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令和6年6月6日 第213回国会 参議院 経済産業委員会 第15号

スマートフォンの公正取引と消費者利益

三浦 信祐

公明党の三浦信祐です。
生活にも仕事にも欠かすことができないスマートフォンです。午前中、大臣からもスマートフォンのことについて触れていただきました。この委員会の場所を間違わないようにするためにも、実はグーグルカレンダーを見ながら、そこに入っていないと間違う可能性が高いと、それぐらいいろんな意味でその確実性を担保している部分もあると思います。
ハード、ソフト共に機能が向上するスピードが著しく速く、消費者にとって利便性が向上しているのか、適正なサービス、価格なのかももう分かりづらいのが現状だと思います。
今回、本法案を提出した意義、消費者にとって何が得られるのか、なぜ今のタイミングとなったのか、公正取引委員長に伺います。

政府特別補佐人(古谷一之君)

お答えいたします。
御指摘ありましたように、スマートフォンが国民生活及び経済活動の基盤となっております中で、スマートフォンの利用に特に必要なアプリストア等の特定ソフトウェア、これを提供する事業者は少数の有力な事業者に限定をされ寡占状態となっておりまして、様々な競争上の問題が生じていると認識をしております。
こうした課題に対処するため、本法案は、アプリストア等の特定ソフトウェアにつきまして、セキュリティーの確保等を図りつつ、イノベーションを活性化し、消費者の選択肢の拡大につなげることのために競争環境を整備したいというものでございます。
本法案では、他の事業者がアプリストアを提供することを妨げてはならないこと、あるいは、検索結果の表示において、正当な理由がないのに自社のサービスを優先的に取り扱ってはならないこと、さらに、他のブラウザエンジンの利用を妨げてはならないこと、あるいは自社が取得したデータを不当に使用してはならないことなど、スマートフォンをめぐる競争上の幅広い課題について規制をすることで、競争を促し、消費者の選択肢の拡大や利便性の向上を図りたいという趣旨のものでございます。
なぜこのタイミングかというお話でございましたが、本法案は、昨年六月の閣議決定におきまして、欧州、アメリカなど諸外国の状況を見極めながら、デジタル市場における公正、公平な競争環境の確保のために必要な法制度について検討するという政府方針がございまして、これに沿って、規制が先行しておりますヨーロッパだけでなく、アメリカの状況も踏まえながら検討を進めてきたものでございます。
本年三月、EUのデジタル市場法の本格運用が開始されたところでございまして、欧州におけるデジタル市場へのいろんな事業者の対応も見極めながら、一方で、アメリカでも今年三月に司法省がスマートフォンの独占をめぐる問題に関してプラットフォーム事業者を提訴した、こういった動きを踏まえまして、我が国においても遅れることなく、日米欧で足並みをそろえてデジタル分野における公正な競争環境を確保していく、このことが大変大事であるというふうに考えまして、四月末になりましたけれども、本法案を提出した次第でございます。よろしくお願いいたします。

三浦 信祐

御丁寧に御答弁をいただきました。
ヨーロッパそしてアメリカとの状況も踏まえてということでありましたけれども、スマートフォンは、グローバル企業がデジタルプラットフォームを基にビジネスモデルを構築してきた競争の結果、現状であると思います。
今回、御説明いただきましたけれども、行き過ぎたいわゆる寡占状態、また適切な競争環境が構築されていないことに対する法整備であると。加えて、今回、我が国が欧米と足並みをそろえて法整備をするというものだということでありましたけれども、世界各国において、今後このような法整備というものがどんどん進んでいく傾向にあるのでしょうか。また、今後、本法律の施行になった場合には、例えばヨーロッパであればカウンターパートはどの組織になるのか、諸外国の規制当局との連携はどのように取るのか、これ、後から出している法律でありますので、その知見をうまく反映できているかどうかということも視点として置いていただきながら御答弁いただきたいと思います。

政府参考人(岩成博夫君)

