予算委員会(2018年03月15日)

受動喫煙防止対策について

三浦信祐君 おはようございます。公明党の三浦信祐です。
 国民生活の安心と安全について、待ったなしの課題について質問をさせていただきます。
 来年のラグビーワールドカップ、再来年の東京オリンピック・パラリンピックの開催が迫り、外国人観光客の方が今後もたくさん日本へ来られます。世界から日本が、健康への対策、特に受動喫煙防止に対する施策が取られているか、厳しく見られるときでもあります。中でも、お子さんへの対策は一日も早く取り組まなければならない課題です。受動喫煙防止対策について、加藤大臣のこれからの取組、決意を伺います。

国務大臣(加藤勝信君) この第四次安倍内閣の組閣時においても、総理から、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに向けて受動喫煙対策を徹底するため必要な法案を国会に提出するようにという、こういう指示をいただき、その中で、望まない受動喫煙を防ぐためにどのような対策が必要なのか、政府内、もとより公明党を含めて与党においても御議論をいただき、そして九日に健康増進法の一部を改正する法律案として閣議決定し、今国会に提出をさせていただきました。
 この法案は、望まない受動喫煙の防止を図る観点から、多数の方が利用する施設等について、その区分に応じ、当該施設等の一定の場所を除き喫煙を禁止するとともに、当該施設等の管理権原者が講ずべき措置等について定めたものでございます。
 これにより、多数の方が利用する施設について法律上原則屋内禁煙となる、そして喫煙可能な場所には二十歳未満の者は立ち入らせないこととなる、その上で必要な経過措置等を設けるものでありますが、我が国の受動喫煙対策についてはこれまでは努力義務ということで自主的な対応によっていたわけでありますが、これからは法律上新たに設ける義務の下で段階的かつ着実に前に進んでいくものと考えております。
 いずれにしても、望まない受動喫煙のない社会の実現に向けて、各種支援策の推進、普及啓発の促進も含めて、総合的かつ実効的な取組を進めていくことが必要だと考えております。

ピクトグラムについて

三浦信祐君 施設や領域、場所等が禁煙か喫煙か、また、日本人も外国の方も誰が見ても一目瞭然で分かるように、禁煙のマーク、喫煙のマーク、例えば飲食店ならば、たばこに対するスタンスが分かる統一のピクトグラムを作り、明示させるようにしていただきたいと思います。
 その上で、デザインを公募して、子供たちと御家族等に選んでいただく、また、将来の健康のことを考える機会となる高校生や大学生にも選んでいただいて、禁煙の啓発を通し国民的理解を深め、さらにはISO、JIS規格等の取得まで取り組んでいただきたいと思います。後手ではなく先手を打って、今からでも取り組んでいただきたいと思います。
 前回、一九六四年の東京オリンピックは、新幹線などのハードのピクトグラムがレガシーとなりました。禁煙のピクトグラムを見れば二〇二〇年東京オリパラを思い出せる、ソフトの面でレガシー化を図ることができます。加藤大臣、ピクトグラムを含めて実現をしていただけませんでしょうか。

国務大臣(加藤勝信君) 先ほど申し上げた今国会に提出をいたしました健康増進法の一部を改正する法律案では、禁煙措置や喫煙場所の特定を行い、喫煙が可能となる場所に掲示を義務付けると、こういうことになっております。掲示については、今ピクトグラムという委員からの御提案もございましたけれども、これはやっぱり誰にでも分かりやすい、そうしたものである必要があるというふうに思います。今後、モデル的な様式をお示しすることも含めて、しっかりと検討を進めていきたいと思っております。
 いずれにしても、望まない受動喫煙をなくすという観点からは、国民全体としてこの受動喫煙対策を進めていくことが必要でありますので、そういった意味からも、どうやってそこを示すかということも含めて、総合的かつ効果的な推進の具体的な在り方、これについて引き続き検討していきたいと思います。

