三浦のぶひろ 三浦のぶひろ 神奈川選挙区
ホーム / 議事録 / 令和6年5月27日 第213回国会 参議院 決算委員会 第8号

令和6年5月27日 第213回国会 参議院 決算委員会 第8号

定額減税と給付金の進捗状況

三浦 信祐

公明党の三浦信祐です。
秋野議員に引き続いてのラジオアイソトープの質問に入る前に、給付金の進捗、定額減税とデフレ脱却について質問させていただきます。
定額減税が六月から開始します。総理も集中的な広報により国民への発信を強めると述べられておりますが、私から、定額減税と併せて進められてきた給付金の進捗、これも含めて政府に確認いたしたいと思います。
今般の定額減税及び給付金は物価高対応として行われます。特に給付金は、住民税非課税世帯の方のみならず、住民税均等割のみ課税世帯といった、これまで必ずしも注目されてこなかった方も対象としているほか、定額減税し切れない方への対応にもなっております。低所得世帯と同様、物価高に苦しむ中間所得世帯とも言える方々への配慮は非常に重要であります。
公明党は、昨年の臨時国会で政府に対し、こうした方々に対し可能な限り迅速に給付金を届けてほしいと求めまして、あわせて、給付の実務を担う自治体の事務負担が過大にならないよう配慮すべきだと主張してまいりました。
今回の各種給付金の制度設計を御担当されました新藤大臣に、公明党が訴えてきた迅速な給付と自治体の負担軽減がどの程度実現したのか、実際の進捗状況、また大臣が力を入れられたデジタル活用も踏まえて答弁をいただきたいと思います。その上で、いよいよ始まる定額減税が政府が目指すデフレ脱却に向けてなぜ重要なのか、大臣、分かりやすくお答えをいただきたいと思います。

国務大臣(新藤義孝君)

