厚生労働委員会(2018年4月17日)

三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。
初めに、医療機関での火災発生を想定した避難訓練について伺います。
医療従事者の理解と診療、治療等との関係で実施にハードルがあるとは思いますけれども、病院や診療所で火災発生時を想定した避難訓練は定期的に実施をされているのでしょうか。特に、入院病床数が多い、階数が高い、また自身で動くことが困難な患者さんが多いなど、避難移動の容易性が単純構造物とは異なります。自衛消防隊が整備をされて初動体制ができるか確認をしているかなど、万が一の際の体制は整っているか、伺います。

政府参考人(猿渡知之君) お答え申し上げます。
消防庁では、病院などの火災発生時に職員等が取るべき対応及びその教育訓練方法を定めました有床診療所等における火災時の対応指針を作成、配布しておりまして、この指針を活用した実践的な訓練の実施を促しているところであります。
特に、収容人員が三十人以上の病院になられましては、消防法令上、自衛消防隊が中心となって消火、通報、避難の訓練を定期的に実施することなどを定めた消防計画を作成していくことになってございまして、この計画の作成義務がある病院のうち、もうほぼ全ての病院で計画を作成されております。
また、平成二十五年に消防庁が行った調査では、消防計画の作成義務がある病院のうち、避難訓練を一年に一回以上行っているという御回答をいただいた病院が全体の九一%ということになってございます。
なお、火災の早期発見に有効な自動火災報知機につきましては、平成二十九年三月末時点、法令上設置義務がある病院の九九%で設置済みでございまして、このうち、避難のため患者の介助が必要となる施設につきましてはスプリンクラーの設置が義務付けられておりますけれども、これはほぼ全ての施設において設置済みということになってございます。
引き続き、消防本部による立入検査時の指導等を通じまして、病院における火災発生時の体制の充実強化を推進してまいります。

三浦信祐君 ハードの部分はしっかり整っているということは分かりました。一方で、残りの八%が避難訓練を一年に一回もやっていないということがありますので、消防庁の皆さんも指導していただくとともに、医療従事者の理解をという意味では厚生労働省もアドバイスを是非していただきたいと思います。
続いて、大規模病院で火災発生した場合には、高層階からの人命救助、消火などに消防用はしご車の活用が想定をされます。まず、確認ですけれども、消防用はしご車の配置について、整備基準はどのようになっているのでしょうか。また、全国の消防用はしご車の配置、整備状況とともに、整備指針第七条の規定を満たしていない消防本部は幾つあるのでしょうか。

政府参考人(猿渡知之君) お答え申し上げます。
はしご自動車の基本的な配置につきましては、消防力の整備指針第七条におきまして、消防署の管轄区域内に高さ十五メートル以上の中高層建築物が十棟以上ある場合か、あるいは、住民の方以外の方も多く利用されます百貨店、物品販売施設、この中に病院も含まれますけれども、そのような施設にあっては五棟以上中高層建築物がある場合には、はしご自動車を各消防署に一台以上配置するということになってございます。
配置状況につきましては、平成二十七年四月一日現在のものでございますけれども、指針から算定された千三百六十台の必要台数に対しまして千百七十五台、八六・四%という数字になってございます。なお、七百五十消防本部のうち百九十三の消防本部で整備率が一〇〇%になっていないという状況でございます。

三浦信祐君 やはり指針がある以上は、しっかり整えていかなきゃいけないとは思います。
その上で、消防用はしご車が現時点で整備をされていても、当然寿命があります。はしご車の耐用年数はどのような規定となっているのでしょうか。
また、周辺自治体が一斉に耐用年限を迎えて使用ができなくなったときには第七条の規定をたちまち満たさなくなる状況に陥ります。これらに対する対策はしっかりと立てておくべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

