知的人材育成とオープン・クローズ戦略の課題
公明党の三浦信祐です。
産競法、供給側のウエート重き、ウエートがかなり高いと思いますけれども、一方で、需要側とつなぐというのが、午前中からの議論があったと思います。
そういう中にあって、やっぱり間のこのつなぎというところの強靱化が私は大事なんではないかなという視点で、前回に引き続きまして、知的人材の育成、オープン・アンド・クローズ戦略についての質問をさせていただきたいと思います。
二〇二三年十二月五日開催の第十八回産業構造審議会経済産業政策新機軸部会での資料三、二十二ページのところで、日本の企業や大学等の研究機関において、標準化や知的財産を一体的に活用した市場創出、獲得に係る意識、知見、人材や資金の不足により、研究開発の成果を社会実装し、市場を獲得、創出していく際に、オープン・クローズ戦略を十分に構築、活用できていないと。ある意味明確な、そして課題も列挙されたような表現があります。
これまでの答弁も踏まえつつ、この活用できていない要因はどう分析されているか、経産省に伺います。
お答え申し上げます。
まず、企業におきましては、標準化は単なる品質管理の手法の一環と捉える傾向がありまして、標準化戦略が経営戦略に十分位置付けられておらず、特に競争力の源泉である研究開発活動において、標準化の優先順位は、知的財産権の確保などに比べて低いものがございます。また、大学等における研究開発におきましても、知見、人材、資金等の不足から、標準化や知的財産というツールを活用して研究開発成果を社会実装する取組が不十分であり、標準化を含むオープン・アンド・クローズ戦略は、企業が実用化段階に行うべきものという認識が依然として高い状況にあります。
こうした背景及び認識を踏まえまして、本改正法案における認定制度では、企業と大学等との共同研究開発に対しまして、INPIT及びNEDOからの専門的な助言を提供し、研究開発の早期の段階から、標準化や知的財産権を含めたオープン・アンド・クローズ戦略を活用して研究開発成果をマーケットにつなげる検討を促進するというものでございます。
まさに、ここの分析こそが立法事実にもなるわけであると思いますけれども、前回の委員会では、清水参考人の本当に希望の湧く、スピード感を持った、また世界を取っていこうというお話もいただいて、大変我々も励まされた思いであります。
そうなると、教育現場がとても重要になると思います。大学での知的財産利活用についての教育状況、これどうなっているのかという課題があります。今後必要な経営資源化であったり、能力構築、経済安全保障の概念を活用するために、また研究者、技術者として活躍していただくためにも、オープン・アンド・クローズ戦略についての知見醸成、こういう機会をつくる、また強化をするということはとても重要だというふうに思います。
そうなりますと、若い世代はやっぱり触れるということ、これが大事だと思いますので、企業で知財の経験者、また経済安全保障についての知見のある公務の方、あるいは民間企業実務者、これを大学等で講義できるようにする、また、ゼミとかに積極的に呼んでいただいて具体的なその知見をやり取りする機会をつくる、こういうことが必要なんではないかなというふうに思います。
是非検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
お答え申し上げます。
研究成果の社会実装を進めイノベーションを創出していく上では、知的財産に関する知識を持つことは必要不可欠であり、大学において、知的財産を創造するのみならず、それを活用できる人材を育成していくことが大変重要であると認識をしてございます。
大学における教育内容につきましては、各大学が自主的、自律的に定めるものではありますが、約六割の大学で知的財産に関する授業科目を開設しているほか、知的財産を理解し、管理、活用できる専門人材を育成することを目的とした学位プログラムを提供しているなど、各大学において、社会の要請や各大学の特色等に応じた知的財産に関する教育が行われているところであり、こうした授業やプログラムにおいて、弁理士や企業での知財管理等の経験を有する実務家教員が関わる例も多数あると承知してございます。
また、山口大学におきましては、学部、大学院の授業で活用できる知的財産教育の教材の開発、提供や教職員向けの研修等を実施しており、文部科学省としては、同山口大学を教育関係共同利用拠点として大臣認定をし、他大学への知財教育の展開を推進しているところでございます。
