大規模接種センターについて
三浦信祐君 大規模接種センターについて質問いたします。
大規模接種センターにて接種に当たられる自衛隊の医官、看護官の皆様、共同で職務に当たられる民間の看護師の方はワクチン接種済みなのかを伺いたいと思います。ワクチンは最低一回以上は接種をしていただくことが必須でありますけれども、効果発現のためには二回目の接種は欠かすことができないと思います。現場の皆様を守るためにも、また接種済みの方が任務に当たられることで接種を受ける方の安心にもつながります。もし未接種であるならば、可及的速やかに対応いただきたいと思います。
また、受付等センター運営の支援に当たられる自衛官、民間の方々にも接種できるようにすべきと考えますが、防衛大臣、いかがでしょうか。
国務大臣(岸信夫君) センターの開始日に勤務する自衛隊の医官は、全員ワクチンを二回接種しております。また、看護官等は少なくとも一回接種済みとなっております。
また、センターで業務に従事する民間看護師や自衛隊員、契約役務職員、借り上げ施設の職員にも、まだワクチンの接種を受けていない者もおります。この中でも特に会場で予診やあるいは接種等行うなど来場者と頻繁に接する機会のある者を対象にしてワクチン接種を進めることといたしております。
一昨日、二十三日の朝に大規模接種センターにモデルナ製のワクチンが到着したことから、東京センター、大阪センターの民間看護師等、それぞれ二百六十九名、二百七十名に対して接種を行いました。
今後も、大規模接種センターに勤務する要員に対して速やかに接種できるように取り組んでまいります。
三浦信祐君 是非お願いしたいと思います。
センターでのワクチンロジスティクス管理は全て自衛隊が行うのでしょうか。モデルナワクチンの保管方法、使用期限はどのようになっているのか、伺いたいと思います。
その上で、一日ごとにキャンセル等で接種できなかったシリンジに装填済みの余剰ワクチンの取扱いについて、無駄にしない取組は当然必要だと考えております。例えば、自衛官も含めた官公庁での非代替性が高い部署において事前登録をしておくことや、また、余剰が発生した時点で接種体制を取る、あるいは民間救急事業者、タクシー事業者に登録をするなど、公共性の高い業種に機会を提供するようなことも自由度を持ってやっていただきたいと思いますけれども、防衛大臣、いかがでしょうか。
国務大臣(岸信夫君) 大規模接種センターで使用されますモデルナ社製の新型コロナウイルスワクチンにつきましては、それぞれの接種センターに設置をいたしました冷蔵庫あるいは冷凍庫で保管をすることとなっております。冷凍状態であれば冷凍庫で製造から六か月、冷蔵庫で解凍して冷蔵した場合には三十日間有効期限が、有効期間があります。大規模接種センターでは、ワクチンの余剰を抑えるために、会場の予約状況と来場して接種を受ける方の人数を把握しながら必要な量を解凍して行うことで、余剰を局限にするように努めているところであります。
それでも、予約のキャンセルや当日の体調不良によってやむを得ず余剰が発生した場合には、冷凍状態のワクチンは冷凍庫で、また冷蔵状態のものは冷蔵庫で保管をし、次の日の来場者の方に接種し、無駄なく接種してまいります。
また、毎日、来場者について接種を終了した後に容器に残ったワクチンにつきましては、センターで業務に従事する民間の看護師や自衛隊員、契約役務職員、借り上げ施設職員の中でまだワクチンの接種を受けていない者のうち、特に会場で予診や接種等を行うなど来場者と頻繁に接する者を対象に、無駄なく接種をしてまいります。一部まだワクチンの接種を受けていない者について、こうした方々を中心にということで、無駄なく接種をしてまいりたいと考えます。
三浦信祐君 是非、無駄なく取り扱っていただきたいと思います。
日本で承認されて初めて運用となるモデルナワクチンであります。アナフィラキシーショック、副反応が発生した場合の対応は万全にする必要があります。特に、救急搬送が必要となった際の搬送体制と受入先の選定はどのようになっているのでしょうか。救急車に任せるというだけでは、とても堪えられる話ではありません。自衛官の皆さんに責任だけがあるという状態もつくってはならないと思います。準備状況を伺います。
政府参考人(川崎方啓君) お答えいたします。
接種を受けた方にアナフィラキシーなどの副反応を疑う症状が見られた場合、速やかに接種会場に準備されている救護所において自衛隊の医官及び看護官等が応急処置等の初期対応に当たります。初期対応を行っても症状に改善が見られない場合には近傍の救急医療機関に救急搬送することとしており、その場合には、東京センターにおきましては五か所の病院に、大阪センターにおきましては四か所の病院に積極的に患者を受け入れていただくよう協力を要請しております。
自衛官のワクチン接種と都道府県医療従事者分余剰ワクチンの活用について
三浦信祐君 そういうことがないとは限らないものですから、しっかりと整えていただきたいと思います。
次に、自衛官のワクチン接種について伺います。
