国土交通委員会(2018年11月20日)

ブロック塀の対策について

三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。
 安心、安全に直結する防災・減災対策、また、交通を含めた利便性確保と生産性の向上など、国民生活において国土交通行政が果たす役割は極めて重要度を増していると考えます。一つ一つ伺わせていただきます。
 初めに、ブロック塀の安全対策について伺います。
 今般の補正予算において、学校施設のブロック塀については即座に対応ができる枠組みができました。しかし、学校施設ではなく、通学路、緊急避難路上の民間の土地に設置されているブロック塀の安全確保も併せて行わなければなりません。学生さんの通学路上の安全は点ではなく線で整備することが必須であり、対応すべきであります。
 地方自治体には民有地のブロック塀についての不安が多数寄せられていると伺いました。国交省として、地方自治体に対して具体的にどのように取り組んでもらいたいのか、また、どう促していくのでしょうか、ここで明言をしていただきたいと思います。
 その上で、財政的に厳しいゆえにブロック塀対策に取りかかれないという自治体がないようにするためにも、財政的支援体制が不可欠であります。具体的に取り組んでいただきたいんですけれども、石井国土交通大臣、いかがでしょうか。

国務大臣(石井啓一君)  ブロック塀等の安全対策は喫緊の課題であると認識をしております。
 このため、国土交通省ではこれまでに、塀の所有者等に向けました安全点検チェックポイントの公表、地方公共団体に対します塀の所有者等に向けた注意喚起の依頼、支援措置の周知、建築士関係団体等への協力依頼や関係団体連絡会議の開催等を行っております。
 さらに、今後のブロック塀等の安全対策に関しましては、通学路を含みます避難路沿道のブロック塀等につきまして建築物と同様に耐震診断を義務付けることができるよう、耐震改修促進法の政令等の改正を来年の年明け早々にも施行すべく準備をしているところであります。
 これに合わせまして、ブロック塀等の耐震診断や、診断の結果、撤去等を行う場合の費用に対する支援につきまして、平成三十一年度の予算概算要求に盛り込んでおります。
 国土交通省といたしましては、地方公共団体に対しまして、耐震改修促進法の枠組みを活用した取組や、撤去、診断等に係る支援措置を活用して、ブロック塀等の安全性確保に積極的に取り組むよう、説明会や地方ごとの意見交換会等を通じてきめ細かく情報提供を行ってまいります。

三浦信祐君 是非、きめ細かく対応していただきたいと思います。
 ブロック塀倒壊による人命を失うような事故があってはなりません。ブロック塀安全性の診断について、明確な規定にのっとって検査、診断が行われる必要があります。国交省として、検査の明確な規定を検査従事者、関係者に示すとともに、周知をすべきだと考えます。
 また、検査技術の担保、管理上の責任と安全に関する担保はどのようにするのか明示していただきたいんですけれども、いかがでしょうか。

政府参考人(石田優君)  お答えさせていただきます。
 ブロック塀等の維持管理を含みます安全対策につきましては、まずは塀の所有者自身の意識や対応が重要でありますので、所有者による適切な維持管理を通じて安全確認が図られるよう、既に公表しております安全点検のチェックポイントの活用などにつきまして、引き続き啓発を行ってまいります。
 さらに、耐震改修促進法の枠組みを活用した対策を推進するに当たりまして、診断が義務付けられたブロック塀等の診断につきましては、建築士等の専門的な知識を有する者が行うこととする予定にしております。
 その診断方法につきましては、現地の調査項目や劣化などの判断、判定方法、倒壊危険性の判定方法などを明確化するとともに、講習会などを通じまして建築士等に対して周知を図ってまいりたいと思っております。

