国土交通委員会(2019年4月25日)

三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。
 初めに、道路メンテナンスについて質問させていただきます。
 高度経済成長期以降に整備をされました道路、道路橋、トンネル、河川等の公共インフラ施設について、建設後五十年以上経過する割合が加速度的に増加をしていきます。現在、建設後五十年を経過をしている橋梁などの割合は、二〇一八年三月時点で二五%、この先十年後では約五〇%、トンネルでは、現在二〇%が、十年後では約三四%へ急増をします。これら多くの公共インフラが更新時期を迎えることになってまいります。
 道路では、笹子トンネル天井板落下事故を受けて、平成二十五年をメンテナンス元年と位置付け、道路法の改正を行い、平成二十六年から国が定める統一的基準により五年に一度の近接目視点検が義務付けられ、メンテナンスサイクルが実施をされております。
 さて、この道路メンテナンス、平成三十年度に一巡していると承知をいたしております。点検及び修繕の実施状況について、全国の状況、また地方公共団体の状況がどのようになっているのでしょうか。

政府参考人(池田豊人君)  道路の老朽化対策につきましては、今御指摘のとおり、平成二十六年度より、地方公共団体の管理するものも含め、全国の橋やトンネルなどについて、国の定める統一基準によりまして五年に一度の頻度で近接して目視をする点検を義務化して行ってきておりまして、昨年度で一巡をしたというところでございます。
 具体的に、橋梁を例に取って進捗の状況を御説明させていただきます。
 橋梁については、全国約七十三万橋ございますけれども、平成二十九年度末までの四年間で八〇%の点検が完了をいたしました。また、その点検完了した中で平成二十八年度末までに修繕が必要と判断された施設は全体の一一%になるんですけれども、修繕に着手した施設は一五%にとどまっております。また、特にこの中で地方公共団体管理のものが約六十六万橋ございます。平成二十九年度末までに、こちらについても八〇%の点検は完了しておりますけれども、平成二十八年度末までに速やかに修繕が必要と判断された施設、こちらも一一%ございますけれども、この中で修繕に着手できているものは一二%にとどまっておるところでございます。

三浦信祐君 道路構造物の点検は四か年で八割、おおむね順調であるというふうには理解をできると思います。
 しかし、修繕工事の着手については、地方公共団体では僅か一割程度にとどまっている。特に、健全性の診断の結果、三というランクの事後保全段階、四、緊急措置段階と判定されている場所というのは極めてリスクが高く、修繕工事は待ったなしであります。何かあったからではもう遅い、取り返しが付きません。生活者にとって利便性と安全性が確保されることに関しては、国が管理をしているとか地方公共団体が管理しているとかいうことは基本的には関係はありません。地方公共団体の修繕工事着手の割合が低いことが明らかであります。
 その理由としては、地方公共団体の土木技術者の人手不足、技術力不足や財政的な課題があるのではないでしょうか。これらの課題について、国は地方公共団体に対してどのような支援を行っていくのでしょうか。また、今後はどのような対応をしていくのでしょうか。

政府参考人(池田豊人君)  地方公共団体、特に市町村の多くで、修繕を含めました道路管理に関しての技術力の不足や財政的な課題があると認識をしております。
 技術力不足につきましては、各県ごとに市町村が入りました道路メンテナンス会議を設置しておりまして、継続的にフォローアップ体制を取っております。この会議を通じまして、難易度の高い橋梁などについての点検、診断は、直轄で代行する直轄診断の実施を一部行っております。また、都道府県が市町村に代わりまして点検や診断業務を一括で発注するシステムも適宜取り込んでおります。また、市町村を含めた地方公共団体向けの技術的な研修の実施も行っております。このような取組を継続的に実施しております。
 また、財政的な課題の対応については、地方公共団体の老朽化が、今後計画的に進むように個別補助事業や防災・安全交付金などによる支援、それと併せまして、地方財政措置、公共施設等適正管理推進事業債でございますけれども、総務省さんとも連携してこのような支援を実施しております。
 平成三十一年度について、今申し上げました制度につきまして対象となるものや規模の拡充を行ったところでございます。
 引き続き、このような取組を通じまして、技術の面、財政の面、両面で地方公共団体の支援を拡充してまいりたいと考えております。

