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令和7年5月26日 第217回国会 参議院 決算委員会 第8号

医療用ラジオアイソトープ国産化の進捗

三浦 信祐

公明党の三浦信祐です。
医療用ラジオアイソトープの国産化について伺います。
二〇二一年五月の本委員会にて質疑を行い、経済安全保障の観点から、医療用ラジオアイソトープの国産化、西側諸国で唯一の高速実験炉「常陽」の運転再開、そして、国産ラジオアイソトープによる核医学治療を患者さんに提供すること等を訴えさせていただきました。これをきっかけに、二〇二一年十一月、原子力委員会に医療用等ラジオアイソトープ製造・利用専門委員会の設置がなされました。そして、二〇二二年の五月、ちょうど一年後には医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプランが決定されました。
国会質疑はもちろんのこと、がん患者さんの願いを実現するために報告会も重ねて、医療、創薬関係者の皆様と議論を継続し、関心が高まっております。予算も拡充し、執行されております。これまで投じている予算がワイズスペンディングだと言っていただけるように、また、国民的な疾患でもありますがん対策の進展へ、最新の国産医療用RIの治療を必ずや実現するために質問させていただきたいと思います。
まず、医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプランに掲げた目標に対する進捗状況について、担当であります城内大臣に伺います。

国務大臣(城内実君)

ただいま三浦委員からアクションプランの目標に対する進捗状況について御質問ございました。
令和四年五月に原子力委員会が決定いたしました医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプランにつきましては、毎年度進捗状況をフォローアップしておりまして、今年度のフォローアップはちょうど明日、五月二十七日より八月頃までにかけて順次実施する予定であります。このため、三浦委員御指摘のアクションプランの目標に対する進捗状況につきましては、昨年度のフォローアップ内容を御説明させていただきたいと思います。
主な目標の進捗状況につきましては、例えば核医学診療に活用されるモリブデン99の国産化の目標については、原子力機構のJRR3を用いた製造に向けた研究や品質確認等が済んでいることが確認されております。
また、核医学治療で注目を集めておりますアクチニウム225の製造実証の目標につきましては、令和八年度までに高速実験炉「常陽」を活用した製造実証を実施すべく、「常陽」の運転再開のための準備が進捗していることが確認されております。
さらに、国内外の供給側と需要側をつなぐ体制整備に関する目標につきましては、我々内閣府を中心に、必要な調査の実施やステークホルダーを集めた議論を行っている状況にあります。
こうした目標につきましては、今後も進捗状況を確認しながら、引き続き、私ども内閣府が中心となって、関係省庁ともしっかり連携しながら、各目標の達成に向けて取り組んでまいる考えであります。

三浦 信祐

今大臣から、内閣府が中心にと明確に御答弁いただきました。
歴史的な役割を果たしました医療用等ラジオアイソトープ製造・利用専門部会が廃止をされております。むしろ、アクションプランの実現に向けてはこれからが重要な局面であります。その責任を担う原子力委員会が司令塔となっておりますけれども、取りまとめ等の具体的役割はどのようになっているのでしょうか。また、医療用RIの国産化、核医学治療の研究開発、医療提供への取組について、特に、患者の皆様始め国民の皆様の御期待に応えるために、情報提供、これを積極的に行って理解増進に取り組んでいただきたいと思います。
これまでのフォローアップの資料はホームページ内の定例会議資料としてラインナップされているだけであって、大変これ探すの難しいんですね。そういう面から見ますと、医療用RIアクションプランの進捗についての特設ページを作成するなど、集約されるようにして見える化を図っていただくことが必要だと私は考えております。
是非原子力委員長に取り組んでいただきたいと思いますけど、いかがでしょうか。

政府参考人(上坂充君)

