予算委員会(2017年03月15日)

コンテナ船基幹航路の維持拡大の重要性及び国の果たす役割

三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。
 本年二月、公明党議員団として川崎港を船で視察する機会を持ちました。現在日本にある様々な課題、例えば国内産業競争力の強化、雇用の創出、地域の活性化、税収確保などがあると思いますが、港の活動がそれらの課題解決に一つの役割を果たすことができるのではと考え、質問をさせていただきます。
 日本の貿易の九割は海運によって支えられています。港湾施設や貨物、それは、そこで働く人、企業、貨物を生み出す荷主企業に思いをはせることができます。すなわち、港湾は、産業活動を支え、雇用を生み出すものであり、国民生活に直結する重要な社会資本です。その中でもコンテナ物流は、コンテナ船の大型化、船会社間の連携による航路再編など、激変が生じているものと承知をしております。
 そこで、現在の我が国のコンテナ取扱量、北米・欧州航路の寄港便数と近年の増減傾向について、国土交通省港湾局長にお伺いします。

政府参考人(菊地身智雄君)  お答えいたします。
 直近十年間の我が国港湾における全国のコンテナ取扱個数は、平成十八年の二千五万TEUから平成二十七年の二千百十七万TEUと、緩やかな増加傾向にございます。また、東京港、横浜港、川崎港の三港を合わせました京浜港におきましても、平成十八年の七百二十二万TEUから平成二十七年の七百五十二万TEUと、これも緩やかな増加傾向にございます。
 一方で、近年の世界的なコンテナ船の大型化の進展や船社間のアライアンスの再編に伴いまして国際基幹航路の寄港地の絞り込みが進展しており、京浜港発着の基幹航路の便数は、北米航路、欧州航路、それぞれにおきまして、平成十八年の三十九便及び五便から平成二十七年の北米航路二十二便、欧州航路二便と減少傾向にございます。

三浦信祐君 日本発着の貨物が第三国を経由をして米国やヨーロッパに輸出入されることになりますと、積替えによる貨物のダメージ、時間的ロスのみならず、他国の港に日本の貨物を委ねることになってしまいます。我が国の産業全体の競争力強化のためにも、国策として国際コンテナ戦略港湾政策が進められていると承知をしております。
 これらの現在の取組について、港湾局長、お伺いします。

政府参考人(菊地身智雄君)  お答えいたします。
 国土交通省におきましては、我が国港湾への基幹航路の維持拡大を図るため、国内の貨物を集約する集貨、そして港湾背後への産業集積により貨物を創出する創貨、大水深コンテナターミナルの整備等による競争力強化、この三本柱から成る国際コンテナ戦略港湾政策に取り組んでいるところでございます。
 こうした政策の結果といたしまして、集貨につきましては、東日本諸港と京浜港を結ぶ国際フィーダー航路の寄港便数が、昨年、平成二十八年三月時点の三十三便から平成二十九年二月時点では三十八便へと約二割増加しております。
 創貨につきましては、横浜港南本牧地区におきまして、国の支援制度を活用した合計延べ床面積約三万二千平米の流通加工機能を備えた倉庫が整備中でございまして、本年十月下旬の竣工を予定しております。
 また、競争力強化につきましては、横浜港南本牧地区MC3ターミナルにおきまして、平成二十七年の四月に我が国初となる水深十八メートルの大水深コンテナターミナルが供用を開始したほか、隣接するMC4ターミナルにおきましても同規格の大水深コンテナターミナルを整備中であるなど、大型コンテナ船に対応したインフラ整備に取り組んでございます。
 これらの取組によりまして、横浜港におきましては、本年四月から北米基幹航路が新規に開設されるなど、具体的な成果が現れ始めております。

三浦信祐君 ありがとうございます。
 私の地元、神奈川の川崎では東扇島への橋梁であったり、また首都圏を見ますと東京湾地域での国道三百五十七号の整備が行われておりますが、これが一日も早く開通することが望まれております。物流の効率化のためにも、岸壁のみならず周辺環境整備も併せて一体的に取り組むべきであると考えますが、国土交通省の認識を伺います。

