日航ジャンボ機墜落事故の教訓と補給本部再編
公明党の三浦信祐です。
先ほど、佐藤先輩が質問をされた日航ジャンボ機の件についてはしっかり取り組んでいただきたいと思います。
といいますのも、私自身、毎年、慰霊登山をしております。防衛大学校での研究をさせていただくきっかけにもなった事故であります。ましてや、人命救助のために陸上自衛隊の皆さんが道なき道を分け入って、上空からその人命救助に当たったという場所でもあります。第一空挺団の皆さんが、一番最初に幹部が飛び降りて、そしてその後に隊員がつながっていくという、そういうその自衛隊のふだんの取組を実践した場所でもあります。
加えて、ダッチロールの中で、本当に懸命に操縦をされた操縦士の方、またその中で亡くなられた方のことを考えれば、事実であることが間違いなく共有をされるということが重要であると思います。
加えて、この日航ジャンボ機の墜落事故というのは、その以前の尻餅事故が大阪空港であって、それに対する修理の信頼性ということもあります。なぜそこを修理したのかというのを自分たちは分からない、なので国産化ということは極めて重要だということを教えたこともこれは教訓としなければなりません。
加えて、事故原因の中では、マルチサイトクラックという圧力隔壁の破損したその結果というのは、科学技術的にはこの事故を通して多くのほかの今後の修理に当たっての教訓というか知見になっているものであります。是非、大臣、答弁は求めませんけれども、大事な事実ということをしっかりと証明し続けるということ、是非やっていただきたいと思います。
それでは、法案審議に入らせていただきます。
陸上自衛隊の補給統制本部から補給本部への改編について伺います。
陸上自衛隊における補給について、補給統制本部を中心に各補給処が統制され、各方面隊が監督をしていた指揮系統となっております。今回、何が課題で、今回の再編によってその課題は解消するのでしょうか。また、方面隊と補給本部との関係はどのようになるのか、補給本部の人員体制はどのようになるのか、また組織が肥大化することによる現場のアンバランスが生じないようにどのような指揮系統を取るのか、一つ一つ明確にしていただきたいと思います。防衛省、いかがでしょうか。
お答えいたします。
陸上自衛隊におきましては、従来、方面隊の警備区域ごとに一定程度完結して後方支援を行うことを前提といたしまして、各補給処についても各警備区域における作戦の主宰者たる各方面総監が指揮監督を行い、補給統制本部が全国的な在庫量の適正管理という観点から統制を行う体制としていたところでございます。
他方、我が国を取り巻く厳しい安全保障環境を踏まえ、各種事態に応じて柔軟かつ機動的に対応できる体制を構築する観点から、防衛力整備計画におきまして、第一五旅団を除く各師旅団は、所属する方面隊の警備区域内のみで活動することを前提とせず、機動運用を基本とするということとされてございます。
これを受けまして、後方支援に係る体制につきましても、機動運用される部隊に適切に後方支援を行うため、補給処が所在する方面の警備区域をまたいで、より円滑な補給の実施や装備品等の整備を行うことが可能な体制を構築することが必要となってございます。
そこで、今般、補給本部長が全国の各補給処を一元的に指揮監督する体制を構築することといたしまして、自衛官の定員も約九百四十名から九百七十名へと増員することといたしました。また、補給本部の新編後は、各方面総監が各補給処を指揮監督する体制ではなくなりますけれども、制度上、必要な場合には方面隊を指揮し得る陸上総隊司令官に補給本部長を指揮監督させることができるということのほか、平素から方面総監と補給本部長、各補給処長の間に密接な連携を維持いたしまして、方面総監のニーズに適時適切に反映させるような体制を取るという考えでございます。
円滑な補給というのは極めて重要であります。
そういう中にあって、装備品の確保、入手、また部隊配備に際し、規模が大きいゆえに部隊への供給タイミングがずれること、またバランスが崩れるというか差異が生じるということは理解はできます。一方で、優先順位はどのように整理されているのでしょうか。今後、極力その装備品、またその補給に関する格差がなくなるような取組は必要と考えます。防弾チョッキや隊員の皆様が身に着ける装備品の差異は極力解消するということが隊員各位のモチベーションにも直結すると考えます。
