外交防衛委員会(2020年12月3日)

中国の輸出管理法について

三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。
 日英EPA質疑の前に、中国輸出管理法について伺います。
 去る十二月の一日、中国輸出管理法が施行されました。先般、RCEPが合意に至っていると承知をしておりますけれども、その中に投資の際の技術移転要求の禁止が盛り込まれております。
 一方で、輸出管理法の細部にわたる内容が分からない中で、中国企業との間の取引又は関連する商業取引の中で技術関連情報の開示が求められるのではないかとの懸念も日本企業にあると伺っております。昨日はリストの第一弾が公表され、暗号技術が輸出許可制ということになっております。
 こうした状況に対し、日本の経済活動に影響を与える可能性を含め、政府として高い関心を持っていると加藤官房長官が先日述べられております。また、先月中旬には、梶山経済産業大臣からも、閣議後の会見において、経産省は前面に立って支援を行うなどの発言がなされております。
 こうした状況を認識した上で、政府一体となって対応に当たり、国益を確保していく必要があると考えますが、まず、経済産業省の方から中国輸出管理法の内容と評価を伺います。
政府参考人(風木淳君)  お答えいたします。
 十二月一日から施行となった中国の輸出管理法については、法目的を始めとした多くの規定に国家の安全と利益を明記していること、米国におけるいわゆるエンティティーリストに相当する輸出禁止リストを整備していること、法規の域外適用、それから再輸出規制を規定していること、相手国が中国に対し輸出規制措置をとった場合に対等の措置をとることができる、いわゆる報復を規定していることなどが特徴として挙げられます。その運用いかんによっては極めて広範な影響を、直接の貿易相手国のみならず、第三国にも及ぼし得ると考えております。
 また、委員御指摘のとおり、昨日、二日ですが、暗号技術など規制対象の一部が公表されております。これらは来年一月一日から正式施行とされております。ただ、依然として、規制対象品目の全容、多くの部分が、あるいは運用の詳細について明らかになっておりません。
 日本政府としては、日本企業の正当な経済活動に影響を与える可能性を含め高い関心を持っており、特に先ほど申し上げた点、こうしたものを始めとして、今後明らかになっていくであろう制度の更なる詳細、それから運用を注視してまいりたいと考えております。
三浦信祐君 まず、経済産業省がこの細かい内容をよく掌握をしていただく、そしてメッセージを強く出していただく、また日本企業にとって不利益がないように、また、経済安全保障の視点から、米中のこの経済摩擦のところに日本企業が巻き込まれるだけになってしまうようなことがないように、しっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。
 茂木大臣に伺います。
 中国輸出管理法は日本経済に対し広範な影響を与え得るものだと考えますけれども、外交の責任者として、今後どのように向き合い対応をしていくのか見解を伺うとともに、日本企業の懸念を取り払う取組を是非やっていただきたいと思います。茂木大臣、いかがでしょうか。
国務大臣(茂木敏充君)  十二月の一日から施行されました中国の輸出管理法につきましては、今経産省の方からも答弁ありましたが、国の安全と利益を理由とする規制対象品目の全容であったりとか、域外適用の可能性を含めて、その運用がどうなるのか必ずしも明確にされておりません。その運用次第では、日本企業もありますけれど、自由貿易の推進、さらには、世界各国の企業も含めて、企業の正当な経済活動であったりとかサプライチェーンに影響を与える可能性があると、こういうことで懸念を持っております。
 こうした問題意識につきましては、先般の日中外相会談を含めて、中国側に対しても様々な機会に提起をしているところでありまして、御指摘の点も含めまして、引き続き、中国の輸出管理法の運用の在り方、高い関心を持って注視をしていきたいと思います。

