予算委員会公聴会(2018年03月13日)

三浦信祐君 公明党の三浦信祐でございます。
本日は、小此木公述人、そして前泊公述人、貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。何点か質問をさせていただきたいと思います。
まず、この近日における北朝鮮に関する問題で、こんなに速いスピードで大きな動きがあるというのは正直想定を超えているような部分はあると思います。その上で、小此木公述人にお伺いしたいと思います。日本政府にとってみれば、圧力と対話の道を模索するということで、世界の面から見た部分と日本から見た部分の圧力の効果は出ていると率直に理解していいかどうか、お聞かせいただければと思います。

公述人(小此木政夫君) 効果は出ていると思います。ただし、我々も気を付けなければならない、あるいは謙虚でなければいけない。それは、北朝鮮が瀬戸際政策を実施した後、対話の方向で路線を転換するだろうというのは予想できたことです。予想できたことというのは、彼らが計画していたということですから。ですから、ミサイル、ICBMがほぼ完成する段階になったら路線を転換するという計画性を彼らは持っていたというふうに考えたらいいと思います。
ただし、去年の秋から年末にかけて採択された国連決議の内容というのは相当に厳しいものですから、今年以後それが相当効果を発揮してくるだろうと思いますから、ですから、北朝鮮としては、長くそれに耐えられるというふうにも思えないですね。
そんな意味で、計画性はあったけれども、やっぱり制裁の効果というものがあって、その二つが重なって一気に動き出したというふうに理解するのが適当ではないかと思います。

三浦信祐君 ありがとうございます。
その上で、先ほど具体的な日中の国交正常化へのプロセス、今年は大事な年に当たるという意味では非常に御示唆に富むような御表現をいただいたと思いますが、一方で、二国間の協議を基本としてこれから進んでいくと思います。まずは南北が対話に移っていこう、そして米朝に移っていく、そのときに日本が一番最後で本当にいいんだろうかという不安も残ります。当然、いろいろな観点から考えますと、日本が隣接国であるという位置付けでもありますけれども、国民の皆さんにとってみて、この先に南北、そして米朝の対話が進んでいく効果というのをどう享受できるか、また一方で、そのリスクというのもしっかり明確にしておかなければ、日本外交にとってみれば非常に判断を誤るリスクも高まると思います。この辺について、小此木公述人に御示唆をいただければと思います。

公述人(小此木政夫君) すばらしい質問だと思いますが、過去において日朝で国交正常化の交渉が行われたことは二回あるわけですね。一九九〇年の金丸・田辺訪朝団のとき、自民党を含む三党の共同宣言が出ました。それから、二〇〇二年の小泉首相の平壌訪問、日朝平壌宣言が発出されました。この二つの機会、大変大きな、それこそ戦略的な機会で、私は、もう個人的には、あのとき日朝が本当に動いていれば、関係正常化していれば、こんな核問題は今あっただろうかと時々考えるのであります。
しかし、この二つのときのアメリカの態度はどうであったかというと、それは決して好意的なものではなかったですね。特に、最初のときにはアマコスト大使がすっ飛んできて、すっ飛んできてなんて言っていいのかどうか分かりませんが、写真を持って飛んできたわけですね、原子炉の写真を。そして、ブッシュ大統領は小泉総理との個人的な関係がありましたから比較的好意的だったかと思いますが、その周辺のアメリカの官僚たちは、率直に言ってこれを何とかして止めたいというふうに思っていた。
そのときと比べると全く違うんですよ。今は、米朝が先に動く、動こうとしている。ですから、またとない機会が訪れているというふうに考えた方がよろしいんじゃないかと、私はそう理解しています。

三浦信祐君 ありがとうございます。
ならば、日本で米朝対談やってもらうぐらいの、リーダーシップを取るぐらいのことがあったっていいぐらいだと思うんです。それが本来、一遍に物事を動かすときには大きな決断が必要なんじゃないかなという観点で質問をさせていただきました。
その上で、お二人の公述人にお伺いしたいんですけれども、実は、先日の平昌オリンピック・パラリンピックを見たときに、アイスホッケーチームの合同チームのときの若者の韓国の世論というのは、どちらかといったら、むしろ今、我々の青年世代にとって失業問題が大きいんだ、それを、統一であるのか共同であるのかは別としても、リスクを抱え込むことよりも我々のことを見てほしい、だから、昔のような感覚で南北の一緒のイメージというのは、どちらかといったら、頑張っている青年を応援したいのに、それを剥ぎ取られることに対するイメージというのがあって、決していい方向にはなかったかなと思います。
ただ、私もパラリンピックの開会式行かせていただきましたけれども、一方で、米朝対話が行われますといった瞬間の後の反応というのは、少し変わったなという印象もあります。
そういう意味においては、実は、韓国においても、この国内問題というのを抱えながら南北問題がいろいろ進むに当たって、むしろ政権にとっての課題として明示をされてくる。そういう部分において、今後の米朝の接近と国内問題を抱えている韓国の捉え方、そこと日本はどう付き合っていけばいいかというのも、是非御意見、お二人からいただければと思います。