中谷大臣、是非、今回の編成替えをきっかけに、これらに取り組んでいただけませんでしょうか。
装備品の配備につきましては、必要性の高い部隊から配備を進めると。例えば防弾ベストについては、将来的には全ての陸上自衛隊員に配備することを想定しつつ、まずは国際活動部隊等の隊員から優先的に整備をしてまいりました。その上で、各隊員に必要な装備品が適時適切に行き渡るように、取得ペースの適正化、これに努めてまいります。
また、被服品の官品につきましては、自衛隊が訓練で使用する被服の使用状況について定期的にアンケート調査を実施をしまして、品質や数量の見直し、これを行って適切に配分したいと考えております。
装備品の開発プロセス、部隊導入においてアジャイル性の確保が重要であるとまた重ねて訴えていきたいというふうに思います。
例えば作業服でも、自分のその官品で支給されているものがありますけれども、むしろ民間で作られたものの方が機能性がいいというケースもないとは言えません。そういうケースをどうアジャイル性を確保して上手に取り込んでいくかということも現場の実態感として進めていただかなければいけないなというふうに思います。
装備品確保と運用を効果的にするために、部隊での活用によって情報が集約できる体制の強化を図っていただきたいと思います。装備品の陳腐化を極力防ぐためにアジャイル性を確保することが、ある意味防衛産業を守って、持続性確保を図ることに直結をすると思います。
今回の法改正、改編において期待したいと思いますが、防衛大臣、いかがでしょうか。
本当に今、製品のサイクル、交換、これがすごく速まっております。したがいまして、要望に応じて良い製品が調達をされていくように、速やかに研究開発、そして速いサイクルで装備品を改善していく、そういう観点からもアジャイルというのは非常に必要なことでありまして、この補給本部に改編をした目的も、より適切に後方支援を迅速に行う体制を構築するということを目的といたしておりますので、適時適切に物が届けられるように、部隊のニーズをいち早く察知をして新たな装備品に反映できるような体制、これを不断にまた検討してまいりたいと思っております。
当然、装備に合わせて能力を付ける、一方で能力に合わせて装備品を整える、このエコシステムをつくっていただくということは極めて重要ですので、是非お願いしたいと思います。
今回、自衛隊サイバー防衛隊の体制強化として、二百三十人増員することとしております。通常のサイバー対応においても、また成立をした能動的サイバー防御二法に対応するために能力構築をこれから進めていく上でも、人員確保、人材育成を重ねていかなければなりません。
その上で、まずサイバー防衛隊の隊員の任務として、サイバーに関する能力、技術を駆使して任務に当たることになると承知しておりますが、ある意味専門家集団であります。人事管理、今後どのようになっているのでしょうか。
お答えいたします。
サイバー専門部隊につきましては、通信職種を主体としつつも、他の職種等からもサイバー分野に適性のある人材を集め、経験した教育や勤務の内容、組織としてのバランスを踏まえた配置を行っております。
また、教育につきましては、システム運用の基礎的事項から高度なサイバー専門教育まで様々な課程教育を部内に設け、サイバー専門部隊に配置される隊員に対して教育を行うほか、サイバー専門部隊での実務や企業研修、さらには国内外の教育機関への留学などを通じ、その専門性を高めていくことになります。
他方、適性と意欲のある者につきましては、隊員のそれまでの勤務の内容を問わずに柔軟に配置を行うことも重要であり、サイバー分野への関心や能力のある隊員を職種、職域等にとらわれず幅広く発掘するために、令和四年度から、防衛省・自衛隊に勤務する職員を対象にサイバーコンテストを行っているところでございます。
サイバー能力を本当に大事にしていかなきゃいけないと思いますので、今後、人事管理の部分においては、体力ということも重要でありますけれども、やはり能力ということも極めてバランスを取っていかなきゃいけないことでありますので、そういうことも含めて考慮していただければと思います。
システム通信・サイバー学校が久里浜駐屯地に設置され、教育が開始されたと承知をしております。サイバー上の任務として、これまで以上に即応能力、これを鍛え上げるとともに、また必要な教育環境の整備を充実させていくことは重要であると私は思います。