文部科学省としては、こうした拠点の取組やその成果の周知等を通じ、引き続き、各大学における知的財産の利活用に関する教育を促してまいりたいと考えております。
文科省さん、頑張っていただいているのはよく分かりますし、具体例が出ていると思います。
では、大臣に伺いたいと思います。
であったならば、先ほどのような新機軸の資料で、人材が足りないとか資金が足りないという会話というのは、これ思いっ切り、実際にやっていることと結果につながっていっていないということの証左でもあると思います。だから変えようという前向きな議論をしたいと思いますけれども、大学教育における知財標準化の知見の必要性、我が国として掲げている知財戦略の実効性、これを鑑みていけば、経済の現場を担う経済産業省と人材の基盤を育てる文科省の緊密かつ緻密な連携が欠かせないというふうに思います。
その中で、具体性、課題共有とその克服への手当てが必要だと思います。文部科学省、経済産業省、これリンクして初めて我が国の基盤ができ上がるはずであります。それを本当に連携をするということはとても重要なことだと思いますので、是非、齋藤大臣の指揮の下で、連携強化を図って、人材を育てることをより立体的に進めていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
全く同感でありますので、進めていかなくてはいけないと思います。
特に、オープン・アンド・クローズ戦略を推進するに当たりましては、知財を生み出す人材のなり手、この確保が重要でありまして、この知財活用を支える人材基盤の強化を図っていかなくちゃいけません。
そのため、政府全体といたしましては、知財創造活動への関心の惹起ですとか、スタートアップ等の企業に対して多様なアドバイスを円滑に行える人材の育成等に取り組んでいるところであります。
その上で、経済産業省におきましては、INPITが知的財産を活用した経営戦略や知的財産の実務などに関するコンテンツをインターネット上にて無料で一般に提供するというサービスを実施をいたしております。このサービスは、企業、大学の方にも多く利用していただきまして、年間十八万人の方に利用していただいておりまして、こういう形で大学の方に入り込んでいるということであります。
それから、スタートアップ支援の現場におきましても、スタートアップ関係者と知財専門家間のネットワーク形成、連携強化、これを促進するために、通称IPBASE事業というのがございまして、この事業を通じて、スタートアップ関係者に知財活用の重要性を理解していただいて、知財人材として育成していくための取組も行っているところであります。
加えて、文科省や弁理士会とも連携をいたしまして、我が国の次代を担う高校生、大学生等を対象としたパテントコンテストですとかデザインパテントコンテストというのを実施をしていまして、優秀作品には、知的財産権の取得支援など、発明や創造の魅力とともに、この知的財産権の取得や活用等の必要性について学んでもらう機会、これも提供させていただいております。
こうした事業の推進を通じまして、知財人材の裾野を広げていって、今後とも、関係省庁や関係機関と連携をして、知財人材の育成に努めていきたいと考えています。
若い世代のうちからいろいろ経験をするということはとても重要だと思います。
コンテストがあると意外と伸びると。今、ロボットがあってAIがあって知財があったら、じゃ、次何だろうということにもなると思いますので、是非いろんな形で広報もやっていただいて、若い世代のうちに、その知見があった上でいろんな分野に羽ばたいてもらうと、こういう社会に変えていくということが大事だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
前回の質疑において、プロジェクト初期段階から知的人材を参加させることの重要性について明確化が図られ、今回の法改正により現実に深化すると期待をしております。
改めて、日本は、商品開発、サービス、製造設計等の分野を問わず、初期企画段階、プロジェクトを推進する最初の時点で、知的財産管理、意匠の専門家、ファンディングマネジャー等を入れていないというのが、これが実情であります。持続性ある予算確保、オープン・アンド・クローズ戦略での研究技術開発のターゲットの整理、創出した技術、ノウハウの確実な確保と権利保護、そして重要な技術があった場合の政府との関係構築など、初期段階が重要であると思います。遅れていることは逆に価値を早く見出すことのチャンスに変わると、こういう視点で、知財人材を初期段階から導入できる日本に変えていきたいというふうに思います。