御質問ありがとうございます。
今委員が御主張されましたように、私は、この定額減税に先立って実施した給付金については、三つのコンセプトを出しました。簡素、迅速、そして適切、この三つの観点のバランス、これをどう取るかということで、この給付金チームがございましたから、その皆さんといろいろ考えながらやってきたわけであります。
まず、この最も早く支援すべきとして取り組んだ住民税非課税世帯への給付、これは補正予算の成立後、二月までで対象の九割に給付いたしました。そして、今現在、ほぼもうそれは支給が終わっています。
それから、この非課税世帯よりも少し収入が高い住民税の均等割のみ課税世帯、この給付でございますが、これは政府としてこれまでこうした世帯に着目した支給ってやってきておりませんでしたから初めての給付金でありますけれども、加えて、これに一人当たり五万円の子供加算を実施いたしました。これらについては、年度内に六割、四月末までに八割から九割の市区町村で給付が開始されています。特に、公明党が、ずっと先生も主張されて、また御意見をいただきました卒業や入学の時期にお子さんのいる世帯に届けようと、これとても重要な御指摘だったと思いますが、そのとおりにお届けできたんではないかなというふうに思っています。
次に、今度は、定額減税し切れないと見込まれる方への給付、これが来月からいよいよ定額減税始まるわけでありますけれども、この定額減税し切れないと見込まれる方々、要するに四万円以下の方々に対しては調整給付という形でこれもやっていこうと考えています。
この調整給付も、減税額の実績を待って確定するとなると、来年にならないとそれが給付できないんです。ですから、そうではなくて、国会の御議論も踏まえまして、また、迅速性というものを考えて、この令和六年中に入手可能な情報、すなわち昨年の課税所得、これを見込みとしてこの給付額を算定することで、この夏以降に前倒しでこの給付をするということになったわけであります。
それから、自治体の負担をできる限り軽減するということで、基本的に税の世界ですから一人一人全員の計算をするかということになります。でも、この趣旨は、この可処分所得を上げるということが重要な趣旨でございますので、そこは支給を一万円単位という形にしまして、迅速に対象者にその給付を届けていくという工夫をしたわけでございます。
それから、デジタルの積極活用によって自治体の負担をできる限り簡便にする。それから、今後のそういった支給に対しても応用展開できるようなもの、これを考えたわけでございまして、まず調整給付のための算定ツールということで、個人住民税の所得金額や控除等の情報、これを用いて給付額を簡易に一括算定できる調整給付のための算定ツール、これ、デジ庁が、国の方で開発しました。今、千七百四十一自治体中の千五百自治体がこれを活用して、素早く給付ができるようになっています。
それから、ファストパスというのをつくろうということで、この給付支援サービスというもの、これ、申請から振り込みまでをフルデジタルでやる、こういう仕組みをこれも国が開発いたしまして、自治体側のシステムは改修は不要でございます。それから、この導入経費も国が支援するということで、申請から振り込みまでが約、まあ最速で三日から四日でできる、こういう仕組みをつくりました。これも今既に百を超える自治体から正式な利用の申込みが来ております。
それから、ちょっと済みません、いろいろ時間いただいちゃって恐縮なんですけれども、このファストパスに加えてスーパーファストということで、そもそものこの郵送の、申請をしてくださいという郵送期間に二週間掛かっちゃうんです。これをカットする、そういうためのスーパーファストというものも取組を入れまして、最も先進的な岡山県総社市では、これを三週間程度、給付を短縮することができました。
こういったことをやったのでございますが、最も全般的な効果を出してこの事務の手続簡素にできましたのは、特定公的給付の包括指定というのをやりました。これは、今までは自治体単位でそれぞれ特定給付をしてください、させてくださいという申請をして許可を得てやるものを、一括してみなし給付で、全国の自治体をこの包括指定をいたしまして、これであらかじめ必要な情報を関係機関から入手しやすくなったと、これをしたわけでございます。こうした様々な工夫をしながら、この所得の厳しい層の皆さんにはまず給付金を出す。
それから、このいよいよ定額給付については、ここで春闘の結果はすばらしいものになりました。しかし、これはまだこの実際に給料に反映されるのには来月から七月、八月まで掛かるんです。ですから、それまでの間に、ボーナス月にこの可処分所得を上げるという意味で、このタイミングで給付、この減税をすると。それによって、皆さんに、まずは所得が一定程度そこで可処分所得が上がるということと、将来の賃上げに備えた、そういう、まあ予見性を高めてそれを消費に安心して回してもらえるようにしようと、こういうことで取り組んでいるところでございます。

調整給付の迅速性と対応策

三浦 信祐

次に、調整給付について。
物価上昇への対応という観点も踏まえ、定額減税の実績の確定を待たず、今御答弁ありましたけれども、本年夏頃に、前年所得の情報を活用し、そして前倒しして給付することとして、住民税非課税世帯への七万円給付、また、住民税均等割のみ課税世帯への十万円給付、また、子供一人当たり五万円加算に引き続いて一連の給付は順次迅速に進むということ、これは評価したいと思います。
ただ、こうした対応を行う中で、例えば令和六年に収入が減少して元々の見込みよりも減税できた額が少なかった場合は、結果として一人四万円の支援が得られないことが考えられます。また、例外的なケースでありますけれども、自分自身も税金が発生しないゆえ減税などの対象とはならずに、一方で、制度上、収入が一定以上ある、そして、あるいは専従、事業専従者であることによって、誰か家族の扶養親族として扱われず、他の給付金も支給されていないといった場合も考えられます。
政府は、来年三月に実際の減税実績が明らかになってから不足分を給付するとの方針を示しており、まさに現在進めている給付による迅速性とこうしたケースへの適切な対応、これらを両立していく必要があります。
現在の検討状況、そして、今後についてお答えいただきたいと思います。

政府参考人(坂本基君)

お答え申し上げます。
御指摘の調整給付につきましては、来月以降、減税し切れないと見込まれるおおむねの額を給付してまいりますとともに、当初の見込みと異なるなど減税や給付が十分でない場合には、来年、減税額が確定したところで不足分を給付するということとしてございます。
政府といたしましては、減税し切れないと見込まれる額の給付、これをできるだけ迅速に進めていきますとともに、不足分の給付について、先生御指摘のような場合、すなわち今年の収入が減少してしまったというふうな場合、あるいは、制度上、本人としての定額減税も受けられず、扶養親族としての定額減税の対象ともならないような場合などに適切に対応することができるよう、来年に向けて準備を進めてまいりたいと考えてございます。