三浦信祐君 是非、建築士の皆さん、場所によってはブロック塀が多い地域もある、一方で、建築士の方とのバランス、人数、そして実際にその作業ができるかどうかということも踏まえた上で、的確に対応をしていただきたいと思います。
 その上で、ブロック塀、最初に検査をしたから大丈夫だといって所有者がその後何もしないということが事故の原因になる。ですから、そういうところも含めて、ちゃんと密接に情報提供ができる、所有者に対してもしっかりアプローチができるような取組も是非強く求めたいと思います。
 大臣は、所信挨拶の中で、防災・減災対策について、災害リスクに関する知識と心構えを社会全体で共有し、様々な災害に備える防災意識社会への転換へ向け、ハード、ソフト一体となった対策を講ずると述べられました。まさに、災害が最近多発している日本において、どこでも、いつでも災害が発生すると想定した上で対策を取る必要性があります。

まるごとまちごとハザードマップの全国展開への取り組み

 そのうちの一つ、まるごとまちごとハザードマップの展開がなされております。これは、自らが生活する地域の水害の危険性を実感できるよう、居住地域を丸ごとハザードマップと見立て、生活空間である町中に水防災に関わる洪水、内水、高潮の浸水と避難行動に関する情報を標示する取組と承知をいたしております。自助に効果があるまるごとまちごとハザードマップの取組は全国的に広めるべきだと考えます。
 まず、そこで確認をさせていただきます。採用している自治体数は幾つでしょうか。また、この取組の現状について伺います。

政府参考人(塚原浩一君)  お答えを申し上げます。
 まず、いわゆる基本的な図としての洪水ハザードマップでございますけれども、これにつきましては、平成三十年九月末現在で、水防法による洪水ハザードマップの作成が義務付けられております一千三百四十市町村のうち、一千三百十六市町村で作成がなされております。
 このうち、議員御指摘の、町の中に浸水の深さとか避難場所等が分かるような標識を設置をしていくまるごとまちごとハザードマップの取組につきましては、自治体数としては百八十一の市町村で取り組んでいただいております。

三浦信祐君 自助に効果があるまるごとまちごとハザードマップの取組が全国に広がらない理由について、どう認識をされているのでしょうか。

政府参考人(塚原浩一君)  お答えを申し上げます。
 平成二十七年度に、このまるごとまちごとハザードマップを実施をしていない自治体へヒアリング調査等を実施をしております。その中で、まるごとまちごとハザードマップを実施する効果がよく分からない、あるいは、想定の浸水の深さの標識などは、今まで浸水実績のない地域で設置をすることになると非常に抵抗感があると、このような意見がございました。
 これらの意見も踏まえまして、市町村がより円滑に取組を進められるよう、実施の手引きを昨年度改訂をいたしまして、都道府県を通じて全国の取組事例集などとともに各市町村に周知をしております。引き続きまして、このまるごとまちごとハザードマップの普及に努めてまいりたいというふうに思います。

三浦信祐君 平成二十七年にヒアリングをしていただいたと。しかし、国民の意識自体は当時よりも今は確実に防災・減災というところに動いていると思います。そのことをこれから踏まえていただきたいと思います。
 その上で、是非お聞きいただきたいことがあります。地方議会では、このまるごとまちごとハザードマップの採用を提案をしたところ、当局からは、地価が下がる、住民の不安が増幅するから採用しない、標示を撤去した地域があるから要望がなければ検討に値しないなど、住民、国民の命を重視しているとは到底思えない答弁があると聞いております。
 このような実態に対して国土交通省はどのような認識をしているのでしょうか。私は、まるごとまちごとハザードマップの意味と効果について、より的確、正確に周知をして採用拡大に本腰を入れるべきだと考えます。そのためにも、地方自治体との協調を強固にして、地域防災の見える化、住民の皆様の共助が図られるようにしていただきたいんですけれども、いかがでございましょうか。

