発生をした場合における道路への災害対応支援、これを実施したことはあるのでしょうか。実績や対応などの内容について伺いたいと思います。

政府参考人(池田豊人君)  大規模災害時の救援や速やかな復旧のために早期の道路啓開が極めて重要であると認識をしております。例えば、平成三十年七月豪雨の際に大規模な浸水被害を受けました岡山県倉敷市真備地区におきましても、国交省の方で、県管理の国道、県道、市道、全体で十四路線、約二十八キロでございますけれども、車道上の瓦れき撤去を約一週間ほどで完了したところでございます。
 今後とも、緊急輸送道路などの復旧に重要な道路が被災をしたときには、県道においても国において必要な道路啓開を行うことや、テックフォースなどによる災害対応を行ってまいりたいと考えております。

三浦信祐君 是非、今後とも、万が一のときには、これまで以上にこれまでの知見を生かして対応していただきたいということをお願いしたいと思います。
 緊急輸送道路に接している建造物の耐震化も欠かすことはできません。老朽建築物、空き家、耐震強度に不安がある建物の存在が発災時に道路への障害物化するリスクを取り除いていかなければいけないと思います。緊急輸送道路に接している建造物の耐震化の推進が必要と考えますが、対策をしっかりと行うべきです。いかがでございましょうか。

政府参考人(石田優君)  お答えをさせていただきます。
 緊急輸送道路沿道の建築物の耐震化は非常に重要な課題であると考えております。このため、平成二十五年の耐震改修促進法の改正によりまして、地方公共団体が耐震改修促進計画に位置付けました緊急輸送道路等の避難道の沿道の建築物の所有者に対しまして、各地方公共団体が定めた期限までに耐震診断を実施して、その結果を報告することが義務付けられているところでございます。本年の二月末現在で、十七の都府県、また六十八の市町村がこうした避難道路を計画に位置付けているところでございます。
 また、この措置によりまして耐震診断が義務付けられました建築物につきましては、耐震診断を全額公費負担とするとともに耐震改修に対する補助率を引き上げるなど、重点的な支援を行っているところでございます。
 引き続き、公共団体との緊密な連携を図りながら、緊急輸送道路沿道の建築物の耐震化の促進に努めてまいりたいと考えております。

三浦信祐君 是非お願いします。
 緊急輸送道路は河川をまたぐ場合も当然あります。橋梁の耐震化の取組はいかがでしょうか。また、当然、道路自体の耐震化も不可欠であります。現状を伺います。

政府参考人(池田豊人君)  道路の橋梁についての耐震化は、平成七年の阪神・淡路大震災以降進めてきております。このうち緊急輸送道路については、橋脚の補強などにおきまして、落橋や倒壊を防止する対策をこれほぼ完了をしております。また、大規模地震時に路面に大きな段差が生じる場合がございますので、支承の補強などを推進しておりまして、平成二十九年度末時点で緊急輸送道路の約七八%の橋梁について対策が完了しているところでございます。
 さらに、緊急輸送道路をまたぐ道路につきましても、落橋や倒壊によります下の緊急輸送道路の道路閉塞を防止するために、耐震化に対して、地方公共団体に対し防災・安全交付金により支援をしているところでございます。
 引き続き、橋梁の耐震対策を進めてまいりたいと考えております。

三浦信祐君 緊急輸送道路上に架かる線路や駅、またその鉄道のオーバー、アンダークロスの耐震化への取組状況は併せていかがでしょうか。

政府参考人(蒲生篤実君)  お答え申し上げます。
 首都直下地震や南海トラフ地震の発生時に多くの鉄道利用者が安全を確保するとともに、緊急輸送道路の通行を確保することは非常に重要と認識しております。
 このため、首都直下・南海トラフ地震で震度六強以上が想定される地域等においては、耐震補強に関する国土交通省の省令に基づきまして、利用者の多い路線や駅の耐震化と併せて、緊急輸送道路と交差、並走する線区にある高架橋の耐震化を二〇二二年度までに行うよう鉄道事業者を指導しているところでございます。また、このような耐震対策が促進されるよう、補助制度や税制優遇措置を設けて鉄道事業者への支援を行っているところでございます。
 緊急輸送道路と交差、並走する鉄道施設の耐震対策については、高架橋柱及び開削トンネルの中柱の耐震補強、落橋防止装置の設置によりまして、平成二十九年度末時点で約九六%の対策が完了しているところでございます。
 国土交通省としては、引き続き緊急輸送道路と交差、並走する鉄道施設の耐震対策が着実に進むよう取り組んでまいる所存でございます。
 以上でございます。