是非、例えばモデル事業などを立てて推進を図っていくなどトライをしてみてはどうかというふうに思いますが、経産省に伺います。
お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、プロジェクトの初期段階から知財の人材を関与させることが極めて重要であるというふうに認識をしてございます。
今般の改正案におきましては、INPITの業務に、中小企業、スタートアップ等に対する助言を行うこと等の規定を追加をしております。こうした業務を通じて、INPITが、弁理士や弁護士などの外部専門家とも連携しつつ、スタートアップ等の事業の初期段階からオープン・アンド・クローズ戦略などの知的財産の保護、活用の方針について個社と対話を行い、必要な支援を行うことができるものと考えてございます。
また、特許庁におきましても、技術系スタートアップへ出資し、スタートアップにおける知財の課題を理解しているベンチャーキャピタルに対しまして知的財産の専門家を派遣をし、事業の初期段階からスタートアップに対する支援を行う取組などもモデル的に実施をしているところでございます。
こうした取組を通じまして、事業の初期段階から知財人材が関与できるよう努めることで、知的財産を活用した企業の稼ぐ力の向上に貢献してまいりたいと考えてございます。
一問飛ばして質問させていただきたいと思います。
現場の最前線で知財管理を担うのが弁理士の皆さんであります。イノベーションの創出、マッチングに弁理士の皆さんの活躍が欠かすことはできないと思います。
前回の質疑において大臣とやり取りさせていただきましたけれども、オープン・クローズ戦略の、オープン・アンド・クローズ戦略の策定等の実務に詳しい弁理士をデータベース化するとの重要な答弁が大臣からありましたけれども、連携体制の強化、相談への協力と、より効果的に弁理士の皆さんの力を借りやすくすることが必要だと考えますけれども、大臣の見解を伺います。
イノベーションの創出には、この知財の専門家たる弁理士の御活躍、これが欠かせないと思います。
これまでも、経済産業省及び知財に関する総合支援機関でありますINPITでは、中小企業やスタートアップ等が知的財産を活用して稼ぐ力を向上できるように、弁理士と連携して支援を行ってきています。
具体的には、中小企業やスタートアップ等に対する支援といたしまして、中小企業等の相談のための基本インフラとして、全国四十七都道府県に知財総合支援窓口を設置をいたしまして、弁理士と連携して知財活用等に関する相談に対応をさせていただいています。知財戦略の構築支援を図るため、スタートアップやベンチャーキャピタルに弁理士等の知財の専門家チームを派遣するということもさせていただいております。特許庁やINPIT、日本弁理士会及び日本商工会議所の四者が知財経営支援ネットワークを構築をいたしまして、イノベーションの掘り起こしから事業化まで、知財の活用に向けた支援策を全国各地域できめ細かく実施する、こういったこともやらせていただいています。
加えまして、本改正法案によりましてINPITに追加を予定している助言業務は、弁理士等の知財やオープン・アンド・クローズ戦略に関する専門家の知見をいただきながら実施をするということを想定をいたしております。
引き続き、様々な支援の現場において、弁理士の方々と連携しながら取組を進めていきたいと考えています。
ここに、例えば資金を提供している地銀の皆さんであったり中小機構の皆さんが、本当にアドバイス機能が重なってくると、かなり厚めの、実は今まで手が入っていないことがどんどん伸びてくると思いますので、是非弁理士の皆さんの力も借りたいというふうに思いますので、是非押し上げていただければと思います。
中小企業の知的財産活用、支援について伺います。
現状の中小企業における知財についての課題は、知財に関する専門家との接点が薄い、あるいはない。開発段階からの知財戦略に関わる人材をそもそも有していないと、また、他の知的財産を活用する視点が少ないと、そして、そもそも自社製品が知財と関係するのか否かについての判断や興味が薄い、そして、知財を有してもメリットを感じて活用することを考慮していない等、多数挙げられます。もちろん、業種、業態によってはそういうことは当たり前かもしれません。中小企業における従前どおりの知財に対する考え方では、競争力、これが失われてしまうのではないかなという心配が重ねてあります。