政府参考人(菊地身智雄君)  お答えいたします。
 コンテナ船の大型化や取扱貨物量の増大に対応するため、委員御指摘のとおり、大水深岸壁の整備にあわせまして、物流をさばくためのアクセス道路の整備を進めているところでございます。
 具体的には、横浜港におきましては、南本牧埠頭の大水深コンテナターミナルの整備にあわせまして、南本牧埠頭と高速道路を直結する南本牧はま道路が本年三月四日に開通したところでございます。また、背後の道路ネットワークも、昨年三月に国道三百五十七号が横浜ベイブリッジから本牧埠頭まで開通をしております。川崎港につきましても、コンテナターミナルなど港湾機能の集中する東扇島と内陸部を接続する臨港道路、東扇島水江町線について、現在取付け部や橋脚部の整備を鋭意推進しているところでございます。
 国土交通省といたしましては、引き続き、大水深コンテナターミナルの整備にあわせまして、接続する臨港道路等の整備についてもしっかりとこれを進めることにより、物流効率化に向けた取組を一層推進してまいります。

三浦信祐君 是非よろしくお願いいたします。
 昨年、国出資の横浜川崎国際港湾株式会社が設立をされました。元々、港湾法により、港湾管理者は県や市など地方自治体であり、これまで貨物や船会社の誘致活動も港湾管理者が中心でありました。これを国策として行っていくわけです。私は、この国際コンテナ戦略港湾政策、更に進めていくべきだと思っております。
 そこで、国が直接的に関与する重要性と今後の政策展開について、ハードのみならずソフト面も含め明示をしていただき、取組への御決意を石井大臣に伺います。

国務大臣(石井啓一君)  我が国の経済を支える製造業の競争力を高めるためには、効率的な貨物の輸出入を支える物流拠点、特に輸出入の大半を占める海上輸送の拠点である港湾の競争力強化は大変重要であります。近年、我が国港湾への基幹航路の寄港が減少しておりまして、これを放置しておきますと我が国産業の国際競争力の低下につながるおそれがございます。国土交通省といたしましては、特に北米、欧州に直行する基幹航路の維持拡大を図るため、国際コンテナ戦略港湾政策を国策として強力に推進をしているところでございます。
 具体的には、国際コンテナ戦略港湾でございます阪神港及び京浜港の港湾運営会社に対しましてそれぞれ国から出資を行うとともに、港湾運営会社に対する集貨事業、荷物を集めてくる事業の支援制度の創設、全国からの貨物の集約、海外の船会社の誘致のための国際的なセールス活動等に取り組んできたところでございます。
 今後は、国内のみならず、高い経済成長等を背景に増大する東南アジア地域等の貨物を取り込むべくアジアからの広域集貨を図ること等によりまして、国際コンテナ戦略港湾政策を国が前面に立って強力に推進をいたしまして、我が国産業の国際競争力強化を図ってまいりたいと存じます。

港湾・周辺環境整備への公共投資の重要性

三浦信祐君 是非強力に進めていただきたいと思います。
 さて、港湾インフラ、定期航路拡充ができても運ぶ荷物がなくては成長に寄与できません。神奈川においては、内陸部の綾瀬市周辺には物づくり企業が集積をしております。また、西部で県主導のロボット産業特区もあります。インフラ整備が整わず輸出に影響がある、また一方で、インフラができたときには商機を逃して経営体力が失っている状態になる、このようなことがあっては絶対にいけないと思います。こういうのは全国の港においても同じ構造にあると私は思います。
 経済発展の加速には、経済産業省と国土交通省の連携が不可欠だと思います。是非、この今後の取組と御決意を世耕経済産業大臣にお伺いいたします。

国務大臣(世耕弘成君)  今御指摘のとおり、港湾インフラの整備と産業の集積を進めるというのは、これは車の両輪で進めていかなければいけないと思います。
 経済産業省もいろいろと産業集積を進める法制度など持っているんですけれども、例えば企業立地促進法、これが一番産業集積進める法律なんですが、この法律の中に明確に、産業集積の形成と物資の流通を通じた地域の活性化、これをちゃんと有機的に連携させる、あるいはそれを連携させた上で効果的に施策として講じていくということが明記をされていますし、この法律の更に下に基本方針というのがあるんですが、この基本方針では、産業集積の形成に関しては道路、港湾、空港等のインフラ整備との連携が重要と明確に位置付けております。
 この法律に基づく企業集積地づくりが、例えば最近では愛知県でこの法律に基づいて西尾張地域基本計画というのを作っています。これは愛知県の西部の方に、尾張の西部ですね、の方に、繊維ですとか電気・電子機器関連企業ですとか、あるいは航空機、自動車関連の産業を集積させるというプロジェクトなんですが、この中には、やっぱり計画の中に、高速道路や名古屋港などの広域交通ネットワークの利便性を生かし、物づくりと一体になった物流関連産業の集積を図るということを明記をさせていただいています。ですから、議員御指摘の点というのは我々は非常に意識をしているわけであります。
 またさらに、今国会に地域未来投資促進法案という、地方における産業の集積を目指していこうという、この法律の中でもインフラとの連携の重要さというのはきっちり書き込ませていただいております。議員の御指摘の点は全く同じ思いでございます。

