資源エネルギーに関する調査会(2017年02月15日)

再生可能エネルギーの安定発電技術への課題

三浦信祐君 公明党の三浦信祐でございます。早速質問に入らせていただきます。
 二〇三〇年度においてもベースロード電源と位置付けている原子力発電、この再稼働について今後議論をする上で必要な知見を得るために、まず初めに周辺技術について質問させていただきます。
 世界的潮流として、電源構成に対する再生可能エネルギーの割合が戦略的に増加していると認識をしております。日本も三・一一以降、加速度的に取り組むべき課題として、政策的にも、また技術開発的にも注視すべき状況にあると思います。
 日本において二〇三〇年の再エネ比率目標達成へ向けての認識、また課題を資源エネルギー庁に伺いたいと思います。

政府参考人(藤木俊光君)  お答え申し上げます。
 再生可能エネルギーは、エネルギー安全保障、低炭素社会の創出といった観点から重要な電源であり、エネルギーミックスにおいて二〇三〇年度の導入水準を二二から二四%としているところでございます。FIT制度開始後四年間で導入量二・五倍ということになっておりますが、一方で、太陽光発電に偏った導入が進み、国民負担増大への懸念や未稼働案件の発生、電力系統への受入れ制約の発生などの課題が生じております。
 こうした課題に対応するため、昨年五月にFIT法を改正いたしまして、新たな認定制度を創設して、未稼働案件の防止や適切な事業運営を確保する、中長期の価格目標の設定、あるいは大規模な太陽光についての入札制度などコスト効率的な導入を進めるための工夫、さらには、風力、地熱などリードタイムの長い電源について数年先の買取り価格をあらかじめ決定するということで事業の予見可能性を高めるといった見直しを行ったところでございまして、今年の四月に施行する予定でございます。
 こうした改正FIT法の適切な運用に加えまして、送電網の強化、規制・制度改革、研究開発など総合的な施策を講じて再生可能エネルギーの導入拡大を進めてまいりたいと考えております。

三浦信祐君 ありがとうございます。
 制度と技術を両立させていく、特に制度をしっかり見ていくということは国民負担の観点からも重要なことだと思いますので、今後、不断の努力を続けていただきたいと思います。
 続きまして、再生可能エネルギーによる発電というのは、自然変動による影響を受けやすいものというのはもう理解があるところだと思います。発電安定化技術の確立へ向けての現状と取組について、同じく資源エネルギー庁に伺います。

政府参考人(藤木俊光君)  自然変動電源であります太陽光、風力発電、これを導入拡大していくためには、まさに今御指摘のように、天候等によって出力が変動するという課題を克服していくことが重要でございます。
 この課題を克服いたしまして電力の需給を常に一致させるというために、具体的には、出力の変動を事前に予測して需給調整を円滑化するために気象データ等を用いてその予測精度を上げていく、さらには火力を含めた運用を自動化するシステム、こういったものを開発して実用化をしていきたいと思っております。
 また、周波数の維持や余剰電力の吸収を行う大型蓄電池を電力会社の変電所に設置して、その系統安定化のためにどう使えるかという実証実験を行うといったことでございますとか、あるいは、反対に、需要家側の敷地に設置された蓄電池等のエネルギーを統合制御して、一種一つの発電所のようにやってみるという実証事業、バーチャルパワープラントと呼んでおりますけれども、こういった取組を進めているところでございまして、こういった技術開発によって太陽光、風力といった自然変動電源の導入拡大ということにつなげてまいりたいと考えております。

三浦信祐君 ありがとうございます。
 挑戦的なテーマをたくさん挙げていただいたと思うんですけれども、それが議論ができるというのは、当然、日本のマネジメント力も含めた上で、高い技術力があるということだと思います。是非、今後世界をリードしていける技術分野だと思いますので、これは育てていかなければいけないことだと私は考えております。そういう意味で、この技術をうまく活用していけば持続可能な世界に貢献することにもなっていくのではないかなと思います。

