日韓国交正常化60周年の取組
公明党の三浦信祐です。
まず、条約質疑に入る前に、日韓関係について外務大臣に質問させていただきます。
一九六五年六月二十二日、日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約を締結し、十二月十八日に批准書を交わして国交正常化をしました。まず、先人の皆様の御尽力に感謝と敬意を表したいと存じます。
本年、日韓国交正常化六十周年です。六十周年に合わせ、我が国としてどのような取組をしているのでしょうか。また、我が国と韓国との今後の関係、より強固な関係を構築するための取組はどのようにするのかが重要であります。加えて、六月から一か月、両国計四空港での入国に際し専用レーンを設置すると承知しております。この意義についても外務大臣に伺いたいと思います。
御指摘のとおり、今年は日韓国交正常化六十周年の節目の年でございます。
政府としては、昨年末から、民間団体や地方自治体が主導する形で日韓交流六十周年記念事業を様々展開をしてきております。また、二月には東京の東京タワーライトアップ事業、韓国のタワーと同時にライトアップをするという事業や、政策広報動画の公開は三月に行いましたが、こういう様々な取組を行ってまいりました。そして、両国の大使館による六十周年を記念するレセプションも開催をしてまいります。また、日韓交流お祭りなど、官民双方で交流事業が予定されているところでございます。それから、今般、この機会を捉えまして、日韓双方において、本年六月一日から三十日までの限定された期間ではありますけれども、相手国国民の訪問者について入国手続の円滑化措置を実施することとなりました。
日本と韓国は互いに様々な課題にパートナーとして協力すべき重要な隣国であると思います。韓国の政情については重大な関心を持って注視をしておりますが、いずれにしても、現下の戦略環境の下で日韓関係の重要性は変わらないと考えておりまして、その意味で是非この六十周年記念事業をしっかりと進めてまいりたいと考えているところでございます。
是非、民間交流も大事なことでありますので、いろんな形でサポートしていただきたいというふうに思います。
国連公海等生物多様性協定、BBNJ協定について質問いたします。
BBNJ協定のコンセンサスが採択されるまで、長年にわたって交渉した経緯があったと承知をしております。二十年間どのような議論があったのでしょうか。また、その際に、日本政府が協定コンセンサス採択までの姿勢、取組について伺います。
お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、長年にわたり、具体的には二〇〇四年に国連において公海及び深海底における生物多様性の保全、それから持続可能な利用についての新たな法的枠組みの作成についての議論が開始されたということでございます。
その際の主な論点といたしましては、国連海洋法条約が定める公海の自由とそれから新たに作るルールとのバランス、それから生物多様性の保全と持続可能な利用、これのバランス、それから関連する既存の法的枠組みとの関係等があったということでございます。
我が国としましては、海洋先進国として、海における法の支配の発展、あるいは我が国の利益の適切な反映の観点から交渉に積極的に参加してきたということでございます。特に、二〇一八年、本格的な政府間交渉が開始されました。それ以降、本協定が保全と持続可能な利用とのバランスが取れた効果的で普遍的なものとなるように対応してきたということでございます。
本協定において、海洋について、いずれの管轄にも属さない区域として公海及び深海底と定義されております。
本定義に基づき、主権又は主権的権利を主張し、又は行使してはならないと条約第百三十三条に規定されています。これに違反した際の対応、罰則、またその対処はどのようになっているのでしょうか。
この協定の第十一条四というところに、いずれの国も、いずれの国の管轄権にも属さない区域の海洋遺伝資源について主権又は主権的権利を主張し、又は行使をしてはならないと委員御指摘のとおり規定されているということでございますが、これらに違反した場合の罰則等については規定されていないということでございます。
その一方におきまして、本協定の実施、それから遵守につきましては、各締約国が自国の義務の実施状況を締約国会議に報告し、また、さらには、この締約国会議の下部機関が締約国会議本体に対して必要な勧告を行うということが定められているところでございます。
そのようなことを通じまして種々のことを確保していくということが協定上の扱いということでございます。
後に聞きますが、締約国会議の重要性ということを今触れていただきました。
東シナ海の日中の地理的中間線の西側において、中国による新たな一基の構造物の設置に向けた動きを確認したと外務省が発表されています。これ、何なんでしょうか。また、この構造物、またこの動きについて、直接ではないかもしれませんが、本条約との関係でどう整理されるのか、外務大臣に伺います。
今般、御指摘にありましたように、東シナ海の日中の地理的中間線の西側において、中国による新たな一基の構造物設置に向けた動きを確認をしております。この構造物は、中国側による同海域における一方的な資源開発につながるものと認識をしています。いまだに排他的経済水域及び大陸棚の境界が画定していない状況において、中国側が同海域において一方的な開発を進めていることは極めて遺憾でありまして、直ちに強く抗議をしたところでございます。