防衛省・自衛隊の隊員各位は、いつ何どきでも出動する責務を負っておりまして、日々態勢を取っていただいております。これからの出水期、災害発生時には、即応能力を堅持し、即応していただく必要があります。万が一の災害時、隊員の皆様が接種していただいている場合、被災者救援そして支援の際の互いの安心につながると思います。
隊員の皆様はいつワクチン接種を行えるのでしょうか。六十五歳以上の方々が受けたとしても、自衛官、現職で六十五歳の方は誰もおりません。高齢者への接種は当然七月末まで終了へ、何としても実現しなければなりませんが、代替性がない場合の出動が必須となる隊員、特に自衛官各位はワクチン接種について可及的速やかな対応が必要であると考えます。是非御対応いただけないか、御答弁いただきたいと思います。
政府参考人(川崎方啓君) 自衛隊の医官や看護官等の医療従事者のうち、約六割の者が二回目の新型コロナウイルスワクチンの接種を終えております。
また、防衛省・自衛隊における隊員への接種に当たりましては、厚生労働省が示した接種順位に従って、ワクチンの接種対象となった隊員への接種を着実に進め、任務遂行に支障が来すことのないように努めてまいります。
三浦信祐君 当然そういう答弁になるだろうなというのは分かり切っている話であります。ですが、ここはよく考えていただかなきゃいけないと思うので、あえてこれからは提案型の質問をさせていただきたいと思います。
まず、都道府県、ここのワクチンが確保されているのは医療従事者向けであります。そして、一般の方々、順番はそれぞれありますけれども、実際に接種を行っていただくのは市町村と、今回の防衛省のような、そういう位置付けであります。それぞれワクチンのルートは別という前提でお話ししますけれども、都道府県管理の医療従事者分ファイザーワクチンについて伺います。
医療従事者分のファイザーワクチンは、五月中旬までに全国に必要本数は配送済みと承知をしております。一方で、ワクチン配送分には予備分が含まれており、確実に余剰が発生すると想定されております。消費期限の残存も確実に短くなります。間違っても廃棄するようなことがあっては、国民の理解は得られないと思います。
自治体に対して、ワクチン接種の指針として、余剰となった場合には自治体の裁量でとなっておりますけれども、都道府県から現場の基礎自治体に、いわゆる市町村に配付した場合、流通経路が複雑になって、せっかく予約で整っているにもかかわらず、均等化などを図ろうとすると作業が増えて極めて非効率になる、だから県から市には送ってこないでくださいという声だってあるというのが事実であります。基礎自治体の混乱要因になるとの声もあります。結果として、国からのガイドラインがないゆえに自己判断に苦しむケースがあります。
そこで、緩やかで構いませんのでガイドラインあるいは通知等を作って、都道府県のワクチン担当者が都道府県の範疇で活用できるスキームを整えるように早急に取り組んでいただきたいと思います。また、その中に、都道府県管理のワクチンであることから、都道府県で管理する警察組織にも余剰分を積極的に活用することを求めたいと思います。
厚労省は自治体へ具体的にフォローをお願いしたいと思いますけれども、山本副大臣、いかがでしょうか。
副大臣(山本博司君) ワクチンの使用用途につきましては、四月十二日からは、医療従事者向けの接種と高齢者向けの接種のいずれの用途になっているかにかかわらず、どちらも接種可能とする旨の事務連絡、これは四月二日にお知らせをしているところでございます。
ワクチンの余剰分がある場合におきましては、まずは県は市区町村と連携しながら重症化リスクの高い高齢者向けの接種に使用していただきたいと考えている次第でございます。個別の課題がある場合におきましては、厚労省に設置しております自治体サポートチーム等におきましてしっかりと自治体の実情を丁寧に伺いながら支援してまいりたいと思う次第でございます。
一方で、接種の予約のキャンセルなどによってワクチンが余った場合の対応につきましては、各自治体で可能な限り工夫していただくように従前からお願いしておるところでございます。キャンセルの生じた枠で接種を受けられるのは接種券の送付を受けた対象者としておりますけれども、それでもなおワクチンの余剰が生じる場合の対象者につきましては自治体に裁量がございます。地域の実情等も踏まえて、公平性を確保した上で柔軟な対応も可能であると考えている次第でございます。
いずれにしても、貴重なワクチンを無駄なく使用していただけるように、適正な接種を担保しながら自治体の実情に合わせて接種を進めていただきたいと考えておりますので、しっかりきめ細やかな支援を行ってまいります。
三浦信祐君 大事なことは、自治体が判断するということ、そして無駄にしないというこの二つの前提があるということも確認をさせていただきました。
コロナ禍で、たとえ何であれ出動が必要であり、感染リスクの最前線にいると言っても過言ではない警察官を守るためにも、警察組織でも一日でも早く接種機会を確保することが必須と考えます。海上保安庁の隊員さんは既に打ち終わっている、そういう実態でもあります。