政府参考人(塚原浩一君)  お答え申し上げます。
 まるごとまちごとハザードマップは、日常生活上で視認されやすい場所に標識等を設置することによりまして、防災に対する意識が低い住民の方々も含めて、浸水の深さ、避難所の位置などを具体的なイメージを持って認識をしていただくということを目的としております。
 議員御指摘の地価が下がるというようなことに関しましては、例えば浸水想定区域図を公表した複数の都市を対象にいたしまして、浸水想定区域の中と外とにおきまして地価の経年変化等を比較したところ、特段の有意な差は認められておりません。
 また、住民の不安という点につきましては、住民の不安の解消に向けた対策事例として、例えば滋賀県東近江市のように設置看板のデザインを住民投票で決定した事例であったり、あるいは佐賀県武雄市などのようにまるごとまちごとハザードマップを活用した訓練をマスコミに取材していただいた形で実施をした事例などがございます。また、平成二十九年のフォローアップ調査におきましては、まるごとまちごとハザードマップの実施によりまして、その地区の住民の七八%が自分の地域がどれくらい浸水するかを理解をし、また八四%がこの取組を評価をしていると、このような結果も出ております。
 このようなことを踏まえまして、あらゆる機会を捉えて、自治体に対しましてこのまるごとまちごとハザードマップの目的、取組方法、その効果等につきまして丁寧に説明するなど、理解促進に努めてまいります。

三浦信祐君 八四%も評価するような政策ってなかなかないと思います。これ、大事になってくるのは、各地域の首長さんがそれを理解できるかどうかだと思います。そして、地元住民の皆さんと協議をして一体となって進めることでありますから、是非しっかりやっていただきたいと思います。塚田副大臣の地元の三条市はすごく進んでいるということもよく存じ上げております。
 災害はいつでもどこでも起きるとの認識に立つべきことが防災の原点であります。国交省は、国民の命を守るとの大前提に立ち、防災・減災対策の自助の役割を発揮する、また共助を促すことができるまるごとまちごとハザードマップを全国へ展開すると、いま一度決めていただきたいと思います。石井国土交通大臣、いかがでしょうか。

国務大臣(石井啓一君)  生活空間である町中に想定浸水深や避難所の情報等を標示いたしますまるごとまちごとハザードマップは、地域の水害の危険性を実感をし、避難の実効性を高めるために重要な取組であるといたしまして、その普及に努めてまいりました。
 まるごとまちごとハザードマップは、自然災害に備える公助、共助、自助のうち、国民一人一人が自ら取り組む自助を強化する重要な取組と認識をしております。水防災意識社会の再構築を加速化していくためにも、まるごとまちごとハザードマップの自治体への導入促進に一層努めてまいりたいと考えております。

三浦信祐君 是非、大臣筆頭によろしくお願いしたいと思います。

鉄道車両、特に通勤型車両への公衆無線LAN、 Wifi導入支援について

 次に、鉄道車両への公衆無線LAN、WiFi導入支援について伺います。
 訪日外国人観光促進のための情報提供、インフラ整備の一つとして、新幹線への公衆無線LAN、無料WiFiサービスの整備が急速に行われていることを承知をしております。鉄道車両のWiFiサービス提供の現状と今後の展開についてどのような取組をするのか、伺いたいと思います。

政府参考人(蒲生篤実君)  お答え申し上げます。
 新幹線車両への無料WiFiの整備につきましては、訪日外国人旅行者の受入れ環境整備として取り組むべき重要な課題の一つであると認識しております。このため、国土交通省としては、JR各社に対し、新幹線車両における無料WiFiの導入につきまして強く働きかけてきたところでございます。
 こうした中、JR各社では既に今年度より新幹線車両への無料WiFiサービスの提供を始めており、来年度、二〇一九年度中にはほぼ全ての新幹線車両で導入が完了する見込みでございます。
 なお、新幹線駅につきましても既に百八駅中百一駅で無料WiFiサービスが提供されており、今年度中に新幹線全駅でサービスが開始される予定でございます。
 以上のように、新幹線における無料WiFiサービスにつきましては急速に整備が進んでいる状況にございます。引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。