アクションプランにおかれましては、関連省庁などはおおむね一年ごとの進捗状況を取りまとめて原子力委員会に報告し、原子力委員会においては随時必要な対応を検討することといたしております。
これを踏まえまして、原子力委員会では、アクションプラン策定以後、毎年進捗状況をフォローアップしているところでございます。先ほど城内大臣が御言及されましたように、本年も、まさに明日からフォローアップのためのヒアリングを実施する予定でございます。また、関連省庁等からの報告を受け、本年はアクションプランを策定して三年が経過することなどから、アクションプランの進捗を踏まえた原子力委員会としての見解を取りまとめる方向で検討しております。
さらに、アクションプランでは、医療用ラジオアイソトープの製造、利用に関する省庁横断型のプロジェクトにつきまして、内閣府がリーダーシップを持って検討を進めるとしており、今後設置を検討している医療用ラジオアイソトープに関するコンソーシアムの場などを利用したこのような取組の推進を期待しております。
また、私含めた原子力委員会としても、各種講演等において医療用ラジオアイソトープに関する発信を行ってきたほか、日本核医学会、日本放射性医薬品協会、日本アイソトープ協会、短寿命RI供給プラットフォーム等のステークホルダーとの議論を続け、複数の団体において提言をまとめていただいたところでございます。
こうしたアクションプランに係る取組などにつきましては、議員の御指摘を踏まえ、ホームページなどを通じまして、しっかりと国民の皆様における理解増進を分かりやすい表現で図っていきたいと考えております。
以上でございます。

三浦 信祐

とても大事なことです。働き方改革の中で、治療と、本当に仕事ができるように、そして負荷が小さくなるようにというのがこの医療用RIを使った製薬の、治療に使われるものでありますので、是非期待に応えていただきたいと思います。
昨年五月の二十七日の当委員会にて、RIアクションプランに基づく実用化に必要な体制として、厚生労働省各部署の連携、内閣府との連携をと質問させていただきました。これに対し、厚労大臣からは明確に、連携を取ると明言されております。
その後、具体的に整理された課題、そしてその課題へ向けた具体的に取組を進めてきた内容について伺いたいと思います。また、これから国産化への過程にある状況であるということは十分分かっておりますけれども、できてからでは遅い状況であります。スムーズに対応できるように事前に今の段階から整えて、即対応可能な状態にすることが大切だと私は思います。大臣、いかがでしょうか。

国務大臣(福岡資麿君)

委員御指摘の連携、私も大変大事な観点だと思います。医療用RIの安定供給を図るため国産化に向けた取組を進めることは、がん対策等の観点からも重要であると考えております。
国産化に向けましては、研究開発の推進であったり、また医療機関の体制整備、これが課題であるというふうに認識しておりまして、厚生労働省内の薬事、がん対策、そして産業の所管に係る各部署で連携し、PMDAにおいて、開発中の段階であっても事業者からの相談に応じ、薬事規制について必要な確認、助言を行っておりますほか、患者さんが適切な放射線治療を受けられるよう、医療機関の連携体制の整備を推進しますとともに、がん研究十か年戦略であったり、今年度も引き続き実施しております革新的がん医療実用化研究事業において、放射線治療の研究開発の推進を行っております。
また、内閣府原子力委員会においても国内製造に資する研究開発の推進が行われていると承知をしておりまして、引き続き、厚生労働省内の連携はもとより、関係省庁ともしっかり連携しながら、国産化に向けて取り組んでまいりたいと思います。

三浦 信祐

大変極めて明確で、かつ前向きな答弁をいただきました。どこかが途切れると、これが現場の患者さんに届かなくなってしまいます。是非そこに目を凝らしていただきたいと思います。
前回の質疑にて、医療用RIを用いたがん治療薬の開発には、細胞標的化合物、すなわちリガンドの確保、開発の進捗が重要であることを共有してまいりました。世界はリガンドの確保に力を注いでおります。日本が後れを取ってはなりません。その際、創薬AIプラットフォームを活用する旨の答弁がありましたけれども、その後、具体的に進めた内容について伺いたいと思います。リガンド確保へスピード感を持って取り組んでいただけませんでしょうか。

政府参考人(内山博之君)