お答えいたします。
デジタルプラットフォームに係る競争制限的な行為に対しましては、これまでも公正取引委員会において積極的に取り組んできたところでございますけれども、独占禁止法による個別事案に即した事後的な対応では変化の速いデジタル市場での競争の回復は困難となるといった課題があったところでございます。
このような課題は世界各国の競争当局にとって共通の課題でありまして、昨年我が国で開催いたしましたG7の競争当局のトップ等が参加いたしましたサミットにおきましても、デジタルプラットフォームをめぐる競争上の問題への対処につきまして、新たな制度の整備を含めて知見を共有するなど、更なる協力の強化を図ることが確認されたところでございます。
実際に欧州におきましては、先ほどもありましたけれども、デジタル市場法の本格的な運用が本年三月からスタートしたところであります。こちらは、この法案と同様でありますけれども、大規模なプラットフォーム事業者を規制対象事業者として指定した上で、一定の禁止行為や遵守すべき義務を法律上明記するものでございます。
それから、つい最近、五月でございますけれども、英国におきましても、大規模なプラットフォーム事業者による競争制限的な行為を規制する二〇二四年デジタル市場・競争・消費者法というものが成立したというふうに承知をしております。
アプリストア等を提供する大手デジタルプラットフォーム事業者は世界的にビジネスを展開しているところでありまして、本法案の規制の実効性を確保するために、これまでも公正取引委員会におきまして、海外の競争当局、先ほどの欧州の例でいいますと欧州委員会といったところになりますけれども、そういったところを含めて意見交換を行うなど、緊密に連携しながら本法案の整備に係る検討を進めてきたところでございます。
本法案が成立した場合には、引き続き、施行準備期間における下位法令の整備や運用の在り方の検討、あるいは施行後の法運用におきましても、海外の競争当局と緊密に連携しながら足並みをそろえて、デジタル分野における公正な競争環境の整備に取り組んでいきたいと考えております。

三浦 信祐

今、例えばヨーロッパの場合の規制当局の相手というのは、本来だったら国対国の関係でありますけれども、ヨーロッパでは欧州委員会でターゲットになるということですので、よくよく細かい情報というのを共有して、各国とのその比較、また、恐らく進めば進むほど、先ほどもありましたけれども、イタチごっこのようなことがあった場合にはそれをよく共有をして、そして、その悩みもしっかりと反映できるような運営というのは大事かなというふうに思います。
本法案で規制となる事業者の具体的な行為の事例はどのようなものでしょうか。また、事業者に対する規制の具体例は何か、予見性を持てるように明示的に御答弁いただきたいと思います。

政府参考人(岩成博夫君)

お答えいたします。
アプリストア等の特定ソフトウェアに係る市場は特定少数の有力な事業者による寡占状態でありまして、当該事業者の競争制限的な行為によって様々な競争上の問題が生じているところでございます。
このような課題に対処するために、本法案では、第五条から第九条までにおきまして、独占禁止法が禁止する私的独占等に該当する行為を類型的に禁止行為として規制することとしております。具体的には、モバイルOSに係る指定事業者が他の事業者によるアプリストアの提供を妨げることでありますとか、検索エンジンに係る指定事業者が検索サービスの提供に際しまして自社が提供するサービスを優先的に表示することなどを禁止しているところでございます。
それから、第十条から第十三条までにおきまして、競争の促進を図るために、公正かつ自由な競争を確保するために必要な一定の措置を講ずべきことを義務付けております。具体的には、モバイルOS、アプリストア又はブラウザに係る指定事業者はデータの取得等の条件の開示に係る措置を講じなければならないことなどを定めております。
加えて、本法案の実効性を確保するということは非常に重要な課題でありまして、そのための措置といたしまして、違反に対する排除措置命令あるいはその課徴金納付命令についても規定をしているところでございます。
なお、本法案における課徴金の算定率でございますが、規制の実効性を十分に確保するという観点から、デジタルプラットフォーム事業者の利益率が高いことなどを踏まえて、二〇%というのを設定しております。また、繰り返し違反行為が行われた場合には三〇%ということで、いずれも独占禁止法と比較しても高い率を設定しているところでございます。