知財活用、知財に対する考え方について、より中小企業に焦点を当てた制度の検討、設計、確立を急がなければならないと私は考えております。是非、国が前面に立って、戦略を作って強固に進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、中小企業は、知的財産にそもそも関心が薄い、特許を取得したとしてもその活用方法が分からない、相談できる専門家がいないなど、様々な課題を抱えていると認識しております。こうした課題に対応するため、経済産業省では、知的財産の取得、活用の促進を通じまして、地域中小企業のイノベーション創出を支援するための計画であります地域知財活性化行動計画、これを策定しているところでございます。
同計画に基づきまして、経済産業省、特許庁では、中小企業の知的財産の活用を促進するための取組を実施しているところでございます。具体的には、全国四十七都道府県に知的財産について相談できる総合支援窓口の設置、知的財産を普及するためのイベントといたしまして、つながる特許庁を全国各地で実施、地域中小企業への専門家の派遣等を通じた知的財産戦略の構築支援等の事業を行っているところでございます。
これらの取組に加えまして、今回の改正案によりINPITの業務に追加される中小企業、スタートアップ等への助言事業を通じまして、中小企業の知的財産の活用促進に向けましてしっかりと支援に取り組んでまいりたい、こういうふうに考えております。
取組を加速、お願いしたいと思います。
寝ている知財の活用状況と経産省のビジョン
続いて、知財の活用という視点において質問したいと思います。
よく議論になってくるのは、特許数が増えている、増えていないと、世界の中での数ということを比較されます。他方で、オープン・アンド・クローズ戦略が進むと、クローズがあるということは表に出てこないという部分もあると思います。
他方で、注目しなきゃいけないことがあります。それは、いわゆる寝ている知財の活用が我が国の課題だと考えます。現状、特許数に対し、寝ている知財のおおよその割合はどのような、どの程度ありますでしょうか。活用を図るに当たって、経産省のビジョンを伺いたいと思います。
お答え申し上げます。
令和四年末におけます内国出願人による現在特許権の件数は、約百六十四万件でございます。また、特許庁は、令和四年度に実施いたしましたアンケート調査によりますと、自社実施や他社への実施許諾を行っていない、いわゆる未利用の特許の割合は約四七%だったと承知をしてございます。
委員御指摘のとおり、未利用特許の有効活用によるイノベーションの創出は極めて重要な課題でございまして、総理を本部長とする知的財産戦略本部で決定された知的財産推進計画二〇二三におきまして、大企業や大学に蓄積されている知財の見える化を進め、中小企業やスタートアップと効果的にマッチングする仕組みを整備することが必要である旨を明記したところでございます。
このため、特許庁におきましては、INPITとともに、企業、大学、研究機関が保有する実施許諾又は権利譲渡の用意がある開放特許につきまして、中小企業や知財専門家等がその情報を無料で閲覧できる開放特許情報データベースを提供するとともに、民間事業者による企業間のマッチングを促すべく、本年一月から、同データベースの一括ダウンロードを可能とするサービスを開始したところでございます。
また、同データベースの利用促進を図るべく、活用例等を盛り込んだマニュアル等も公開をしております。さらに、大企業の保有する開放特許を中小企業が活用できるよう、自治体、金融機関、シーズ提供企業等と連携したマッチングの機会を設け、中小企業の技術課題の解決や新事業創出の支援などにも取り組んでおります。
こうした取組を通じまして、御指摘の寝ている知財の有効活用を促してまいりたいと考えております。
まさに、つなぎ合わせたときにイノベーションが起きるはずですので、また、知らないということが最も脆弱性だということもありますので、是非いろいろ広めていただきたいというふうに思います。
知財、二問ありましたけど、ちょっと飛ばさせていただきたいと思います。
航空機産業の強靱化とスペースジェットの商用化失敗
次に、産業競争力強化という視点において、我が国の航空機産業の強靱化、これを図るべきことについて質問したいと思います。