お答えいたします。
厚生労働省ではこれまで、AMEDを通じて、企業やアカデミアからの研究データを集約し、AIが医薬品候補として有望な化合物構造を提案する創薬AIプラットフォーム、この構築を支援してきたところでございます。令和七年度からは、このAIが設計する医薬品候補の構造の範囲を、低分子のみならず中分子、高分子へ拡張可能な、そうしたプラットフォームの構築に向けた支援を行っているところでございます。
今後とも、御指摘のリガンドを始めとした研究データについて企業等から同意を得つつ収集を行うことにより、この創薬AIプラットフォームの更なる高度化を目指し、医療用RIの創薬が促進されるように引き続き支援してまいりたいと考えております。

三浦 信祐

我が国にとってチャンスだと思います。これまでがんの薬をたくさん作ってきたデータがたまってきています。AIを活用をすれば、リバースエンジニアリングとして過去のものが花開く可能性がありますので、ここしっかりと取り組んでいただきたいと思いますし、いよいよ高分子だなというところでありますから、我々もしっかり応援したいというふうに思います。
世界がしのぎを削り、開発、確保に取り組んでいるアクチニウム225を用いたアルファ線標的アイソトープ製剤には、高速実験炉「常陽」の運転再開が必須であります。世界も「常陽」に注目しております。これまで工事費用、研究費用を積み上げてきておりますが、運転再開への工事、そして段取りの進捗状況について、また、文科大臣の思いも含めて御答弁いただければと思います。

国務大臣(あべ俊子君)

三浦委員にお答えいたします。
三浦委員には、令和三年五月の決算委員会の質疑におきまして、医療用RIの生産のため、必要予算を十分確保し、「常陽」を早急に動かすべきという御意見をいただいたと承知しているところでございます。
文部科学省といたしましては、この「常陽」の運転再開に向けまして、令和三年度補正予算以降、必要な予算を確保いたしまして、新規制基準に適合させるための安全対策工事を進めているところでございます。また、令和五年七月におきましては、運転再開の前提となります原子炉設置変更許可を取得するとともに、昨年九月には、茨城県及び大洗町より事前承認をいただいたところでございます。
私自身も、今年二月に「常陽」を視察をさせていただきまして、その役割の重要性を実感させていただきました。令和八年度半ばの運転再開に向けまして、この医療用RI製造実証を含む幅広い研究開発ニーズに応えていきたいというふうに考えているところでございます。

三浦 信祐

こういうミッションがないと、これまでの経験積まれた原子力技術者であったり、また物づくりをしてくださっている方が途切れてしまうと、そういう実態があります。これを食い止めるということにも大変重要な役割を担っておりますので、是非、大臣のリーダーシップで、これをより加速できるようにお願いしたいと思います。
加藤大臣に伺います。
JAEAの研究力、運用力が国産の医療用RI製剤の実用化の基盤として不可欠であります。予算を投じることこそワイズスペンディングであり、必要な投資でもあります。経済安全保障の視点からも積極的に予算を投入し、西側諸国唯一のアセット等としても活用できるように後押しを是非お願いしたいと思います。
厚労大臣としても御経験が豊富であり、そして知見がある、日本が世界を取っていけるようなこの大事な局面でありますから、加藤大臣、是非お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

国務大臣(加藤勝信君)

現在、医療用ラジオアイソトープの多くが海外からの輸入に頼っておりまして、その国産化に向けた取組は経済安全保障の観点からも、委員御指摘のように重要と認識をしております。
これまでも、国内の医療用ラジオアイソトープの製造が期待されるJAEAの高速実験炉「常陽」の運転再開に向け、安全対策、技術開発等に対し必要な予算を確保し、措置をしてきたところであります。
今後とも、医療用等ラジオアイソトープに関するアクションプラン、これらを踏まえ、国産化に向けた技術開発等の必要な支援を行うことは重要と考えており、所管である文部科学省ともよく議論を重ねていきたいと考えています。