サイバー防衛部隊の創設、再任用制度を通じたOBの活用について

三浦信祐君 続いて、小野寺防衛大臣に伺います。
 サイバー防衛部隊が創設されると承知をしております。今後、サイバー対策に対応できる人員、人材確保、セキュリティーの面からも、運用、開発経験がある自衛官、技官等のOB人材を活用すべきだと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

国務大臣(小野寺五典君) 委員は防衛大学校での教育経験もおありであります。日頃、防衛省・自衛隊に対して様々な御示唆、ありがとうございます。
 サイバー防衛隊は、前回私が防衛大臣でありました平成二十六年三月に創設をいたしましたが、今般、日々高度化、巧妙化するサイバー攻撃の脅威に適切に対応するため、平成三十年度予算案において約四十名の増員等を行い、約百五十名の規模まで整備をすることとしております。
 また、人材育成、確保については、高度な知識、技能、経験を有する隊員の確保が極めて重要であると考えており、日頃より部内における教育、国内外の教育機関への留学や民間企業における研修、キャリアパスの設定など人材育成に努めており、今後その充実化を更に進めてまいりたいと思っています。
 御指摘の防衛省・自衛隊における勤務を通じて技能等を培った自衛官、技官等のOBの人材の活用もサイバー防衛体制強化にとって重要であると認識しており、官民人事交流制度や役務契約等による外部人材の活用とも併せまして、再任用制度を通じたOBの活用を今後とも積極的に推進してまいりたいと思っております。

三浦信祐君 大臣、是非積極的に進めていただきたいと思います。
 その上で、厳しい安全保障環境の中、自衛隊に課せられた任務、負担が増大をしております。加えて、近年災害が頻発し、災害派遣も増加をしております。国民の皆さんにとって、一番最初に頼り、そして一番最後に頼る自衛隊であります。部隊運用、任務遂行のためには、現場、前線の自衛官の人員、人材確保が何よりも大切だと考えます。
 大臣、提案ですけれども、再任用の制度を拡充するのみならず、部隊運用上での事務、後方支援の一部業務、教育部隊、術科学校等の一部教官などのポストに定年退官後の経験ある自衛官のOBの力をお借りしてはいかがでしょうか。また、単年の再任用制度だけではなくて、一度退職をされた自衛官の方にもその経験を中長期的に生かせる雇用制度をつくってはどうでしょうか。こうなりますと、退職された女性自衛官も、転勤がないという観点から見ても、協力をしていただけることになると思います。これによって現場へ自衛官が配置ができ、人員上での負担軽減も実際にはできるようになると思います。是非検討の上、導入をしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

国務大臣(小野寺五典君) 我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、自衛隊が与えられた任務を遂行する上で基盤となる自衛官の人員、人材を確保していくことは重要であります。
 そのような中で、防衛省・自衛隊においては、毎年、自衛官候補生の採用等必要な人員の確保に努めてはおりますが、近年、募集環境がますます厳しくなる中にありまして、定年を迎えた自衛官の再任用を今委員がおっしゃっておりますように進めております。現在、約九百十名の方々が業務に従事しており、また、自衛官勤務の経験のある方々について採用できる制度について近年活用されていなかったところ、本年一月に十二名の採用を行いました。
 今委員が御指摘になりましたが、特に女性自衛官、結婚を機に、あるいは子育てを機に任務を離れたという経験のある自衛官が多数おります。この自衛官の活用というのは、私ども、日本の安全保障にとって欠くべからずことだと思っております。
 いずれにしても、自衛官の人材、人員の確保は引き続き大きな課題でありますので、御指摘も踏まえまして、自衛官OBの活用も含め、既存の業務分担を必ずしも前提とすることなく、いかなる対応策を取るべきか、今後しっかり検討してまいります。