三浦信祐君 積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 首都圏では、来年に迫った東京オリンピック・パラリンピック対策や渋滞解消を目的とした交通ネットワークを拡充するために、首都高速や新たな幹線道路を建設をしております。大会の成功、国民生活の向上と改善のための公共工事は重要であり、応援をしていきたいと思います。
 一方で、高度経済成長期に整備された道路などの老朽化が進む中、これらの道路も確実にメンテナンスが必要になり、今後、国及び地方公共団体、道路会社は維持管理コストが上乗せされていくことになります。道路の総延長距離が増加していくに従い、当然メンテナンスコストは確実に増加をします。これを踏まえますと、メンテナンスの財源確保は欠かせません。
 利便性改善のために道路建設による総延長の増加は、地方自治体の財政体力を考慮する必要が当然あります。少子高齢化が進む中、地方税収の減少も想定され、メンテナンスの財源を見出せない場合には国への依存度合いが高まることも想定しなければならないのが現状であります。国と地方公共団体との関係は今後どのように整理されていくのかということも含めて、建設と維持についての課題は多いと私は考えております。
 その上で、まずは、今後道路施設の老朽化が加速をしていく中で、計画的な修繕を行うためにどの程度の予算が必要と考えておられるのでしょうか。安全維持のためにも、確実な財源確保の視点からも、石井大臣に御答弁いただきたいと思います。

国務大臣(石井啓一君)  計画的なメンテナンスの実施のためには、今後の道路の維持管理・更新費用を把握をし、必要な予算の確保を図ることが重要と認識をしております。
 このため、国土交通省におきましては、平成二十六年度から開始をいたしました五年に一度の点検結果等に基づきまして、道路を始めとする所管十二分野で維持管理・更新費の推計を行いまして、昨年十一月に公表をしております。
 道路におきましては、損傷が深刻化してから大規模な修繕を行うのではなく、損傷が軽微なうちに補修を行う予防保全型の考え方によるメンテナンスを実施することによりまして、事後保全型に比べまして費用は削減をされるところではありますが、それでも二十年後には現在の費用の一・五倍に増加する見込みでございます。そして、その後はピークを過ぎ、減少する見込みとなっております。
 引き続き、予防保全などによりコストの縮減を行いつつ、今後増大が見込まれますメンテナンスに係る予算の確保を図り、計画的な道路メンテナンスに努めてまいりたいと考えております。

三浦信祐君 安全のためにも予算確保、しっかり頑張っていただきたいと思いますし、また応援してまいりたいと思います。
 次に、公共工事が抱えている課題解決について伺います。
 現在、国は公共工事の平準化に取り組んでいると承知をしております。そもそもですけれども、なぜ平準化が必要なのでしょうか。平準化を行うメリットは何でしょうか。

政府参考人(五道仁実君)  お答え申し上げます。
 公共工事については、通常、年度ごとの予算により事業執行を行っており、年度の初めには工事が少なくなる一方、年度末に工期末が集中する傾向にございます。工事量に偏りが生じることで、工事の閑散期においては人材や資機材に余剰が生じ、技能労働者の収入が減る可能性も懸念される一方、繁忙期におきましては工事が集中し、労働者の休暇が取りにくくなることや、資機材の効率的な調達が困難となる等の弊害が見受けられるところでございます。
 このような状況から、施工時期の平準化の取組は、平成二十六年度に改正された公共工事品質確保法に基づき定められた発注関係事務の運用に関する指針において実施に努める事項とされております。
 また、国土交通省が平成二十八年度から取り組んでいる建設現場の生産性革命、i―Constructionにおいても主要施策の一つとして施工時期の平準化を位置付け、推進しているところでございます。
 年間を通した工事量の偏りをできるだけ緩和する施工時期の平準化を推進することは、人材、資機材の有効活用や建設企業の経営の健全化が図られ、建設業の担い手確保や生産性向上に大きく貢献するものと考えております。