三浦 信祐

健康・医療戦略にも明確に記述をしていただきました。また、がん対策推進基本計画にも、また、がんの十か年の計画にも明確にこれらは記載をしております。まさに、国として強力に推進をするという取組でありますので、予算の確保をしっかりと我々も押し上げていきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
ちなみに、昨年、一昨年と電気代が高くて、国立開発研究法人の電気代が足りないから研究ができなかったという声もたくさん伺ってまいりました。ここは思い切って投資をしていかないと、人がいなくなってしまうというリスクをお金で解決をしなければいけないところにできなかったら未来はありません。是非、我々はこの決算委員会でありますから、来年の骨太に向けても研究開発投資、全力で応援したいと思いますから、取り組んでいただきたいというふうに思います。
アクチニウム225の製造に必須でありますラジウムの確保が喫緊の課題です。何度もこれは取り上げてきました。これまでの取組から進んでいる状況でございましょうか。また、製造実証から先の製造に耐え得るだけの量を今から何としても確保すべきであります。
医薬品の原料としてのラジウムの必要量と必要な時期の特定、また入手元も探索と特定、また加えて、ラジウムを入手できた後には両方行うために、頒布を行うために、国のリーダーシップの下に必要な資金と人材を備えた官民連携事業体を立ち上げて推進すべきだというふうに私は思います。
城内大臣、何としてもやっていただけませんでしょうか。

国務大臣(城内実君)

お答えいたします。
医療用ラジオアイソトープとして注目を集めておりますアクチニウム225の製造に当たりましては、その原料でありますラジウム226の確保が重要であるということはまさにそのとおりだと思います。
内閣府が令和五年度補正予算を用いて実施した委託調査によりますと、ラジウム226の確保の可能性を追求して、ウズベキスタンのウラン鉱山の鉱石残渣を調べましたところ、一定程度の濃度でラジウム226が含まれることが判明しております。一方で、現地において大量の残渣を処理し、ラジウム226の分離、抽出を商業規模で行う技術を確立する必要があるなど、ラジウム226を確保するためにはまだ幾つかの課題が存在することも判明いたしました。
内閣府といたしましては、今回の調査結果も踏まえまして、引き続きラジウム226の確保も含めた医療用ラジオアイソトープの国内製造から利用までに生じる課題の解決に向けた調査等を進めてまいりたいと考えております。
また、御指摘のラジウム226の入手元の探索や頒布等を行う官民連携事業体につきましては、今後設置を検討しております医療用ラジオアイソトープに関する官民のコンソーシアムの場などを活用して、また、「常陽」でのアクチニウム225の製造実証の進捗状況なども踏まえつつ、関係機関と連携して議論してまいる考えであります。

三浦 信祐

これ、世界で物すごい競争で確保に動いている状況です。
城内大臣は経済安全保障担当でもあります。経済安全保障って、スローガンではありません。具体的なアクションがあって、そしてそれが実行できたといって、初めて国民の皆さん理解ができます。そういうその力を発揮してもらいたいと思いますけど、その決意、お願いします。

国務大臣(城内実君)

三浦委員にお答えします。
私も、経済安全保障担当大臣ですから、やはり国際社会の中でしっかり競争力を持って取り組む必要があると、経済安全保障担当大臣としての視点からもしっかり取り組んでまいる考えであります。