ドローンの活用について

三浦信祐君 是非、女性の活用という部分でも、後方支援の部分もしっかり応援をしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 続いて、ドローンの活用について質問をいたします。
 災害対処や現場情報収集に、また部隊警備やテロ対策に備えるために、自衛隊としてドローンの導入、整備と利活用を進めるべきだと考えます。長期的展望も踏まえた体制整備を行っていただければというふうに強く思います。山本副大臣、いかがでしょうか。

副大臣(山本ともひろ君) 御質問ありがとうございます。
 三浦委員におかれましては、防衛大学校で教鞭を執られておられましたのでもう重々御承知だとは思いますけれども、御質問いただきましたのでお答えを申し上げたいと思います。
 御指摘のドローンでございます、あるいは小型の無人機等々、もう既に民間でも相当開発が進んでおりまして、我々防衛省・自衛隊としても、防衛分野での活用、これは重要な課題だと認識をしております。
 そういった意味で、もう既に陸上自衛隊におきましては、火砲による射撃の着弾点、そういったところを観測をする遠隔操縦観測システム、あるいは沿岸地域等の広域の偵察、監視に使用するための無人偵察機のシステム、また普通科部隊が偵察に使用する近距離用の無人偵察機等の開発整備を進めてまいりました。
 また、平成三十年度の予算案及び平成二十九年度補正予算においては、陸上自衛隊及び航空自衛隊において、偵察用、災害対処用及び滑走路被害の確認用の小型無人機の取得経費を計上しています。また、操縦要員の養成、訓練のための経費も措置をしているところであります。
 引き続き、議員御指摘の長期的な展望も踏まえてしっかりと活用を研究、促進してまいりたいと思いますので、引き続き御支援と御協力、よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。

三浦信祐君 我々もしっかり応援をしてまいりたいと思います。
 その上で、ドローンの活用についてですけれども、AED機器の搬送、河川増水時の溺れた方の救助、山岳遭難救助での活用等、防災、救急、捜索にドローン活用の可能性があると思います。初期対応に大いに貢献できるドローンを消防や警察で積極的に導入してはいかがでしょうか。

政府参考人(緒方俊則君) お答えいたします。
 現在、全国の七百三十二の消防本部の中で七十の消防本部におきましてドローンが導入されておりまして、建物火災の状況確認、山間部での要救助者捜索、車両転落事故におきます情報収集、大規模災害時の被害状況の確認などで使われておりますが、今後ますます多様な活用が見込まれております。
 消防庁におきましては、ドローンを先進的に導入しております消防本部によります活用事例などにつきまして取りまとめておりまして、消防防災分野におきます無人航空機の活用の手引を作成いたしまして、今年の一月三十日に全国の都道府県、市町村、消防本部に対しまして周知を行っております。また、情報収集用のドローン十八機を平成二十九年度補正予算で主要都市の消防本部に導入することにいたしております。
 今後、AEDの搬送とか、河川増水時に溺れた方の救助のための浮き輪等の物品投下を始めとしまして、様々な分野、場面での活用が見込まれておりまして、期待もされております。
 また、気象や地形等の状況によりましては、ドローンの操縦に高度な技術を要することになってまいります。そのことにつきまして、手引の中で留意事項としまして記載をしておりますけれども、引き続き操縦技術や訓練の在り方につきまして把握、検討に努めてまいります。
 ドローンの技術につきましては日進月歩いたしておりまして、引き続き、先進的な取組の知見等を集めていきまして、消防分野におきます活用を促進してまいります。

政府参考人(山下史雄君) 山岳遭難救助活動につきましては、各都道府県警察におきまして、地域の実情に応じ山岳遭難救助隊等を設置するなどした上で、管轄する山域に応じた救助用装備品等を整備をし、遭難者の捜索救助に当たっているところでございます。
 お尋ねのドローンの活用につきましては、より迅速な地形等の状況把握や要救助者の位置確認等による地上隊員の活動支援に資するよう、試験的な運用、訓練を行っているところでございます。
 ドローンの飛行に当たりましては、気象、地形条件等による影響や連続飛行時間、操縦者の技量などの技術的な課題もございますことから、まずはこれらの十分な把握を行ってまいりたいと考えております。