三浦信祐君 大臣は、非常時の外国人旅行者の安全、安心確保に力を尽くすと明言をされております。
 首都圏、関西圏などの大都市部において圧倒的多数の外国人観光客を迎え入れる中、通勤型電車への公衆無線LAN、WiFiの導入は私は必須であると考えております。災害発生時や事故発生の運行情報の入手、混雑情報等、日本語が話せない外国人の方が情報収集する上で、自国語で的確、迅速に情報を取得できる体制を整備するのは、世界最高水準の快適な旅行環境実現に資することは間違いありません。インバウンドへのおもてなし投資として効果は大きいと思います。また、事業者の皆さん、特に車掌さんや駅窓口の係の方々にも配慮することに直結すると思います。
 先日JR北海道の車両に乗ったときに、このような冊子があって紹介をされたことをここでお伝えをしたいと思いますけれども、新千歳空港と札幌間で運行される快速エアポートにおいてオリジナルWiFiサービスが今月から開始をされ、二〇二〇年夏までに全二十二編成百三十二両で実施をされること、外国人観光客のみならず日本人も利用できるサービスであること、その上で、そのまま文章を引用させていただきますと、日常生活でも仕事でもインターネットがなくてはならない時代となった今、駅や列車内でのWiFiサービスの提供は、外国人観光客だけでなく、鉄道を利用する全てのお客様の利便性向上にもつながる取組として大きな期待が寄せられていますと記述をされております。全くそのとおりだと思います。
 この快速エアポートは通勤型車両で、空港利用者のみならず、むしろ多くの札幌圏への通勤通学者が多数乗車する列車であります。加えて、世界最高水準のWiFiの環境があれば、技術を通して利便性と安全を確保し、ひいては、外国旅客のみならず国民生活環境向上、生活に占める通信料低減への効果にも直結をすると思います。
 国として地方鉄道に投資をすることも当然やっていただいて、重要なことだと思いますけれども、例えば、国際観光旅客税を大都市部の鉄道事業者へ振り分けて効果を加速すべきということも言えると思います。また、長大編成の通勤型車両に多数の公衆無線LAN機器が導入をされることで、大量製造等による機器価格低減をもたらして、全国展開も容易となることも想像に難くありません。
 インバウンドへの安全、安心、利便性の向上に直結し、結果として国民の生活向上に資する通勤型鉄道車両へのWiFiサービス環境整備ができるように支援を強力に行っていただきたいと思います。石井大臣、いかがでしょうか。

国務大臣(石井啓一君)  訪日外国人旅行者が利用する路線などにおきまして鉄道車両に無料WiFiを導入することは、訪日外国人旅行者のストレスフリーな交通利用環境の実現のために重要と認識をしております。
 通勤型を含みます鉄道車両への無料WiFiの導入は、災害時を含めまして移動中の情報収集に資するものであります。また、訪日外国人旅行者だけでなく、日本人の鉄道利用者にとっても利便性の向上につながるものと認識をしております。
 このような観点から、首都圏では、京浜急行電鉄が全ての鉄道車両において導入を完了し、また都営地下鉄が二〇二〇年三月までに、また東京メトロが二〇二〇年の夏までに全ての鉄道車両に導入予定であるなど、各鉄道事業者において鉄道車両への無料WiFi導入に取り組んでおります。
 国土交通省といたしましては、引き続き、都市部の通勤型鉄道車両への無料WiFi導入を含みます訪日外国人旅行者の受入れ環境整備に積極的に取り組むよう、鉄道事業者に対し指導してまいりたいと存じます。

三浦信祐君 是非、効果は大きいものだと思いますので、取り組んでいただきたいと思います。

LNGバンカリング整備について

 次に、LNGバンカリング整備について伺います。
 昨日、横浜港で日本初のLNG燃料タグボート「魁」へのLNG燃料供給を行っているところを視察をさせていただきました。これは、トラックから船への供給、すなわちトラック・ツー・シップです。
 船舶から排出されるSOxの規制が強化されるに当たり、世界的にLNG船の増加が見込まれます。ヨーロッパが先進的取組を進めていると承知をいたしておりますが、日本も後れを取ってはなりません。当然ですが、LNG船が建造、就役しても供給インフラが整っていなければ港が選ばれなくなっていきます。今後、大型船舶への燃料供給方式として燃料船から船へ、いわゆるシップ・ツー・シップの体制整備も必要であります。
 昨年三月の十五日、予算委員会でも質問をさせていただきましたけれども、日本におけるLNGバンカリングの整備を加速すべきだと考えますが、現状の取組について伺います。