三浦信祐君 是非、多岐にわたる局の皆様方にこの緊急輸送道路のメンテナンス、また整備をしていただいていると思いますけれども、一か所でもおかしいことが起きればその役割を果たすことができなくなります。そういう面におきましては、どうか結束をして、皆様方で一日も早く一〇〇%を目指して頑張っていただきたいとお願いをさせていただきます。
 次に、上下水道管の老朽化対策について伺います。
 上下水道管は、地中等への埋設から数十年経過することで老朽化が生じていきます。近年、上水道では、破損によって道路が壊れ水が噴き出した事例や、湧き出して道路が水浸しになる事案、下水管の破損によって道路の陥没が発生をしております。
 下水道管渠延長は、平成二十八年度末で約四十七万キロあると承知をしております。高度経済成長期に集中して整備されたものが多く、今後急激に耐用年度を迎え、施設の維持管理、修繕、補修、取替え等が行われなければなりません。
 まず、事実関係を伺います。上下水道管、下水道管、それぞれ掌握をしている事故の年間発生件数はいかがでしょうか。

政府参考人(宮嵜雅則君)  お答え申し上げます。
 議員から御指摘のありました上水道管が破裂して水が噴き出した件数という形ではちょっと把握していないところですが、全国の水道管において発生した漏水や濁水、バルブ等の設備異常等の事故件数は、平成二十八年度において年間約二万六千件となっております。この平成二十八年度の事故件数は、熊本地震の影響で前年度、二十七年度からやや増加しておりますが、トレンドで見ますと、十年前の平成二十年頃が年間約三万七千件程度発生していたものが、その後徐々に減少してきているという状況でございます。

政府参考人(塚原浩一君)  下水道管についてでございますけれども、下水道管の老朽化等に起因する道路陥没の発生件数につきましては、平成二十年度の年間では約四千百件であったのに対しまして、平成二十九年度では年間約三千件というふうになってございまして、その件数は緩やかに減少している傾向となってございます。

三浦信祐君 取替えが進みつつあるという認識ではあると思いますけれども、件数としてはやはりゼロであることが理想だと思います。
 その上で、被害が発生する前に破損箇所を発見するためにも、上下水道管自体や道路下での漏水、空洞化が生じていないか検査、点検や更新が重要だと思います。
 これまでどのような取組をしてきたのか、水道管と下水道管、道路、それぞれ別々だと思います。今後更なる体制強化をすべきだと考えます。設置主体者、管理者への支援、そういう観点で見たメニューはどのようになっているのでしょうか。

政府参考人(宮嵜雅則君)  お答え申し上げます。
 今議員から御指摘がありましたとおり、道路に埋設されている上水道管の事故を防ぐために、水道管の重要度や道路条件などの危険度等に応じて巡視や漏水調査などを行いつつ、土壌条件や水道管の材質等の情報も踏まえ、老朽化した水道管を計画的に更新していくことが重要です。
 厚生労働省では、昨年十二月に成立いたしました改正水道法において、水道事業者等に対し水道施設の点検を含む維持修繕を義務付けるとともに、適切なアセットマネジメントを実施し、長期的な視点から水道施設の計画的な更新、耐震化に努めることを義務付けたところです。
 また、基幹となる水道管路の耐震化に要する費用の一部については生活基盤施設耐震化等交付金による財政支援を実施しており、これらの措置を通じて水道管の老朽化対策を適切に推進してまいります。

政府参考人(塚原浩一君)  下水道についてお答えをいたします。
 道路陥没の未然防止に向けまして、下水道管の適切な点検や改築は大変重要と認識をしております。このため、平成二十七年に下水道法を改正いたしまして維持修繕基準を創設し、下水道管の定期的な点検や、その結果に基づく適切な改築等の措置を義務付けたところでございます。
 また、平成二十八年度より下水道ストックマネジメント支援制度を創設いたしまして、地方公共団体における計画的な点検、調査、改築を防災・安全交付金等により財政的にも支援をしております。
 国土交通省といたしましては、これらの取組を推進いたしまして、下水道管に起因する道路陥没の未然防止等に努めてまいります。