三浦 信祐

今後、少子高齢化がより進んでいくであろうと予想されている我が国にありまして、デジタル化の促進に伴って多くの新分野市場が創出されることが期待をされております。その際、利便性と共通性が重要になると思います。
例えば、タクシー配車アプリが全国で共通に使えるというこの利便性を、先般、出張先でも経験をしました。他方で、行政域内だけでのアプリの場合に、転居した際に活用できづらいとか、また、機能は似ていても毎度アプリのダウンロードが必要など、利便性と共通性が低ければ、特に年を重ねた方にとってみれば大変だということになって、かえって不便になることも考慮が必要だと思います。自由度が高まることは歓迎すべきでありますけれども、消費者の選択肢だけが増え過ぎて、判断に困って、結果としてプラットフォーマーをベースにする方が楽だとの帰結も想定されます、もちろん自由競争でありますけれども。
そういう上で、汎用性と共有性を有するアプリケーションを作成する際に、プラットフォーマーにのっとった基準で開発が行われると想定されますけれども、本法案が及ぼすこれらへの影響とメリット、また監視の必要性についてどのように整理されているか、伺いたいと思います。

政府参考人(岩成博夫君)

お答えいたします。
委員御指摘のとおり、アプリの汎用性あるいは共有性など、利用者が使いやすいアプリが開発されるようにすることというのは重要だというふうに考えております。そうしたことを実現するという点では、アプリ事業者が創意工夫を発揮しやすい環境を整備するということが重要だというふうに考えております。
本法案では、アプリストアにおいて新規参入を促進することによって手数料の引下げなどにつなげると、その結果として、アプリ事業者、アプリ開発者が開発投資に資金を回すなどによって、より利用者が使いやすいアプリの開発、提供につながることというのを期待できるというふうに考えております。
一方で、本法案の施行後も、セキュリティーの確保等が図られることによって、スマートフォンの利用者にとって安全、安心な利用環境が確保されることが重要だと考えております。こうした観点から、本法案においては、他の事業者によるアプリストアの提供を妨げることなどを禁止しつつ、セキュリティーの確保等のために必要な措置を講ずることができることとしております。
公正取引委員会といたしましては、本法案におけるセキュリティー確保等に係る正当化事由の運用におきましては、関係行政機関とも連携しながら適切に対応することによって、セキュリティーの確保などを図りつつ競争環境の整備を進めてまいりたいと考えているところでございます。

三浦 信祐

午前中の質疑の中でセキュリティーという話はとてもありましたので、よく詰めておかないと、適切なというところは、本当にどれが適切なのかということをしっかり答えられるようにしていただかなきゃいけないというふうに思います。
あえて消費者の目線でシンプルに、もう一度確認の思いで質問したいと思います。
消費者における本法案のメリット、デメリットについて伺いたいと思いますが、本法案が消費者に及ぼすメリットはシンプルに聞かれたら何と答えられるか、そして、経済合理性なのか、それとも競争による効果なのか、これについてお答えいただきたいと思います。

政府参考人(岩成博夫君)

お答えいたします。
まず、公正取引委員会が行ったモバイルOS等に関する実態調査、それから内閣官房で行われたモバイル・エコシステムに関する競争評価の最終報告によりますと、スマートフォンの利用に特に必要なモバイルOSあるいはアプリストア等の特定ソフトウェアは特定少数の有力な事業者による寡占状態となっておりまして、様々な競争上の問題が生じていることが確認されております。
具体的には、例えば、アップル社のモバイルOSでは、他の事業者がアプリストアを提供することができず、アプリストア間の競争が働いていないという問題がございます。また、グーグル社の検索エンジンを用いた検索サービスに関しましては、自社が提供するサービスを検索結果画面の最上部に表示するなど優先的に取り扱う場合には、当該サービスと競争関係にあるサービスの提供を妨げ、競争環境がゆがめられるという問題がございます。
本法案では、これらの問題に対応するための規制を設けることによりまして公正かつ自由な競争を確保するということ、それを通じて、ユーザーにとっての選択肢の確保、あるいは良質で低廉なサービスの享受といったメリットが提供されることを目指しております。そういった形で消費者にとってのメリットを実現できればというふうに考えているところでございます。

三浦 信祐

もうちょっとシンプルに、すぱっと答えていただいた方が分かりやすいのかなと思いますけれども。まあ、本法案がそういう効果があるということはよくよく分かります。ただ、やはりもう一度確認をしておかなきゃいけないことがあると思います。
スマートフォンを利用している消費者にとって、アップルかグーグルベースかの二択に近いと、こういう環境の中で、現状生じている不満や課題があるとの前提か否かがとても重要であります。単に専門家の視点や法的整理のみで立法することが本当に消費者のためになるかということ、これについては改めて、法案審議でありますから整理をしておかなければいけないというふうに思います。
現状の利用環境において、消費者が不便あるいは不利益と感じていることについて、政府はどう整理しているのでしょうか。