政府参考人(下司弘之君)  お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、国際海事機関による船舶の排出ガス規制が強化される中、環境負荷の少ないLNGを燃料とする船舶の普及促進のためには、船舶へのLNG燃料供給、すなわちLNGバンカリングの体制をいち早く構築することが重要であると考えております。また、周辺諸国に先駆けてLNGバンカリング拠点を形成することで、LNGを燃料とする大型船舶の我が国への寄港が促進され、我が国港湾の国際競争力の強化にもつながるというふうに認識しております。
 このため、国土交通省では、LNGバンカリング拠点の形成に必要な施設整備に対する補助制度を本年度より創設をいたしました。本年六月、伊勢湾、三河湾における事業及び東京湾における事業の二事業を公募により採択をいたしました。これらの施設整備により、委員御指摘の横浜港におきましても、二〇二〇年度中にはLNG供給体制が構築されることになります。
 さらに、国際的にもLNG燃料船の普及を促進するためには、LNGバンカリング拠点の世界的なネットワーク構築が重要であります。この認識の下、我が国が主導し、各国港湾当局間での国際連携を推進してございます。
 国土交通省といたしましては、引き続き、スピード感を持ってLNGバンカリング拠点を形成することでLNG燃料船の普及を促進するとともに、港湾の国際競争力の強化を図ってまいりたいと考えております。

三浦信祐君 LNGバンカリングをインフラとして整備することに加え、日本の民間企業がLNG船舶を導入しやすくする必要があります。船舶導入の際のサポートが欠かせません。どのような支援体制を考えているのでしょうか。
 国土交通省として、LNG船導入拡大へのプラン、ロードマップを示していただくことが大切だと考えます。いかがでしょうか。

政府参考人(水嶋智君)  お答え申し上げます。
 LNG燃料でございますけれども、重油と比べましてCO2の排出原単位が少ないことに加えまして、先生御指摘のSOxあるいはPMがほとんど排出されない環境に優しい燃料でございます。
 LNG燃料船の導入につきましては、燃料の市場価格によりまして民間における投資動向が左右される傾向があるわけでございますけれども、国際海事機関、IMOにおいて定められた温室効果ガス削減戦略や、二〇二〇年から予定されておりますSOx規制の強化に適切に対応するためには、LNG燃料船の普及促進が重要であると考えておる次第でございます。
 そのため、国土交通省では、これまでLNGを燃料とする船舶用エンジンの技術開発を支援してまいりました。加えて、今年度より、環境省と連携をいたしまして、先進的なLNG燃料船によるCO2排出量の大幅削減を図るモデル事業を通じて、LNG燃料船の導入を後押ししているところでございます。
 また、LNG燃料船を導入する際には、LNGを補給する際の安全をどのように確保するかが課題となるわけでございます。国土交通省では、LNG燃料を船舶に供給する際の安全対策についてのガイドラインを作成いたしまして、安全性に万全を期しておるというところでございます。
 国土交通省といたしましては、LNGバンカリングインフラの整備と相まって、こうした民間企業への支援策を行うことにより、LNG燃料船の導入を一層拡大させるべく努めてまいります。

三浦信祐君 是非、運航会社と、また造船メーカー等含めて一体となって促進をしていただくこと、それは国交省が一番旗を振っていただきたいということをお願いをさせていただきたいと思います。

生産性革命に必要不可欠な特殊車両の通行許可制度の改善について

 質問を変わります。
 大臣挨拶の中で、国土交通分野における生産性革命の更なる推進に取り組むとありました。制度を改善することで生産性革命を推進することができることがあります。その中の一つが、大型特殊車両の通行許可に関わる課題であります。
 現状、通行許可発出までの審査日数は平均何日を要しているのでしょうか。