日英EPAの意義について

三浦信祐君 是非、自由貿易を守るという視点で、茂木大臣、中国ともしっかりとコミュニケーションを取っていただきたいというふうに思いますし、また、第三国への影響ということも、日本がどう発言をしていくのかというのが注目されていると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 日英EPAについて質問させていただきます。
 英国は、本年一月三十一日、EU離脱が実現をし、これに伴って、日EU・EPAが本年末に日英間に適用されなくなることが確定し、英国との間での貿易、投資の枠組みを設ける必要性が生じました。そこで、六月から日英EPA交渉が開始されたと承知をしております。英国とEUの間で三月からFTA交渉が開始をされていましたが、日本は英国との間で世界に先駆けて主要国として初めて署名を交わすことができております。まず、交渉に当たられました関係各位に敬意を表したいと思います。
 そこで伺います。なぜ我が国が最初に署名をすることができたか、また、その意義と世界に対するメッセージはどのようなものでしょうか。茂木大臣に伺います。
国務大臣(茂木敏充君)  日英EPA、私と英国のトラス国際貿易大臣との間で六月九日に交渉を開始いたしましたが、コロナ禍ではありましたが、八月に私、英国を訪問して、丸二日間、膝詰めでトラス大臣と交渉を行いまして、テタテも結構やりました。大体こういうのは、少人数とかテタテを組み合わせながら、どのタイミングでどういうところを押していくかということでやるわけでありまして、その上で、主要の論点について認識の一致に至って、九月の十一日に大筋合意、十月二十三日に署名に至ったわけであります。
 確かに、何というか、日米貿易交渉と比べてどうだったかと、いろんな意見あると思いますが、いずれにしても、この日英にしても国益と国益がぶつかる難しい交渉でありましたが、英国のEU離脱によりますマイナスの影響を回避しつつ、できるだけ高いレベルのルールを規定すること、そして、グローバルな戦略パートナーとして日英両国が国際社会のルール作りを主導していくことについて、日本と英国との共通認識をしっかり確立できた、このことが、主要論点について認識の一致、リーチコンセンサス、そして大筋合意、アグリーメント・イン・プリンシプルと進んで、交渉開始から四か月半という異例の早さで合意、署名に達した大きな要因だったんではないかなと振り返っているところであります。
 この日英EPAによりまして、EU離脱後の英国との間で、移行期間終了後も日系企業のビジネスの継続を確保し、高い水準の規律の下で日英間の貿易や投資が促進されることが期待されるわけであります。
 我が国として、自由で公正な経済圏、二十一世紀型のルールと、これを世界に広げるべく、TPP11、日EU・EPA、日米貿易協定の締結など国際的な取組をリードしてきたわけでありますが、その我が国が日英のEPAを締結することによりまして、自由貿易を更に推進していくという力強いメッセージ、国際社会に対して発信することができたと、この意義は大きいと思っております。
三浦信祐君 ありがとうございます。
 次に、英国との関係における工業製品について伺いたいと思います。
 鉄道車両、自動車部品、自動車等が英国のインフラに貢献をし、英国経済を支える技術を日本が担ってきた部分も多数あります。一方で、航空機エンジンはプラット・アンド・ホイットニー、ゼネラル・エレクトリック、またロールスロイスの世界三大メーカーが多くの航空機に搭載をされておりまして、英国はその一つであるロールスロイスを有して、本邦の航空会社もこのエンジンを多用し、日本の国民の輸送、また海外から来られたお客様に対してもその貢献があります。
 英国との関係において、工業製品でお互いが支え合い、コロナを乗り越える過程で更に今後拡充する可能性というのは存分に期待ができます。その中で、自動車部品等について関税の即時撤廃を整えたことを歓迎をしたいと思います。今後、今回のEPA締結をきっかけに、両国間の地理的距離を超えて工業製品の相互利用促進への強化を図るに当たり、基盤強化にしっかり取り組んでいただきたいと私は考えております。
 また、日本は、現状、各業種においてサプライチェーンの強化、複線化を実現することが可及的速やかに取り組むべき課題となっており、これらも踏まえた両国関係に貢献できると考える基盤強化への具体的な取組、展望について経済産業省に伺います。
政府参考人(黒田淳一郎君)  お答えを申し上げます。
 ただいま議員の御指摘のとおり、現在、日英の間では、航空機あるいは鉄道といったような分野で活発な貿易投資が行われているところでございます。
 具体的には、これも議員御指摘ありましたけれども、例えば航空機分野では、ロールスロイス社のエンジン事業において、日本企業はターボジェットなどの重要パーツの提供やメンテナンスなどで参画をしているところでございます。あるいは、鉄道分野でございますけれども、日立製作所が鉄道車両やその部品を英国に輸出をいたしまして現地工場で組立てを行うなど、現地での雇用創出、英国の鉄道産業の発展に貢献をしているというところでございます。
 こうした状況を踏まえまして、今般の日英EPAでは、鉱工業品につきましては日EU・EPAと同様に一〇〇%の関税撤廃を達成をし、また、日英EPAの発効時から日EU・EPAと同じ特恵関税を適用する、いわゆるキャッチアップを規定、さらには、日英EUでサプライチェーンがまたがる実態を踏まえまして、EU産の材料、生産工程を、日英EPA上の材料、生産工程とみなすEU産の拡張累積を導入するなど、日英間のビジネスの継続性を確保したところでございます。
 さらに、先ほどのターボジェットあるいは鉄道車両、それら部品といった日本の主要輸出品目、また日系自動車メーカーの競争力強化に資する電気制御盤などの自動車部品につきましては、新たに即時撤廃を獲得し、英国への市場アクセスを改善したところでございます。
 今後は、日英EPAにおけるこうした合意内容について、産業界に積極的に周知、広報を行ってまいりたいと思っております。
 こうした取組に加えまして、政府間の対話等を通じまして、日英間の産業協力の深化、発展に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
 こうした取組を通じまして、本、日英EPAを契機に、両国間の貿易投資関係が更に活性化するよう努めてまいりたいと考えております。