政府参考人(池田豊人君)  陥没などの事故を未然に防ぐ上では、道路の路面下の空洞を早期に発見することが重要と考えております。
 このため、国交省では、日々の道路パトロールでの早期発見に努めているほか、都市部など路面下に空洞が発生する可能性が高い区間を対象に、路面の下の空洞調査を実施をしております。
 具体的には、平成二十九年度、国で管理しております道路延長の約一四%でこの空洞調査を実施しておりまして、約二千二百か所の空洞が発見され、速やかな補修を実施したところでございます。
 また、地方公共団体についても、舗装の維持修繕ガイドブックなどにより空洞の発見方法などを周知をしております。
 引き続き、技術的な支援に努めてまいりたいと考えております。

三浦信祐君 今、水道管、それも上水と下水と、また道路ということで、実は、立体的に三つの部局にわたって取り上げていかなければいけない課題だということがあります。当然、それぞれの財政的な支援もしていただき、技術支援もしていただいていると思いますけれども、道路を通るのは、その部署に分かれているということは分からない人が通っております。それぞれ点検がきちっと連携を取りながら共有されて、問題が起きないように、これからも対応していただきたいと思います。
 大口径の水道管では、掘り返して交換する場合コストが極めて高くなります。これまであるストックを生かした効率の良い工法、長寿命、低コストを実現するための工法に対して引き続き支援をすべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。

政府参考人(塚原浩一君)  大口径の下水道管につきましては、水量が多く、施設が大規模となるために、道路を掘り返して新たな下水道管を布設するということは、交通への影響やコストの面から、一般的には実施が困難というふうに考えております。そのため、大口径管の老朽化対策といたしまして、道路を掘り返さずに既存の下水道管を使用しながら管の内側から補強を行う、いわゆる更生工法が実用化をされております。
 国土交通省といたしましては、このような更生工法による下水道管の改築を防災・安全交付金等の交付対象としておりまして、引き続き、こういった大口径管の老朽化対策を支援してまいります。

三浦信祐君 是非、その知見のアドバイスも自治体にお願いしたいと思います。
 次に、横浜港の高潮対策について伺います。
 昨年、台風二十一号により、神戸港のコンテナターミナル等において高潮や高波による甚大な被害が生じました。ガントリークレーン等が損傷、復旧工事に時間が掛かったため、全ての航路再開に要したのは約三か月でありました。一方、ヤードに積まれていたコンテナは暴風により多数倒壊、一部は水域に流出し、神戸港で二日、大阪港で三日、船舶の航行の制限が出されました。
 重要な港湾に高潮被害が発生することで港湾利用が妨げられ、結果として我が国の経済に大きな打撃を及ぼす可能性があることを示したものだと言えます。
 国際戦略港湾に位置付けられている横浜港は、二〇一七年のコンテナ取扱量は全国二位であります。YKIPの設立以降、順調に航路の拡大、コンテナ取扱量が増大をしております。加えて、日本最深の水深を誇る南本牧埠頭のMC4の運用も予定をされ、コンテナ船の大型化による更なる取扱量の増大が予想されております。ここに高潮被害が発生した場合に甚大な影響が出ることは想像に難くありません。
 そこで伺います。昨年の台風二十一号を踏まえた横浜港の高潮対策はどのようになっておりますでしょうか。

