第209回国会 参議院 厚生労働委員会 閉会後第1号 令和4年8月25日
コロナ患者数全数把握見直しについて
三浦信祐君
公明党の三浦信祐です。
コロナ患者数全数把握見直しについて質問させていただきます。
発生届出の対象見直しに当たって、地方によってはやる自治体とやらない自治体といったことはなくして、これはもう全国統一を是非やっていただきたいと思います。具体的には、居住地によって発生届が出される場合と出されない場合が想定をされますので、県境にあるような場所でクラスターが発生された際には現場は大変混乱するという実態もあります。
システム改修等の課題もあって、今は発生届の限定化、特例中の特例でやるんでしょうけれども、早く検討して、例えば来月、九月中にでも吟味した上で、自治体任せではなくて国が統一的に明確化を図っていただきたい、そして日程感も明確にしていただきたいと思います。
加藤厚労大臣、様々決定をしていく過程ではあると思いますけれども、是非お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
国務大臣(加藤勝信君)
今回の対応はまさに緊急避難的な対応ということと、それから、これなかなか知事会の皆さん方も、例えばですが、あるいは地方公共団体と言ってもいいのかもしれませんが、かなり意見があります。今回も統一してという声もあり、今出ていますが、当初においては柔軟的にそれぞれの状況に応じてやらせてほしいと、こういう声もありました。
そうしたところを総合的に踏まえながら、今は何しろ緊急避難ということでこうした措置をとらせていただきましたが、これで終わりでは、これは当面の措置でありますから、今後の流行等もしっかり見極めながら全体の見直しを進めていくということは昨日、総理もおっしゃっておりました。
その中においては全数届出の見直しということも改めて明示をさせていただいておりますので、今いただいた御意見も含めて、それから、いざとなると、今回はもう緊急避難ですから、かなり総数の届出等はもう口頭というかファクス等でやっていただくと、そんなことでもありかというふうに思っていますが、いざやろうとすればやっぱりシステム的な対応もしっかりやっていかなきゃいけないと思っておりますので、その辺の準備も含めて鋭意検討させていただきたいというふうに思っております。
三浦信祐君
是非、これは早めにやらないと手打てませんので、今だからこそ厚労省しっかりと検討していただくということを是非、来月も含めてお願いしたいと思います。
私は、八月の上旬、先ほど熊谷先生もありましたけれども、コロナに罹患をしました。神奈川県の自主療養届制度、これを活用して医療機関にアクセスをしないで自主療養を行いました。神奈川県の場合には医療現場の負担軽減だということで、ネット上で登録をして、そして県がきちっと自主療養を届け出ましたよと証明をするというやり方をさせていただきました。ただ、これは誰しもが経験したことですけれども、症状が仮に悪化した場合に医療機関にアクセスできるのかと、これが最も心配でした。
三日たって熱が下がりました。そして、五日のときには鼻と味が飛びました。ところが、重症化リスクのための処方できる薬は五日、発症してから五日と。そのときに、手前で処方できていたらばこれは安心だったかもしれない、そういう不安もありました。ですので、医療機関にアクセスできるかどうかというのがポイントだというふうに思います。
今回の、発生届を出さなかった方、今後の変更に伴って、例えば具体例として五十歳で基礎疾患がなくて元気だった方が具合が悪くなった場合、誰がどのようにどうやって医療につなぐのでしょうか。健康フォローアップセンターにつないだら確実に医療につながることはできるのでしょうか。これが最も大事なポイントだと思います。現場が混乱しないようにはっきりをさせていただきたいと思います。
また、今回の変更、都道府県がやりますとなった瞬間に、発生届の提出を高齢者等の重症化リスクのある方に絞った、こういう場合においては、国民の皆さんが自分はこの場合はどのケースに該当するのかと、これが病院だったり保健所だったり行政に電話を掛けまくられたら、これ逆に忙しくなってしまいます。混乱や不安に陥ることがないように、政府がしっかりと丁寧に分かりやすく広報、周知すべきだと思います。これ、県によって違いますということになるとまたここで問題が出ますから、統一化も図ってもらいたいということですけれども、ここも具体的に自治体と連携していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
政府参考人(佐原康之君)
まず、今具体例をいただきましたけれども、もしそういった方が心配な場合には、もちろんかかりつけ医などに相談していただくというのはあるわけでありますが、ただ、現在いろいろ逼迫している状況でございますので、これについては、まず診療・検査医療機関の数をそもそも増やしていくということが非常に重要なことだと思っております。