政府参考人(猿渡知之君) はしご自動車の耐用年数につきましては、日本消防検定協会におきまして策定されました消防用車両の安全基準の中で、メーカーが設定し提示することとされておりますが、現在は十七年ということになってございます。
各消防本部では、この年数等を踏まえまして、はしご自動車の円滑な更新、言わば空白期間が生じないように更新をしてくださいということでございますけれども、万が一はしご自動車が一時的に使用できないという状況になりました場合には、隣接する消防署間での出動調整とか隣接する自治体間での応援協定というふうな形で、相互で融通し合いながら体制を確保しているという状況でございます。

三浦信祐君 ここの大事なところは、例えば消防自動車が周辺になかった場合に、高層階で火事が起きたときに三十分以内で駆け付けることができないと、そういうことによって一人の尊い人命が失われるようなことの原因をつくってはならないという指針でありますので、単に連携が取れればいいという問題じゃないということを明快に言っておきたいと思います。その上で、病院でもはしご車を使って避難訓練をすると言っていたのに来ないということになってしまったら大変困りますので、よくよく厚生労働省と連携を取っていただきたいと思います。
その上で、消防はしご車は特殊車両で特注品であり、高価な消防機材でもあります。住民の生命、財産を守るのは第一義としても、地方自治体の財政体力から勘案して、導入及び更新が厳しい自治体も少なくないと思います。はしご車が整備をされていない、あるいは更新時期に入っている自治体に対応するための財政的メニューはあるのでしょうか。あるならば、その内容はどのようになっているのでしょうか。

政府参考人(猿渡知之君) はしご自動車の整備につきましては、緊急消防援助隊に登録されたもの、大体六台に一台程度でございますけれども、それにつきましては補助率二分の一の整備補助金の対象ということになってまいります。また、緊急消防援助隊の機能強化、あるいは消防の広域化の際の機能強化という観点に対しましては、充当率一〇〇%で交付税措置率七〇%の緊急防災・減災事業債の対象ということになってまいります。さらに、消防の連携、協力ということで新たに常備消防としてはしご自動車が必要になります場合につきましては、充当率九〇%、交付税措置率五〇%の防災対策事業債の対象となります。この上で、消防車両の整備、維持に関する標準的な経費につきましては地方交付税によって措置をしているということでございます。

三浦信祐君 人命を守るために経済論や需要論ではしご車の整備を議論するべきではないと私は思っております。万が一の火災のときに、その火災等が発生した場合に必要とするはしご車について、現場にて本当に救助ができるのか、必要台数や活用方法、時間的制約等、また、総合的に救助の実効性をシミュレーションすべきだと考えます。
また、地方自治体に対して、実際に進んでいない消防の広域化の意向も聞いて、はしご車導入への財政的メニューがあることを伝えた上ではしご車導入のニーズの有無を聞き、的確な情報掌握と支援をすべきだと思いますけれども、御対応いただけませんでしょうか。

政府参考人(猿渡知之君) 御指摘のように、はしご車、はしご自動車の整備につきましては、消防力の整備指針におきましても、実際の使用頻度等の基準ではなくて、言わば中高層建築物の数など客観的な指標に基づいて整備を促してきております。
一方、各自治体で導入の際の議論に対しましては、費用面、使用頻度などの議論というのは確かにあるというふうにお伺いしておりますので、消防庁といたしましても、様々な財政支援策等があるということを周知いたしますとともに、それぞれの消防本部でまた状況も違うでしょうから、我々としては、言わば現場に寄り添った形での消防本部への支援というものを充実させていきたいというふうに考えております。

三浦信祐君 指針については、今後、このままでいくんでしょうか。

政府参考人(猿渡知之君) 指針につきましては、今のところ、様々柔軟条項もございますので、現在のところは、ちょっと今すぐということではありませんが、様々状況を伺いながら毎年毎年検討しておりますので、またその場合に御指導いただければと思います。