その上で、BBNJ協定、本協定の適用区域は公海及び深海底でありますので、御指摘の事案は同協定の適用対象とはならないところでございます。
条約としての関係性ということは今整理をしていただきましたが、中国による今回のような一方的な東シナ海での構造物、資源開発に関する新たな動きというのは断じて認められません。
国際的なルール、法の支配を守り抜くことが、世界の中で信頼をされるためには必要なことであります。そのリーダー格として、日本がこれからしっかりと対応していかなければいけない。ましてや、今回の大陸棚の協定、また、排他的経済水域の画定がされていないという状況でもあるわけですから、そういう視点において一方的な開発を進めるというのは極めて遺憾だということであり、この条約のみならず、いろんなことに国際ルールの中での大事なポイントが含まれていると思います。
外務大臣、こういうこと、どう対処していくんでしょうか。
先刻も申し上げましたとおり、このような中国側の一方的な開発やその既成事実化の試みについては繰り返し中止を求めて抗議をしている、してきたところでございます。私自身も、昨年の日中外相会談において、王毅外交部長に対して、中国による一方的な資源開発について深刻な懸念を伝え、対応を求めたところでございます。
また、二〇一九年六月に開催された日中首脳会談においては、この二〇〇八年合意ですね、東シナ海の資源開発に関する日中間の協力に関する二〇〇八年の合意を推進、実施して、東シナ海を平和、協力、友好の海とするとの目標を実現することで一致をしております。
このことを踏まえまして、政府としては、中国側に対して、一方的な開発やその既成事実化の試みを行わないよう求めるとともに、この二〇〇八年の合意に基づく国際約束締結交渉を早期に再開して、この合意を早期に実施に移すように引き続き強く求めてまいります。
まずはそのテーブルに着かせるということがとても重要です。東シナ海の資源開発に関する日中間の協力に関する二〇〇八年合意の実施、大分年月がたっていますから、これ勝負懸けていただきたいというふうに思います。毎回こんなことを、本当に答弁をしてもらうということ自体がもうなくしていかなきゃいけないことです。是非しっかり取り組んでいただきたいと思います。
本協定では、締約国会議について規定されております。本協定で締結国が増えて、効力発生に到達した後に締約国会議第一回の会合が開催されることになっております。本条約の実際の運用に関するルールメークに当たり、我が国がコンセンサスをもってして形成されるのであれば、参加する必要性というのは極めて高いと思います。どのような姿勢で臨んでいかれるのでしょうか。また、効力発生までに諸外国との関係をどう構築するのでしょうか。
外務大臣、大事な取組ですから積極的に御対応願いたいと思いますが、いかがでしょうか。
御指摘のとおりでございます。
この協定を実施するための具体的な制度や手続は締約国会議で決定されることになりますので、特に第一回会合が大変重要だと思っておりまして、このためにしっかりと取組を進めてまいりたいと思います。海洋生物多様性の保全及び利用の促進、それから我が国の海洋権益の確保、そして海洋分野での法の支配の発展をこの第一回会合から積極的に我々関与して確保してまいりたいというふうに思っております。
また、協定の発効に先立ちまして、関係国に対して我が国の立場を説明をしてきておりますけれども、昨年六月に設立されました準備委員会におきましても積極的に議論に関与しているところでございます。
引き続きその努力を続けてまいります。
ルールメーク、とても重要ですので、引き続きお願いしたいと思います。
STCW―F条約の締結経緯
次に、STCW―Fの条約について質問させていただきます。
STCW―F条約の締結までに時間が掛かった経緯、我が国が主体的に改正に関与した経緯、また並びに条約の内容のアップデートへの寄与について、外務省に伺います。
お答え申し上げます。
まず、時間が掛かった経緯等でございますけれども、本条約は、一九九五年、平成七年に採択がされまして、二〇一二年、平成二十四年に発効いたしましたけれども、我が国漁船に不利なものであったことから、我が国は本条約を締結してこなかった経緯がございます。具体的には、附属書の改正の前、本条約が適用される漁船の条件は船体の長さのみとなってございました。そのため、欧州の漁船と比較をいたしますと細長い傾向にございます日本を含むアジアにとりましては、比較的トン数の小さい漁船でも厳しい要件が課されることとなり不利であったと、こういう経緯がございます。
我が国の改正に関与した経緯及び貢献でございますけれども、二〇一五年、平成二十七年に我が国が主導いたしまして包括的な見直しを提起をさせていただいた、こうしたことを契機といたしまして本条約の改正が検討されることとなりました。その後、二〇二四年、昨年でございますけれども、五月に、船体の長さと船のトン数の読替規定が設けられるなど、我が国の主張が反映される形で附属書の改正が採択された、こういうことでございます。
以上でございます。
ルールを作る、改定をするに当たって大分御苦労されたということもよく分かりました。
本条約の締約国は、STCW条約に比べて少なくなっております。その理由は何なんでしょうか。特にアジア諸国の締約国が少ないと承知しております。今後、どのようにアジア諸国と連携を図り、条約締結に結び付けていくのでしょうか。外務大臣に伺います。