システム通信・サイバー学校、大臣も行かれたことがあるかなというふうに思いますけれども、大分施設を大事に使っている、そして歴史を重んじて、その建物、重要になっているんだというふうに伺っておりますけれども、例えば教育の現場に行ってみますと、OAフロアの状況だったり、通信ケーブルの配線など、どうしても従来ある施設を活用しているがゆえに、これ最先端の技術、能力、この教育をしている場所であるとのギャップを感じてしまうという状況が現実でありました。
自衛隊の駐屯地、基地、施設の老朽化対策を進めるために、予算措置であったり対策を後押しをしておりますし、またそれに見合うような予算の執行をしていただいているとは思いますけれども、久里浜を含めて、全国のサイバー関連施設の環境整備、これしっかりと取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
お答えいたします。
陸上自衛隊久里浜駐屯地には、令和六年三月に改編された陸上自衛隊システム通信・サイバー学校のほか、通信教導隊等が配置されているところでございますが、これらに関わる既存施設が築八十年以上ということで大変古い、老朽化が進んでいるものでありまして、この中で教育及び研究の効率性の観点からも早急な施設整備が必要になっている、そういう状況でございます。
そのため、例えば陸上自衛隊システム通信・サイバー学校の教育施設の係る経費といたしまして、調査設計費を令和五年度の補正予算に計上しております。そして、工事費の方は令和七年度予算に約百三十二億円を計上しているところでございます。駐屯地のその他の老朽した施設についても順次更新を進めている、そういう状況でございます。
また、委員が御指摘いただきました全国のサイバー関連施設につきましても、駐屯地整備、駐屯地、基地における老朽化した施設の更新に合わせ、しっかりと整備を進めてまいります。
引き続きやっていただきたいと思います。
防衛大学校学生の留学機会拡充
次に、防衛大学校学生の外国士官学校の留学費用償還制度の新設について大臣に質問したいと思います。
同志国の拡大が我が国の望ましい安全保障環境を構築するために、自衛隊と各国軍隊との交流促進はより深く、より広範に実施することが必要だと考えております。
私も防大の教官をさせていただいているときには、本科学生だったり研究科学生の留学生との交流は理解増進と協力関係構築の基盤となるということも何度も経験をしてまいりました。
私は、一貫して、防衛大学校の学生さんが海外士官学校等への留学機会の確保、拡充していくということはとても重要であって、機会創出に取り組み続けていきたいというふうに考えております。ある意味、大胆に言えば、大学校の年限五年にして、一年間はもう海外士官学校に留学するまで取り組んでいったっていいんじゃないかというふうに思うぐらいであります。今回の、そういう中で、米国の士官学校への留学機会の創設ということは極めて歓迎すべきことだと思います。
防衛大臣、防衛大学校学生の留学機会の確保というのは、改めてですが、極めて重要です。是非とも、これまでだけじゃなくて、より拡充を図っていただきたいと思います。いかがでしょうか。
三浦委員自身も防衛大学校の教壇に立って学生を指導された立場でございますが、やはり御指摘のように、防衛大学校の学生におきましては、語学力や海外の士官候補生との人脈構築などのために、この米国への士官学校、四年間留学させるということを始めました。
これからのことにつきまして御要望されましたが、まだ初年度でございまして、令和七年度に派遣する学生は三名程度を予定しておりますけれども、学生の声、また陸海空自衛隊のニーズも聞きながら、本留学の在り方も不断に検討しながら、防衛省・自衛隊の中核となる優秀な幹部自衛官の確保に全力を尽くしてまいりたいと思います。
四年間留学となりますと、一年も防衛大学校で学ばないということになりますので、御指摘をいただいた御意見、参考にさせていただきたいというふうに思います。
少し課題も大臣触れていただきました。
防衛大学校と外国士官学校との間には、単位互換、また修学期間、その後のキャリアプランとの整合性等、克服すべき、あるいは整理すべき課題があります。今回、米国士官学校への長期留学の実施に際しては、その学生さんのキャリアパス、これ極めて重要であります。
