厚生労働委員会(2019年5月28日)

三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。
 まず、質問の機会をいただきまして、また様々御配慮をいただきましたこと、心から感謝を申し上げます。
 がんは、昭和から平成にかけて死因の第一位であり続けました。今年一月に厚生労働省が初めてがん登録法に基づいて公表した集計結果でも、新たに年間百万人の方ががんと診断をされております。こうした状況を踏まえて、がん対策について質問をいたします。
 がんゲノム医療体制整備が進みつつあり、パネル検査の保険適用の議論が開始していると承知をしております。がんゲノム検査の保険収載は是非実現すべきであり、お願いしたいと思います。一方で、患者さんの視点に立てば、過剰な期待を持たせてしまうことは避けなければなりません。
 今こそ、がんゲノム医療体制について全体的に慎重に確認すべき時期であると私は考えます。がんゲノム医療が適切に進み、国民の皆様が安心して診療を受けることができる取組が必要であると思います。根本大臣、いかがでしょうか。

国務大臣(根本匠君)  がんゲノム情報を活用し、個人に最適化されたがん治療等を行うがんゲノム医療については、国民の正しい理解の下で適切に情報管理を行いながら、しっかりと進めていくことが必要だと考えています。
 第三期がん対策推進基本計画のがん医療の充実の一項目にがんゲノム医療を位置付け、様々な対策を進めています。がんゲノム医療提供体制の構築を図るための中核となる拠点病院の整備、ゲノム情報等の集約、管理、利活用の支援を行うがんゲノム情報管理センターを国立がん研究センターに設置、がんゲノム医療等の研究推進などであります。
 また、患者や国民を含めたゲノム医療の推進に係る関係者から構成されるがんゲノム医療推進コンソーシアム運営会議において、患者への適切な情報提供や患者情報の取扱い、この二点が非常に大事だと思いますが、などについて議論を行っているところであります。
 今後、これらの議論を踏まえながら、必要な方が安心してがんゲノム医療を受けていただくために、引き続きしっかりと取組を進めていきたいと思います。

三浦信祐君 是非検討を進めていただいて、皆さんに安心していただける体制をつくっていただきたいと思います。
 がんゲノム医療の進展の一方で、当面のパネル検査の対象が他の治療方法を終えた患者さんであることを考えれば、早期発見がより重要となります。すなわち、がん検診の受診率向上を欠かすことができません。
 これまでもコール・リコール制度等の推進をしておりますけれども、取組の加速が不可欠であります。生活者ががん検診を受けようとするための厚生労働省の取組、今後行おうとしていることは何でしょうか。容易に確実であるがん検診技術、手法の導入を急ぐべきであります。
 加えて、職域での情報収集を含め、更なる検診の改善を図る取組は重要であると思います。是非これらについて取り組んでいただきたいのですけれども、いかがでしょうか。

政府参考人(宇都宮啓君)  お答えいたします。
 御指摘いただきましたように、がんの早期発見を進めることが重要でございまして、そのためには、がん検診を受けていただきやすいように取り組むことが必要でございます。このため、第三期がん対策推進基本計画に基づきまして、様々ながん検診に関する施策に取り組んでいるところでございます。
 具体的には、まず、平成三十一年四月にナッジを活用した国内外の先進事例を分かりやすく紹介しました受診率向上ハンドブックの第二版を作成して、地方自治体等に周知いたしました。また、低侵襲かつ早期発見の診断技術として、リキッドバイオプシーの研究開発の推進をしているところでございます。さらに、職域でのがん検診の実態把握のための研究をしているところでございまして、これらの施策に取り組んでございます。
 厚生労働省としては、こうした取組を進めますとともに、がん検診のあり方に関する検討会での議論も踏まえながら、最新のエビデンスに基づいて不断の見直しを行っているところでございます。