従来発電の技術進展への取り組み

 しかし一方で、注目すべき点もあります。電源構成ベースで再生可能エネルギーの割合というのは実は二〇%強、先ほど言っていただきました。八〇%近くというのは従来からの技術であります。再生可能エネルギーとの共存を図る上でも、具体的な課題もたくさんあるのではないかなと考えております。
 例えば、太陽光発電。日中で晴天のときには十分な太陽光量もあるために発電能力を発揮をすることになります。一方で、夕方に向かうに従って、光量低下に伴う発電量の低下を招いていきます。この時間帯というのは電力需要が増加をしていくことになります。現時点においては、発電側では発電所で需給急変対応のためにガスタービンなどを動かしている状況にあります。この手法では、二酸化炭素排出量削減の取組に悪影響を及ぼしていきます。
 需要が増加した場合に対応する発電の能力、技術というのは確立へ向けて進んでいるのか、資源エネルギー庁にお伺いします。

政府参考人(小澤典明君)  お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、太陽光や風力発電などは天候の変化によりまして発電電力量が急変するおそれがございます。このため、需給バランスを確保して電力の安定供給を図るためには、火力発電などによって供給力を補いまして電力需要に合わせる必要がございます。その際、先生御指摘のとおり、より低炭素な方法で需給バランスを図ることが重要な取組というように考えております。
 このため、経済産業省では、太陽光や風力発電などの出力を予測する技術、その高度化のための開発や高密度で低価格な蓄電池の技術開発等に取り組むとともに、出力調整力が高いガスタービンの高効率化に向けた技術開発を進めているところでございます。
 特に、ガスタービンの技術開発につきましては、燃焼温度の更なる高温化を図り、発電効率を高め、併せて二酸化炭素の削減を進めるための技術開発に取り組んでおります。現在の燃焼温度は千五百度程度でございますけれども、これを千七百度程度まで引き上げて効率を良くすることで、発電効率と二酸化炭素の削減量を一割程度改善することを目指しております。
 こうした取組を通じまして、調整力としても活用される火力発電からの二酸化炭素排出量の削減を進めてまいりたいと考えております。

三浦信祐君 ありがとうございます。
 日本の技術、たくさんいいものを持っておりますので、これをしっかり経済産業省もバックアップをしていただきたいというふうに思います。
 次に、石炭火力発電に関して伺います。
 一般的に、石炭火力というのは二酸化炭素の排出量が大きく、石炭利用に対する技術の進展が強く求められております。一方で、日本は世界最高水準の石炭火力発電技術を有しております。この技術を活用したプラントなどを輸出することによって世界の地球温暖化対策に貢献できると私は考えます。
 これらの認識と検討について、井原政務官、お答えいただければと思います。

大臣政務官(井原巧君)  三浦委員にお答えを申し上げます。
 先生おっしゃるとおり、石炭については、一つには、経済性やエネルギー安全保障の観点から、アジア等新興国を中心にエネルギー資源として欠かすことのできないエネルギーとなっているのが現状です。
 こうした国にとりましては、可能な限り効率的な石炭火力を導入することこそが現実的かつ実効的な気候変動対策であるというふうに考えておりまして、このため、資源エネルギー庁では、気候変動対応クリーンコール技術というのを、これCCTと申しますが、この国際協力事業として、石炭需要が増加するアジア等において、我が国の優れたクリーンコール技術の海外への普及を目指して、政府関係者や電力技術者等を対象とした石炭火力に関する技術セミナーの開催とか、あるいは、これら関係者の招聘をしているところであります。
 また、クリーンコール技術海外普及展開等事業というのがございまして、それを通じまして我が国技術者の派遣等を支援しているところでございまして、こうした取組を通じて、先生おっしゃるとおり、地球規模の温暖化対策に貢献してまいりたいと、このように考えております。

三浦信祐君 ありがとうございます。
 重ねてになりますけれども、石炭火力発電に関連する技術者、研究者というのは日本にとっては重要な人材です。特に、金属材料分野というのは、世界の最先端の能力と実際の人というもの、そして技術を有しています。単純に石炭火力を減らしていくという議論というのは近視眼的であるように思います。
 井原政務官、この辺の部分に関して御意見をいただければと思います。

大臣政務官(井原巧君)  本当に先生のおっしゃるとおりで、私も同意するところでありますけれども、現実に海外において、特にアジア等の新興国では石炭火力の利用拡大が見込まれているというのがもう現状でございまして、日本の高効率発電技術への期待が非常に大きいわけでございます。
 石炭火力発電に関連する技術者は我が国にとっても非常に重要な人材でありまして、我が国の技術力を今後とも維持強化していくためにも、高効率な石炭火力発電の技術開発を進めると同時に、我が国の優れた石炭火力発電技術を国内外で活用することによってその優秀な人材を我が国としてもしっかりとつなげて確保してまいりたいと、このように考えております。