三浦信祐君 次に、ロボットスーツのHALについて伺いたいと思います。
HALは唯一の医療ロボットであり、八つの指定難病について診療報酬の対象として点数化をされ、今後治療に活用されていくことが期待をされております。一方で、患者数が極めて多い脳卒中や脊髄損傷を受けた方々がHALによる治療の公的保険適用を希望を持って待っておられます。
今後、HALを用いた医療の保険収載についてどのように検討、展開していくのでしょうか。高木副大臣に伺います。

副大臣(高木美智代君) お答えいたします。
ロボットスーツを用いた歩行運動処置につきましては、平成二十八年四月から、脊髄性筋萎縮症や筋萎縮性側索硬化症を始めとした八つの指定難病の患者に対して使用する場合を保険適用としております。委員御指摘の脳卒中や脊髄損傷などへの保険適用の拡大につきましては、企業の開発に係る意向にもよりますが、現時点では、こうした疾患への有効性、安全性などの知見が得られていない状況でございます。
現在、厚労省では、AMEDを通じまして、革新的な医療機器の研究開発費を補助する事業を行っております。この医療用HALにつきましても、この事業を通じて、脳血管障害による片麻痺に関する医師主導治験も研究を進めていただいているところでございます。
今後、企業の開発が進み、薬事承認が得られれば、中央社会保険医療協議会におきまして検討していくこととなるわけでございます。

三浦信祐君 その上で、今後の発展を期待しながら伺いますけれども、今、下肢に装着する医療用HALというのは大人用であり、小柄な方用、子供用はまだ製品化をされておりません。
先日、お孫さんが脳腫瘍の後遺症で半身不随となり、その治療とリハビリでとある総合病院へ行ったところ、HALを活用することで機能回復が十分見込める、しかし、病院施設でHALを持っているところはほとんどなく、私たちの病院でもメーカーから試験的な導入のため数台しか持っておらず順番待ちになっている、また、子供向けサイズがない、なるべく早い時期に、特に就学前に取り組むことで改善の可能性は高いとの話を医師からされたと伺いました。そのお孫さんは、この四月から小学校一年生です。
ニーズに合わせたサイズがあることで治療を受けられる方がいます。お子さんや患者さんの希望と回復のためにも、国として、HALの実態を把握をしていただくとともに、HALのサイズや機能等も含め、研究や開発について強力に支援をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

副大臣(高木美智代君) まず、HALの下肢装着型補助ロボットにつきましては、既に平成二十八年四月から保険適用をしております。この過程の治験におきまして短期的な効果の検証が行われたものですが、今後、実際の臨床の場におきましても、長期的な有効性、安全性や、効果が得られる最適な使用方法などについて疾患ごとに検証していくことも必要と考えております。
そこで、厚生労働省としましては、HALの製造販売業者に販売後の使用成績の評価を行うことと併せまして、厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業におきましてHALの長期使用効果に関する研究を実施しておりまして、今後も継続をしていく予定でございます。
そしてまた、今委員御指摘の小児用でございますが、現在の適用患者は疾患の進行が緩やかな神経・筋疾患の歩行機能が低下した患者さんのうち、体重が四十から百キロ、身長が百五十から百九十センチ程度の方などに限定されておりまして、この範囲に当てはまらない小柄な方や子供用のものはまだ承認をされておりません。
そこで、先ほど申し上げたAMEDを通じての革新的な医療機器の研究開発費を補助する事業につきましても、この医療用HALの小児用のものについても有効性などをしっかりと確認していくことが重要と考えております。応募いただいた研究の全てを補助対象とすることは難しいとは考えますが、小児用などの医療用HALの研究開発の実施に当たりましては、こうした補助事業などの活用も御検討いただければと考えております。

三浦信祐君 時間になったから終わりますけれども、実はHALはどこで受けられるかというのをホームページを探すと、やはり厚生労働省らしく、探すことができません。一番最初に分かりやすく、ここで受けられるというのを是非出していただきたいということをお願いをして、質問を終わります。
ありがとうございました。