三浦 信祐

初めてこういう質問をしましたけれども、明確に答えていただいた。これがまさに経済安全保障の具体論の第一歩だという思いで我々も押し上げていきたいと思います。
アクチニウムについて、二〇二六年度内に「常陽」を活用して製造実証を行うことになっておりますが、現時点では、その後の商業規模のアクチニウムの製造と供給、また創薬につながる長期的な事業化のめどが立っていないと聞いております。
米国では、医療用RIの確保に向け、ノーススター社及びテラパワー社等の民間企業の参画を得て、官民一体の取組が進んでいる状況であります。一方で、我が国は、幅広い専門性を持った民間の関与の在り方も含めて、供給、利用体制の構築に関する議論がいまだ十分になされていないと私は思っております。国際的な医薬品の開発競争の中で、我が国は残念ながら既に出遅れてしまっていると言っても過言ではありません。
骨太の方針二〇二四に、医療用ラジオアイソトープについて、国産化に必要な体制を整備するなど、アクションプランに基づく取組を推進するとともに、アクションプランの改定に向けた議論を行うと、私たちの提案を踏まえて記述をしていただきました。
これを受け、内閣府が、需要側と供給側をつなぐ必要な体制を立ち上げるための委託調査を昨年度に実施したとも承知をしております。モリブデン及びアクチニウムは、それぞれ世界における流通状況や将来の需要の見通しが異なることから、核種ごと、個別の事業体制を構築する体制が大至急必要であります。需要側と供給側をつなぐ中間事業体あるいはコンソーシアム、先ほど来ありますけど、これを立ち上げて、インテグレーションの確保が必要であります。
現時点での進捗とともに、必ず立ち上げることを明言していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

政府参考人(徳増伸二君)

お答えいたします。
議員御指摘のとおり、アクチニウムを用いた医薬品などについて世界で開発が進む中、日本としても、医療用ラジオアイソトープの国産化等を実現するための取組を進める必要があると認識をしております。
こうした状況も踏まえ、昨年度、内閣府として、医療用ラジオアイソトープの国産化を踏まえた国内外の供給側と需要側との間に必要な組織体制の確立に向けた委託調査を実施した次第であります。調査の結果、その体制の在り方としては、医療用ラジオアイソトープの製造量や国内の需要量等の情報共有や課題の解決に向けた議論などを行うためのコンソーシアム型が適切と考えられる旨が提言されております。
今後、重要なステークホルダーや関係省庁を含めた医療用ラジオアイソトープに関するコンソーシアムの構築に向けたしっかりとした検討を進めてまいりたく存じます。

三浦 信祐

検討を進めるということを御答弁いただきました。
福岡大臣に伺いたいと思います。
今のアクションプラン以降、政府の取組と、予算を確保したゆえに医療界で議論が活発になって、学会を中心に現状把握し、課題も明確となってきております。厚労省、内閣府、文科省等で現場の関係学会との共通プラットフォームをつくり、意見交換と課題共有、克服への取組を行っていただきたいと思います。創薬メーカーとの連携、議論も必須であります。日本放射性医薬品協会、創薬メーカーも加えて構築をしていただきたいというふうに思います。
さらに、国産の医療用RIがGMPグレードに即している品質を確保しているということが実用化には不可欠であります。医療用RIの製剤化、現場での利用までの要求に応えられるように、精製方法等、関係各所が一体となって取り組む必要があります。福岡大臣が先頭に立って調整していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

国務大臣(福岡資麿君)

医療用RIの国産化を進め、放射性医薬品としての実用化に目指すに当たっては、例えば、現在の技術では精製されるRIの濃度が低く、製剤化が困難であるといったことであったり、また、核医学治療に必要な専用病室が不足しているといったことなどの課題があると、製薬企業であったり医療現場からは伺っているところでございます。これらの課題については、医療用RIの国産化に取り組む内閣府や文部科学省とも共有し、関係省庁と連携して、解決に向けて検討を進めているところであります。
現在、内閣府におきまして、重要なステークホルダーであったり、関係省庁を含めた医療用ラジオアイソトープに関するコンソーシアムを立ち上げるための取組も進められているというふうに承知をしておりまして、厚生労働省としても、こうした取組に主体的に参画してまいりたいと思います。

三浦 信祐

この主体的、とても大事なことかと思います。よろしくお願いします。
これまでの議論で、インテグレーションの確保や中間事業体は厚労省、そして、厚労省所管となる医療、創薬、学術団体も含めて一体的な組織体であることが欠かせないということが明瞭となりました。これらを踏まえた体制になるように、城内大臣、是非リーダーシップを発揮していただいて整えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

国務大臣(城内実君)

