防災気象情報の周知と支援体制
公明党の三浦信祐です。
気象業務法、水防法改正で防災気象情報の体系整理がなされることは、国民の皆様の安全に直結いたします。警報が意味することを平素から理解されて、信頼ある運用がなされて、避難等行動に反映されることが必要であります。そういう視点から、一つ一つ運用に関わることについて質疑をさせていただきます。
本法改正で洪水に対する特別警報を実施するに当たり、国民の皆様への周知が必須であります。特に、災害時に一人で避難が困難である避難行動要支援者が事前に避難先や支援方法などを定めておくことで安全に避難できるようにする個別避難計画、視覚の障害またあるいは聴覚の障害がある方もきちっと情報が届いていかなければいけません。またあるいは、マイタイムラインに反映されることが必要であります。
金子大臣、具体的にこれ実行できるように取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
お答えさせていただきます。
本法案は、市町村長による避難情報の発令や住民の避難行動を支援するための防災気象情報について、分かりやすく適正化するものでございます。また、これらの法改正と併せて、五段階の警戒レベルに応じて情報の名称を整理し、シンプルで分かりやすい防災気象情報とすることとしております。
これらの防災気象情報、住民一人一人がしっかりと理解し、活用するためには、あらかじめ避難行動に係る計画を作成していくことが重要であります。住民一人一人が自らのリスクを知り、どのような避難行動をどのタイミングで取る必要があるか検討する、先ほど御指摘のありましたマイタイムラインの取組については、例えば私の地元熊本県八代市におきましては、河川国道事務所が地域と協力をして、マイタイムラインの作成を含む防災教育が行われているなど、全国で取組が進んできております。
今後、マイタイムラインがより実効的なものとなるよう、実施方法を取りまとめたガイドラインに法改正の内容を反映して、全国の市町村へ周知してまいります。同様に、個別避難計画についても、今回の法改正の内容について全国会議等でしっかりと周知してまいります。
これらの取組により、今回の法改正の内容が国民にしっかりと理解、活用され、住民一人一人の避難等の行動につながるよう努めてまいります。
これ、活用されるように、今御答弁いただいた内容を徹底的にやっていただきたいと思います。
線状降水帯の予測に関する取組が進んでいると承知しております。テレビのニュースなどで線状降水帯の発生が予想されると報じられますとやっぱり身構える、それぐらい周知をされてきたものだと思います。これまで顕著な大雨に関する気象情報をより早く提供を始め、今後その進展が図られるものと理解をしております。
本改正において、大雨と洪水の警報をシンプルに分かりやすい情報体系、名称に整理するということは大変評価するものだと思います。その上で、洪水、大雨、土砂災害危険度と線状降水帯の情報はどのように関連付けられて情報提供されるのか、気象庁に伺います。
お答えいたします。
今回の法改正を踏まえてシンプルに分かりやすくなる情報体系である警報、これに関しましては、洪水、大雨、土砂災害等の重大な災害が発生するおそれがある場合に発表されるものである一方、線状降水帯が発生又は予測される場合には災害発生の危険度がより高まるため、併せて線状降水帯に関する情報を発表することにより警戒感を一段高めていただくということにしております。
気象庁では線状降水帯に関する情報の高度化に取り組んでおりまして、新たに来年度、令和八年度からは、線状降水帯が発生すると予測される二、三時間前にその見込みを発表する計画であり、今後とも住民等に対して適時的確に注意、警戒を呼びかけてまいります。
これ、スーパーコンピューターも含めて研究者の皆さん頑張っていただいたので、早くやれば早く逃げることもできる態勢を取れるということです。警報とリンクさせて、しっかりとこれ周知できるように取り組んでいっていただきたいと思います。
気象予測は生命に関わる重要な情報であります。本法案は、気象情報の統一化、理解度増進を図るものと理解しているように、先ほど来答弁いただいています。あらゆる情報に基づく計算と状況把握ができればこその各種気象予測であり、警報発令の根拠となり得ます。
気象情報は安全保障上の視点でも極めて重要なものです。そもそも、この計算に活用するスーパーコンピューターを含め、バッテリーバックアップ等、情報確保への安全対策、リダンダンシーの確保は現状どのようになっているのか、気象庁に伺います。
