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令和6年6月11日 第213回国会 参議院 経済産業委員会 第16号

事前規制の項目と効果について

三浦 信祐

公明党の三浦信祐です。前回に引き続いて質問をさせていただきます。
本法案では、消費者保護、事業者の競争環境整備のために、指定事業者に対して事前規制を導入しております。スピードの速いデジタル分野でのこの技術の進展、そういう視点から見れば、事前であるということはとても重要だというふうに思っております。
事前規制について項目列挙がなされております。諸外国の規制制度との整合性などを踏まえつつ、今回、この法律で列挙されている項目とした理由、そして得られる効果について伺いたいというふうに思います。

政府参考人(岩成博夫君)

お答えいたします。
まず、事前規制の各項目が、これらのこういった項目が列挙されている理由でありますけれども、公正取引委員会では、モバイルOS等に関する実態調査というのを実施いたしまして、昨年の二月に報告書を公表いたしました。また、内閣官房デジタル市場競争会議におきましても、二年間にわたって本法案の前提となる議論が行われまして、昨年六月に最終的な報告書が公表されたところであります。
これらを通じまして、モバイルOS等の特定ソフトウェアは特定少数の有力な事業者による寡占状態となっていると、アプリストアへの参入の制限、アプリストアの、アプリ事業者の事業活動の制限、検索における自社サービスの優先表示など、競争制限的な行為によって様々な競争上の問題が生じていることが明らかになったところであります。
こうした様々な競争上の問題に迅速かつ効果的に対応するために、本法案ではいわゆる事前規制を導入するというところであります。これによりまして、特定ソフトウェアの各分野での新規参入が進むなど競争が促進されて、多様なサービスの選択やアプリストアの手数料の引下げなど、デジタル分野の成長に伴う果実を、スタートアップを含む我が国の関連事業者、ひいては消費者が公正公平に享受できるようになることを期待しているところであります。

三浦 信祐

海外も、どんどんデジタルの進化に合わせた制度変更というのが今後あると思います。この事前規制、とても重要ですけれども、そのコミュニケーションをしっかり取っていただく中で、例えばこれが新しいものになったので、要る、要らないという課題も出てくる可能性があると思うので、この柔軟性というのはよくよく考えて進めていただきたいというふうに思います。
そういう視点から見ますと、事前規制については、専門的な内容であることもあって、どの組織がどの体制で確認、監視を実施していくのでしょうか。また、この法律ができ上がっても、実効性が担保されないといけないというのが消費者目線の視点でもあると思います。また、規制対象というのはプラットフォーム事業者を軸とするのか、見解を伺います。

政府参考人(岩成博夫君)

お答えいたします。
まず、本法案の規制の遵守体制、遵守状況を監視していくわけですけれども、その監視につきましては、公正取引委員会において行っていくということになります。それに際しましては、関係事業者ともコミュニケーションを取りながら対応していくことになります。ここでいう関係事業者でありますけれども、本法案の規制の対象となることが想定される巨大なデジタルプラットフォーム事業者はもちろんですけれども、それ以外の事業者、例えばその当該事業者と取引を行うアプリ事業者等が含まれるというふうに考えております。
このような法運用を実効的に行うためには、セキュリティー等の問題も含めて高度に専門的な知見を要するところであります。関係行政機関と連携するとともに、これまで採用を進めてきたセキュリティー等の専門人材の有する知見を活用するなどしながら、指定事業者の規制の遵守状況をしっかりと監視してまいりたいと考えております。

セキュリティーとプライバシーの例外規定

三浦 信祐

次に、本法案において、セキュリティー、プライバシー、青少年保護の観点からの例外として正当化事由が設けてあります。この例外に当たるもの、当たらないものについて、現状どのようなものが代表的なラインナップになるんでしょうか。
濫用防止という視点において、範囲の明確化を図ることが必要だと私は考えます。ガイドライン等において具体的な内容を明記するなど、事業者の視点でもこの予見性を確保すべきであり、対応いただきたいというふうに思います。前回の質疑でも、迂回行為の禁止規定についてはガイドラインを作ってほしいということの求めに対して、策定に取りかかるという御答弁もいただけました。法案ができ上がってからというのはありますけれども、法案ができ上がったら即座に運用という枠組みでもあったりしますので、予見性というのはとても重要でありますから、御答弁いただきたいと思います。

政府参考人(岩成博夫君)