三浦信祐君 更に加速をしていただきたいと思います。
 現役世代のがん患者の方々に対して、治療と仕事の両立ができる環境整備を欠かすことはできません。その際に、職場の理解が重要となります。
 昨年、私は、本委員会での働き方改革関連法案審議の際に、がん治療と仕事との両立が可能な社会構築を推進すべき、そして、法案の中で読み取れる文意について質問をさせていただきました。働き方改革推進法が成立をして、がんを含めた治療と仕事の両立支援が含まれております。確実に実行していただきたいと思います。
 今年度から、厚生労働省は、がんに加えて脳卒中を対象に両立支援モデル事業を開始したと承知をしております。様々な病気の特性に応じた就労支援は、少子高齢化、労働生産人口減少社会にあって極めて重要なセーフティーネットとなります。三大疾病の一つ、心疾患への対応も必要であります。厚生労働省にはこれらの疾病について就労支援の充実を図っていただきたいと思います。いかがでしょうか。

政府参考人(宇都宮啓君)  お答えいたします。
 病気になっても自分らしく生き生きと働き、安心して暮らせる社会環境を整備することは重要であると考えてございます。
 厚生労働省といたしましては、第三期がん対策推進基本計画や働き方改革実行計画に基づきまして、まず、がんの仕事と治療の両立支援モデル事業の実施、次に、事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドラインの周知啓発、そして、患者の相談支援及び主治医や企業、産業医との調整支援を行う両立支援コーディネーターの育成、活用などに取り組んでいるところでございます。
 また、昨年十二月に成立いたしました循環器病対策基本法におきましても脳卒中や心疾患等の循環器病患者等の生活の質の維持向上に係る施策が規定されているところでございますが、今年度は、御指摘いただきましたように、脳卒中の分野でもモデル事業を行うこととしているところでございます。
 今後は、例えば心疾患等の循環器病の患者の方々への就労支援等についても取り組むことを検討してまいりたいと考えてございます。

三浦信祐君 大変重要な答弁をいただいたと思います。是非検討していただいて、進めていただきたいと思います。
 小児またAYA世代へのがん対策も待ったなしであります。小児がん拠点病院を全国十五か所に整備をし、治療を中心に対策を行っていただいておりますけれども、退院後のより身近な地域での体制整備が欠かせません。具体的にどのような形で、小児またAYA世代のがん対策として、身近な地域での医療、地方自治体を含め、体制整備、支援を推進しようとしているのでしょうか。

政府参考人(宇都宮啓君)  お答えいたします。
 小児、AYA世代のがんは、成長や時間の経過に伴って、がんそのものや薬物療法などの影響によって生じる合併症が見られますため、御指摘のように、退院後も身近な地域でのフォローアップが重要となるところでございます。
 厚生労働省としましては、第三期がん対策推進基本計画に基づきまして、例えば地域の医療機関や地方自治体と連携した専門的な診療を実施できる医療提供体制の整備、あるいは、就学や就労など多様なニーズに応じた情報提供といったものを通じまして、小児、AYA世代のがん患者支援を推進しているところでございます。
 今後とも、小児、AYA世代のがん患者が身近な地域で適切な支援が受けられるよう取り組んでいく所存でございます。

三浦信祐君 地方自治体と連携していただくということを御答弁いただいたのは大変重要なことだと思います。基礎自治体が本当に住民に寄り添って仕事ができる体制を、厚生労働省としてもしっかり連携を取っていただいて、進めていただければと思います。
 がん対策の政策、治療体制、医療の充実、環境整備にはがん研究の充実が不可欠であります。がん研究十か年戦略の中間評価を実施したと伺いましたが、このポイントと、評価を受けたことに基づく今後の取組について伺います。

政府参考人(宇都宮啓君)  がん研究はがん対策推進の基礎となるものでございまして、極めて重要でございます。これまでも、平成二十六年に策定しましたがん研究十か年戦略に基づきまして研究を推進してまいりました。昨年度、今後のがん研究のあり方に関する有識者会議におきまして有識者の方々に御議論いただき、本年四月にがん研究十か年戦略の中間評価を行ったところでございます。
 その中間評価では、まず、がん研究全体としておおむね順調に進捗しているとされたところでございます。それとともに、今後の方向性としましては、例えばゲノム医療やリキッドバイオプシー等の新たな治療方法の開発などに向けた研究について重点的に取り組むべきといった御提言をいただいたところでございます。
 厚生労働省といたしましては、この中間評価を踏まえ、関係省庁の連携の下、引き続きがん研究を推進してまいりたいと考えているところでございます。