三浦信祐君 そのメリットというのは極めて重要だと思います。また、事務負担も平準化をするということで時期に急激に事務処理が増えるということもなくなるという、ある意味、いろんな面に働き方改革の影響も及ぼせるんではないかなということで、平準化、是非進めていかなければいけないと思います。
 その上で、施工時期の平準化について、国として国庫債務負担行為の活用などを行い、平準化の取組が進んでいると理解をしております。国土交通省の直轄工事における平準化の取組状況について伺います。

政府参考人(五道仁実君)  お答え申し上げます。
 国土交通省の直轄工事では、施工時期の平準化に向け、これまで国庫債務負担行為や繰越しの活用、適切な工期の設定、余裕期間の設定などにより、率先して取組を行ってきたところでございます。
 平成三十一年度予算では、平準化のための国庫債務負担行為について、二か年国債と当初ゼロ国債を合わせて前年度より上積みをして約三千二百億円を設定しているところでございます。
 国土交通省といたしましては、引き続き施工時期の平準化に積極的に取り組んでまいります。

三浦信祐君 国土交通省の直轄工事において取組の効果が出ていることはよく分かります。これから更なる平準化を進めていくことを願っております。
 しかし、国の平準化が進んでいることのみでは建設業が置かれている課題解決にはなりません。国で行っている様々な施策を地方に広げることが必要であります。
 先日、私も、建設業に関わっている方にお話を伺いました。まさに、第一・四半期のときの、経営としてどう乗り切っていくかということが最大の課題であると。その方は道路カッターの仕事をされている方で、職人を首を切るわけにはいかないと。しかし、他の仲間では、もう四月の段階で仕事がないとなったときに一度首を切って、そして入札等が行われて仕事があってからまた職人を雇う、このような状況をいつまで続けていかなければいけないんだろうかと。国のために、地域のために、発展のためにと頑張っているけれども、この制度を変えてくれない限り私たちはその仕事を貢献していくことができないと、切実な声を伺いました。
 国に関わっている部分はいいと思います。しかし、大事なことは、この地方自治体でやっていること、公共団体でやっていること、これが絶対に必要だと思います。地方公共団体における公共工事の平準化が重要であり、必要だと私は考えます。私自身も責任を持って地元の神奈川県でも平準化の取組を浸透させていきたいと考えております。
 その上で、平準化を阻害している要因はどのようなものだとお考えでしょうか。

政府参考人(野村正史君)  お答えいたします。
 年間を通じて地域の建設業が持続的に活躍できる環境を整えるという観点から、委員御指摘のとおり、公共工事の約三分の二を占める地方公共団体が発注する工事について、施工時期の平準化を進めることは極めて重要であると認識しております。
 施工時期の平準化を進めるためには、工事量が少なくなる四月から六月にかけての年度初めの偏りを解消することが重要でございますけれども、このためには、特に債務負担行為や繰越明許費を活用して、年度をまたいで工期を設定することが重要です。
 地方公共団体の平準化の取組については、国土交通省が調査を行った平成三十年の取組状況で紹介いたしますと、まず、都道府県では、債務負担行為を活用している団体は全ての都道府県、速やかな繰越手続を実施している団体は三十八都道府県となっており、取組が進んでいるところでございます。一方、市町村においては、債務負担行為を活用している団体は四百四十七市区町村、速やかな繰越手続を実施している団体は四百四十二市区町村となっており、取組を実施している団体は増加基調にあるものの、いまだ低い水準にございます。
 公共団体において平準化が進んでいない理由について、国土交通省が都道府県に対して実施したアンケート調査によりますと、平準化の観点からの債務負担行為や繰越明許費の活用について財政部局や議会の理解を得ることが難しいこと、特に市町村においては予算規模が小さく工期が短い工事が多いため、年度をまたいだ工期を設定することについて理解を得ることが難しいことなどが課題として挙げられております。
 今後、地方公共団体の御意見を踏まえながら、更に平準化が進むよう取り組んでまいりたいと考えております。