また、私が現職時代に経験したのは、韓国との士官学校でそのやり取りをすると、どうしても所属をしている学科と互換できる単位がなくて、結果、留年しなきゃいけないと。でも、そういう中であっても行きたいと言ったその学生さんのキャリアパスのことを考えるということはとても重要だという経験をしてまいりました。
その我が国の安全保障の責任を担っていく皆さんが、そういうこともクリアできるような体制を取っていただくということは、不断の努力をしていただかなければなりません。
また、離職することになった際の費用償還に対して、早期離職の規定が国家公務員の留学費用償還法にて五年間と規定されております。一方で、本法案は、自衛官に任用される日の翌日から在職期間が八年に達するまでとしております。これ、なぜ八年としたのか、その理由も併せて伺います。
お答え申し上げます。
防衛省・自衛隊では、米国の士官学校への四年間の留学を経験する学生につきまして、留学で培われた人脈、知識、能力を留学後の任務に生かし、同盟国との協力の強化等の我が国の防衛力の強化に貢献することを期待しております。
このため、この留学を経験した学生には、自衛隊での勤務に加え、キャリアアップといたしまして、内局、外務省、NSS、そういったところにおいて我が国の安全保障政策の中枢を担っていただく、あるいは国際機関等で御活躍していただくというように、組織の枠を超えて働いてキャリアアップしていただくということを期待をしております。
一方、仮にこれらの学生が早期に離職した場合には、学生に国費を投じながら、期待した成果を公務に活用させることができず、国民の期待を、国民の信頼を失うことにもなりかねないと考えております。
一般職の国家公務員は、教育の目的を達成するために要する期間との兼ね合いから、通常二年から四年の留学に対して五年の償還期間というのを設けていると承知しております。
これを踏まえて我々も制度を考えてきたところでございますが、この留学生につきましては、米国での四年間の士官学校での教育、またその前後、防衛大学校で一年二か月の教育がございますので、合計五年二か月、この五年二か月に対しまして八年間という償還期間を設けるとしたものでございます。
その卒業生、活躍できるようにしっかりと我々も応援していきたいと思いますし、またいろんな角度で人事管理というのはいろいろ工夫が必要だと思いますので、それについても取組をしていただきたいと思います。
また、外務大臣も是非、アメリカで我が国の本当に未来をしょっている学生さんが困ったときにも、防衛省だけじゃなくて、支えていただけるようにお願いしたいと思います。
最後に外務大臣に伺います。
日伊ACSAを署名して、両国間の安全保障、防衛協力が進展をしていきます。国内担保法となる規定整備が本改正法案です。
これまでRAA審議の際に、GCAPのことも踏まえてイタリアとの関係において協力強化を図るべきと訴えてまいりました。今後、イタリアとは、安全保障分野のみならず、多岐にわたる協力関係をより強化していただきたいというふうに思います。
今後の展望について外務大臣に伺います。
イタリアは大変重要な戦略的パートナーだと考えております。
イタリアは、御案内のように、地中海に面しておりますし、中東、北アフリカ地域と深い関係を有しておりまして、それらの地域へのゲートウエーの一つでもあります。また、自動車産業、宇宙産業、防衛産業等で高い技術力を有しておりまして、欧州における有力な工業国の一つでもございます。
現在、メローニ首相は、就任以来、安定した政権運営を行っていると評価しておりまして、現在イタリアは欧州で最も政治的には安定した国の一つだと認識をしております。
このようなイタリアとの間で、昨年発出したアクションプランに基づいて、今お話があったように、安全保障のみならず、経済、文化、学術交流の幅広い分野で更なる関係強化に取り組んできております。
安全保障では、イタリア海軍空母カブールの日本寄港、またイタリア側がインド太平洋地域への積極的な関与を進めてきておりまして、この日伊ACSA締結に向けた取組、それからGCAPを含めて具体的な安全保障協力が推進されています。
来年は日・イタリア外交関係樹立百六十周年の節目の年となりますので、これを見据えて、引き続き幅広い分野でイタリアとの協力を積極的に進めてまいりたいと思います。
以上で終わります。ありがとうございました。