日英EPA締結後の農業分野の展望について

三浦信祐君 是非よろしくお願いします。
 次に、日英EPA締結後の農業分野の展望について伺います。
 日EU・EPAでは、約八二%の農林水産品の関税撤廃を約束をしております。今後、段階的に関税撤廃が発動されていき、農業分野において最終的に生ずる影響は約六百から一千百億円の生産減少を見込んでいたと承知をしております。また一方で、国内対策によって全品目での国内生産量が維持されると平成二十九年十二月に農林水産省が試算を公表しております。
 大切なことは、減少見込みをカバーできる国内対策が効果をなし得るかということであります。本年、二〇一九年二月の発効以降、間もなく二年となりますけれども、日EU・EPAにおける実際の影響などはどのようになっているのでしょうか。
 その上で、日英EPAは日EU・EPAと同程度の内容としていることから、当時対策として整えた支援策等についても、日英EPAを締結したことによる影響を回避するためにも、日EU・EPAと同様に、引き続いて国内対策を進めていただきたいと考えております。
 対応について農林水産省に伺います。
政府参考人(青山豊久君)  お答えいたします。
 農林水産省においては、日EU・EPAを含みます新たな国際環境に対応するため、総合的なTPP等関連政策大綱に基づき、国際競争力のある産地イノベーションの促進や、畜産・酪農収益力強化のための対策などを通じた強い農林水産業の構築、米や麦、牛肉・豚肉などの重要五品目の経営安定、安定供給のための備え、地理的表示や植物新品種などの知的財産権の保護の推進に向け、様々な対策を実施しているところでございます。日英EPAにつきましても、その合意内容が日EU・EPAの範囲内であることから、同大綱に基づき、引き続き万全の対策を実施しております。
 さらに、今般署名に至りましたRCEPを含む各協定を最大限に活用して、農林水産物・食品の輸出についての二〇三〇年五兆円目標の実現に向け、生産基盤を強化し、輸出力を強化していくことが重要と考えており、今後、年内をめどに改訂されることとなっております同大綱に必要な対策が盛り込まれるよう、政府内で調整を行ってまいります。
三浦信祐君 確認の部分もありますけれども、日EU・EPAの条約締結交渉の際に、EU農産品の輸入が増えて国内農林水産業が影響を受けると国内では多くの不安が語られました。
 一年、まあ二年程度経過をしておるという状況で、まだ短期間ではありますけれども、農産品分野での不利益等について、実際、締結後の実態、現状はどのようになっておりますのでしょうか。所見も含めて農林水産省に伺います。
政府参考人(水野政義君)  お答え申し上げます。
 日EU・EPA発効後の一年間、二〇一九年二月から二〇二〇年一月におけるEUからの農林水産品の輸入額約一兆四千億円は前年同期比で一〇三%となっており、発効前三年の前年同期比の平均一〇八%を下回る水準でした。品目別に見ると、例えば近年輸入が増えているチーズについては、同じく発効後の一年間の輸入額約五百六十億円は前年同期比で一〇四%となっており、発効前三年の前年同期比の平均一一五%を下回る水準でした。
 このように、日EU・EPAの発効後にEUからの農林水産品の輸入が大きく増え、国内農林水産業に影響が及んでいるという状況にはないと考えておりますが、輸入の状況については引き続き注視していきたいと考えております。
三浦信祐君 数字を用いていただいて明確にお答えいただいていますけれども、今後もよく見ていただきたいと思います。
 その上で、日英のEPAでも同等の傾向があるのではないかなというふうに思いますけど、ちょっと通告はしていませんけど、それについての見解を伺いたいと思います。
政府参考人(水野政義君)  お答えいたします。
 日英EPAについてお尋ねでございますけれども、日英EPA協定につきましては、関税は日EU・EPAと同じ内容を維持しており、日EU・EPAで設定された関税割当てはこれを設定しないなど、日EU・EPAの範囲内となっておりますので、これが我が国の農林水産業に追加的な影響を与えるものではないと考えております。
 以上でございます。
三浦信祐君 ありがとうございます。
 その上で、本締結後、本邦農林水産品の輸出促進についての具体的ターゲットと具体的な取組はどのようになっているのでしょうか。農林水産省に伺います。
政府参考人(池山成俊君)  お答え申し上げます。
 我が国の農林水産物・食品の輸出拡大に向けましては、英国と粘り強く交渉しました結果、英国側の関税につきましては牛肉、茶、ブリ、ホタテガイなどの主要輸出関心品目につきまして、関税撤廃を獲得した日EU・EPAの内容を維持してございます。
 この市場アクセスの改善を生かし、更なる対英輸出の拡大を図るためには、英国市場で求められるニーズや規制に対応し、マーケットインの発想で輸出に取り組むことが必要不可欠であると考えております。このため、二〇三〇年五兆円の輸出目標に向けまして、先日、十一月三十日でございますけれども、輸出拡大のための関係閣僚会議におきまして農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略が取りまとめられ、マーケットインの輸出を実現するため、輸出重点品目の選定でございますとか海外ニーズに対応した輸出産地の育成などを盛り込んでいるところでございます。
 この戦略を実行するため、政府一体となってスピーディーに取り組んでまいります。