委員御指摘のとおり、防災気象情報は国民の生命と財産を守るために安定的に提供されることが不可欠な情報であり、これらの情報を作成、提供する情報システムの安全対策は非常に重要であると考えております。
そのため、気象庁では、情報システムを東京と大阪に設置し、観測データの収集や情報提供に必要な通信回線を二重化することで、一方のシステムが停止しても業務が継続できるようにしております。さらに、必要な電力についても、非常用発電機を整備することで停電等に備えております。
気象庁といたしましては、引き続き、情報システムの安全対策を講じることにより、防災気象情報の確実な作成、提供を行ってまいります。
フェールセーフが掛かっているということは分かりました。ですが、最近の災害というのはそんなことにはならないだろうということもあり得ますので、ここは、気象庁だからこそ最も防災対策が進んでいると、そのモデルをやっていただきたいと思います。しかし、詳細は余り国会の場で言う話ではありませんので、我々はそこに対してはサポートをするという視点で、今後取り組んでいただきたいというふうに思います。
水害対策等、河川等の現場の情報把握に係るハード整備が進むことは歓迎できます。一方で、水位計のカメラの情報、システムが増強される中で、情報が多過ぎて処理不可能となる可能性が基礎自治体の懸念にもなり得ます。機材の整備にも増して運用の力を整えずして、情報過多によって対応を誤る、あるいは遅くなる等の逆リスクになる可能性もないと言えません。
そこで大切なことは、基礎自治体に専門人材を配置すること、これが重要です。気象庁のOBの皆様や気象予報士、これ気象防災アドバイザーとして御活躍いただいている方もたくさんおられます。また、防衛省で気象に関わってくださった方々もOBとしておられます。そういう方々のお力を借りて人の命を守る、そして未来をつくっていくという視点では、基礎自治体の標準的な基盤を整えるべきだと私は考えます。
人材確保措置を政府が責任を持って実行していただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
まさに、三浦委員御指摘のとおり、災害時には防災に関する様々な情報が伝達されるため、市町村におきましては、水災害対応を行う際には、避難情報の発令判断に必要となる情報について十分に理解していただく必要があります。一方、市町村によっては必ずしも専門知識や経験が十分でない場合があることから、委員御指摘のとおり、市町村に専門人材を配置することは有効であると認識をしております。
国土交通省では、専門人材を活用する手法の一つとして、防災や気象の情報に知見を有する気象庁退職者や気象予報士を気象防災アドバイザーとして委嘱し、より多くの市町村において活用していただけるよう、その育成及び活用促進の取組を行っています。
気象防災アドバイザーは、現在、三百八十名の方々に委嘱しておりまして、令和六年度末時点で八十名の方々に八十六の自治体で活動していただいているところでございます。
今後とも、こうした専門人材の確保と活用についてしっかり取り組んでまいります。
高潮浸水想定区域の見直しと対応
OBの方、気象アドバイザーの方、これ基礎自治体との雇用関係も生まれます。なので、よく総務省と連携取っていただきまして、雇用の関係性であったり安定性であったり、また、いろいろサポートというのがあったらばこそ、これが充実してきますので、よく連携を取っていただきたいということを重ねてお願いさせていただきます。
二問ちょっと入れ替えさせていただいて、過去の災害を教訓とした予測向上の効果等について質問させていただきます。
二〇一九年、台風十五号、十九号が首都圏に上陸して猛威を振るいまして、私の地元神奈川県内を始め、関東各地で被害が生じました。オリンピックの直前で、いろんな地域でもダメージを受けたということは記憶に新しいと思います。
九月の台風十五号で、横浜市金沢区の福浦地区及び近接する幸浦地区で浸水の甚大なる被害が生じました。被災の原因は、想定を超える高波及び高潮であったと分析されています。高潮に加え、越波により、護岸が三・二キロメーターのうち十二か所、約一・二キロメーターが壊れるほどの勢いで浸水が広がりました。予算確保、横浜市との調整、国交省の皆さんにお力を借りるということに私も携わらせていただきました。