お答えします。
三浦委員御指摘のとおり、やはり医療用ラジオアイソトープの利用者である需要側と製造者である供給側をつなぐための組織体には、利用者側の所管省庁であります厚生労働省等の参加が必要不可欠であります。
先ほど福岡厚労大臣からも御答弁ありましたけれども、今後、私ども内閣府が検討を進めております医療用ラジオアイソトープに関する重要なステークホルダーや関係省庁を含めましたコンソーシアムの構築に当たりましては、厚生労働省を始めとする利用者側の関係者がしっかりと参画するものとなるよう取組を進めてまいる考えであります。

三浦 信祐

御明言いただいてありがとうございます。
アクチニウム、モリブデン及びその他の核種の安定供給を長期的に目指すためには、「常陽」及びJRR3等の点検、停止時にそれを補う形で供給が継続できるように、医療用RI製造に活用が可能な原子炉を新たに建設し、確保することが必要だと考えます。
昨年の五月の二十七日の本委員会にて、製造用原子炉の確保をと当時の齋藤経産大臣に質問させていただいて、高速炉の実証炉開発に取り組む過程で得られる人材、技術やサプライチェーンは、医療用RI製造を含む非エネルギー分野にも貢献し得るものであり、医療用RIの製造に向けては、アクションプランに基づいて、今後の高速実験炉「常陽」を活用した医療用RIの製造実証の成果などを踏まえて、内閣府を中心に関係府省庁がしっかり連携して取り組むと答弁をしていただきました。
「常陽」、西側唯一の高速炉とはいえ、必ず寿命が来ます。今から手を打たないと、研究者も設計者も製造者も失われるリスクが目の前にあります。これ、文科省としても是非ここは取り組んでいただかなければいけない点であります。
医療用RI製造に活用可能な原子炉の新設の実現へ、城内大臣、是非議論を開始すべく音頭を取っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

国務大臣(城内実君)

既存の原子炉を活用いたしました取組につきましては、アクションプランにおきましてアクチニウム225を重要ラジオアイソトープとして位置付けておりまして、高速実験炉「常陽」において、令和八年度、二〇二六年度までに製造実証を実施することとされております。
医療用ラジオアイソトープ製造に活用可能な原子炉の検討につきましては、こうした「常陽」におけるアクチニウム225の製造実証の進捗状況を注視していくことが重要と考えております。また、あわせて、今後設置を検討しておりますコンソーシアムの場なども利用して、厚生労働省や文部科学省、経済産業省とも協力しながら、議論をしっかり前に進めていく考えであります。

三浦 信祐

大臣、ありがとうございます。
文科大臣は、ここまで聞いていただけましたので、御退室いただいても結構です。

委員長(片山さつき君)

あべ文部科学大臣、御退席いただいて結構です。

三浦 信祐

放射線リガンド療法の発展によって、世界的に治療までの待機時間の増加が問題となっております。我が国においても、核医学治療の潜在需要はいずれも増加しております。現状の体制では、外来であれ入院であれ、患者さんの二五%程度しか治療にたどり着けないのが医療現場での皆さんの実態だという声を伺っています。
厚労大臣、本質的に改善、対処すべきであります。いかがでしょうか。

国務大臣(福岡資麿君)

がん細胞に選択的に放射性物質を届けます放射線リガンド療法につきましては、国内外において様々な放射性物質を用いた放射性医薬品の開発が進んでいると承知をしております。
医療施設の調査によりますと、我が国におけます受療可能施設数は、平成二十六年の八十八医療機関から令和五年十月時点で九十九医療機関へと増加しており、放射線治療病室は二百四十四床から二百五十七床へと拡大しているところでございます。また、令和四年には、一般病室等において、特別措置病室として入院可能とする見直しを行ったところでございます。
これらの病室において、核医学治療を希望して医療機関を受診する方々に対して一定程度治療を提供できているものと承知していますが、御指摘のありましたように、まだまだというような御指摘もございます。さらに、需要に応じた提供体制の確保に努めてまいりたいと思います。