政府参考人(下司弘之君)  お答え申し上げます。
 昨年の台風二十一号の際、大阪湾では過去最高の潮位を記録し、神戸港等の海岸保全施設より海側、いわゆる堤外地が浸水をいたしました。この結果、委員御指摘のとおり、コンテナの倒壊や漂流、電気設備の故障等が発生し、港湾の利用が一時的に困難となったことから、港湾における高潮対策の推進は大変重要な課題と認識してございます。
 このため、国土交通省では、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策として、コンテナ流出対策、電源浸水対策、防潮堤のかさ上げ等を集中的に実施してまいります。
 ただいま委員からお尋ねのありました横浜港についてでありますが、市街地の地盤が比較的横浜港は高いため、現状では一部を除き海岸保全区域が指定されてございません。しかしながら、神奈川県が策定しました浸水想定によれば、市街地の一部や重要な物流施設が浸水するリスクがあるとされてございます。これを受けて、横浜市において順次海岸保全区域の指定を行った上で、護岸、胸壁等の施設整備を進めることとしてございます。あわせて、あらかじめ取るべき防災行動を整理した高潮リスク低減方策ガイドラインに基づき、防災行動計画の策定にも取り組んでおります。
 国土交通省としましても、引き続き、横浜市のこれらの取組を積極的に支援してまいります。

三浦信祐君 是非、経済を支える港湾でありますので、横浜市とも連携を取っていただいて進めていただきたいと思います。
 首都直下地震が発生し、横浜港の機能が停止すると、首都圏はもとより、日本経済全体に影響を及ぼすと考えられます。貿易の物流の大半を担う海運が安全、安定的に活用できることが経済の血流と言っても過言ではありません。我が国の経済のためには、災害発生時にも港湾が海上物流拠点として運用、機能している必要があります。特に、首都直下地震に対しては、個別の港湾はもちろんのこと、東京湾全体としての対策が必要です。
 首都直下地震の発生が想定をされている中、横浜港を含め、東京湾での海上物資輸送をしっかり確保するためにあらゆる取組をしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

政府参考人(下司弘之君)  お答え申し上げます。
 東京湾において首都直下地震などの大規模災害が発生した場合、政府の緊急災害現地対策本部が東京港の有明に設置され、その指揮の下、川崎港の基幹的広域防災拠点に支援部隊及び支援物資を集結し、湾内被災地の耐震強化岸壁に物資を海上輸送する体制を構築してございます。
 また、支援物資を受け入れる港湾におきましては、最低限の港湾機能を維持するため、行政及び港湾、物流関連企業の活動を確保することが必要であることから、そのための計画、いわゆる港湾BCPを国土交通省を始めとする関係機関で策定するとともに、これらの機関が連携した実践的な訓練を実施し、実効性の確保に努めております。
 今後とも、国土交通省としては、これらの取組を着実に進めることにより港湾の海上輸送の拠点としての機能を確保、向上させてまいりたいと考えております。

三浦信祐君 ありがとうございます。よろしくお願いします。
 次に、海上コンテナ物流について質問させていただきます。
 まず、海上コンテナを輸送する事業者から何度となく、海上コンテナ車両が荷待ちのための時間、ゲート前待機時間が極めて長いとの話を伺います。すなわち、ターミナルゲートの渋滞が深刻な状況であるとともに、待ち時間の間輸送ができないため、その経済損失は大きいと言えます。
 効率化が図られれば、輸送回数が増加をし、配送能力が増加した結果、輸送会社、ドライバーの賃金アップにも直結をいたします。生産性向上、働き方改革のためにも、荷待ち時間が短縮できる取組が急がれます。先ほど述べましたように、横浜港では更なる大型コンテナ船の入港も予定される中、効率化、渋滞解消、そして輸送能力向上を図ることが全て連携していかないといけません。
 まず、伺います。京浜港における荷待ち時間の現状はどのようになっていますでしょうか。

政府参考人(下司弘之君)  コンテナターミナルゲートにおきましては、貨物が入った輸入コンテナの搬出、輸出コンテナの搬入、これらに加えまして、空コンテナの引取りや返却を行うための車両を全てゲートで処理する必要がございます。これに加えて、ターミナルゲートの処理能力の不足でありますとか、コンテナが引取り順に蔵置されていないことによる非効率性等により、ゲート及びその周辺の道路において渋滞が発生するものと認識しております。例えば、東京港、横浜港におきましては、コンテナ搬出入車両のゲート待ち、ゲート前の待ち時間が平均で一時間以上にも及ぶとの調査結果がございます。
 国土交通省といたしましても、このような渋滞の緩和を図ることが重要であると認識しております。