日英EPAにおける個人情報保護等の締結内容について

三浦信祐君 是非、国内生産量をしっかり確保しながら、戦略的に輸出で外貨を獲得できる、そして日本の宣伝をするには一番いいのがやっぱり農水産品だというふうに思いますので、その輸出戦略をしっかりと実行できるように取り組んでいただきたいと思います。
 次に、日英EPAにおける個人情報保護等の締結内容について伺います。
 日英EPAでは、個人情報などの重要なデータを適切に保護した上で、情報の越境移転の制限の禁止、ソースコード、アルゴリズム開示要求の禁止等を規定をしております。自由貿易を推進し、各国企業が安全に必要な利益を確保していくためには必要不可欠な規定であります。これは、国際的ルール作りのリードとなるハイスタンダードな内容となっているとこれまで外務省は見解を示しております。重要となるのが他の経済連携協定との差異であります。
 そこで伺います。これらにおけるTPP11の合意内容との差異、また今回締結したRCEPとの差について、比較の結果はどのようになっていますでしょうか。
政府参考人(四方敬之君)  お答え申し上げます。
 日英EPAのデジタル分野の規律は、消費者保護及び個人情報保護等の電子商取引の信頼性を確保するための規定を含め、情報の越境移転の制限の禁止、コンピューター関連設備の設置要求の禁止、ソースコード及び暗号の開示要求の禁止等、TPP11協定と同様の規定に加えまして、日英双方の電子商取引分野への関心及びコミットメントの高さを踏まえ、アルゴリズムの開示要求の禁止といったTPP11にはない規定も一部含まれております。
 署名いたしましたRCEP協定については、後発開発途上国を含め、制度や経済発展状況が大きく異なる国々も交渉に参加した経済連携協定でございまして、TPPや日英EPAとは参加国や背景、事情が異なるため、一概に比較してお答えすることは困難でございます。
 その上で申し上げますと、情報の越境移転の制限の禁止やコンピューター関連設備の設置要求の禁止並びに消費者保護及び個人情報保護につきましてはRCEP協定にも含まれております。アルゴリズムを含むソースコードや暗号の開示要求の禁止に係る規定はRCEP協定には含まれておりません。
三浦信祐君 その上で、外務大臣に伺います。
 今後、経済連携協定を結ぶ相手国との交渉にあって、新規のEPAはこれを軸とした、要は日英のEPAを軸とした内容にて交渉するのでしょうか。また、これまで我が国が締結をした数あるEPAについて、ここまで引き上げる交渉を今後するのでしょうか。茂木大臣に伺います。
国務大臣(茂木敏充君)  まず、我が国として、急速に拡大しているデジタル貿易の分野のルールをしっかり作っていかなきゃいけない。恐らくTPP11というのがその意味で先鞭を着けるものになったと思います。
 同時に、日米貿易交渉をやるときは、貿易と同時にデジタル分野についてももう一つつくろうということで日米デジタル貿易協定つくったわけでありまして、デジタル分野の国際的なルール作り、日本として主導してきたわけであります。
 日英EPAの電子商取引の分野では、TPP11協定と同様の規定に加えまして、日英双方、電子商取引へのコミットメントの高さ踏まえまして、アルゴリズムの開示要求禁止といったTPP11にはない規定も含まれているところであります。