三浦信祐君 国民の生命を守っていくという観点で極めて重要ながん研究でありますので、厚生労働省としてもしっかりと支援をしていただきたいと思います。
 がんゲノム医療分野は、診断、治療、創薬等、これから開拓される分野であり、一連の知見について知的財産保護を図ることは国益そのものであります。特許庁、厚生労働省、そしてがんゲノム情報管理センターや専門家も含めて、従前の知財対応を超えて戦略的な知財管理、支援体制、利活用ができるようにすべきとこれまでお願いをさせていただきました。
 その議論の中で、特許庁の調査研究として、ゲノム医療知財戦略を進めていただきました。どのような結果を得ているのでしょうか。

政府参考人(米村猛君)  お答えを申し上げます。
 ゲノム医療の進展によりゲノム情報や臨床情報が大規模に集積されることが見込まれており、これを利用した研究開発から生まれる知的財産を適切に保護、活用していくことが必要でございます。
 特許庁では、昨年度、厚生労働省や国立がん研究センターとともに有識者を集めた研究会を開催いたしまして、ゲノム医療分野での知的財産に関する課題の抽出や諸外国の状況などについて調査を行ったところでございます。
 結果でございますけれども、具体的な課題としては大きく三つありまして、集積されたデータを利用した研究開発により生じた知的財産の帰属などのいわゆる知財ポリシーの在り方、それから、データ共有者の範囲をどの範囲とすべきか、これを含みますデータ提供の在り方、それから、患者や医療機関、研究機関へのインセンティブの設計など、ゲノム医療エコシステムをどのように構築すべきかという点が浮き彫りになってきたものと考えております。

三浦信祐君 がんゲノム特許戦略、知財のオープン・クローズ戦略の明確化、確立が必要だと考えます。
 単に、今、調査研究をしていただきましたけれども、それだけではなくて、得られた知見をどういうふうに発展をさせていくか、また解決をしていくかということは極めて重要でありまして、戦略的に国家として人材育成、知見蓄積、戦略的研究推進、保護に取り組むべきであります。国として不断の努力を行っていただきたいと思いますけれども、いかがでありましょうか。
 また、特許庁は、産官学連携を更に強化をして、国益の視点から方向性を見出すべきだと私は考えます。今後のゲノム医療知財戦略の取組はどのようにしていくのでしょうか。決して受け身ではなくて、特許が出てくるのを審査するだけではなくて、特許を取りに行く又は保護していくことに取り組んでいただきたいと思います。是非明言をしていただきたいと思います。

政府参考人(佐原康之君)  委員御指摘のとおり、がんゲノム研究の成果を着実に創薬等に結び付けるためには、研究開発段階から知財管理を行うための体制を整えることは非常に重要なことだと考えております。
 このため、例えば日本医療研究開発機構、AMEDにおいて知的財産ポリシーを策定し、各研究開発プロジェクトの企画から終了に至るまでのそれぞれの段階で知的財産をマネジメントし、活用していく体制を整えております。
 また、がんゲノム情報管理センター、C―CATにおいては、集積したデータの二次利活用のためのポリシーを作成するとともに、情報利活用戦略室を設置し、知財管理を行う体制も整えているところであります。
 厚生労働省としても、引き続き、がんゲノム医療の研究開発を推進するため、関係省庁と連携し、知的財産の保護、活用等に必要な施策を検討してまいりたいと考えております。

政府参考人(米村猛君)  特許庁でございます。
 研究機関や大学は、研究成果について何を公開して何を秘匿しておくのか、特許をどのように取るのかといった戦略を持った研究開発を進めることが必要でございます。ゲノム医療の研究は世界との熾烈な競争の中心にありまして、特に注意すべき分野であると私どもも認識をしております。
 特許庁では、工業所有権情報・研修館とともに、企業と共同研究を行う大学、国の最先端の研究開発プロジェクトなどに企業の知的財産や共同研究契約に関する知識を有する専門家を派遣をし、最先端の研究から生まれる知財の取扱いなど、知財戦略の構築を支援しているところでございます。
 また、特許庁の職員を大学の産学連携本部などに派遣して、最先端の研究成果の安易な論文発表によるリスクですとか特許ポートフォリオを構築する重要性などにつきまして研究者や大学関係者等に直接助言をしているところでございます。
 特許庁では、こうした取組などを通じまして産官学の連携を強化して、ゲノム医療分野など、日本の最先端の分野の知的財産戦略、この構築を支援してまいりたいと思っております。