三浦信祐君 国交省さんが対策を取っていないわけではないということ、これはよく分かります。
 その上でお尋ねをします。荷待ち時間短縮の取組の一つとして行われているAIターミナルとはどのような内容なのでしょうか。AIターミナル化が図られた場合、どのような効果、どれぐらいの時間短縮を生み出すと考えているのでしょうか、伺います。

政府参考人(下司弘之君)  お答えいたします。
 国土交通省においては、世界最高水準の生産性と良好な労働環境を有するAIターミナルの実現に向けまして、AIを活用し、可能な限りコンテナを引取り順に積むこと、あるいはコンテナオペレーションを最適化するための実証事業を実施してございます。AIターミナルの実現により、コンテナ船の運航スケジュールを守った上で、コンテナ搬出入車両のゲート前待ち時間がほぼ解消することを目指して取組を進めております。
 なお、AIターミナルのうち、先行的な取組として、平成二十八年度から平成三十年度まで、横浜港南本牧コンテナターミナルにおいて、情報技術を活用し、ターミナルゲート処理能力を向上させるための実証事業を実施してございます。本実証事業の結果、搬出時のゲート処理時間が約二割、搬出時のゲート前待機時間が約五割、それぞれ削減されたことが確認できております。

三浦信祐君 これ、極めて重要な取組だと思います。
 そうなってきますと、導入するために様々準備をしなければいけないことがあると思います。実証実験の結果を生かしていく中で、準備という観点から質問させていただきます。
 AIターミナルを導入する場合、どのような設備導入、初期準備が必要なのでしょうか。また、当然、運送事業者も準備が必要であります。必要な備品、設備なんかはどのようなふうになっているのでしょうか。

政府参考人(下司弘之君)  お答えいたします。
 AIターミナルの実現に当たっては、各コンテナターミナルにおいて新たなシステムを導入するなど、一定の初期投資が必要となります。一方で、ターミナルオペレーションの最適化により、ターミナル運営に係るコストが低減され、ターミナル全体の生産性が向上することを目指しております。
 なお、トラック事業者等のターミナル利用者においても、ターミナルのシステムにアクセスする手段などに係る費用負担が生じる可能性がございます。このため、関係者と協議しながら進めてまいりたいと考えております。

三浦信祐君 是非、運送事業者の皆さんの体力を維持するためにも、適正な価格ということ、そして適正な価格を提供できるように様々な技術を導入していただきたいとお願いをさせていただきます。
 AIターミナル、非常にいいことだと思います。一日でも早く確立をして、時間短縮、効率向上へ導入をしていただきたいと思います。石井大臣、今後の見通しはいかがでしょうか。

国務大臣(石井啓一君)  AIターミナルの実現に向けまして、本年度よりターミナルオペレーション最適化のための実証事業を実施をしておりまして、二〇二〇年度まで引き続き実施をしてまいります。
 また、お尋ねがありましたAIターミナルの実現に向けた今後の見通しにつきましては、平成二十九年十二月に閣議決定をされました新しい経済政策パッケージに基づき、本年度中にAIターミナルの実現に向けた具体的な目標と工程を策定をいたしまして、公表することとしております。
 国土交通省といたしましては、今年度中に公表いたしますこの目標と工程に沿って取組を進め、世界最高水準の生産性と良好な労働環境を有するAIターミナルを実現してまいりたいと考えております。

三浦信祐君 是非、大臣、リーダーシップを取っていただいて、完成を目指して頑張っていただくとともに、これが横浜だけではなくて、兵庫であったり愛知であったり、また福岡であったり、大きな貨物を取扱いをする、コンテナを取扱いをするようなところにも展開をしていただく。さらには、世界最高水準でありますから、その知見を世界に売っていく、それぐらいの取組であると私は思いますので、大臣、またしっかり取り組んでいただければと思います。
 来年度予算案の中に、交通の安全、安心の確保という項目で、踏切や通学路における安全対策の推進の項目にて、高速道路における逆走対策、歩行者等の誤進入対策の推進とあります。これに基づいて質問いたします。
 高速道路の逆走による痛ましい事故が時折発生をしております。政府として把握している事故件数等も含め、逆走についてどのような御認識でしょうか。