ただ、それに加えまして、こういった御心配の方につきましては、今回のこの重症化リスクの低いということで届出の対象にはならないという方を含めまして、各自治体におきましては健康フォローアップセンターをつくりまして、しっかりと連絡、相談、そして必要に応じて医療機関につなげていくという体制をつくっているところでございます。こういった体制、十分でない地域もまだあると思いますけれども、厚労省としても、自治体の意見もよく聞きながらしっかりと支援もしてまいりたいというふうに考えております。
また、今、十分な周知ということでございましたけれども、これにつきましては、本日、自治体向けの説明会もしまして、また国民の皆様にも丁寧に説明をしていきたいというふうに考えております。
三浦信祐君
フォローアップセンターがあるか、しっかりとフォローアップをしていただきたいと思います。また、フォローアップセンターがちゃんと機能したかどうかというのをフォローアップしていただきたい。これは強力にもう進めなきゃいけないことですので、重ねてお願いしたいと思います。
今回、発生届を提出しない場合、その方の行動制限、濃厚接触者の特定、就業制限や入院勧告等はどうなるのか、ここで確認をさせていただいて明確化したいと思います。
加えて、確認をしたいと思いますが、基本的な感染対策を講じれば公共機関を、公共交通機関等を利用することができるのか。また、家族が感染した後、後から発症した方が年齢、基礎疾患等により重症化リスクがある場合、病院へのアクセス方法についてどう整理されるのか。子供さんが発症した場合には御自身で行けませんから、どうやって行くのかという整理も必要であります。例えば、運転免許を持ち、陽性となっている家族の一員が医療機関への送迎のみを行うことを共有することができれば、いきなり救急車直接頼むしかないと、そういう選択肢がない状態になっていますので、これを解消するということは大切なことだと思います。
これらについて、国民の皆さんが混乱し不安に陥ることがないようにしっかりとここで御答弁をいただきたいと思いますけれども、伊佐副大臣、いかがでしょうか。
副大臣(伊佐進一君)
この度、厚生労働副大臣を拝命いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、質問にお答えさせていただきます。
発生届は、この感染拡大防止、また適切な医療の提供のための患者に対するアプローチの起点という重要なものでございます。
先ほど質問のありました感染症法に基づく措置、例えば入院勧告などについては、就業制限を除いて、仮に届出がなくても適用されます。よって、医療の確保、これは発生届の有無にかかわらず、これまでどおり、保健所のみに頼ることなく、例えば診療・検査医療機関あるいは健康フォローアップセンター、オンライン診療、あるいはMy HER―SYSなどを通じて必要な医療につなげていくこととなります。つまり、届出がなくても医療確保にはつながります。
公共交通機関の利用についてですが、これは不要不急の外出を避けてやむを得ず移動する際であっても、感染拡大防止の観点から避けることをこれまでもお願いしてきております。
また、子供が発症した場合、濃厚接触者あるいは陽性者となる家族が自身の車で医療機関に送迎を行うことは必ずしも否定されるものではないというふうに考えております。
今般の発生届を限定することを可能とした後もこの考え方に変更はございません。
濃厚接触者の特定、行動制限については、三月以降、濃厚接触者が陽性となる割合の高い家庭内については、保健所の特定を待たず、自主的に待機をお願いすることも可能としております。七月二十二日に改めてこの取扱いの徹底をお願いしたところであります。
今後とも丁寧な説明に努めてまいりたいというふうに思っております。
三浦信祐君
今日、自治体説明会のところで誤解がないようにきちっと話をしていただきたいと思いますし、これは広報をちゃんとやっていただかなきゃいけないと思いますので、是非お願いしたいと思います。
最後に、全数届出見直しに当たって自治体において新たな仕組みを構築する必要がある場合が発生したときには国が費用負担をしっかりと支援するべきだと私は考えております。
届出対象を限定するに当たって感染者数の総数が前提となるのならば、仕組みが変更される場合もあります。この検討状況いかがでしょうか。
政府参考人(佐原康之君)
この数につきましての報告につきましては、患者ごとに感染症法に基づく届出を行う場合に比べますと、事務負担軽減されるものと考えております。
この陽性者数の把握自体は簡便な方法で行っていただくことを想定しておりますので、例えばファクスというふうな形でありますとか、あるいは自治体によってはエクセルみたいなものを使っていただく、そういったもので地域の実情に応じてやっていただければよいと思っております。また、そういったものに対しての支援、我々としてもしっかりしていきたいとも考えております。
三浦信祐君
時間になりましたので、終わります。ありがとうございました。