我が国は、一九五〇年以降、航空製造禁止ではあるものの、F86セイバーという航空自衛隊の戦闘機として、米国からの技術、部品等を提供されるライセンス生産等を重ねて完成品を造り上げるということを、知見、そして能力構築を図ってまいりました。まさにノウハウが蓄積され、多くの知見、技術力を伸ばしてきております。今後、民間航空機が我が国の成長戦略に位置付けていくということは、やっぱり重要なんじゃないかなと私は強く思っております。
その上で、今回、残念ながらスペースジェットの商用化を図ることができなかった、この明確な理由は何と分析しているのでしょうか。
お答え申し上げます。
世界的に航空需要の拡大が見込まれる中で、脱炭素化やデジタル化、こういったゲームチェンジをチャンスと捉えまして、航空機産業の競争力を強化していくことは、経済成長はもちろん、経済安全保障の観点からも極めて重要と考えております。
三菱スペースジェットが開発中止に至った主な要因といたしましては、安全性に関する認証取得プロセスへの経験やノウハウの不足により開発期間が長期化したこと、それに伴う度重なる設計変更がサプライヤー対応も含めた事業コストの増大につながったこと、同時に、リージョナルジェット市場が当初の見通しから大幅に縮小するなど先行きが不透明になったことなどが挙げられ、これらによって、事業性が見通せない状況に陥ってしまったものと認識しております。
希望もありましたし、また、飛ぶ姿をイメージしてこの委員会でもいろんな議論があったと思います。
ですが、この産業競争力という部分では、体制いろいろ整えても、このノウハウを持ったということが、今後我が国にとってのむしろそれこそ知財だと思っていくことがとても大事だと思います。スペースジェットから得られた知見は何だったのか。産業競争力を強化するに当たって今回の経験は大切な失敗だと、そして他の分野にも重要な情報となると思います。今回の経験こそ実は国家財産なんだというふうに私は考えます。
今後、今回の知見を生かしていくということ、これについて、是非、経産省も含めて皆さんで取り組んでいかなければいけない課題だと思いますけれども、いかがでしょうか。
お答え申し上げます。
三菱スペースジェットの事業では、三千九百時間超の飛行試験を実施するなど、機体開発においては一定の水準まで到達しており、人材育成も含めまして、我が国の航空機開発の技術、能力の向上に寄与したと考えております。
一方、完成機事業を創出するには、開発、製造の物づくりのみならず、安全認証、マーケティング、そうしたことも含めた総合的な事業実施能力、いわゆるインテグレーション能力が不可欠であることや、収益性ある市場での長期的なビジネスを視野に、国内外での事業連携を念頭に置いたビジネスモデルの検討が必要であることも重要な示唆として得られました。
こうした認識の下で、先月、我が国航空機産業の課題と成長の方向性を示します航空機産業戦略、これを取りまとめました。
同戦略の中では、三菱スペースジェットが開発中止に至りました要因や背景を踏まえまして、海外主要航空機メーカーとの国際連携の枠組みの中で、部品サプライヤーとしての地位に満足せず、収益性が見込まれる具体的な開発プロジェクトにおきまして、設計などの上流工程にも参画し、完成機事業を実施する技術的、事業的な能力をステップ・バイ・ステップで獲得していくとしております。こうした方針の下、二〇三五年以降に想定される次世代航空機の開発に向けまして、自律的な成長を可能とする産業構造への変革を目指していく所存でございます。
政府としては、この戦略の下、我が国航空機産業の更なる成長に向けて、その取組をしっかり支援してまいりたいと考えております。
裾野が極めて大きいのと、人材も育つチャンスであると思いますので、我々は支えていきたいというふうに思います。
今後、我が国が民間航空機製造能力を確保することは、産業の現場に大きな裾野を持つということは今言わせていただきましたけれども、我が国の経済、技術、サプライチェーンの成長がこれによって期待をされます。午前中からありますけれども、人口が減ったから、高齢化が進んだから産業が弱った、そういう社会をつくってはいかぬという思いがあります。
米国においては、本年一月に策定した国家防衛産業戦略で、グローバルサプライチェーン、ウクライナ対応の教訓を踏まえて、同志国との共同生産を重視する姿勢を示しております。民間航空機についても同じ傾向も想定され、レジリエンスの強化にもつながるというふうに思います。是非、航空機製造ラインを我が国に持てるようにするため、米国製造メーカーとの協力などを視野に取り組んでいただきたいというふうに思います。