公述人(前泊博盛君) 韓国の若者たちの意見もよく分かりますけれども、ドイツも同じように、東西が統一をされるときにいろんな意見がありましたけれども、一つになったことを今否定する人はいないと思います。同じように、北朝鮮あるいは韓国についても、同じ民族として同じものを持ちながら分断をされている、この分断国家をどう解決するかというのは、若い人にとってもとても重要なテーマだと思っています。
対立をし合うことによっていつまでこういう関係を続けるのかというところでは、そのトップがこういう歩み寄ったというのは非常に大きなものでありましょうし、そのことについては是非、平和政党である公明党も積極的に動いてきたということもありますから、引き続き、その若者の意識改革まで含めて、むしろ韓国の若者たちに語りかけてほしいというふうに思っています。

公述人(小此木政夫君) 韓国の保守政権が十年近く続きましたから、その間、南北の対話というのはほとんどありませんで、厳しい局面ばかり出ていましたから、若者がそういった反応を当初示したというのは、ある意味では当然だったんじゃないかと思うんですね。ただ、御指摘のとおり、オリンピックが始まる前と後で随分違うんじゃないかという気も同時にします。
ですから、韓国外交が南北と米朝とを結び付けるような形で成功しているということは、国民的な支持を現在受けているわけですから、そのことは正当に評価しなければいけないんじゃないかと思うんです。

三浦信祐君 少し話題を変えさせていただきます。
日米地位協定の理解についてですけれども、報道ではよく、沖縄への負担であるとか、また地位協定を変えるべきということは議論をされていますし、この国会でも時たま出てくるのはよく承知をしております。
一方で、国民負担の位置付けというのが、正直、米軍基地を抱えていない地域であったりとか、また、外交、安全保障についてなかなか知見が分かりづらいなという方にとってみれば、この日米地位協定の本質的な課題であったり、また今後どうあるべきかという議論に入る前のところで止まっているというふうなことが、私にとっては少し感じるところがありますけれども、前泊公述人に是非その辺の御意見いただきたいと思います。

公述人(前泊博盛君) 今日資料の中にも入れましたけれども、大きな問題としては、改定を阻む九つの壁というのを私、指摘をしました。一つは、一番大きな壁は無関心の壁ですね、それから無知の壁、無気力の壁、無能力の壁、難解さの壁、秘密主義の壁、そして米国依存の壁、そして他国と結んだ日本の新地位協定の壁、で、最後の問題が、メディアによる無視あるいは国会による無視という無視の壁が大きな壁になって議論が進んでいないというふうに思っています。
そして、基地を抱えている地域だけの問題というふうに思っていますけれども、最近私もいろんな都道府県から呼ばれます。三十一の都道府県が基地を抱えていますけれども、基地のないところからも、オスプレイの低空飛行、あるいはF15、F16の低空飛行の被害を受けている、基地がないのにという指摘を受けます。全国の沖縄化が進んできている中で、この問題についてようやく気が付き始めて、今、地位協定に対しては関心が非常に高まってきているというふうに思っています。
先日、北海道矢臼別にも取材に行ったんですけれども、沖縄の一〇四号越えの実弾射撃演習、移転をした、沖縄の負担を我々が軽減するために受け入れたと言っていたんですが、行ってみて驚くのは、十七キロまで長距離砲の演習をしているんですね。それからクラスター弾のような新型爆弾の訓練をしています。これ、沖縄ではやっていない訓練です。やっていない訓練を沖縄の負担軽減という形で移転をしている。これ、移転ではなくて新設です。こういったものを検証していく形でしか本来の地位協定の問題について触れることはできないのではないかと。あるいは、これだけ、七五%もの駐留経費の負担をしている、このことについても国民にしっかりと知らせていくことが必要だと思います。
是非、憲法というものとの兼ね合いの中でも、この専守防衛、盾を持っている日本に対して矛がない、その矛と盾の関係だという米軍駐留の問題を是非指摘をしていただいて、この矛盾の関係を解消するにはどうしたらいいか、これは地位協定問題の中に全てその解決方法が入っているような気がします。

三浦信祐君 ありがとうございました。今、地位協定のこと、しっかり理解を深めるような議論を進めてまいりたいと思います。
以上で終わります。ありがとうございました。