三浦信祐君 是非、技術の追従に、更にいろんな活用方法も見出せると思いますので、技術のことも我々国会がしっかりと支援していけるような体制を取っていかなければいけないというふうに思います。
 官用の周波数帯の開放が進んでおります。成長戦略上、理解はできます。しかし、現在、ドローンの電波帯というのは全て共用となっております。テロ防止や防災、警備、防衛の観点から、警備、消防、防衛、その他警備業界用の特定周波数帯は先手を打って確保すべきです。ならず者がその同じ周波数帯で多数のものを飛ばしたときに、必要なドローンが飛べないという事態は避けなければなりません。是非先手を打って取り組んでいただきたいんですけれども、野田総務大臣、いかがでしょうか。

国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
 テロ防止や防災、警備、防衛における情報収集等のためにドローンを活用することは極めて有用だと認識しています。ドローン用の周波数については、周波数の有効利用の観点から、今お話がありましたとおり、官民で共用しております。
 現在、ドローンを運用するに当たっては、周囲の電波の利用状況を事前に確認してから利用する周波数を選択する機能を持たせる措置や、また、利用する周波数、飛行させたい場所や時間をドローン用周波数の運用団体を通じて事前に調整する措置を講じており、混信を生じさせないようにしているところです。
 今後、国等の関係機関によるドローンの利用状況や要望を踏まえ、専用周波数の割当ての可能性も含め、検討してまいります。

里帰り出産をされている方の児童手当の申請請求について

三浦信祐君 是非先手を打って横の連携を取っていただきたいというふうに思います。
 話題は変わりますけれども、昨年、里帰り出産をされている方の児童手当の申請請求について、児童手当周知用のリーフレットに、これまで記載がなかった現住所の市区町村で行う必要があることを明示してほしいとお願いをいたしました。要望に応えていただき、明示の上で、各都道府県児童手当担当者へ連絡も内閣府の方からしていただきました。その資料の配付場所についても、病院、助産所での配付、母子手帳配付時、妊娠健診時に渡す等、配付場所の配慮をとの記述もしていただきました。たった二行ですけれども、僅かなことですが、子育てを応援する、そのためには、適切な情報提供、利便性の向上は常に取り組んでいかなければならないと思います。
 さて、マイナンバー制度が活用できるマイナポータルが便利になり、子育て関連の諸手続ができるようになっています。里帰り出産された方、働きながら子育てする親御さんにとってすばらしい構成となっております。マイナポータルを活用していただけるように熱意を持って取り組んでいただいている野田担当大臣から御説明をいただくとともに、強力に積極的に周知をしていただきたいと思います。是非お願いします。

国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
 このような機会をつくっていただきまして、誠にありがとうございます。
 マイナポータルは昨年十一月から本格運用を開始した内閣府が提供するウエブ上のサービスです。マイナポータルでは、行政機関等がマイナンバー制度の情報連携を行った記録や行政機関等が持っている自分の情報、行政機関等からのお知らせを確認できるほか、今いろいろ御紹介いただきましたけれども、市区町村の子育て関係の行政サービスの検索や電子申請が可能となっています。
 電子申請は、役所に足を運ばなくても自宅のパソコンやお手元のスマートフォンから児童手当や保育所の入所申請などの子育て関連手続に必要な情報や書類を簡単に検索して申請できるため、仕事や子育てに忙しい子育て世代の方々の負担軽減につながると考えています。
 また、電子申請に当たっては、マイナンバー制度の情報連携により必要書類の添付が省略できるほか、マイナンバーカードがあれば電子署名を行うことで本人確認書類の添付を省略できるなど、文書の削減や事務処理の効率化が期待できます。
 このようなマイナポータルを多くの方に手軽に使っていただくために、子育て世代には身近な媒体であるLINE上でもマイナポータルの検索機能を利用できるようにするなど、利用者視点で使い勝手の良いものになるよう一生懸命工夫を行っているところです。
 今後、より多くの方にマイナポータルやマイナンバーカードを使っていただき、その利便性を実感していただけるよう、更なる利便性向上の取組に努めてまいります。