政府参考人(岩成博夫君)

お答えいたします。
公正取引委員会が実施しましたモバイルOS等に関する実態調査の結果によりますと、例えばアップストア、アップルのアップストアでございますけれども、アップストア以外のアプリストアを利用してみたいというユーザーが一定程度存在するというふうに承知をしております。
アプリストアなどの特定ソフトウェアは、特定少数の有力な事業者による寡占状態となっておりまして、当該事業者の競争制限的な行為によって様々な競争上の問題が生じているところでございます。
本法案では、そのような特定ソフトウェアにつきまして、セキュリティーの確保等を図りつつ、競争環境を整備することによって新規参入を促進すると、そして、公正かつ自由な競争を通じてイノベーションの活性化を図るとともに、ユーザーにとっての選択肢の確保や良質で低廉なサービスの享受といったメリットが提供されると、実現されることを目指しているところでございます。

三浦 信祐

調査に基づいてきちっと整えているということをお答えいただいたのかなと思いますけれども、これ不断の見直しというのはやっぱり必要だと思いますので、この法案のためだけに消費者の調査をしているわけではないと、こういう思いで先に進ませていただきたいと思います。
ちょっと毛色を変えますけれども、本法案におけるスマートフォンの我が国における使用については、所有者が国内で活用するとの前提でこの法案についての対象者とするのでしょうか。例えば、本法に準拠しない国で販売されている機器を導入して活用していることについてはどのような判断になるのでしょうか。

政府参考人(岩成博夫君)

お答えいたします。
まず、独占禁止法のお話から入るんですけれども、独占禁止法は我が国の市場における競争に悪影響を及ぼす行為を禁止しておりまして、独占禁止法を補完する法律となるこの法案でも同様でございまして、我が国の市場における特定ソフトウェアに係る競争に悪影響を及ぼす行為を規制対象としているものでございます。
御指摘ありました、例えば外国で販売された端末に関しましても、当該端末についての行為が我が国の市場における特定ソフトウェアに係る競争に悪影響を及ぼすということであれば、本法案の規制の対象になるというふうに考えております。
いずれにしても、公正取引委員会において、これまでの独占禁止法の執行で培ってきた経験も踏まえながら、我が国における特定ソフトウェアに係る公正かつ自由な競争が促進されるように、本法案についても適切に運用してまいりたいというふうに考えております。

三浦 信祐

個々人でその導入していくということもあるので、いろいろ運用していく中で課題というのがもしかしたら出てくるかもしれませんので、よくよくそこはチェックをしていただきたいというふうに思います。
カーナビゲーションシステム、これは、オーディオメーカーなどが開発したハード及びソフトウェアによって構成されて車両に搭載をされております。最近は、スマートフォンを使って、例えばグーグルマップ、このナビゲーションを利用する、あるいはスマートフォンを接続して車載ナビゲーションシステムとリンクして活用するなど、プラットフォーマーの機能が実は逆戻しのような形で社会実装されております。
スマートフォンのGPSの機能を活用したりとか、また、スマートフォン間の情報連携でビッグデータ化して情報提供できるという、場合によってはこれが渋滞情報に反映をされて、時にビーコンを使うよりもシステムとしての正確性が高い、そういう可能性も十分あり得る状況だと思います。
このようなアプリは現有のプラットフォームから生まれております。むしろ現有のシステムを上回る技術を経済活動に反映しているこの現下の我が国の状況にあっても、規制項目が前面に出ている本法案はどのような位置付けになっているのか、整理されているのか、御答弁いただきたいと思います。

政府参考人(岩成博夫君)