三浦信祐君 今の問題意識は極めて共有していかなければいけないことだと思います。
 その上で、国からの交付金、補助金事業によって成立する公共事業の場合、国の当初予算成立と箇所付けを受けた上で地方公共団体、地方議会で予算化して事業開始となるのが現状のシステムであると理解をしております。この場合、地方議会での予算成立を待つことになるため、第一・四半期において事業が開始しないことになります。すなわち、交付金、補助金事業の現状のスキーム自体が平準化を妨げる要素と言ってもおかしくはないんではないかと思います。
 これらについて、現状の課題認識を伺うとともに、公共工事の平準化への最適化に向けて、いきなりは変わらないと思いますけれども、是非この問題点について議論をしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

政府参考人(野村正史君)  まず、国土交通省におきましては、地方公共団体に対して、社会資本整備総合計画に係る交付金事業においても、地方公共団体が債務負担行為を設定して事業を実施することは可能であることなどについて通知をしております。
 一方、債務負担行為の活用を実施している地方公共団体は増加基調にございますけれども、特に市区町村ではいまだ低い水準にあることは先ほどの数字のとおりでございます。そして、その一因として、委員御指摘のとおり、交付金あるいは補助金事業においては、地方公共団体が債務負担行為の設定を行う時点では翌年の予算の確保が不透明であることを挙げる意見もございます。
 国土交通省といたしましては、国からの交付金、補助金事業における平準化を進めるためにはどのような対策が有効であるかにつきまして、地方公共団体の御意見、御要望も含めて十分把握しながら、平準化に向けて有効な対策について更なる検討を行ってまいりたいと考えております。

三浦信祐君 是非御検討いただきたいと思います。
 単にシステム上の問題で納期が遅れるとかそういう議論だけではなくて、地域の大事な建設業の担い手を守っていくという視点、また、その建設業がなかった場合には、地域の防災を一番最初にやっていただける建設業がないということは、地域の防災という観点からもリスクに変わります。そういう視点から幅広に議論していただいて、是非課題解決のために頑張っていただきたいというふうに思います。
 国土交通省として、地方公共団体の平準化を推進するために具体的にどのような施策に現段階で取り組まれているのでしょうか。石井大臣、今後の取組の御決意も併せて伺いたいと思います。

国務大臣(石井啓一君)  国土交通省の直轄工事では、適正な工期を設定するとともに、国庫債務負担行為の活用等により平準化の取組を進めているところでありますが、比較的取組が遅れております市区町村を中心に地方公共団体発注工事における平準化の取組を促進することが必要と認識をしております。
 このため、債務負担行為の積極的な活用等による適正な工期の設定や繰越制度の適切な活用など、平準化に向けた取組について総務省と連名で繰り返し要請を行ってきたほか、地域発注者協議会を通じた国及び地方公共団体の発注見通しの統合、公表の促進や、先進的な取組をまとめた事例集の周知等に取り組んできたところであります。さらに、本国会におきまして建設業法及び入札契約適正化法の改正案を提出しておりまして、その中で、特に地方公共団体の平準化の取組を促進することとしております。
 国土交通省といたしましては、引き続き様々な場面を通じまして地方公共団体に対して働きかけてまいる所存であります。