三浦 信祐

基礎自治体ともよく連携取っていただいて、迅速に対応していただきたいと思います。
医療用ラジオアイソトープの国産化について伺いたいと思います。
世界各国でがん対策に用いる医療用RIの研究開発、創薬に必要な体制整備が急激かつ加速度的に進み、競争が激化をしております。国民の生命と生活を守るため、がん検診、治療に用いるRIの国産化は不可欠であります。内閣府の医療用RI国産化へのアクションプランに基づき、実用化へ総力を挙げるべきであります。
その上で、従前の輸入原料で製造したRI製剤と国産RIで製造した製剤とで製品また効果が変わらずとも、原料の違い等のこれまでにない変化が生じます。厚生労働省は、薬品データを評価する待ちの態勢から、先手を打って積極的に情報を把握し、医療用RI製剤の国産化、国内需要の創出が図られるように、省内各部署、そして連携取るとともに、内閣府ともよく連携取って進んでいただきたいと思いますけれども、武見大臣に伺いたいと思います。
その前に、新藤大臣におかれましては、質問はこれで終わりですので、御配慮いただければと思います。

委員長(佐藤信秋君)

新藤大臣、それでは、御退出どうぞ。

国務大臣(武見敬三君)

この医療用のラジオアイソトープ、安定供給が図られることは、がん対策などの観点からも極めて重要であると認識をしております。
委員御指摘の国産化に向けた研究開発や創薬の推進については、厚生労働省としても、この医薬品の品質、有効性及び安全性について、開発中の段階であってもその事業者からの相談に応じてPMDAにおいて必要な確認、助言は行っておりますが、さらに、患者が医療用のラジオアイソトープを含む適切な放射線治療を受けられるように、この医療機関の連携体制の整備の取組なども推進しておるところであります。
がん研究十か年計画においてこの放射線治療の研究開発の推進を行っておりますが、このラジオアイソトープの国産化については、原子力委員会においても国内製造に資する研究開発の推進が行われているものと承知をしております。
厚生労働省としては、引き続き、省内の連携はもとより、関係省庁としっかり連携を取りながら、この国産化の推進に資する取組をしっかりと進めていきたいと考えております。

三浦 信祐

御明言いただきました。
その上で、がん治療へ活用する医療用ラジオアイソトープ製剤は、細胞を標的とする化合物、すなわちリガンドとRIを結合して治療薬といたします。RIを標的アイソトープ治療として活用できるのは、がん細胞に到達できるリガンドがあってこそであります。リガンド探し、獲得が創薬のキーテクノロジーとなります。
我が国は、これまで抗がん剤開発などでリガンドの研究開発が多数行われ、活用の可能性、可否、これ、官民を問わず多数のリガンドデータを保有しているものと推測されます。
我が国は、がんで亡くなられる方の約半分が検診を推奨している五種類のがんによるものであります。一方で、検診を推奨していないそれ以外のがんで亡くなられる方も実は約半分おられます。
特に、発見、生存が厳しい膵臓がん等の発見、治療薬としての医療用RIが活用できれば、国民の皆様の希望そのものになります。がん対策には多様なリガンドの確保が必要です。今後、リバースエンジニアリングも含めてリガンドの情報集約を図り、AI等を活用してデータマッチングすれば、医療用RI製剤の創薬促進、世界を取ることも期待することができます。
リガンドについて、我が国の情報を集約する機能を構築すること、そして探索を国主導で行うべきでありますが、浜地厚生労働副大臣、是非取り組んでいただきたいと思います。

副大臣(浜地雅一君)