二〇二五年ですね、今年五月現在、三十六か国が本条約を締結していると承知をしております。
この条約は、その内容からいたしまして、締結に関心があるのは主として遠洋漁業を産業として有する国でございまして、国際海事機関、IMOの加盟国全てが締結するような性格の条約ではないと認識をしているところでございます。
この本条約の附属書改定の議論を主導した我が国が、本条約を締結をして、漁船の安全に関する国際的なルール作りに積極的に取り組む姿勢を対外的に示すことは、これからアジア諸国を含めて本条約の国際的な普及に資していくものと考えているところでございます。
漁船員の資格証明書について、附属書の規定にのっとって主管庁が発給することとしております。我が国としてどのような資格証明書を発給することになるのでしょうか。また、我が国として、国内法に基づく発給体制、発給までの期間等はどのようになるのでしょうか。
お答えいたします。
STCW―F条約に基づく資格証明書についてでございます。我が国の船舶に船舶職員として乗り組むために必要となる海技免状、これに加えまして、今般改正された船舶職員及び小型船舶操縦者法に基づき行われることとなります漁ろう操船講習を修了した旨の証明書、これを受有していることによりましてSTCW―F条約に基づく資格証明書の発給を受けた者として取り扱うことといたしております。
この海技免状の発給というのは海技試験に合格した方に申請をしていただくことになりますけれども、手続といたしましては、地方運輸局等の窓口におきまして原則としては即日発給をいたしております。漁ろう操船講習の修了証明書につきましてはその講習機関が発給するものでありますが、基本的には講習を修了した日に即日発給されるものと想定しております。
いずれにいたしましても、手続としては短期間で発給されることになると考えております。
今後、この条約に基づいた船員さんの資格証明というのは極めて重要ですので、スムーズな対応をしていただければと思います。
日本籍漁船に外国人船員を乗せる場合あるいは他国船籍の漁船に我が国船員が乗る場合、資格証明書の発給は我が国が行うのか、また、その整理はどのようになっているのでしょうか。また、相互承認について個別相手国と国際約束を締結する必要性はあるのでしょうか。スキームについて伺います。
お答え申し上げます。
本条約上、漁船員の資格証明書は、漁船員の船籍国であります締約国の政府が発給することとされております。したがいまして、日本籍漁船には、漁船員の国籍を問わず、原則として我が国が発給した資格証明書を受有する漁船員を乗り込ませることとなります。また、我が国漁船員が他国船籍の漁船に乗り組む場合には、当該国が発給をした資格証明書を受有する必要があるということでございます。
一方におきまして、締約国は、他の締約国が発給した証明書を承認することによって、自国籍漁船に当該、他の締約国が発給した資格証明書を受有している者、これは主に外国人漁船員を想定しておりますけど、そうした者を乗り込ませることが可能と、こういうこととなっております。
それから、条約との関係でございますけど、他国の証明書を承認するために個別に国際約束を締結することにつきましては、本条約上特段求められておらず、必要なものとは考えてございません。
以上でございます。
整理していただきましてありがとうございます。
ポートステートコントロールの実施体制
最後に、ポートステートコントロールとは何でしょうか。国民の皆様には余りなじみのない言葉であります。STCW―F条約を締結していない国を船籍とした船が我が国に寄港した場合、今後どのような対応になるのか。いずれにせよ、具体的にこのポートステートコントロールが、どこの組織がどの体制で実施をしていくのか、国交省に伺います。
お答えいたします。
ポートステートコントロールにつきましてですが、海事関係の国際条約におきまして締約国の権利として定められているものでございます。国際条約の基準を満たしていない船舶の排除を目的といたしまして、寄港国、船舶が入港した港を管轄する国ですね、この寄港国が入港してきた外国船舶に対して国際条約に適合していることを確認するための立入検査でございます。立入検査の結果、国際条約に不適合であることが確認された船舶につきましては、必要な是正指導などを行います。
また、STCW―F条約におきましても、他の海事関係の国際条約と同様に、非締約国の漁船が締約国の漁船より有利な取扱いを受けないようにするということが規定されております。これに基づきまして、非締約国の漁船につきましても締約国の漁船と同様にポートステートコントロールを実施することとなります。
我が国では、国土交通省の地方運輸局等に配置されております外国船舶監督官がポートステートコントロールを実施しております。本条約の締結後につきましても、本条約につきましても、当該外国船舶監督官がポートステートコントロールを実施することとなります。
以上です。
御説明いただきました。まさに我が国の法にのっとった取組をするに当たって、余り知られていないような、国土交通省の職員の皆さんが我が国の本当に大事なところを守っていただいているということ、きっとこの件を聞かなかったら知らなかった方もいると思います。是非、監督官の皆さんにも、これから我々も必要なこともサポートしていきたいと思いますし、是非皆さんで支えていきたいというふうに思います。
以上で終わります。ありがとうございました。
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