三浦信祐君 ありがとうございます。
 実際の資源はなくても、人材という資源というのが日本の最大の持ち味だと思いますので、是非バックアップをしていただきたいと思います。
 さて、従来の石炭火力発電に比べて、より二酸化炭素排出量を削減できる石炭ガス化発電、これについて、現在の技術の進展と国の支援体制、また取組について資源エネルギー庁に伺います。

政府参考人(小澤典明君)  お答えいたします。
 石炭ガス化発電につきましては、現在、福島県で民間事業者が実証試験機、これは二十五万キロワットの規模でございますけれども、これを商用運転しているほか、同県におきまして現在の試験機の約二倍の規模、これは五十四万キロワットでございます、のプラント二基を平成三十二年以降の運転開始を目指して建設工事を進めている状況でございます。これによりまして、現在の最新鋭の石炭火力発電よりも二酸化炭素排出量を一割以上削減することが可能となります。
 さらに、石炭ガス化発電に燃料電池を組み込むことで更に高い発電効率を目指す実証試験を、これ広島県において、平成三十三年度までの計画で進めております。この実証試験につきましては、国からも補助を出して支援をしている最中でございます。これによりまして、現在の最新鋭の石炭火力発電より二酸化炭素排出量を三割程度削減することが可能となります。
 こうした実証試験等を通じまして、技術的な課題を克服し、石炭ガス化発電とそれを通じた効率的な二酸化炭素の削減技術、これをできる限り早く実用化できるよう、引き続きしっかり取り組んでまいりたいというように考えております。

福島第一原子力発電所の廃炉

三浦信祐君 ありがとうございます。是非継続的な取組をお願いしたいと思います。
 次に、福島第一原子力発電所の廃炉について伺います。
 先ほども石上先生、また廣瀬参考人からも様々ありましたけれども、先日、福島第一原発二号機のデブリの状況について写真が公表されて、現状が少しずつ明らかになってまいりました。関係者の御努力に敬意を表したいと思います。
 その上で、監督官庁として、廃炉の進捗状況と具体的な近々の課題について高木副大臣にお伺いします。

副大臣(高木陽介君)  燃料デブリの取り出しに向けましては、取り出しの工法の研究開発を進めるとともに、原子炉や格納容器の内部状況をできる限り事前に把握する、このことを最優先の課題として現在取り組んでおります。このため、これもこれまでお話が出たように、透過力の強い素粒子を利用したいわゆるミューオンによる調査、さらには遠隔操作ロボットによる調査などを順次実施をしてきております。
 今般の二号機での調査におきましては、事前の調査の段階ながら、原子炉圧力容器に近い場所の状況を初めて直接確認することで新たな情報が着実に収集されており、大きな一歩となりました。
 また今般、一号機及び三号機においても、遠隔操作ロボットを順次投入し、より詳しい情報の収集を進めることとしており、こうした調査などの結果を踏まえて、本年、号機ごとの燃料デブリの取り出し方針を決定することとしております。
 今後、調査が進むにつれ、予測の難しい困難な作業が発生することも想定されますが、我が国の技術力を結集してこの廃炉作業をしっかりと進めて、福島の皆様方の復興、安心につなげてまいりたいと思います。
 もう一つ申し上げたいのは、今、間もなくあの事故から六年を迎えますが、実は一号機でヘビ型のロボットというのを原子炉内、格納容器内に四年半で入れました。大きな事故というのは、チェルノブイリ、スリーマイル、そしてこの福島の原発事故でございますが、チェルノブイリは原子炉本体も爆破をしてしまいましたので石棺という形を取っておりますが、スリーマイルは十一年掛けてこの燃料デブリを取り出しました。しかし、この原子炉内にロボットを入れたのは六年半掛かりました。日本の場合には、あれだけの過酷事故でありながら四年半で一号機にまずロボット投入、そして今回、六年目にして二号機にロボット投入という、スリーマイルと比較をした場合にはかなり早い段階でのこの作業になっているということもどうか御認識をいただきたいと思います。