三浦信祐君 ありがとうございます。
 平準化には地方公共団体の財政当局とか、また議会の理解が重要であるということも御答弁をいただきました。公明党としても、地方議員とのネットワークを通して、公共工事の平準化の推進、また、まちづくりの担い手である、万が一の災害発生時における初動対応をしていただける建設業を守る取組もいろんな形で進めさせていただければというふうに思います。
 次に、タクシーに関して質問させていただきます。
 タクシーは、今後の少子高齢化社会を支え、地方創生を進める上で重要な役割を担っております。特に高齢者の買物支援や通院等、ドア・ツー・ドアの役割は他の業種にほぼ担うことができません。
 例えば、しっかりとタクシーを守っていけば先日の池袋のような悲惨な事故を起こさないということも、ある意味タクシー業界がしっかりと体制が整っていく、その中で利便性が高まっていくことがあれば、高齢者になっても運転をしなくても済むというシーンも生まれてくると思います。ところが、賃金の課題や労働環境の課題等に起因していると考えられるドライバーの確保の難しさ、ドライバーの高齢化等、課題解決を急がなければならないということもあります。
 これらの課題を踏まえ、働き方改革推進への対応も不可欠であります。インバウンドへの対応も重要な役割をタクシーの業界は担っております。タクシーが社会インフラとしての機能を果たし抜くためにも、私たちは守っていかなければいけないのではないかというふうに考えております。
 国土交通省としての問題意識と具体的取組について、石井大臣に伺います。

国務大臣(石井啓一君)  タクシーは、利用者のニーズに応じたドア・ツー・ドアの輸送を提供することができる公共交通機関として重要な役割を担っております。このため、地域における移動の足の確保はもちろんのこと、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックを見据えた訪日外国人観光客への対応など、多様なニーズに応じたサービスの向上を図っていくことが必要であります。
 一方、タクシー事業の労働環境の実態は、長時間労働の割に低い賃金水準、運転者の高齢化、女性比率の低さなどが課題であり、働き方改革の推進が急務となっております。このため、昨年三月には全国ハイヤー・タクシー連合会において働き方改革の実現に向けたアクションプランを取りまとめていただき、政府としては、昨年五月に自動車運送事業の働き方改革の実現に向けた政府行動計画を策定したところであります。
 国土交通省といたしましては、これらの推進を図りながら、訪日外国人の言語、決済の不安解消を通じましたインバウンド需要の取り込みや、配車アプリを活用いたしました新たなサービスの導入による生産性の向上、女性が働きやすい職場環境の整備や第二種免許の取得支援による多様な人材の確保、育成などの各種の施策に関係省庁とも連携をして取り組んでまいりたいと考えております。

三浦信祐君 是非お願いしたいと思います。
 ユニバーサル社会の実現のために、ハード、ソフト共に整備が必要であります。その中で、近年、ユニバーサルタクシーの導入が進んでおります。しかし、そのペースはいまだ十分とは言えません。ユニバーサルデザインタクシーへの導入支援を加速するべきであります。補助制度の拡充も併せて行うべきだと考えます。是非お願いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

政府参考人(奥田哲也君)  お答え申し上げます。
 国土交通省では、高齢者、障害者や外国人観光客など、誰でも利用しやすいタクシー車両の普及促進が必要であるというふうに認識をいたしておりまして、バリアフリー社会の実現を図るため、ユニバーサルデザインタクシーの普及促進に取り組んでおるところでございます。
 具体的には、ユニバーサルデザインタクシーを含む福祉車両を平成三十二年度までに四万四千台導入するという数値目標を掲げまして、地域公共交通確保維持改善事業及び訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業におきまして車両購入費等の補助を実施をいたしております。また、平成三十一年度予算におきましては、新たに国際観光旅客税の財源を活用いたしました観光振興事業におきましても導入支援を行っていくことといたしました。
 さらに、平成三十一年度税制改正におきまして、ユニバーサルデザインタクシーに対する自動車取得税の特例措置が延長されました。また、自動車税環境性能割につきまして、自動車取得税と同様の課税標準の特例措置が平成三十一年十月一日から平成三十三年三月三十一日まで講ぜられたところでございます。
 今後とも、バリアフリー社会の実現に向け、ユニバーサルデザインタクシーの普及促進を図り、しっかりと導入支援を行ってまいりたいというふうに考えております。