三浦信祐君 是非いいモデルケースをつくるように連携を強めていただいて、将来の本当に国民の皆さんのためになる仕事をしていただきたいと思います。
 次に、不妊治療と仕事との両立について質問させていただきます。
 不妊症、不育症に対する支援の拡充を図ること、とりわけ、治療と仕事の両立について好事例を周知するとともに、時間休暇やフレックス制度の導入など、両立できる環境を整備する事業主に対しての補助制度を創設することと、公明党青年委員会としてこれまで政府に提言をしてまいりました。全国各地の青年世代との懇談をする中で、地域を問わず、青年世代から、不妊治療に掛かる費用が重い、社会の理解が進んでほしい、研究を促進して実現可能性を高めることや効率、効果を向上してほしい等、切実な声をいただきました。厚生労働省として、これらの声に是非応えていただきたいと思います。
 不妊治療について、まず、厚生労働省はどのような取組をしているのでしょうか。

政府参考人(浜谷浩樹君)  お答えいたします。
 子供を持ちたいと願う夫婦の希望に応えるために、不妊に悩む方への支援を推進していく必要があると考えております。
 厚生労働省におきましては、議員御指摘の問題意識と同じでございますけれども、不妊治療への支援といたしまして、幾つかの取組を行っております。
 まず、不妊治療の経済的負担の軽減を図るために、高額な治療費が掛かる体外受精、顕微授精についての助成制度を実施しております。また、不妊等に悩む夫婦に寄り添い、不安や悩みを解消するための相談支援、あるいは不妊治療に関する情報提供を行うための不妊専門相談センターの設置促進、現在全国で六十七か所ありますけれども、この設置促進に取り組んでおります。また、仕事と不妊治療を両立させるための職場環境の整備に向けた企業の取組促進、例えば企業向けのリーフレットによる周知等を行っております。
 また、調査研究のお話ございましたけれども、不妊症の解明と質の高い生殖補助医療の開発に向けた調査研究の実施、今年度は六件の調査研究を実施予定でございますけれども、こういったことに取り組んでおります。
 引き続き、子供を持ちたいと願う夫婦への支援を推進してまいりたいと考えております。

三浦信祐君 未来の希望であります。どうか積極的に取り組んでいただきたいということをお願いしたいと思います。
 不妊治療と仕事との両立の実現のため、安心して治療を受けられる社会構築のために、社会や企業、職場の理解促進や、例えば不妊治療休暇の創設や時間単位で休暇が取れる労働環境など、現実的な課題克服について取り組んでいただきたいと思います。
 特に、女性だけではなくて男性も、様々な仕事をしながらでも、その日そのときということが要求をされる不妊治療でもあります。是非、根本大臣のしっかりとしたその答弁をいただいて、国民の皆さんに希望を与えていただきたいと思います。

国務大臣(根本匠君)  仕事と不妊治療が両立できる職場環境の整備、これは重要な課題だと考えています。まだまだ職場では基本的なところでの理解不足があって、まずは、働きながら不妊治療を受ける従業員に対する事業主や職場の理解を促進すること、これが重要だと考えます。
 例えば、平成二十九年度に厚生労働省において、不妊治療と仕事の両立に関する実態調査を実施いたしました。その結果によりますと、労働者が行政に望む支援として、不妊治療への国民、企業の理解を深めるという回答が最も多いこと、不妊治療をしていることを職場に伝えていない労働者が多く、また、その理由として、職場に知られたくないという回答が最も多いこと、こういう実態にあります。
 このため、平成二十九年度には、不妊治療についての知識や、半日単位の年次有給休暇制度やフレックスタイム制度など、不妊治療と仕事の両立を支援する中小企業を含めた企業の取組等をまとめて企業向けのリーフレットを作成し、周知啓発を進めております。加えて、今年度は、従業員の不妊治療と仕事の両立をサポートする企業内制度の整備に関するマニュアルの策定、周知、これを予定しております。
 このような取組を通じて、誰もが働きやすい職場づくり、これをしっかりと進めていきたいと思います。