三浦 信祐

大臣、是非現場の医療者とのしっかりと連携を取っていただきたいと思います。
ノバルティスファーマが開発をした前立腺がんに対する医療用RIを用いたルテチウム177、PSMA617製剤について、本年、日本での活用が期待をされております。丹波篠山市に工場を建てられて相当な投資をしていると伺いました。それだけ世界的にも期待されているのが核医学治療であり、日本も注目をされているというこれは証左であります。
がん対策は国民福祉のために全力を尽くすべき課題であり、単に特定企業の話ではなくて、還元すべきことであります。むしろ、いろんなメーカーの方が投資をしていただけるようになるということは、アジアのハブとしての期待があるということでもあります。有識者による最新の研究等によれば、核医学治療による医療需要が今後増加していくとされております。
アクションプランで掲げた、二〇三〇年、治療待機期間を平均二か月以内に抑えるとしておりますけれども、実現の責任は厚労省にあります。特別措置病室を増加されるなど、これは規制緩和していただきましたけれども、がん患者に対する医療用RIの提供体制を整備すべく、既存のがん診療拠点病院を活用したり、また医療用RIの提供体制を担う拠点病院を指定するなど、そうした病院に対する補助金や、また診療報酬等の支援をしていただきたいと思います。
厚労大臣、是非責任持って取り組んでいただけませんでしょうか。

国務大臣(福岡資麿君)

今御指摘ありましたように、核医学治療の需要が増大することが見込まれますことから、がん患者さんが病態等に応じて適切に治療を受けられるよう、がん診療連携拠点病院を中心といたしました医療提供体制の整備を進める、このことは非常に重要なことだというふうに認識しております。第四期がん対策推進基本計画では、標準的治療の提供に加えまして、医療機関間の役割分担であったり連携体制整備等に取り組むこととしております。
また、報酬についても御指摘ありましたが、放射線治療病室加算を設けておりまして、令和四年度改定におきまして、入院一日につき二千五百点であったところを六千三百七十点に大幅に引き上げたところでございます。
今後の需要を見据えつつ、関係者の方々の意見も聞きながら、医療機関における体制整備が進むように対応してまいりたいと思います。

三浦 信祐

専門家の先生に研究のことについて伺いました。論文も出て発表もされているようでありますが、これを実現するためには、県によっては最大三十床これから増やさなきゃいけないというようなデータも出ており、これは報道もされているところであります。
そういう視点から見ますと、核医学治療における課題として、放射線治療病室、また特別措置病室等の専用病室が不足しているということは間違いありません。病室、病床不足、薬があれども治療にたどり着けない、これでは駄目であります。
仮に病室が今度は増加した場合でも、排気や排水能力がボトルネックになっている可能性が高いのが現状です。まず、医療機関の排水、排気能力を含む実態把握、これをしなければなりません。是非厚労省で責任持って、調査、実態把握、実行していただけませんでしょうか。

政府参考人(森光敬子君)

お答え申し上げます。
放射性医薬品等を用いた核医学治療等につきましては、治療を受けている患者から放出される放射線による被曝から一般の方や医療従事者を防護する観点から、医療法令において、医療用放射性汚染物の排水中、排気中の濃度限度等に関する基準を設けているところでございます。こうした基準については、実際に行われる治療の内容を勘案しつつ、安全性や効率性の観点から、必要に応じて適切な規制に見直していくとともに、放射性医薬品の特性等を考慮した実際の運用においても工夫していくことが重要だと考えております。
このため、厚労省において、都道府県や関係学会等を通じて、必要に応じて放射線治療病室等の現状の把握を行うことを検討するとともに、排水、排気設備等の合理的な運用等の医療現場における取組の情報収集を行い、好事例については周知を行っていくなど、規制の効率的な運用に向けた対応に努めてまいりたいと考えております。