マイナポータルでの子育てワンストップサービス電子申請利用開始時期について

三浦信祐君 利便性が大いにあるということが分かりました。であるならば、マイナンバーカードの取得、そしてマイナポータルの利便性の宣伝、促進がなおさら重要です。もう添付書類というのは本当に面倒ですし、働き方改革に一番すぐ手着けられることだと思います。
 妊娠し、母子手帳を受け取ったとき、また健診を受ける際、出生届を出したときなど、自治体の窓口や、これ連携が必要ですけど、病院でこのお手元に配らせていただいた資料のようなものをしっかりとお渡しをいただける、そのように取り組んでいただきたいと思いますけど、大臣、いかがでしょうか。

国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
 マイナポータルの子育てワンストップサービスについては、これまでも、政府広報によるテレビCMや新聞広告、サービスの内容や使い方などを紹介する動画のインターネットへの配信などによってその利便性をお伝えするとともに、マイナンバーカードの申請を呼びかける広報を展開しているところです。
 また、マイナンバーカードの交付窓口以外の関連する部署や手続において申請を促すことも効果的だと考えています。そのため、今もお話がありましたけれども、地方公共団体に対して、例えば母子健康手帳の交付時などの機会を捉えてマイナポータルの案内を行うなど、所管部局にとらわれない取組をお願いするとともに、広報紙などに活用いただける素材を作成して提供しているところです。
 引き続き、マイナンバーカードの申請やマイナポータルの利用を促進するため、関係府省や地方公共団体としっかり連携しつつ、マイナポータルに関する積極的な広報を実施してまいります。

三浦信祐君 是非お願いします。
 その上で、マイナポータルでの子育てワンストップサービス電子申請利用開始時期が自治体によって異なっています。これでは住民サービスのギャップがあると言っても過言ではありません。是非、担当大臣、このギャップを埋める努力をしていただけますでしょうか。

国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。
 おっしゃるとおりでございます。電子申請の実施状況には地域差があります。今後、年度の切替え時期や六月に行われます児童手当の現況届の時期等に合わせて実施を開始する予定の団体もあると聞いているところです。今は普及途上の段階にあるのかなと考えています。多くの国民の皆様にマイナポータルやマイナンバーカードの利便性を実感していただけるよう、できるだけ多くの市区町村で電子申請が実施されることが極めて大切です。
 そのため、政府としては、市区町村における子育てワンストップサービスの電子申請の実施を後押しするために、システム改修費に係る地方財政措置や、毎月の実施状況や課題を確認するフォローアップなどを実施しています。
 また、国民の皆様の利便性の向上のために、子育てワンストップサービスを始めとしたマイナンバー制度を全国の市区町村で最大限活用していただくよう、私の方から都道府県知事、そして市区町村長宛てに制度推進に関するお手紙を一月にお届けいたしました。
 現在、市区町村の取組状況をホームページで公表するとともに、未実施の市区町村については、実施予定時期や未実施の理由を登録していただいているところですが、引き続き、市区町村が実施に向けた準備を着実に進められるよう、関係府省と連携しながら強力にサポートしてまいります。

基礎科学研究の支援について

三浦信祐君 是非強力にサポートお願いしたいと思います。
 次に、林大臣に伺います。
 基礎科学研究の支援の重要性が数多く叫ばれております。大学の現場で役に立つ研究が求められてきた風潮、競争的資金を獲得しなければ研究ができない脆弱性、運営費交付金の削除による若手研究者の維持困難など、日本の得意分野である科学技術の基盤が揺らいでいると言っても過言ではありません。若手研究者が伸び伸びと視野を広げて研究できる体制を是非つくっていただきたいと思います。
 研究者の支援、是非強力に進めていただきたいと思いますけど、大臣、いかがでしょうか。