お答えいたします。
三浦議員御指摘のように、この医療用RIにおいてこのリガンドの開発、大変重要であるというふうに厚生労働省としても認識をしております。特に、今後の創薬力強化が急務とされる我が国においては、このリガンドの国産化というものも大変重要であるというふうに思っております。
そこで、現在、厚生労働省としましては、AMEDを通じて企業やアカデミアからの研究データを集約をしております。そして、その集約したデータをAIが医療品の構造となるものを研究者に提案をする創薬AIプラットフォームというものを構築をし、支援をさせていただいております。
今後は、この創薬AIプラットフォームを活用しまして、リガンドに関する研究データにつきましても、企業から同意を得つつ情報を集約をしまして、しっかりとしたこの支援につなげてまいりたいと、そのように思っております。
以上でございます。

三浦 信祐

御明言をいただいて本当にありがとうございます。是非我々も後押しをしていきたいというふうに思います。
本年は来年から五年間の第三期健康・医療戦略の策定の年に当たり、検討が開始されたと承知をしております。また、第四期がん対策推進基本計画に即した第五次がん研究十か年戦略も規定されております。
我が国のがん対策推進、セラノティクス推進にも期待が大きい医療用RIの国産化は、経済安全保障上も重要な位置付けとなります。医療用RIの国産化に必要なアセット、原料、創薬プロセス、人材等、包含的に体制を整え、がん治療の最前線での活用、また海外輸出も標榜して、一貫性を持った体制を整える戦略が必要であります。国家戦略としての位置付けがあってこそ、実証から実装へとつながります。
健康・医療戦略の中に、またがん研究十か年戦略を具体化する際に、経済安全保障の観点も踏まえ、医療用RIの位置付けを明確にしていただきたいと思います。また、リガンド開発こそ国が戦略的に推進すべきであり、先ほども浜地副大臣からも答弁ありました、我が国の戦略に位置付けて昇華させていただきたいと思いますが、高市大臣、是非取り組んでいただけませんでしょうか。

国務大臣(高市早苗君)

現行の健康・医療戦略におきましては、がんに関して個別化治療に資する診断薬、治療薬の開発を推進することとしておりますので、医療用ラジオアイソトープやリガンドもこれに含まれます。現在、第三期健康・医療戦略や医療分野研究開発推進計画について検討しているところでございますので、医療用ラジオアイソトープやリガンドの位置付けについても前向きに検討を進めてまいります。
また、がん研究十か年戦略につきましては、今後推進すべきがんの診断、治療に関する研究の中で、患者に優しい治療法の一つとして標的アイソトープ治療を含む核医学治療や重粒子線治療などの高度な放射線療法の開発に関する研究の推進を行うこととしておりますので、引き続きここはしっかりと取り組んでまいります。

三浦 信祐

しっかりと支えていきたいと思います。
医療用RI製剤の社会実装には、創薬メーカーとそのコミュニケーションというのはとても重要であり、欠かすことはできません。リガンドの開発、創薬においてもメーカーの力が必須です。単にメーカーの実勢を聞くだけではなくて、戦略として方向性を明確化し、強力に推進し、研究開発が促進されるような環境の構築こそ国が取り組むべき責務であると思います。
武見大臣、是非取り組んでいただけませんでしょうか。

国務大臣(武見敬三君)

この医療用ラジオアイソトープの社会実装に向けて、企業と必要なコミュニケーションを取るということは重要であって、例えば、薬事規制上の懸念がないかといった点、密にコミュニケーションを図っているところでございます。また、医療用のラジオアイソトープを含めて、国内において研究開発が進むような環境を整備するために、例えば、AMEDの研究費等による開発の推進であるとか、あるいは臨床研究中核病院でございます国立がん研究センターにおける治験環境の整備などを行っております。
厚生労働省といたしましては、この医療用ラジオアイソトープの研究開発の促進は重要と考えておりまして、企業との必要なコミュニケーションを実施しつつ、引き続き、関係省庁と連携をしっかりと取りながら、戦略的にこの開発環境の整備に取り組んでいきたいと思っております。