政府参考人(池田豊人君)  高速道路の逆走は、二〇一八年に年間二百件発生をしております。年齢別では、六十五歳以上の方の逆走が約六割を占めるなど、高齢者によるものが多いということに特徴がございます。また、逆走により発生した事故は、二〇一八年に年間三十二件発生しておりまして、非常に危険な事象であると認識しております。
 このため、逆走が発生しやすいインターチェンジなどを中心に対策を実施しております。こうした対策の結果、二〇一八年は二〇一六年に比べ逆走の事故が約四割減少いたしました。
 しかしながら、いまだ逆走による事故はなくならないことから、国交省としても、警察庁や高速道路会社と連携して継続して進めていくことが必要であると認識しております。

三浦信祐君 一か月に三件弱、これは少ないと捉えるのか多く捉えるのか。逆走というのはそもそもあってはいけないこと。法令上の上だけで議論するのではなくて、実際に起こらないという対応が大事だと思います。
 一つ飛ばさせていただきます。
 運転者の年齢が高齢化社会に合わせて高くなっております。逆走事故の運転者が、今御報告いただいたように四五%が高齢者で占められている現状、年齢を広げますと六割。対策を打たなければなりません。
 逆走防止について、未然の対策を進めることが極めて重要であります。現状、どのような対策を考え、今後どのような対応を計画をされているのでしょうか。道路側と車両側、それぞれ対応できることがあると考えます。いかがでしょうか。

政府参考人(池田豊人君)  逆走防止につきましては、これまで道路側の対策として、インターチェンジやジャンクションなどでの合流部で路面の標示を行うことや、Uターンなどを防止するポールの設置などの物理的、視覚的な対策を行ってまいりました。この対策につきましては、高速道路の区域内では約九割を完了いたしました。今後は、一般道側からの誤進入の対策につきまして推進をしていく考えでございます。
 また、行き先を間違えた車に対して間違えた区間の料金を免除して、転回を安全、適切に誘導するなどの措置を講じてまいりたいと考えております。
 また、車両側の対策としては、これまでにカーナビゲーション技術などの活用により、逆走しているおそれがある場合に運転者に警報を発する機能が実用化をされております。
 今後も、引き続き、高度な自動運転技術の開発を進めていく中で、車両側における逆走抑止技術の一層の進展が図られるよう取り組んでまいりたいと考えております。

三浦信祐君 今御答弁いただいたこと、車両の技術でカバーできること、ただ一方で、自動運転化までの今端境期のとき、ここで事故があってはならないと思います。是非メーカーさんともよく連携を取っていただきたいと思います。
 もう時間もありませんので、最後。外国人観光客の増加によって外国人運転者が増える中、母国では走行車線が左右異なることに起因する逆走も起こり得ます。レンタカー業者の皆様にも協力をいただいて、逆走事故防止も含めた安全対策に取り組んでいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

政府参考人(奥田哲也君)  お答え申し上げます。
 国際航空旅客動態調査によりますと、訪日外国人の増加に伴いまして、主要空港から出国するまでにレンタカーを利用した外国人の数の推計値は、平成二十四年二十六・七万人から、平成二十八年百八万人の約四倍に増えているものと承知をいたしております。
 このため、訪日外国人に対するレンタカーの事故防止対策として、レンタカー協会などにおきまして、英語、中国語及び韓国語での日本の交通ルール、道路標識、運転の際の注意点などを説明する冊子の配付、外国の方が運転していることが周囲のドライバーに分かる専用ステッカーの作成といった取組を行ってきております。
 また、関係機関の連携によりまして、日本と海外の交通ルールの違いを周知する安全運転啓発動画というものを作成をいたしまして、日本政府観光局のホームページや大手レンタカー事業者の営業所などで放映をいたしております。さらに、レンタカー協会におきましては、昨年一月に、訪日外国人向けサービス向上アクションプランを策定いたしておりまして、従来の取組に加えまして、新たに交通ルールなどの情報を多言語で提供するドライブ支援アプリの開発など、一層の事故防止対策及び利用環境の向上に取り組んでいるところでございます。
 国土交通省といたしましては、事故防止の取組について関係者と連携しながら、日本を訪れた外国人ドライバーが安全、安心に運転できる環境づくりに取り組んでまいります。

三浦信祐君 終わります。ありがとうございました。