お答えいたします。
スマートフォンが国民生活、それから経済活動の基盤となっている中で、スマートフォンの利用に特に必要なアプリストア等の特定ソフトウェアについては、特定少数の有力な事業者による寡占状態にあると。当該事業者の競争制限的な行為によって様々な競争上の問題が生じているところでございます。
委員御指摘のとおり、スマートフォンは車の、自動車の利用時にも利用されているということなど、その重要性はますます高まっているというふうに考えております。このため、なお一層この法案によりまして公正な競争環境を整備していくことが重要と考えております。
デジタルプラットフォーム事業者はイノベーションの担い手でもあります。したがって、規制を行う際には、イノベーションと規制のバランスに配慮することも必要だと考えております。
本法案は、指定事業者が正当に行う自社アプリの開発を何ら制限するものではございません。いずれにいたしましても、公正取引委員会において、これまでの独占禁止法の執行で培ってきた経験なども踏まえまして、イノベーションを活性化し、消費者の選択肢の拡大に資するよう、本法案を適切に運用してまいりたいと考えております。

三浦 信祐

イノベーションを阻害するということはあってはなりませんので、まず消費者の視点というのもとても重要になってきますし、それらについてもよく運用上でケアをしていただきたいと思います。
さらに、本法案の運用について深掘りをさせていただきたいと思います。
本法案で対象としているのは、あくまでも実は民間対民間の取引、商慣行に対する規制でもあると思います。民間と民間の間の取引について、本法案での報告は、事後的、そして牽制的位置付けとしての効果、これは理解できます。一方で、どのようなやり取りが行われているか、公正取引委員会はリアルタイムで、その阻害を受けているような、不利益を被っているような事業者も含めて、これリアルタイムでチェックができない状況であります。
本法案に位置付けられている規制について、端緒情報はどのように取っていくのでしょうか。現状は申告にとどまっていますが、先ほど、午前中、小林委員からもありましたように、報復等を恐れるというのが経済の現場の実態ではないかというふうに思います。
公正取引委員会が自ら情報を取りに行くなど、最初の情報をどう入手できるか、早く知る体制を構築すべきだと思います。情報収集をしやすい仕組み、例えば匿名でも経済団体に間接的に情報を入れてもらう、あるいは官民協議会などのようなものを構築して、定期的に日々の情報を提供できるスキームをつくるなど、そうすることによって情報を早く得ることができるというふうに私は考えます。
是非、これらについての体制構築図っていただきたいと思いますけれども、御対応いただけませんでしょうか。

政府参考人(塚田益徳君)

お答え申し上げます。
まず、委員からも御指摘ございましたとおり、本法案第十四条第一項では、指定事業者に対して報告書の提出を毎年度義務付けております。この報告書を基に指定事業者と対話することを通じて、各規律の遵守や更なる改善を促すことを想定しております。
また、本法案を実効的に運用するためには、アプリ事業者等の関係事業者などからの情報提供も重要であると考えております。そのため、本法案第十五条第一項におきましては、何人も、本法案に違反する事実があると思料するときは公正取引委員会に報告できる旨を規定しております。
また、これも委員御指摘のとおり、関係事業者は指定事業者からの報復を恐れて公正取引委員会への報告をちゅうちょする可能性があると考えられますが、この点に関して、まず公正取引委員会は責任を持ってその秘密を守ることとしておりますけれども、また、何人も報告することは可能でありますので、違反行為の被害者を受けた事業者に限らず、御指摘のあったような事業者団体も含めまして、違反行為を感知した者であれば誰でも報告可能となっております。
その上で、本法案第十五条の第二項におきましては、指定事業者が公正取引委員会に報告を行ったことを理由として不利益な取扱いをすることを禁止する旨を規定しております。
このほか、本法案第十五条第一項に基づきまして、先ほど委員から、公正取引委員会から積極的にこの情報を取りに行くべきではないかというお話ございましたけれども、本法案第十五条第五項に基づきまして、外部からの情報提供を待たずに、公正取引委員会が職権で情報収集等を行うことも可能でありますので、必要に応じて指定事業者に対する報告命令等の調査権限を活用してまいりたいと考えております。
また、これまでも、アプリ事業者等の関係事業者あるいは事業者団体などと積極的にコミュニケーションを取ってまいりましたところ、引き続き適切に継続的なコミュニケーションを取りながら、本法案を運用してまいりたいと思います。
御指摘のございました情報収集体制の構築につきましては、委員の本日の御指摘も踏まえまして、どういったことができるかを本法の施行までの間によく考えてまいりたいと考えております。