さて、当時、神奈川県県土整備局平成三十一年四月公表の高潮浸水想定区域が運用されておりました。しかし、残念ながら、被災地では、高潮浸水想定区域図の最大浸水深では大きな影響がないと、地図でいったら真っ白、そういうような地図になっており、浸水自体が想定されておりませんでした。なぜそうなったのか、原因と、その後どういった対応がなされたのか、伺います。
お答えいたします。
委員御指摘のとおり、令和元年、二〇一九年九月の台風第十五号により、神奈川県横浜市では高潮浸水想定区域よりも広い範囲で浸水が発生いたしました。これは、浸水想定区域を作成するためのシミュレーションにおいて、民間で設置した護岸の性能が明らかでないために、これを無堤部として設定していたことによるものです。実際の高潮災害時には、波が堤防を越えて浸水した後に当該護岸の背後に水がたまってしまったことで、想定よりも浸水範囲が広がりました。
この事例を踏まえまして、国土交通省では有識者会議を設置し、令和二年六月に高潮浸水想定区域図作成の手引きを改定して、民間で設置した護岸も考慮すること、そして堤防を越えた波が排水できずに浸水が広がる場合があること、この二点を追加してございます。その後、神奈川県におきましても、この改定した手引きに基づき、令和六年二月に高潮浸水想定区域を変更してございます。
これ、そこの修復のときにも、その水の抜け方というのも護岸に設計されたというのは、しっかりと私も携わらせていただいた中で学ばせていただきました。
今御答弁あったように、神奈川県は令和六年二月にこの区域を見直しをしています。この横浜市での高潮災害の結果を受けて、この手引きにのっとって改定をしたというふうに理解をしております。これにのっとって地域も、そのBCPも含めて全部変えていくということになる大事な枠組みであります。
であるならば、今後、全国的にこれ反映していく必要があります。神奈川県の事例を踏まえて、全国での高潮浸水想定の取組状況について伺います。
お答えいたします。
先ほど御答弁申し上げたとおり、神奈川県横浜市での浸水被害などを踏まえて、令和二年に高潮浸水想定区域図作成の手引きを改定してございます。この手引きを活用した高潮浸水想定区域の指定に向けて、自治体へ技術的な支援として、改定した手引きの内容について、都道府県担当者向けの地方ブロックごとの説明会、これを開催し、技術的な助言を行ってございます。また、交付金による財政支援も行っているところでございます。
現時点で、海に面する三十九都道府県のうち、十五府県で指定を完了したところでございます。
引き続き、高潮浸水想定区域の早期の指定に向け、最大限の支援を行ってまいります。
今、三十九、海なし県を除いてとおっしゃられて、十五ですかね。
では、これ、台風襲来時期、出水時期に間に合わせることが必要ですけれども、いつまでにこの対象の残っているところの指定、そういうことが変わっていくというふうに今国交省で掌握していますでしょうか。
お答えいたします。
現時点では、今年度末を目指して全国で作業が進められているというふうにお聞きしてございます。
これ大事ですね。今年度末ということは、情報がその後に行って対応していくということになるので、是非技術的なサポートもやっていただきたいと思います。
こういう具体的な事例は参照にすべきであります。本改正で整備する警報について、二〇一九年のこの台風十五号による福浦地区で生じた被害に当てはめた場合、どのようになったのでしょうか。
令和元年、二〇一九年台風十五号による福浦地区の被災は、横浜市港湾局が被災した後の調査の結果によると、打ち上げられた波が堤防を越えたことが原因でございます。当時の潮位のみの予測では警報基準に達してございませんでした。
今回、新たに運用する高潮予測モデルでは、これまでの潮位のみの予測に加えて、海岸の地形、施設形状に影響される波の打ち上げ高、これを加味することで精度を上げて高潮を予測することでございます。
仮に新たに構築した予測モデルが運用されていれば、台風十五号でも高潮警報が発表でき、水防活動による産業団地の被害軽減、そして住民や従業員等の早期の避難につながったものと考えられます。
国土交通省としては、より精度の高い高潮予測モデルを用いた共同予警報の導入、これをすることで、今後の高潮に対する警戒避難体制の強化に努めてまいります。