三浦 信祐

国立がんセンター、とても重要な位置付けだと思いますので、整備も含めて取り組んでいただきたいと思います。
今出ましたAMED、この体制について質問したいと思います。
AMEDの縦割り打破について、関係のある事業間連携が図られるよう全体のスキームを早急に構築することを四月一日の本委員会で大臣に、高市大臣に質問させていただきました。
がん対策を取っても、資金、研究テーマについて文科省分と厚労省分で重なりもあると承知しております。AMED内での整理とつなぎ、社会実装への選択と集中こそ予算投入への価値が見出すことができると思います。医療用RIこそ今回の体制構築に適した事業であり、スピード感を持って実用化につなげていくことに通じると思います。
前回の質疑からこれまでの検討状況と方向性を伺いたいと思いますが、高市大臣、是非AMEDの改革を行っていただきたいと思います。

国務大臣(高市早苗君)

三浦委員御指摘のとおり、医療用のラジオアイソトープを含めて、医薬品を国民の皆様に迅速に届けるためには、やはりAMEDの事業間連携、非常に重要でございます。前回御指摘をいただきまして、現在は第三期健康・医療戦略や医療分野研究開発推進計画策定に向けた検討を行っているところでございますが、その御指摘の重要性はしっかりと踏まえていくべきだと考えております。
AMEDの事業間連携につきましては、創薬力の向上により国民に最新の医薬品を迅速に届けるための構想会議の中間とりまとめにございますとおり、基礎・応用研究の段階から創薬という開発目的を見据えたプロジェクトを推進するために重要な課題だと考えておりますので、御指摘を踏まえながらしっかりと検討を行ってまいります。

三浦 信祐

是非お願いしたいと思います。
医療用RIの製造炉の確保について質問いたします。
医療用RI製造、特にアクチニウム製造に適した高速製造炉が今後安定供給に必要であります。我が国の設計者、エンジニア、研究者、サプライチェーン上にある企業は、高速炉を確保する経験を逸失しているのが現状であります。現下の状況を踏まえれば、アクションプラン、フォローアップ工程表に経済産業省もラインナップされている視点から、高速炉実証炉検証事業と医療用RI製造との関係性について齋藤大臣の見解を伺いたいと思いますが、大臣、今回の医療用RIの国産化に係る高速炉の活用、今後の製造炉構築というのはこれはもう絶好の機会であります。実証炉と並行して取り組むことは国益にかないます。見解を、そして取組を伺いたいと思います。

国務大臣(齋藤健君)

高速炉は、エネルギー政策におきまして、高レベル放射性廃棄物の減容化、有害度低減、資源の有効利用といった核燃料サイクルの効果を更に高めるものと考えています。そのため、経済産業省では、二〇二二年十二月の原子力関係閣僚会議で改訂をされました戦略ロードマップに基づき、昨年九月から高速炉の実証炉開発に向けた研究開発と概念設計を進めているところです。
こうしたエネルギー利用の観点から、高速炉の実証炉開発に取り組む過程で得られる人材、技術やサプライチェーンは、医療用RI製造を含む非エネルギー分野にも貢献し得るものと考えています。
また、国内での医療用RIの製造に向けては、原子力委員会が策定した医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプランに基づきまして、今後の高速実験炉「常陽」を活用した医療用RIの製造実証の成果などを踏まえ、内閣府を中心に関係府省庁がしっかり連携して取り組むこと、これが重要だと考えています。

三浦 信祐

これ推進をしていただきたいというふうに思いますけれども、がん患者さん、また各医療団体の皆様から要望を受けている医療用RI国産化の実現へ、これまで「常陽」の再稼働のために予算を積み上げ、補正予算を確保、そして、これまで文科省が使用できなかったエネルギー特会の活用も切り開いてまいりました。
しかし、医療用RIの製造に死活的に必要なJAEAの予算は厳しい状況にあります。世界は高速炉の開発競争、そして近隣諸国は西側を突き放すほどのスピード感で世界を席巻すべく開発が進展しているのが現状です。
高速中性子場をつくれる「常陽」は、西側諸国唯一の資産でもあります。このアドバンテージを生かしていかなければならないと思います。そのためには、文科省として、予算の再分配、組み上げ方を考えるべきと強く要望したいと思います。
例えば、今後、宇宙戦略の推進に当たり、宇宙放射線の影響への対処というのも欠かせないことでありますから、JAXAやNIMS等と地理的、能力的有効性を再認識して、JAEAを含めて予算を効果的に配分して、能力最大化を図るなどの視点が必要であります。責任を持って取り組んでいただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