 では、今後、新規のEPAを交渉して結んでいく、若しくは既に締結済みのEPAの見直し協議を行うに当たってデジタル分野どう扱っていくかということでありますが、これ相手国との交渉でありますし、協議の結果次第というところもありますが、相手国の制度とかまた経済発展状況と、これによっても異なってくるんではないかなと。これはRCEPの結果を御覧いただいてもよく分かると思うんですが。
 その上で、我が国としては、昨年六月のG20大阪サミットの際に立ち上げました大阪トラックの下、DFFT、データ・フリー・フロー・ウイズ・トラスト、この実現に向けて、ポストコロナで重要性が更に増すことが考えられますデジタル分野に関する新たなルール作りにおいて、引き続き主導的な役割を果たしていきたいと思っております。
三浦信祐君 まさにG20での合意事項というのを世界をリードする日本がこれから世界に広めていくというところに、先頭に立って頑張っていただきたいと思います。
 日英EPAにおける中小企業支援、知的財産について質問させていただきます。
 今回の日英EPAでは、日EU・EPAに加えて、中小企業市場参入支援の附帯的な協力事項に関わる規定が設けられております。この規定によるメリットは何でしょうか。
 また、知的財産の保護レベルは、今後の外交交渉、国際ルール上極めて重要であります。RCEP、TPP11、EPA、それぞれの経済連携協定等においてレベルのギャップが存在をしておりますけれども、複雑であることが足かせとなって本邦企業の経営に影響を及ぼさないようにすべきであります。今後、公平性を確保しつつ、不利益が生じないよう締結のレベルを整理をして企業へ周知する具体的な取組が欠かせません。これらについて我が国の支援体制はどのようになっているのでしょうか。
 その上で、中小企業が世界への飛躍、海外展開のチャンスとなるならば、各国ごと、経済連携協定ごとのアドバイスをこれまで以上に具体化すべきであります。これも体制整備をしっかり行っていただきたいと思いますが、経済産業省、いかがでしょうか。
政府参考人(黒田淳一郎君)  お答えを申し上げます。
 中小企業の海外展開支援が重要という観点から、今般、日英EPAでは、中小企業の海外市場参入支援に向けまして、日英間での協力規定を新たに設けたところでございます。具体的には、その規定を踏まえまして、日英両国で中小企業支援団体同士の協力の促進、日英EPA協定のメリットや活用方法に関するセミナーの開催、さらには、中小企業に対する海外展開支援策のベストプラクティスについての情報交換などを実施していく予定でございます。
 また、知的財産権につきましては、委員御指摘のとおり、EPA、FTAごとにレベルの違いが存在してございます。そうした中、関連するEPAの規定内容を含めて、各国の知的財産に関する法制度について丁寧に周知を行ってまいりたいというふうに考えております。また、具体的な支援体制としては、ジェトロにおきましてEPAの制度などについて周知をするとともに、海外展開に関する中小企業等へのハンズオン支援を行ってきてございます。また、特に知財権につきましては、独立行政法人工業所有権情報・研修館が海外での知的財産権の取得や活用方法につきまして、海外駐在経験を有する知的財産の専門家によるアドバイスを行っております。
 こうした取組を通じまして、今後も一層中小企業のビジネス展開支援を行ってまいりたいというふうに考えております。