三浦 信祐

極めて明確に答えていただきました。是非、現場の声を聞いていただいて、それを政策に反映、また予算に反映できるように取り組んでいただきたいと思います。
大臣に伺います。
病床確保、運用効率の向上へ、放射線安全管理の規制、運用において合理化できる可能性があるものを、今、森光局長からも答えていただきましたけれども、病院協会、医学界と連携の上、検討して改善をしていただきたいというふうに思います。
加えて、放射線の吸着等新技術、例えば福島第一原発で得たその放射線の技術は転用できないか。医療界だけで見てしまうとなかなかないけれども、実は横展開をしたときに、これこそ経済安全保障の視点から見たら、いろんなサプライチェーンの幅広があります。是非、政府の中で横展開をしていただく、また技術の共有をする、こういうことがとても大事でありますので、それを検討していただけるように、厚労大臣に取り組んでいただきたいというふうに思います。
場合によっては、この調査をしていただいて得た結果、むしろセンター病院をつくった方が新しい設計ができて、能率が上がって効率が上がって患者さんが待機しなくて済むならば、そういうところに税投入すべきだというふうに思います。大臣、御見解を伺いたいと思います。

国務大臣(福岡資麿君)

大変重要な御指摘いただいたというふうに思います。
御指摘の医療機関におけます放射線管理基準については、これまでも、関係団体であったり専門家が参画する検討会等で議論した上で見直しを行ってきております。令和四年には、一般病室を特別措置病室として入院可能とする見直しも行わせていただきました。
新たな治療に関するニーズに対応し、国内で有効な治療を受けられる環境を確保する、このことは、御指摘ありましたように非常に重要でありますことから、技術の有効活用等も含めまして、新たな科学的エビデンスが明らかになった場合には、関係団体であったり専門家と連携しながら、見直しをも含めた必要な対応を検討してまいりたいと思います。

三浦 信祐

大臣、とても重要な役割であります。経済安全保障というこの法律ができ上がったそのプロセスの過程で出てきた具体例でありますから、是非、結論はこうなったよという歴史に残るような判断と取組を進めていただきたいと思います。

アクションプラン改定に向けた責任主体の明確化

三浦 信祐

最後に、骨太の方針二〇二四でアクションプランの改定に向けた議論を行うこととしております。これに関連して、昨年の参議院決算委員会にて政府参考人より、アクションプランの改定の際には、その実効性を確保するため、原子力委員会において様々な責任主体をより明確にするよう検討を行う旨の答弁を頂戴しました。
事業化に向けた中間事業体の体制づくりや、またインテグレーション化、商用化に必要な量のラジウムの確保、加えて、医療用RI製造に活用可能な新たな原子炉の建設、そして治療待機時間の短縮、医療機関の整備、放射線安全管理の検討等、それぞれの責任主体を明確にする形でこれを議論しなければいけないということが今日明確になりました。
本日の議論を踏まえて早急にアクションプランの見直しに取り組んでいただきたいと思いますが、原子力委員長、是非明言いただきたいと思います。

委員長(片山さつき君)

お時間が来ておりますので、簡潔におまとめください。

政府参考人(上坂充君)

はい。
原子力委員会では、先ほど申し上げましたように、アクションプランの策定以後、毎年進捗状況をフォローアップして、その結果を取りまとめて公表しているところでございます。明日からフォローアップを行って、更にヒアリングを行います。
また、今年は三年目ということですので、委員会としては、アクションプランの進捗に関する見解を取りまとめる方向で検討しており、これによってアクションプランをより前進させたいと考えているところでございます。
また、原子力委員会としましては、見解をまとめるに当たり、議員御指摘の責任主体の明確化についてもしっかりと留意するとともに、来年度以降もフォローアップを行い、アクションプランの実効性の確保を努めてまいりたいと考えております。

委員長(片山さつき君)

お時間来ております。

三浦 信祐

がん対策は、国民の皆さんの本当に大事な命を守るところであります。そして、これは、経済を伸ばすこともでき、世界を幸せにすることもできる技術であります。是非政府でしっかりと、我々も後押ししていきますので、結束して取り組んでいただきたいことをお願いして、終わります。
ありがとうございました。