三浦 信祐

是非、実効性って多分、法律が施行されることになったら、即座にそれが使えているかどうかと、これが一番のある意味抑止力になりますし、消費者も事業者も共に守られることになりますので、よく検討していただきたいというふうに思います。

モバイル・エコシステムの法制度と実効性

三浦 信祐

次に、政府のデジタル市場競争会議において取りまとめられましたモバイル・エコシステムに関する競争評価最終報告、これにて明示されている迂回行為の禁止規定について法制度の担保が必要だと私は考えます。これの実効性を確保するために、本法案のどこの条文にて規定して、どう読み込めるようになっているのでしょうか。明確に御答弁いただければと思います。

政府参考人(岩成博夫君)

お答えいたします。
御指摘のとおり、本法案の規制の実効性を確保する観点からは、指定事業者による本法案が定める規制を迂回する行為に対しても適切に対応できるような規制の枠組みとする必要があると考えております。
本法案と同様の規制でありますEU、欧州のデジタル市場法の本格運用が開始されているところ、欧州でありますけれども、アップル社が代替アプリストアの提供を可能としつつ、新たな手数料の徴収等を行うこととしたというふうにも承知をしております。
本法案では、指定事業者が他のアプリストアの提供や決済システムの利用を妨げることを禁止する旨を規定するなど、妨げるという言葉を使って規定をするなど、他のアプリストアの参入を認めつつ、新たな手数料を徴収することで、事実上、他のアプリストアの利用を困難にするような問題を含めて、幅広く問題行為を捉えることが可能な規定ぶりとしているところでございます。
本法案が定める規制を迂回しようとする指定事業者による行為に対しましても、本法案の規定に基づいて厳正に対処してまいりたいと考えております。

三浦 信祐

ごめんなさい、確認ですが、どの条文だということを明示をしていただいた方がいいと思いますし、妨げるということだけではなかなかぱっと理解できませんので、ガイドラインを作るとか、そこの中に入れるということ、それを明示するというお考えはありますか。

政府参考人(岩成博夫君)

お答えいたします。
その妨げるという規定ぶりでございますけれども、例えば、第七条の第一号のロ、あるいは第二号といったところで妨げるということ、他の事業者が提供するアプリストアを利用することを妨げることなどといった規定を置いているところでございます。
どういった場合にその妨げるということに該当するのかという部分でありますけれども、ほかの規定も、の関する考え方も同様でありますけれども、御指摘のあったようなガイドラインなどでどういった場合にこれに当たるのかというのを整理してできる限り明確化していくことにしたいということで、この法案が成立いたしましたら、そういったガイドラインの策定にも取りかかっていきたいというふうに考えております。

三浦 信祐

とてもこれ大事ですので、しっかりと明示をしていただけるように、また今の答弁を通じて何がということがはっきりすると思いますので、運用でしっかり担保していただきたいと思います。
本法案の執行に当たり、海外事業者に対し、是正措置、課徴金等が生じた際の厳正な執行を確保するということがこの法律の運用上とても重要なことであり、必要な、必要不可欠なことだと思います。例えば、海外事業者の本邦担当者では、代理人だとの理由で責任を持った回答ができないゆえに、実効性の担保にリスクが生ずるようなこと自体を避けていかなければならないというふうに思います。
海外事業者本社への責任ある担当者や部署に直接的にアプローチはどのように行われ、執行が担保できるようになるのでしょうか。法的な対応の確実性のために明確な答弁をお願いしたいと思います。

政府参考人(塚田益徳君)

お答え申し上げます。
規制対象となる事業者とは、米国本社の担当者なども含め、これまでも内閣官房とともにコミュニケーションを取ってきたところでございます。また、諸外国の競争当局ともコミュニケーションを取ってきているところでございます。
本法案の運用におきましても、まずは指定事業者等と継続的に対話し、事業者内部の、先ほど委員から米国本社というお話がございましたけれども、しかるべき担当者、責任者に当委員会の意図が正確に伝わるように留意しながら、各規律を遵守するために具体的な措置を講じること、あるいは更なる改善を実施すること、これらを求めていくことを想定しております。
その上で、本法案におきましては、規制の実効性を確保するための措置として、公正取引委員会の調査権限、違反を是正するための命令、課徴金納付命令等の規定も設けてございます。
公正取引委員会、これまでも海外の事業者に対して独占禁止法に基づき法的措置をとるなどしてまいりましたけれども、本法案においても、問題となり得る行為が改善されない場合、違反行為が認められた場合には、諸外国の競争当局ともよく連携しつつ、これまでの独占禁止法の執行で培ってきた経験なども踏まえまして厳正かつ的確な運用を行ってまいりたいと、このように考えております。