三浦信祐君 ありがとうございます。
 極めて、技術者、研究者の一体感が実際に成果として表れてきているものだと思います。そうなってきますと、大事なことは、現時点において、廃炉過程における技術のニーズとシーズのマッチング、これどのように進めていくかということになると思います。
 経産省平井審議官に御答弁いただければと思います。

政府参考人(平井裕秀君)  お答え申し上げます。
 福島第一原発の廃止措置における技術のニーズとシーズのマッチング、大変重要な御指摘だと思っております。これにつきましては、まずは炉の設置者であります、さらには現場に精通した東京電力において、具体的なニーズをホームページなどを活用して公開し、国内外から技術や知見を広く募集する取組を昨年の八月から開始しているところでございます。
 また、JAEA、日本原子力研究開発機構におきましては、将来的に廃止措置において直面するであろうそうしたニーズを念頭に置きながら、大学や研究機関が進めている技術研究の中から将来的にマッチングにつながるような技術シーズの洗い出しを行っているところでございます。
 さらに、こうした取組がより一層効果的に進められるよう、東京電力、メーカー、研究機関、有識者等から成る廃炉研究開発連携会議というものを原子力損害賠償・廃炉等支援機構に設置いたしまして、マッチングを促進するに当たっての課題と対応策について議論、検討を行っているところでございます。
 刻々と判明してまいります現場の状況に応じて、研究開発が無駄に終わることのないよう、今後とも現場のニーズに即した研究開発として進めてまいる所存でございます。

三浦信祐君 ありがとうございます。
 今般の事故の廃炉プロセスを今後に反映をしていくためには、人的知見に頼るだけではなくて、明瞭な記録、書類やデータ、映像として確実に残すべきだと考えます。特に、最前線の技術者、作業者のノウハウというのは貴重な知見となります。
 今後どのように取り組んでいくか、平井審議官に伺います。

政府参考人(平井裕秀君)  まずは、炉の設置者でございます、実施責任を負うところの東京電力におきましては、今後とも、これまでに現場での作業等を通じて蓄えてまいりましたその知見を生かして、その責任をしっかりと果たし続けていくということが求められているかと思います。例えば、三号機の使用済燃料取り出しに向けた建屋上部の放射線量低減対策ということを例に取って申し上げれば、放射線源の調査を通じて、除染だけではなく、鉄板の設置による遮蔽対策を組み合わせる方が効果的であるというような知見を得たところでございますが、これを公表し、記録として残した上で、今後の作業に役立てていくということが進められていると認識しております。
 昨年十二月に閣議決定されました原子力災害からの福島復興の加速のための基本指針、この文書の中におきましても、技術者、作業者のノウハウを蓄積し、活用することも含めたプロジェクトマネジメント機能の強化などに向けて、現場を含む運営体制全体の見直しを東京電力に対しまして求めているところでございます。
 また、貴重なノウハウが雲散霧消することのないよう、東京電力のみならず、関係する原賠・廃炉機構を始めといたしまして、学会、メーカー、建設業者など、様々な関係者に協力を働きかけてまいりたいと思います。

既存国内原子炉の廃炉

三浦信祐君 ありがとうございます。貴重な知見だと思いますので、よろしくお願いします。
 続いて、既存の国内原子炉の廃炉について伺います。
 我が国において通常の運用状態からの廃炉技術というのはそもそも確立をされているのか、また世界での廃炉の状況と併せて実際に確立されているのか、資源エネルギー庁に伺います。

政府参考人(小澤典明君)  お答えいたします。
 まず、世界の廃炉の状況でございますが、昨年末の時点で世界で既に廃炉を完了した原発、これは十五基ございます。それから、廃炉を進めている原発、廃炉中の原発は百五十基程度というふうに承知しております。我が国におきましては、試験研究炉でありました日本原子力研究所のJPDRという炉の廃止措置が完了しております。こうした廃炉の取組を通じて、技術的な知見の蓄積が進んでおります。
 また、通常の原子力発電所の廃炉につきましては、電力会社やメーカー等の事業者がこれまでの原発の建設、保守メンテナンス等で培ってきた技術、それから既に廃炉したJPDRから得られた知見、こういったものを生かしながら取り組んでいくということが基本でございます。既存の技術、さらには今後の廃炉の取組から得られる知見を活用して十分に実施可能であるというふうに認識をしております。
 なお、我が国におきましては、商業用原子炉につきまして、福島第一原発も含め、現在十五基の廃炉が決定しております。これをいかに安全に進めるかが重要な課題でございます。このためには、高度な技術の維持、安全確保を大前提とした廃炉工程の具体化、効率化、そして高いスキルと安全意識を持った人材の確保、これらが非常に重要であるというふうに考えております。