確かに、スペースジェット、これができ上がっていたら、もしかしたら航空需要が変わっていて売れなかったかもしれないと考えると、いろんな意味合いを持っているんだろうなというふうに思います。今後の展望について、大臣、是非我が国の成長を懸けて御答弁いただきたいと思います。
このカーボンニュートラルが新たなビジネスチャンスにつながるという、そういう事態を活用しながら、将来に向け、我が国航空機産業の競争力を強化していくということ、これにしっかり取り組んでいきたいと思っています。
一方、航空機の開発、製造は、長期かつ巨額の開発費用を長期間にわたって回収をする大変リスクの高い事業であります。航空機の完成機メーカーはボーイングやエアバスといったごく少数の外国企業に限られますが、これら海外メーカーでも、リスクをパートナー企業間でシェアする事業体制の構築等が行われています。
こうしたことを踏まえますと、委員御指摘のとおり、海外メーカーとの国際協業を基軸として成長していくという視点が不可欠であります。また、民間、防衛合わせたサプライチェーン、この強靱化も不可欠であります。
経済産業省としては、新たな航空機産業戦略の下で、我が国航空機産業が単なるサプライヤーの位置に甘んじることなく、完成機事業を見据えたインテグレーション能力を向上していくということが重要であると考えています。そのためのプロジェクトを海外メーカーとの協力を視野に官民連携で具体化していきたいと思っています。その際、政府支援の在り方につきましては、既存の枠組みにとらわれずに検討して、引き続き、我が国の航空機産業をしっかりと支援していきたいと思っています。
とても大事な御答弁いただいたと思います。
やっぱり官民合わせてやるということで、今回の飛行機の案件では、当然、この認証のプロセスの経験が、間が空いたがゆえに人材がいなかったということも一端、大きいと思います。また、サプライチェーンを構築しようとしたときにどの企業を使ったらいいかという判断能力、そして、海外のメーカーがいいと思っても、今度トレードの仕方ということがあったと思いますので、全部その知見は役に立つということありますので、この知見をベースにして、過去にとらわれず、是非前に進めていただきたいと思います。
最後、時間の関係もありますので、産業競争力基盤強化商品の中のSAFについて質問させていただきたいと思います。
今、SAFを、これを今回強化商品として明確化になっておりますけれども、これ、だんだんだんだん拡大をしていくと言っておきながらも、今後、欧州では、このSAFの技術の予測においては、廃食油等を原料とする技術による製造量は変わらず、むしろ全体の量に対する割合というのは小さくなっていくと。今後、新しい技術と期待されるCO2、水素を原料とした合成燃料が原料の半分を占めると。そして、バイオエタノールを原料とするATJと合わせて約四分の三と予想されているのもデータとしてあります。
我が国は、このトレンドに対して、技術開発の方向性、どう戦略を描いているのでしょうか。経産省に伺います。
お答え申し上げます。
御指摘の欧州等の今後のSAFの技術の動向の見通しにつきまして、我々も同様のものを承知しておりまして、基本的には同じ方向に向かうべきだというふうに考えてございます。
具体的には、足下では、廃食油などを原料にSAFを製造する、HEFAと言っていますが、そういう技術が確立されており、今後は、二〇三〇年までに、エタノールからSAFを製造するアルコール・トゥー・ジェット技術、あるいは廃棄物からSAFを製造するガス化FT合成技術が確立されていく見込みでございます。さらに、その後、CO2と水素を合成して製造される合成燃料も、二〇三〇年代には導入拡大とコスト低減が進み、SAFとして利用が進んでいくということが期待されてございます。
現時点では、あらゆる可能性を選択肢に技術開発を進め、国内におけるSAF製造、供給体制を早期に整備することが重要と考えておりまして、グリーンイノベーション基金などを活用して、SAFを大規模に製造するための技術開発や合成燃料に関する技術開発を支援するなど、国際競争力のあるSAFの製造技術開発を進めているところでございます。
引き続き、こうした取組を通じて、SAFの製造、供給に取り組む事業者を積極的に後押ししていきたいと考えてございます。
一問最後できませんでしたけれども、市場が独立をしていくということまで国内製造体制を整えていかなければいけないと思います。そういうことから見ると、入口と出口の戦略、これをしっかり書いていただいて、前に進めていただきたいということをお願いさせていただいて、質問を終わります。
ありがとうございました。