三浦信祐君 是非、大手企業のみならず、中小企業の現場でもそういう課題がたくさん抱えていると思います。その調査結果を絶対に無駄にすることなく、現実的な課題克服に是非取り組んでいただきたい、重ねてお願いをしたいと思います。
 順番をちょっと入れ替えさせていただきます。
 次に、ゲーム障害について質問させていただきます。
 本年、ギャンブル依存症対策基本法が制定をされ基本計画が策定されている中、若者を中心に生活へ影響を及ぼすゲーム依存障害の問題があります。WHOの年次総会が現地時間の本日まで開催をされておりますけれども、今回、各種ゲームのやり過ぎで日常生活が困難となるゲーム障害を新たに加える国際疾病分類、ICD11が採択予定となっております。
 私は、以前、国立病院機構久里浜医療センターを視察し、ゲーム障害に対する研究の第一人者である樋口院長と意見交換した際に、対策の重要性、緊急性を強く認識をいたしました。
 まず、ゲーム障害の定義はどのようになっているのでしょうか。また、現在、日本においてゲーム障害の該当者数を調査研究する取組を行っているのでしょうか。その結果はどのようになっているのでしょうか。その上で、厚生労働省として、今後このゲーム障害にどのように対応していくのでしょうか。ゲーム障害対策は未来を担う若者世代にとって不可欠であり、是非早急に進めていただきたいと思います。いかがでしょうか。

政府参考人(橋本泰宏君)  ゲーム障害につきましては、ジュネーブで開催されておりますWHO総会の本会議で現地時間の五月二十八日に採択される見込みとなっております改訂国際疾病分類、ICD11におきまして、持続的、反復的にゲームをすることによりゲームの時間等のコントロールができなくなること、ほかの日常生活よりもゲームの優先度が高まること、学業や仕事等に重大な支障が生じているにもかかわらずゲームを続ける又はエスカレートすること、こういったことが特徴的な症状であるというふうに示されているものと承知しております。
 ゲーム障害の実態でございますが、本年一月から三月にかけまして、依存症対策全国センター、すなわち国立病院機構久里浜医療センターでございますが、こちらの方におきまして、十歳から二十九歳の約九千人の方々を対象といたしまして調査を実施しまして、現在、その結果の解析が行われているところでございます。本年の秋頃を目途に結果を公表する予定というふうに伺っております。また、今後でございますが、より幅広い年齢層を対象とする実態調査も実施する予定となっております。
 私ども厚労省といたしましては、これらの実態調査の結果等も踏まえて、必要な対策について検討させていただきたいと考えております。

三浦信祐君 是非検討をお願いします。
 ゲーム依存について国民の理解が進むことが大切であります。ゲーム依存と思われる際、またゲーム障害と思われる際にどのように対応すればよいか、どこに相談できるのかが分かるようにすべきであります。
 また、一番その住民に寄り添う基礎自治体はどのような体制整備をすればよいか、人材をどのように育て配置するか等について早急に協議をして、緊急に対応できる体制を取っていただきたいと思います。
 根本大臣、是非取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

国務大臣(根本匠君)  ゲーム障害を含め、依存症が疑われる方に対する相談支援体制の整備や相談に対応する人材の育成、これは重要な課題だと認識しております。
 ゲーム障害等の依存症が疑われる方に対する相談支援については、都道府県及び政令指定都市が設置する精神保健福祉センターの取組が始まっています。厚生労働省でも、ホームページを活用することなどによって相談先の情報などの積極的な周知に努めていきたいと思います。
 また、ゲーム障害に係る相談体制を充実させるには、地域の相談体制を支える人材の育成、これが不可欠であります。現在行っているゲーム障害に関する実態調査の結果などを踏まえて、相談マニュアルの作成や相談担当者に対する研修会の開催など、必要な支援を検討していきたいと考えております。

三浦信祐君 精神保健福祉センターに掛かる負担というのは、ギャンブル依存症対策についてもこちらでお願いをすることになります。体制のことに相談があったときに厚生労働省はしっかりと受け止めていただいて、より住民に、国民に寄り添った対策を打っていただきたいと思います。
 昨年、難病である小児の重積てんかん発作の治療薬ブコラムについて、早期承認の申入れを大口副大臣にさせていただきました。患者団体の皆様も同席をいただきまして、お子様を亡くされた無念の思い、悲痛な声と同時に、治療薬を一日でも早く承認をして、救えるお子さんを救える日本にしてほしいとの思いを吐露されておりました。
 その後の進展状況はどのようになっていますでしょうか。今後の計画についてお示しいただきたいと思います。