政府参考人(池田豊人君)  お答えいたします。
 一定の重量、寸法を超える大型車両が道路を通行する場合には、道路の構造を保全し、交通の危険を防止する観点から、事前に道路管理者による特殊車両通行許可を受けて通行をしていただくこととなっております。
 この特殊車両通行許可の審査に要する日数につきましては、直近の平成三十年度上半期の実績で約四十七日となっております。

三浦信祐君 四十七日というのは極めて長い。様々状況があるのはよく分かりますけれども、平気で四十七日と言われては、これはもう現場でとても顔が合わせられません。しっかり取り組んでいただきたいということを次に質問させていただきたいと思います。
 現場において申請期間が今のように長く、時間を要していることは経営サービスへの足かせとなります。申請手続から許可までの審査期間短縮に更なる改善へ是非取り組んでいただきたいと思います。
 その上で、日数が掛かる作業の原因は、道路地図情報の電子化、電子データ化が道半ばであることが挙げられます。現状、全国でどこまで電子データ化ができているのでしょうか。

政府参考人(池田豊人君)  委員御指摘のとおり、特殊車両通行許可の審査を迅速化するために、現在、道路構造の電子データ化を重点的に進め、自動審査の拡大を図っているところでございます。
 現在、これまでに申請実績のあった道路のうち、高速道路、一般国道については既に全ての区間の電子データ化を完了しております。一方、都道府県道と市町村道については約七割の進捗状況でございます。
 今後とも、必要な区間の電子データ化を進めてまいります。

三浦信祐君 まさに今お話をいただいたように、電子データ化を急ぐ必要がある。国が関わっているところに関してはでき上がっている。しかし、重要なのはそこから先の主要県道であったり県市町村道の電子データ化であると思います。すなわち、地方自治体も電子データ化を促進することが不可欠であり、同時に進めていかなければ効率化できないというのが実態であります。
 国交省が直轄でデータ収集、整備に取り組んでもよいと思います。自治体を支援する民間の最新技術、能力も存分に活用すべきであります。加えて、その申請プロセスの中に人力、人手で行っている、アナログと言えばいいんでしょうか、そういうところの電子システム化も早急に取り組んでいただきたいと思います。
 その上で、電子データ化の今後の見通しと作業工程、そして時期的目標を示していただきたいと思います。結果としてどこまで期間を短縮できるのか、一日も早く取り組み、実現をしていただきたいと思います。現場の皆さんが聞いていると思って明快に、石井大臣、お答えいただけますでしょうか。

国務大臣(石井啓一君)  特殊車両通行許可の迅速化のために、地方管理道路を含めた電子データ化による国の一括審査を進めております。
 地方管理道路のうち、都道府県道や市町村道の電子データ化につきまして、今後は、国による支援や車載型センシング技術など新技術の導入によりましてスピードアップを図り、二〇二〇年度までに約八割を電子データ化することを目指しております。
 また、本年の通常国会の道路法改正により導入をされました重要物流道路における国際海上コンテナ車の特車許可の不要措置や許可期間の延長についても今後導入をしてまいります。
 このような対策を実施をいたしまして、審査日数につきましては二〇二〇年までに十日程度にすることを目標といたしまして、引き続き取り組んでまいりたいと存じます。

三浦信祐君 是非、十日にするまでには様々なプロセスもあり、またいろいろな技術的課題を克服をしなければいけないと思います。十日にしていただければ、現状この四十七日が僅か四分の一になる。場合によっては五分の一のようなものになってくると思います。そうすれば、四倍、五倍仕事ができる。あらゆる意味で生産性革命をできると思います。それは国土交通省の皆さんの努力に懸かっておると思いますし、地域も社会も望んでいることであると思います。
 その上で、車載型のデータ化をするようなその機械が地方整備局に一台があるだけではとても足りないと思います。そういうところもきめ細かくという位置付けで、しっかりと民間活力も導入をしていただきながら、一日でも早く、あしたにでも一日早くなったという現場の喜びの声を皆さんでつくっていただきたいということをお願いをさせていただいて、質問を以上とさせていただきます。
 ありがとうございました。