三浦 信祐

アップルやグーグル、マイクロソフトなどは、デファクトスタンダード化を図って、ソース等の共有を図りながら、より強靱なハード、ソフト両面の提供体制を、提供してきたというのがこれまでの歴史だと思います。
一方で、今後デファクトスタンダード化に挑み続ける社会構造を構築しようとしている日本にとって、本法案が与える効果と影響はどのように整理されるのでしょうか。また、この法案の今後の対象の規制拡大、この可能性というのはあるんでしょうか。

政府参考人(岩成博夫君)

お答えいたします。
消費者にとって魅力的なサービスを提供するなど正当な競争の結果として委員御指摘のようなデファクトスタンダードとなる場合も含めて、少数の事業者による寡占市場となること自体が競争上直ちに問題となるものではございません。一方で、スマートフォンの利用に特に必要なアプリストア等の特定ソフトウェアは特定少数の有力な事業者による寡占状態となっておりまして、当該事業者の競争戦略的な行為によって様々な競争上の問題が生じているところでございます。
本法案は、そのような特定ソフトウェアについて、セキュリティーの確保等を図りつつ、競争環境を整備することによって新規参入を促進し、公正かつ自由な競争を通じてイノベーションの活性化を図るものでございます。
規制が先行している欧州では複数の事業者がアプリストアへの参入を表明しておりまして、我が国でも同様の規制を整備することによりまして、我が国の企業を含めてアプリストア事業に新規参入する余地が拡大するものと考えております。
それから、ほかの商品、サービスの御質問ございました。
スマートフォン以外のデジタル市場の他の商品あるいはサービスについても、将来的に、スマートフォンと同様の競争上の問題があると認められる場合には、本法案と同様の規制の対象とすることを含めて検討してまいりたいと考えております。

三浦 信祐

この法律が施行されることになればチャンスが増えるという角度の視点もとても重要だと思います。我が国のアプリ産業の拡大、またプラットフォームを用いた日本の強みであるコンテンツ産業、例えば漫画とか、そういうものってとても世界からは興味があり、またその機会を創出をしていくということが今回の法律が施行されることによって期待されるんではないかなというふうに思います。
クリエーターの飛躍を標榜した制作自由度に対する支援、これらについてどのように取り組んでいくんでしょうか。また、本法案が飛躍の機会となることを願いつつ、御答弁いただきたいと思います。

政府参考人(牛山智弘君)

お答えいたします。
世界のコンテンツ流通においては映像やゲーム、漫画等の配信ビジネスが増加してきており、デジタルプラットフォームは重要な役割を果たしているものと承知しております。本法案によりましてデジタルプラットフォーム事業者が提供するアプリ審査の透明性等が担保されることによりまして、それを利用するクリエーターや制作会社にとって、海外への発信やファンと交流する機会を広げていくことにつながることが期待できるところでございます。
経済産業省といたしましても、こうした機会等も念頭に置きながらコンテンツ産業の基盤強化や海外展開を促進していくことは重要と考えておりまして、令和五年度補正予算を活用し、グローバル市場に展開できる高品質な映像作品の制作の支援、デジタル技術を活用した新たな創作活動を行うクリエーターへの支援、ジェトロ海外拠点の活用やコンテンツ事業者によるプロモーション等の支援等を実施しているところでございますが、引き続きしっかりとコンテンツ産業の振興に取り組んでまいりたいと考えております。

三浦 信祐

是非、クリエーターの方がクリエーターとしての作業に専念できるように、そのつなぎのアプリのところにまた新たな知見を持つとなると、その使える時間が減ると、多くの場合あると思いますので、そのサポートをしっかりやっていただきたいというふうに思います。
本来でしたら、最後に自見大臣にばしっと締めていただこうと思っていたんですが、時間が来ましたので、次の機会をいただいたときにばしっと答えていただきたいと思います。
ありがとうございました。