日英EPAの知的財産について

三浦信祐君 一つ飛ばさせていただきます。
 米中間の通信機器、通信環境に対する技術覇権競争が激しくなっております。米国の再輸出規制、中国の輸出管理法等、世界のGDP一位と二位の大国が規制を強め、保護主義的な要素が極めて強まっております。決して好ましいことではありません。そのような中で、自由貿易を希求する日英両国間の関連産業を含めた通信機器分野への我が国の今後の対応について伺います。
政府参考人(三浦章豪君)  お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、自国優先主義の拡大、米中対立の深刻化など、国際秩序への遠心力が加速しております。その中で、日英EPAを含め、自由で公正な経済圏を広げていくことが重要と考えております。こうした考え方については情報通信機器にも当てはまるものであり、サイバーセキュリティーの確保や機微技術管理への対応など、経済安全保障の観点も踏まえつつ、自由で公正な貿易を確保していくことが必要と考えております。
 経済産業省としましては、今般の日英EPAを通じ日英間の経済的結び付きを強化し、情報通信機器についても我が国企業の国際展開をしっかりと後押しをしてまいる所存でございます。

TPP11について

三浦信祐君 最後に、茂木大臣に伺います。
 TPP11議長国になるのが来年日本であります。米国のTPPへの復帰と新大統領誕生後の対応についてどう取り組んでいくのでしょうか。まず、TPP各国のスタンスを確認すべきであると考えます。その上で、各国の米国復帰に対するスタンスは現時点でどのように把握をされておりますでしょうか。茂木大臣に伺います。
国務大臣(茂木敏充君)  米国のバイデン次期大統領はこれまで、米国労働者及びインフラへの主要な投資を行うまで新たな貿易協定に署名しないと表明してきているところでありますが、いずれにしても、米国では現在、通商政策を含めて政権移行の準備が進められているところでありまして、まずは米次期政権の政策というものを注視していきたいと思っております。
 その上で申し上げれば、我が国としては、GDP世界第一位で経済のグローバル化が進んでいる米国を含め、できるだけ多くの国・地域がTPPに参加することが望ましい、こういう考えに変わりありません。
 このような我が国の考え方については、私もこれまでもTPPの関係の各国のカウンターパートともいろんな意見交換をしておりますが、他のTPP参加国も基本的な認識を共有していると、このように考えておりますが、来年、御指摘のように、日本ですね、TPP委員会の議長国となるわけでありまして、戦略的観点も踏まえながら、引き続きTPPの着実な実施及び拡大に取り組んでいきたいと思っております。
三浦信祐君 ありがとうございました。
 質問の機会をいただきました。以上で終わります。ありがとうございました。