LNGバンカリング拠点としてのインフラ整備

三浦信祐君 ありがとうございます。是非積極的に取り組んでいただければと思います。
 続いて、港湾の国際競争力強化の一連で新たな取組についても伺いたいと思います。
 国際的な船舶の排ガス規制の強化が進展をしております。今後、硫黄酸化物規制強化が二〇二〇年より開始をされます。世界的に船舶燃料が重油からLNGへ転換されることが見込まれております。
 そこで、船舶へのLNGの燃料供給拠点、すなわちLNGバンカリング拠点の整備を積極的に取り組み、投資をすることが世界の中で我が国港湾の位置付けを確たるものとすると思います。特に京浜港は北米航路の輸送拠点となり、LNGバンカリングのインフラ増強を強力に進めるべきだと考えます。LNGバンカリング拠点整備について現時点での認識と今後の取組、そして石井大臣の御決意を伺います。

国務大臣(石井啓一君)  国際海事機関による二〇二〇年からの船舶の排出ガス規制の強化を背景といたしまして、LNGを燃料とする船の増加が見込まれている中、世界に先駆けてLNGの燃料供給拠点、すなわちバンカリング拠点を形成することは、我が国の港湾の国際競争力の強化につながるものと認識をしております。
 一方、拠点を形成するに当たりましては、現状で世界最大の重油のバンカリング港でございますシンガポール港と連携をしてイニシアチブを取ることが重要でございますことから、昨年の七月に私がシンガポールを訪問した際に、国際コンテナ戦略港湾である横浜港をモデルケースといたしました横浜港LNGバンカリングミニセミナー・イン・シンガポールを開催をしたところでございます。
 また、昨年の九月にシンガポールのリー・シェンロン首相が来日した際に、安倍総理との首脳会談におきまして、LNGバンカリングに関する両国間の連携強化について確認をいたしまして、十月には世界初となるLNGバンカリング推進に関する覚書を七か国の港湾当局と署名をしたところでございます。
 国土交通省といたしましては、シンガポール港と連携をしつつ、我が国がアジアで先駆けてLNGバンカリング拠点を形成をし、国際競争力の強化を図ってまいりたいと存じます。

港湾の防災拠点としての役割

三浦信祐君 是非今後、ヨーロッパが特にこの部分は進んでおりますので、極東地域においてのリーダーシップを図るということが大事だと思います。是非よろしくお願いいたしたいと思います。
 川崎港東扇島にある国の基幹的広域防災拠点も見てまいりました。熊本地震の際には熊本港や八代港が地震直後の緊急物資等の受入れ拠点など災害時に重要な役割を果たしたと聞いております。
 三・一一から七年目、いつ起こるか分からない災害への備えは不可欠です。東京湾では、首都圏臨海防災センターとして東京都江東区と東扇島が拠点となっております。基幹的広域防災拠点の果たす役割、またその機能が十分に発揮できるよう、日頃どのような訓練を行っているのか、説明をいただきたいと思います。
 さらに、災害時における海からの支援受入れについて全国的にどのような取組を行っているか、石井大臣、御答弁をいただければと思います。

国務大臣(石井啓一君)  川崎港の東扇島地区にある防災拠点は、人口や経済機能等が高度に集積する首都圏におきまして首都直下地震等の災害が発生した場合に、東京都江東区の有明の丘地区における防災拠点と一体となり、基幹的広域防災拠点として機能するものであります。
 具体的には、災害時における海上からの輸送拠点といたしまして、緊急物資や救援部隊等の受入れを行う耐震強化岸壁、緊急物資の集積、荷さばきを行うとともに、救援部隊等のベースキャンプやヘリポートとしても機能する緑地等を備えているところであります。国土交通省といたしましては、災害時にこの拠点を円滑に運用できるよう、海上保安庁はもとより自衛隊等の関係機関と連携をしまして、緊急物資輸送や航路啓開等の訓練を毎年実施をしております。
 また、昨年の熊本地震でも見られましたように、港湾は非常災害時の海からの支援の受入れ拠点となりますので、耐震強化岸壁の整備、港湾BCPの策定、訓練の実施等の取組を全国的に行っているところであります。
 引き続きハード、ソフト両面から取り組んでまいりたいと存じます。

三浦信祐君 ありがとうございました。備えをしっかりやるということを、是非リーダーシップを取っていただいて行っていただければと思います。
 以上でございます。ありがとうございました。