国務大臣(盛山正仁君)

日本原子力研究開発機構は、我が国唯一の原子力に関する総合的な研究開発機関であります。「もんじゅ」サイトの新試験研究炉の開発や次世代革新炉の開発に資する技術基盤の整備、そして廃止措置を含むバックエンド対策など、原子力科学技術の推進に重要な役割を担っております。
このため、文部科学省としては、原子力機構の業務の推進に必要な予算額を適切に確保するとともに、原子力機構においても、競争的資金の獲得や民間企業との共同研究の推進などを通じて、財源の多様化に向けた取組を推進してきたところでございます。
また、原子力は、総合科学技術として医療や宇宙、材料など多様な分野への利活用が期待される分野であり、他の関係機関とも連携協力して幅広い研究開発を推進していくことが重要と認識しております。その中でも、特に三浦議員御指摘の高速実験炉「常陽」は、運転再開をすればOECD諸国で運転を行う唯一の高速炉となるだけでなく、医療用RIの製造にも活用できることから、その運転再開に対し大きな期待が持たれております。
こうした観点から、文部科学省としては、原子力機構における取組を含む原子力分野の研究開発等に係る必要な予算の確保に向け、取組に努めてまいります。

三浦 信祐

このJAEAの技術者も含めて、トータルのアセットとしての位置付け、これを我々も支えていかなきゃいけないと思いますので、大臣、しっかりリーダーシップを発揮していただきたいと思います。
高市大臣に伺います。
戦略ロードマップには、医療用RIについての記述があります。これらに基づいて立体的な取組を加速していただきたいと思います。
現実証段階では「常陽」と加速器の組合せですが、今から長期的展望を立てて更なる先手を、ラジオアイソトープの国産化を図るためには手を打っていかなければいけないことの状況であります。そのためには、ハード、ソフト両面を含めたインフラ整備が不可欠であります。十年後、その先を見据え、戦略的な経済安全保障と捉え、医療用RIの安定供給へ、製造用新型高速炉の確保を図っていただきたいと思います。
今取り組まなければ、設計者の高齢化、実際の建設技術者の未経験が重なり、また、安全審査の技術的経験、機会を失って、総じては技術、経験の逸失になります。「常陽」と同じスペックであれば、照射試験の実績、経験もあります。また、短い期間で建設に結び付いて、創薬メーカーも、連続供給の安定性、供給絶対量の増加につながって、予見可能性を持って積極的に創薬製造主体となっていただけることが期待できます。
是非、大臣、全てかみ合っていきますから、これこそ経済安全保障だと思います。是非推進をしていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

国務大臣(高市早苗君)

医療用ラジオアイソトープのうち、特に「常陽」などの高速炉で大量製造が見込まれるアクチニウム225は、この骨転移が全身に広がった転移性前立腺がんが寛解したことを示唆する報告を契機に注目されておりますので、もう世界中で確保に向けた競争が激化しております。
令和四年五月に原子力委員会で決定された医療用等ラジオアイソトープ製造・利用アクションプランにおきましては、アクチニウム225を重要ラジオアイソトープに位置付け、先ほど文部科学大臣からも答弁ありましたが、我が国がOECD諸国で唯一の実機である高速実験炉「常陽」を用いた大量製造の実証を令和八年度までに実施すること等について明記をしております。
ラジオアイソトープにつきましては、製造から新たな放射性医薬品の製薬までの工程で知財を適切に確保することは、国際社会における我が国の先導性、優位性を意識した新産業の創出を目指すことや、国の産業を守り発展させる観点、ひいては我が国の経済安全保障の観点から重要なことでございます。
「常陽」という我が国の優位性を生かしつつ、我が国からアクチニウム225を用いた新たな医薬品産業を創出するという観点についても、今後の新型高速炉に関する各省庁との議論の際にしっかりと提示をしてまいります。