是非、都道府県ワクチン接種担当当局と連携の上、医療従事者分の余剰ワクチンを接種できるように取り組んでいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
政府参考人(櫻澤健一君) お答えいたします。
ワクチン接種の予約がキャンセルされた等の理由で余剰となったワクチンにつきましては、別の者に対して接種できるような方法について各自治体において検討が行われているものと承知しております。
余剰となったワクチンを警察職員に接種したい旨の申入れが幾つかの自治体から都道府県警察に対し既になされておりまして、当該都道府県警察において業務への支障等を考慮し、受入れの可否についてその都度検討しているところであります。警察庁におきましては、都道府県警察がそのような申入れを受けた場合には、当該自治体とも連携しつつ、申入れを受け入れることを積極的に検討するよう指導してまいります。
国民の皆様の安全と安心を守る警察活動に支障が生じないよう、引き続き都道府県警察と連携し、職員の感染防止対策が徹底されるよう努めてまいります。
三浦信祐君 まさに今のことで連携をしていただくと。都道府県は市町村と連携する、その中で編み出した結果として、今度は警察組織の中でしっかり連携していただく。警察官は一一〇番があれば必ず出ていかなけりゃいけません。それがどんな状況であったとしても、国民の安心のあかしでもあったりしますので、しっかりとこれサポートしていけるようにまた議論を重ねていきたいと思いますし、今おっしゃっていただいたように、声が掛かったら積極的に受け入れろと、この発言というのは極めて重要だと思いますので、御答弁いただいてありがとうございました。
各都道府県へ配分した医療従事者余剰分のファイザーワクチンを、コロナ禍でも出動が必須で、災害時に出動要請を受ける各都道府県内の自衛隊の各部隊、組織の方々にも提案型として活用できることも想定できます。インターバルも二十一日でありますし、余剰分も組織体であるがゆえに接種者の管理、融通がしやすいと考えます。
厚労省も、都道府県各機関にワクチンを送付した後で手が離れてしまったら終わりとならないよう、また、この提案を受けて即座に協議して対応も図っていただきたいと思います。
防衛省も、すぐそういう提案があったり相談があったときには遠慮なく相談するということ、そして協力を受けて一日でも早く接種を行えるように、防衛大臣、取り組んでいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
国務大臣(岸信夫君) 三浦委員からの御提案、大変有り難く受け止めたいと思います。
防衛省・自衛隊では、自衛隊病院などの医療機関における患者の受入れ、また離島からの急患輸送など、自治体からの具体的な要請があれば速やかに必要な措置を講じることができるよう万全を期しております。
一方で、ワクチンの接種順位については厚労省が示した接種順位があるため、まずはそれに従い、ワクチンの接種対象となった自衛隊員への接種を着実に進めてまいります。
その上で、御提案のとおり、都道府県において余剰分のワクチンが発生するような場合には、防衛省・自衛隊においても被災者の方々と接する機会を有する隊員などに対する接種を進めていくなど、ワクチンを有効活用するとの観点からしっかり検討してまいりたいと考えます。
三浦信祐君 ありがとうございます。
最後に、海外駐在者はコロナワクチン接種の機会について駐在国の政府の対応に委ねられております。邦人がワクチン接種のために一時帰国することへの対応が必要な状況でもあります。インドのように蔓延地域からの一時帰国が進んでいる方々への対応も必要だと思います。
一時帰国してもワクチン接種の担保がない状況では国民保護にはなりません。早急に、例えば羽田、成田、関西国際空港等の周辺で接種できる体制を整えていただきたいと思いますが、宇都副大臣、いかがでしょうか。
副大臣(宇都隆史君) おっしゃるように、海外在留邦人の安全確保のためのワクチン接種は、特に大流行している国等では喫緊の課題であります。一義的には海外在留邦人への接種は在留国政府の対応に委ねられているわけで、しかしながら、接種できるワクチンの種類、医療体制、ワクチンの承認制度も様々で、また、副反応等による補償についても日本政府による担保がなされない等の課題もあって、必ずしも海外での接種が進んでいるわけではございません。加えて、日本国内に住民票を有さない在留邦人に関しては市町村でワクチン接種を受けることができません。
よって、懸念されている海外在留邦人が一時帰国時に接種を受けられる体制を国が責任を持って構築するのは当然のことで、現在、急ぎ準備、検討を進めているところでございますが、私自身もしっかり結果につなげていきたいと思っております。
また、これは国の命令で送り出される外交官や他省庁から在外公館に出向する官僚、防衛駐在官等も同様で、私自身も非常に強い問題意識を持っております。改善に努力してまいります。
三浦信祐君 是非、今の発言に対して厚生労働省もサポートしていただきたいと思いますので、このお願いをさせていただいて、終わりたいと思います。
ありがとうございました。