政府参考人(宮本真司君)  御指摘のブコラムにつきましては、諸外国では使用が認められているものの、国内では開発が行われておりませんでした。このため、未承認薬・適応外薬検討会議におきまして検討いただきまして、医療上の必要性が高いと評価されたことを踏まえ、平成二十八年に製薬企業でありますシャイアー・ジャパン株式会社に対して開発要請を行い、二十九年から治験が実施されているところでございます。
 その後、当該治験につきましては、議員御指摘のお申入れなどによりまして、治験の進捗が必ずしも順調ではなかったとお伺いいたしましたが、厚生労働省及びPMDAが同社からの相談に応じて助言することなども行いまして、同社におきましても早期承認が可となるよう取り組んでいると承知しております。
 その後、シャイアー・ジャパン株式会社は別の製薬企業の傘下に入りました。本剤は当省から開発を要請した医薬品でもありますので、改めまして同社に対しまして本剤の開発方針についてお伺いしましたところ、引き続き前向きに取り組むということではございました。
 厚生労働省といたしましては、承認申請いただきましたら、適切な審査を実施した上で、一日も早く臨床現場に提供できるよう努めてまいりたいと考えております。

三浦信祐君 一人を大事にする社会のために皆様のお力が必要です。是非頑張っていただきたいと思います。
 最後に、創薬のホットスポット創設について質問をいたします。
 世界の革新技術はホットスポット都市に集まる中、日本には世界で明確に認識をされているホットスポットと称されるところは現在の段階ではありません。世界の創薬のメーンプレーヤーもホットスポットへ向かっております。
 その中で、日本において、創薬についてのホットスポット化を目指して、神奈川県藤沢市の湘南アイパーク、川崎市殿町のキングスカイフロント、かながわサイエンスパーク、横浜市立大学、理化学研究所など、神奈川県の西湘地域を軸に連携推進が進み、ライフイノベーションへの期待が高まっております。
 日本の発展や創薬を通した安心を導出するために、創薬エコシステム構築が欠かせないと私は考えます。ここで鍵になるのは、まさにベンチャー企業であります。創薬に携わるベンチャー企業を国として強力に支援し、育成、そして世界から人材、技術が集まる取組を更に加速をしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

政府参考人(吉田学君)  お答えいたします。
 近年、ベンチャー企業に由来する医薬品が世界の売上げの上位を占めてきております。我が国におきましても、革新的な医薬品創出の重要な担い手として、今御指摘いただきましたように、創薬分野のベンチャー企業の育成あるいはその相談支援というものがますます重要になっているという認識でございます。
 厚生労働省では、平成二十八年以降、これ、当時有識者の方々の懇談会から報告書をいただきましたことをきっかけに、様々な政策パッケージとして医療系ベンチャーを支援する取組を推進してまいりました。
 具体的には、ベンチャー企業に対するワンストップで総合的な支援を行う窓口としてMEDISOというものを設置いたしまして、このMEDISOという窓口に対しては、平成三十年二月から平成三十年度末、一年二か月ぐらいですが、この期間に二百件の相談をいただいております。また、大手製薬企業とベンチャー企業との交流を促進するイベントとしてジャパン・ヘルスケアベンチャー・サミットというものを、これ二回開催をさせていただきまして、昨年十月に開催いたしましたものには、三日間でありましたが、周辺関連イベントと合わせて都合一万六千人の方の御参加もいただいたという実績を上げてございます。
 さらに、ベンチャーへの人材交流を推進する施策として、今年度から新たにアカデミアや大手企業からベンチャー企業への短期交流を支援するという取組も行うこととしておりまして、今後もこのような創薬分野におけるベンチャー企業の育成あるいは相談支援等を通じて我が国の創薬力の強化を図ってまいりたいと考えてございます。

三浦信祐君 ありがとうございました。しっかり取り組んでいただきたいと思います。