三浦 信祐

明確にお答えいただきまして、ありがとうございます。
経産大臣に伺いたいと思います。
高速炉実証炉もありますけれども、やはり製造炉は先手を打てば人材が残っていきます。よく検討していただきたいと思います。製造炉のアセット化を図るために、知財管理、インテグレーション化を早急に図っていただきたいと思います。経済安全保障での具体的な先進事例となります。人材育成の構築ともなります。
経産省として、知見を一番集約していますから、是非プランニングにも参画をしていただきたいと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

国務大臣(齋藤健君)

一般論でありますが、原子炉のような高度で複雑度の高い工業製品の製造に当たりましては、個々の技術や知財、人材などを統合することが重要であると認識しています。
過去の高速炉開発を振り返りますと、発電用の原型炉「もんじゅ」では、中核となる事業者を設けず、参加する事業者が横並びでプロジェクトを請け負っていたために、プロジェクト全体の司令塔機能が脆弱となり十分な管理が行えなかった点などが指摘をされています。このような教訓を踏まえまして、エネルギー利用の観点で実施をしております高速炉の実証炉開発事業におきましては、システム設計等の技術面や人材を含むリソースを統括する中核企業というものを選定することで開発を今進めているところであります。
医療用RIを製造することを主目的とする高速炉となれば、これは内閣府や厚生労働省を始め関係機関が連携をして取り組むものと考えますが、経済産業省としても参考となるような情報や知見はしっかり提供させていただきたいと考えています。

三浦 信祐

こういう物質を手に入れるときというのはオールジャパン体制がとても重要であります。是非、経産省のこれまでの知見と、そして人材も活用していただきながら、この国を前に進める、その取組を是非お願いしたいと思います。
最後、防衛大臣に一題だけ質問させていただきたいと思います。防衛産業の施設設備の老朽化対策についてでございます。
防衛産業は防衛力そのものです。防衛産業の施設は、自衛隊施設と同様に、防護性能や耐震性能を備え、強靱化を図っていくことが必要だと考えます。
老朽化した施設が防衛産業の中にも残念ながら散見されているというのが現実であります。有事や自然災害により防衛産業の施設が毀損すれば、防衛装備品の製造や維持整備が困難となって継戦能力上の不備が生ずることは想像に難くありません。防衛産業における施設の老朽化を解消できるようにすべきであります。
是非、前もった、本当にいろんな段取りあると思いますけれども、木原大臣、取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

国務大臣(木原稔君)

我が国の防衛産業ですが、自衛隊の任務遂行に必要な装備品等の製造、修理のために必要な存在だという認識です。
他方、魅力が低下する防衛産業においては設備投資が低調になりがちであるといった様々な課題が存在しておりまして、装備品の製造等のための建屋等に老朽化が見られているところも委員御指摘のとおり存在をしています。
防衛省としては、その収益性や安定性も含め、防衛事業に従事するメリットを企業が具体的に期待できることが重要と考えており、防衛事業の魅力化のための施策に取り組んでいます。
また、一般に、装備品の製造等に関する施設については、装備品等の製造や修理のために特別に必要となる設備について、初度費として一括で支払う措置を講じるとともに、装備品等の製造工程の効率化や事業承継等に不可欠なものであるといった防衛生産基盤強化法の要件に適合するものであれば、財政上の措置の対象となり得ると考えています。
このように防衛省としては様々な取組を行ってきていますが、防衛産業が抱える様々な課題を踏まえ、基盤の維持強化のため、既存制度の運用の工夫や更なる効果的な施策について引き続き検討をしてまいります。

三浦 信祐

防衛産業の施設整備を企業任せとするのではなくて、自衛隊施設と同様に、強靱化のために国としても積極的に関与していただきたい、防衛大臣に是非取組をお願いしたいということを重ねてお願いさせていただいて、以上とさせていただきます。
ありがとうございました。