今大事な御答弁いただきましたね。これは、各地で行政の皆さんが、今は大丈夫だというふうに思っている、基づいているそのデータと、実際に当てはめて今回の技術が上がったことをきちっと反映させれば、BCP、企業の皆さんの復興も事前準備もできる、命も守られるということになります。是非、今のような事例の方が大事だと思いますから、全国に広めていただきたいというふうに思います。
横浜港を始め、港湾事業者への連携と情報提供体制は確立されているのでしょうか。平時におきまして、事前に災害レベル、警報に即してBCPを考慮する際に極めて重要な情報になるんではないかなというふうに私は思います。
例えば、特別警報が発令されることが想定される場合は、人は逃げると思います。ですが、海上コンテナの並べ方を変えておくとか、港湾荷役に係る機材を事前に避難して、どういうふうにしておけばいいかというそのフェーズをつくり上げることができ、段取りを取ることができるというふうに思います。被害の最小化と、その後の動き出しに大きな差が出ることは間違いありません。
備えるというためには、是非こういうことを連携していくということは欠かせないと思いますが、是非取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
お答え申し上げます。
国土交通省では、災害発生後の港湾物流機能への被害軽減を目的として、港湾の事業継続計画、いわゆるBCPのガイドラインを公表しております。これを踏まえ、全国各港において、港湾運送事業団体等関係者が参画する港湾BCP協議会が設置され、それぞれ港湾BCPが策定されているところです。
このガイドラインは、委員御指摘の横浜港も被災した令和元年房総半島台風を受け令和二年に改訂し、高潮災害時に気象庁からの防災気象情報に対応した港湾ターミナルの段階ごとの防災行動を追加しました。
今般の法改正において、高潮防災気象情報の運用が変更されることとなれば、このガイドラインもこれを反映して、港湾管理者等の関係者に周知する予定です。
なお、また、各港BCPの見直しの際、BCP協議会において港湾運送事業者等の連携や情報提供体制を改めて確認し確立すべく、港湾の対策をしっかり進めてまいりたいと思います。
以上です。
これ、日本経済を支える港湾を守るということはとても重要であります。
例えば、コンテナをつり上げる機械と同時に、これ、ガントリークレーンだけじゃなくて、差すフォークは簡単にほかから持ってこれるような規模のものではありません。なので、こういうことも今回警報がしっかり整うということに関してはとても重要なことでありますので、全国これも港湾事業者の皆さんと連携して体制を取っていただきたいと思います。
羽田空港の高潮対策状況
最後に、羽田空港、また羽田空港かと思われるかもしれませんが、この羽田空港、日本の経済のど真ん中にある重要な空港であります。ここの高潮、また高波対策はどのようになっているんでしょうか。
お答えいたします。
羽田空港は国内外の航空ネットワークの根幹を担う重要なインフラであり、高潮等に対して空港機能を確保することは極めて重要であります。
国土交通省では、羽田空港を対象に、先ほど委員から御指摘のありました令和元年に発生した台風も踏まえつつ、令和三年度時点での最新のデータや知見に基づき、我が国既往最大規模の台風を想定して高波や打ち上げ高の影響も考慮した高潮浸水シミュレーションの見直しを行いました。その結果、一部の空港用地の浸水が想定されたため、空港用地外周の一部の護岸かさ上げや一部の地盤かさ上げ等、高潮対策を進めているところです。
今後も引き続き、我が国の航空ネットワークを維持し、空港利用者の安全を確保できるよう、羽田空港における高潮対策に取り組んでまいります。
命を守るということと、その後の復旧のためにいろんな手をこれまで打っていただいたと思います。関西国際空港のときの高潮のときにも対応されました。そういう面では、羽田空港のこの護岸の整備をもう連続的に整えていただくということは、沖合展開をずっと進めてきた中でも、その気象状況が変わってきたということもあります。建設事業者の皆さんと力を合わせていただいて、この高波、そして高潮対策に全力で取り組んでいただきたいというふうに思います。
ちなみに、国民の皆さんが、この津波と高波と高潮の違い、実はこういうところの基本も大事であります。是非、大臣、最終的にこういうことの基本情報も伝えるということをあらゆる場面で取り組んでいただきたいということをお願いさせていただいて、質問を終わります。
ありがとうございました。