お答えいたします。
委員御指摘のとおり、セキュリティーの確保等に関する正当化事由についてガイドラインとして具体的な考え方を明確にするということは、法運用の予見可能性を確保するという、明確にすることで法運用の予見可能性を確保するということになりますので、濫用防止の観点からも重要だというふうに考えております。
正当化事由の具体的な考え方でございますけれども、今後、施行までの準備期間においてガイドラインの策定に向けて検討していく予定でありますけれども、現段階において正当化事由に該当するものとして考えておりますのは、例えば、指定事業者が他の事業者のアプリストアに対して、配信するアプリに関してセキュリティー確保の観点から十分な審査を行うことでありますとか、配信するアプリに関して犯罪行為予防の観点から十分な審査を行うことを条件とするということなど、セキュリティーの確保等の観点からアプリストアとして備えるべき条件を定めることが想定されるというふうに考えております。
いずれにいたしましても、正当化事由に該当しないものも含めまして、今後、セキュリティーの確保等に関する施策を担う関係行政機関とも連携しながら、正当化事由の具体的な考え方を明らかにしてまいりたいと考えております。

三浦 信祐

本委員会の中で、例えば里見委員も先ほどありましたけれども、高齢者という視点も当然必要ですし、各委員からもそういう視点、セキュリティーという視点が質問でたくさんあったと思います。なので、濫用防止というところも極めて重要でありますので、よくよく検討していただいて、明示的に行っていただきたいということを重ねてお願いしたいと思います。
その上で、本法案を運用していくに当たって、公正取引委員会の人員体制はどのように想定をされていますでしょうか。

政府参考人(岩成博夫君)

お答えいたします。
本法案の企画立案、あるいはその実態調査等を通じたデジタル市場の競争環境の整備等を担当する部署、デジタル市場企画調査室というところございますけれども、こちらは現在十四名の体制となっております。また、デジタル分野の民間人材をデジタルアナリストとして採用しているところでありますが、こちらは現在七名体制となっております。
この人員につきましては、今後、関係各方面と協議していくことになりますけれども、単純には比較できないところもございますが、欧州等の状況でありますとか本法案の運用状況も見ながら、既存体制の活用はもとより、必要な人員の確保にも計画的に努めてまいりたいと考えております。

三浦 信祐

大臣に最後、びしっと答えていただきたいと思います。
これまでの局長の答弁の中で、巨大なプラットフォーマーに対して規制をというふうな中で、今十四名とか七名とかということで、幾ら人員のこの質が高いという体制を取ったとしても、ある程度のボリュームというのはやっぱり必要だというふうに思います。その観点というのは、あくまでも、この法律の実効性と消費者をどうやって守っていくのか、一方で、チャンスがある事業者が活躍できる環境をつくるかと、そういう視点で行っていくことが大事だというふうに思います。
消費者保護の視点、消費者利益、技術革新の両面を図っていくに当たって、整理の方向性だったり、そして、巨大なというふうに先ほどもありましたけど、公正取引委員会の人員、また人材体制の強化、どのように図っていくのか、これも大臣としての重要な取組だと思いますので、決意を明確に御答弁いただきたいと思います。

国務大臣(自見はなこ君)

お答えいたします。
大変重要な点だと思ってございます。
本法案は、スマートフォンの利用に特に必要なアプリストア等について、セキュリティーの確保等を図りつつ、イノベーションを活性化し、消費者の選択肢の拡大を実現するために競争環境を整備するものであります。
デジタル市場においてイノベーションや新たなサービスが創出されることは、消費者の利益にも資すると考えてございます。一方で、新たな技術を用いた製品やサービスについて、消費者にとって安心、安全な利用環境が確保されることが重要であります。
このような観点から、本法案におきましては、セキュリティーの確保等、消費者利益の擁護の観点にも配慮をしており、他のアプリストアの参入等に関しまして、指定事業者がセキュリティーの確保等のために必要な措置を講ずることができることとしてございます。
このように、消費者にとって安心、安全な利用環境を確保しつつ、イノベーションが活性化されるよう競争環境の整備を進めていくということが重要でございまして、本法案を実効的に運用していくためには、公正取引委員会の体制や能力の更なる強化が必要だと考えてございます。
公正取引委員会では、これまでも、デジタル分野やセキュリティー等の専門人材の登用を進めてまいりましたが、引き続き、関係各方面の御理解いただきながら、質、量の両面から抜本的な体制強化を進めてまいりたいと考えてございます。

三浦 信祐

人員強化、とても重要であります。また、これから能動的サイバー防御の議論も進んでいくことになると思います。人材が今本当に、政府として集約をし、そして生かしていただくという大事な局面でもあると思いますので、きちんとした人員確保、我々もしっかりと応援したいと思いますので、大臣、リーダーシップを発揮していただいて、この運用性を確保できるようにお願いしたいと思います。
以上で質問を終わります。ありがとうございました。