三浦信祐君 私の地元の神奈川では子育て支援タクシーというのもありまして、運転手さんが妊婦の方を病院に連れていくとき等にサポートをするという制度もあります。
 例えば、ジャパンタクシーのようなスライドドアタイプですと、おなかのことを気にしないですっと乗れるという話も伺いました。これはある意味子育て支援でもあり、高齢者の方々の支援でもあります。是非この支援をしっかりと加速をお願いしたいと思います。
 次に、安全上の観点から、デジタル式運行記録計、高性能、特にAI付きのドライブレコーダーの導入支援について、継続的に支援の取組を行うべきだと私は思います。安全への投資であります。是非行っていただけませんでしょうか。

政府参考人(奥田哲也君)  お答え申し上げます。
 デジタル式運行記録計及びドライブレコーダーにつきましては、自動車運送事業における事故の原因の究明でありますとか、運行管理者による運転者への安全指導を行う際に有効でございます。
 このため、事業用自動車の安全性向上を図る観点から、平成二十二年度に補助制度を創設をいたしまして、一定の機能を有するものについてその普及促進を図ってきております。
 また、AI等の機能を搭載した高度なデジタル機器を活用することは更なる安全性の向上を図るために重要なことであるというふうに考えておりまして、このため、こういった機能を搭載した高度な運行管理支援機器につきましても同様に、自動車事故対策費補助金交付要綱に基づく機器選定要領における要件を満たすものについて補助の対象としておるところでございます。
 今後とも、事業用自動車の安全性向上のため、引き続き、これらの機器の普及促進への取組を進めてまいりたいというふうに考えております。

三浦信祐君 明確に御答弁いただいて、ありがとうございます。
 最後に、外国人観光客六千万人時代に対応するために、タクシー利用環境の向上を図るべきだと考えます。例えば、世界的に進行し、国内でも導入されている配車アプリや車内におけるタブレット決済の拡充、多言語化を進めて利便性向上を図ることが大切です。先ほど大臣からもありましたけれども、支援をしっかり行っていただきたいと思います。
 その上で、タクシードライバーへの外国人対応のための研修制度、認定制度について充実、拡大は欠かせません。取り組んでいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

政府参考人(奥田哲也君)  お答え申し上げます。
 観光先進国の実現に向けまして、訪日外国人旅行者がストレスなく快適に観光を満喫できるよう、タクシーを利用する際の言語や決済面での不安を解消し、サービスを向上させることが不可欠であるというふうに考えております。
 このような観点から、全国ハイヤー・タクシー連合会において、昨年一月、訪日外国人向けタクシーサービス向上アクションプランというものが策定をされました。具体的には、訪日外客のニーズへの対応として、日本のタクシー配車アプリの多言語化を図るとともに、日本のタクシー会社と海外の主要配車アプリとの連携等を推進すること、外国語対応ドライバーの採用や外国人対応に係る研修を充実し、言語の不安解消を図ること、キャッシュレス対応車両の増加による決済の不安解消を図ることなどを進めることといたしております。
 国土交通省といたしましては、タクシー事業者によるこのようなアクションプランの取組についても必要な支援を行ってまいりたいと考えております。具体的には、多言語アプリ搭載タブレット端末の導入に関しまして、訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業におきまして購入費の補助を実施をいたしております。また、平成三十一年度予算におきましては、キャッシュレス決済端末の導入や外国人接遇等の研修などについて支援を拡充するとともに、新たに国際観光旅客税の財源を活用した観光振興事業におきましてもこういった機器の導入支援を行っていくことといたしました。
 今後、これらの取組を通じまして、訪日外国人旅行者も含めた利用者の利便性向上を図ってまいりたいというふうに考えております。

三浦信祐君 是非、日本の国力を維持するために必要な仕事をしていただいているタクシーのことについても、国土交通省、しっかり支えていただきたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。