三浦信祐君 今御答弁いただいた部分から考えますと、今後、世界では四百基程度の原発の新増設があるとも聞いております。すなわち、継続的に廃炉が必要になるということは間違いないと思います。むしろ、廃炉というのは世界的なビジネスチャンスになる可能性も十分はらんでおります。
 その上で、今回の原子炉システムでのシビアアクシデントからの廃炉というのも世界で初めてになります。得られる技術と生み出す能力をしっかり保護すべきだと私は強く思います。他国に安易に技術をもたらすべきでもないと思いますし、日本がこれから行っていくであろう原子炉の廃炉を通して、技術集積、知見、知財確保と保護、オープン・クローズ戦略を計画的に進めていかなければならないと思います。その根幹となるのは人材育成、これが不可欠だと思います。
 原子力人材及び関連業界の今後の見通しはいかがでしょうか。また加えて、建設時点から運用時点での経験則が原子炉ごとに異なって、ノウハウもあると思います。事実や技術の伝承をどうしていくのか、現状の認識と展望について高木副大臣に御答弁いただきます。

副大臣(高木陽介君)  今御指摘ありましたように、廃炉人材の育成というのは大変重要なことだと思っております。
 一般社団法人の日本原子力産業協会の報告書によれば、我が国の原子力関係従事者数というのは現在四万八千人であり、人数自体は震災以降ほぼ横ばい傾向にありますが、今後、プラントの建設、運転経験を有する世代が退職により減少していく可能性があるとも承知しています。
 他方で、円滑な廃炉を実現するためには高度な技術の維持と高いスキルと安全意識を持った人材の確保が非常に重要であると考えており、国としては、原子力を支える高度な技術、人材を維持発展させるため、例えば現場技術者の技能向上に向けた実習や講義など、廃炉や原子力安全などに係る人材育成の取組についても支援しているところでございます。
 現在、福島第一の廃炉に向けて楢葉町にモックアップ施設というのを建設いたしました。いわゆる格納容器をそのままの大きさでモックアップで造っていますが、そこをベースにして、昨年末に全国の高専の方々を集めてロボットコンテストを行いました。このように、若い人たちにもしっかりとこの廃炉を見ていただいて、この原子力の技術というものはしっかりと継承して、原発に対して賛成をする方も反対をする方もこの中にいらっしゃると思います。しかし、廃炉という問題は、これは私たちの世代でしっかりとやらなければいけないということで、この技術開発については、原発について賛成であろうが反対であろうがしっかり協力してやっていくべきものであろうと、このように考えております。

三浦信祐君 ありがとうございます。全く私もそのとおりだと思います。
 例えば、福井では原発のたくさんあるところで廃炉ビジネスを構成していると聞きます。今、文科省からも、補助事業となっている事業で、JAEAが廃炉に関することにも取り組むことになっていると思います。この詳細について伺いたいと思います。また、今後国が全力でバックアップすることが大切だと思いますけれども、いかがでしょうか。文部科学省に伺います。

政府参考人(板倉周一郎君)  お答え申し上げます。
 文部科学省におきましては、平成二十八年度補正予算によりまして地域科学技術実証拠点整備事業を実施しておりまして、企業と地域の大学や公的研究機関などが連携しまして、一つ屋根の下で研究成果などを実証するための施設設備の整備を支援しております。
 今般、当該事業におきまして、原子力発電所の解体等の廃止措置技術に関し、福井県内の企業の技術力強化を行うことを目的として、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構が提案した拠点構想が採択されたところでございます。採択されたこの構想におきましては、今後、レーザーによる効率的な切断技術の開発、実証や、廃止措置技術の実証試験場の整備などを行い、福井県内の企業における廃止措置に係る技術力の強化につなげていくこととしております。
 文科省としましては、本事業を始め産学官の連携強化等を通じ、原子力機構の研究開発成果を広く国民社会に還元することが重要と考えておりまして、引き続き必要な支援等を行ってまいりたいと考えております。

三浦信祐君 時間になりました。ありがとうございました。
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