国務大臣(林芳正君) 我が国が成長を続けまして新たな価値を生み出していく、そのためには、今委員からお話がありましたように、科学技術イノベーションを担う創造性豊かな若手研究者の育成、確保、これが重要だと思いますが、若手研究者の安定かつ自立的な研究環境の整備にまだ課題があると我々も思っております。
 このため、文科省では、優秀な若手研究者が安定かつ自立したポストに就いて研究できる環境を実現するために、科研費の中で若手支援プランなどの事業をやっておりますし、それから教員の業績評価制度の適正化や年俸制、さらにはクロスアポイントメント制度の活用など、国立大学における人事給与マネジメント改革等を通じた若手研究者のポストの確保などによって若手研究者を支援をしております。
 今後とも、我が国の将来を担う若手研究者の育成、確保、三浦委員がおっしゃったように大事なことでございますので、しっかりやってまいりたいと思っております。

横浜国立大学独自に取り組む理工学ROUTEプログラムについて

三浦信祐君 先日、地元神奈川の横浜国立大学にて毛髪再生医療研究に取り組む先生と、文部科学省のサイエンス・インカレで文科大臣賞を授与された学生さんと懇談をいたしました。驚いたのは、横浜国立大学独自に取り組む理工学ROUTEプログラム、学部の低学年の学生さんに先端研究に取り組む機会を提供する制度で高い成果を上げております。
 この制度の御感想を伺うとともに、日本の先端研究能力向上のために、大学進学後、学部低学年から研究に取り組むことができるこのROUTEプログラムのような制度を全国的に積極的に取り入れてはいかがでしょうか。

国務大臣(林芳正君) 今御紹介していただきましたこのROUTEプログラム、リサーチ・オポチュニティーズ・フォー・アンダーグラデュエーツということで、ちょっと最後のTEがこじつけのような感じもいたしますが、横浜国立大学理工学部でやっておるわけでございます。低学年ですね、学部の、低学年の学生に対して、早い段階から先端の研究に取り組む、通常は基礎的な研究をまずやってからということになるんですが、最初からそれをやらせるということで学生の研究能力を向上させるということを目指した大変有意義な取組であろうと、こういうふうに思っておりまして、こういう好事例をいろんな機会を通じてほかの大学に横展開していけたらと、こういうふうに思っております。
 また、文科省においては大学における工学系教育改革について検討を進めておりまして、一年生から実践的教育、プロジェクト・ベースド・ラーニングと呼んでおりますが、こういうのを導入するということや、大体、専攻というのがございますが、主専攻に加えて副専攻、メジャーとマイナーと言ったりいたしますが、こういうことの修得が可能となる、学部と大学院を言わば六年間と、一貫と考えて教育課程を編成する方策等につきまして、本年度末、この三月末に取りまとめる予定にしております。
 こういった教育改革は高い意欲のある優秀な学生の能力を更に伸ばす取組を各大学に促すものでありまして、これらの政策を通じて、産業基盤の強化、またイノベーションの創出につながる人材育成に取り組んでまいりたいと思っております。

三浦信祐君 このROUTEプログラム、実は担保になっているのは高校のスーパーサイエンスハイスクールです。このSSHの成功事例であるとも言えます。大臣、是非このスーパーサイエンスハイスクールの御認識と、この制度をしっかり維持していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

国務大臣(林芳正君) このスーパーサイエンスハイスクールの支援事業、これ、高校から生徒の主体的な取組である課題研究等の先進的な理数系教育を通じて科学的能力や科学的思考力等を育んで、高等教育段階、大学に進んでからより高度な専門的教育を受けるにふさわしい人材の育成を目指すということで大変重要であると思っております。
 ほかの国でも国を挙げてこの中等教育段階からこういう人材の育成に取り組んでいるということもございますので、引き続き我々としてもこのスーパーサイエンスハイスクール支援事業にしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

三浦信祐君 ありがとうございました。