「相馬福島道路」の開通地域と完成見通しについて
三浦信祐君 公明党の三浦信祐でございます。
大臣の所信的挨拶並びに東日本大震災から得た教訓について質問をさせていただきます。
復興・創生期間が始まり、今後五年間がインフラ整備の最終勝負になると思います。復興道路、復興支援道路の開通見通しが九割確定となりました。関係者の御努力に敬意を表したいと思います。今村大臣は、被災地の経済発展の基盤となる復興道路、復興支援道路の整備を引き続き進めてまいりますと所信を述べられました。全力で応援すべきことと思います。
さて、お手元にお配りをさせていただきました資料一の左下、復興支援道路である相馬福島道路、地元の期待も大きいと思います。多くの区間で開通予定の見通しが出ている一方で、未発表の地域もあります。そこで、福島保原インターから国道四号インターチェンジまでの間の完成見通しはいかがでしょうか。国交省の道路局長にお伺いします。
政府参考人(石川雄一君) お答えいたします。
福島県の浜通り地域と中通り地域を結ぶ相馬福島道路は、広域的な連携、交流や、浜通り地域の復興を支える重要な道路でございます。相馬市から伊達市霊山を経て福島市、桑折町に至ります全体四十五キロのうち、伊達市内の福島保原線インターチェンジから国道四号インターチェンジまでを除いた四十三キロについては、御指摘のとおり、平成二十八年度から平成三十二年度まで順次開通する見通しを既に公表し、事業を推進しているところでございます。
しかしながら、残りました福島保原線インターチェンジから国道四号インターチェンジまでの三キロでございますけれども、現在、用地買収、改良工事などを進めているところですが、地盤改良が必要な軟弱地盤区域の用地買収が完了していないため、開通の見通しが示せない状況でございます。
引き続き、復興・創生期間内の平成三十二年度までの開通を目指しまして、地域の皆様方の御協力、特に用地買収に対する御協力を得ながら事業を推進してまいりたいと考えております。
三浦信祐君 ここが開通をして、計画をしている相馬港からのLNG輸送であったり、また中通り地域の企業集積への効果が出てまいります。また、地元からはこの見通しが立っていないがために計画も立てられないという声も寄せられております。
是非、これは復興に大切でありますので、今村大臣、御決意をお願いいたします。
国務大臣(今村雅弘君) まさに動脈という言葉がありますように、この地域が元気になっていく一番大事な要素だと思っております。
そして、今、いろんなしっかりしたプロジェクトもありますから、そういったものを結び付けていく大変重要なプロジェクトということで、全力を挙げていきたいと思います。とにかく、今のところは三十二年度までの全線開通ということで頑張っていきたいと思います。
三浦信祐君 ありがとうございます。是非よろしくお願い申し上げます。
次に、資料の二を御覧いただきたいと思います。福島県の直轄事業となるふくしま復興再生道路、この道路の位置付けと認識について、また事業進捗状況と各道路の完成の見通しはいかがでしょうか。大臣にお伺いします。
国務大臣(今村雅弘君) ふくしま復興再生道路につきましては、これは福島県の復興計画に位置付けられました非常に重要な道路ネットワークであるわけであります。
現在、福島県が二十九か所について事業を進めてきておりまして、そのうちの二か所は国土交通省も権限代行によって事業を実施しているところであります。既に九か所を供用しておりまして、残る箇所につきましても、震災から十年間でやり遂げようということで、今、用地買収等々、工事も含めてしっかりと取り組んでいるところでございます。
三浦信祐君 これは、生活またなりわいの再建、バックアップ機能並びに中間貯蔵施設への物資搬入経路としていち早く整備をしておかなければならないと思います。
確かに三十二年度は大事ですけれども、いま一度お聞きしますけれども、是非、復興庁も国土交通省も福島県と連携の上、人員が足りなければしっかり応援する、バックアップをする、この決意を、大臣、いま一度お願いいたします。
国務大臣(今村雅弘君) 地元の皆さんの御期待に沿うように、そしてまた一日も早くこの復興をやって元気になるように、全力で頑張ってまいります。
災害復旧活動における緊急通行車両について
三浦信祐君 ありがとうございます。是非お願いいたします。
続いて、災害発生時の燃料の安定供給体制について、東日本大震災で得られた教訓に関して伺わせていただきます。
災害の発生時、緊急交通路が指定をされ、緊急通行車両として災害応急対策活動に従事する車両は、資料三に示します緊急通行車両確認標章及び緊急通行車両確認証書の交付を受けないとその区間が通行できないということになっています。
東日本大震災では東北自動車道が緊急道路に指定をされました。東北エリアでタンクローリーが津波で流され、石油を関東から運ぶことになりました。ところが、タンクローリーは緊急車両に指定をされていなかった。そこで、現場では一台ごとの指定をしておりましたけれども、とても間に合わず、警察が目視で認識、そのまま認定という極めて柔軟な処置で対応していただきました。
この教訓から、石油元売は、災害対策基本法では指定公共機関に指定をされ、備えが強化をされました。緊急通行車両の認定の有無というのは、災害時の人命救助、また迅速な復旧作業に極めて重要な影響を及ぼしていきます。
そこで、警察、公安委員会において、災害復旧活動に必要となる車両、バイク、特にガソリンスタンドに給油をしていくタンクローリーなど、事前に登録をすべきであると考えます。また、その登録範囲は十分か否か、入念な随時検討をしておくべきではないでしょうか。現在の取組について、警察庁にお伺いいたします。
政府参考人(長谷川豊君) お答え申し上げます。
都道府県公安委員会におきましては、以前から、災害時に緊急通行車両であるか否かの確認を速やかに行うため、災害応急対策に従事する緊急通行車両の事前届出制度を運用しているところでございますけれども、東日本大震災の教訓を踏まえ、平成二十四年三月以降、医薬品や医療機器を輸送する車両あるいは建設用重機など、人命救助及び輸送施設等の応急復旧に必要な緊急通行車両以外の規制除外車両の範囲を定め、これも事前届出の対象としているところでございます。
事前届出制度の手続やその対象となる車両の範囲につきましては、各都道府県警におきましてホームページへの掲載や関係する地方公共団体に対する説明を行うなどその周知に努めてきたところでございまして、引き続き、災害復旧、災害応急対策が的確かつ円滑に行われますよう制度の適切な運用を期してまいりたいと考えております。
公共インフラとしてのガソリンスタンドの維持対策強化、災害時における住民への情報提供体制確立について
三浦信祐君 災害対策に当たる関係者に周知徹底をされて、現場の警察官に負荷が掛からないような状態にする、それで初めて実効性があると思います。
不断の努力を是非やっていただきたいとともに、常に、多様化の時代ですから、適用範囲もよく検討していただきたいと思います。また、緊急通行車両が通行規制されていないところを走る際にも優先通行ができるように検討すべきだと思います。そこまで行けなければ、タンクローリーなんかも意味を成していかないと思います。社会的理解の拡大にも併せて努めていただきたいと思います。是非よろしくお願いします。
指定された緊急車両が災害時活動するためには、その燃料を給油するためのガソリンスタンドが必要です。資源エネルギー庁で、震災の反省を踏まえて、災害時の拠点となる中核サービスステーション、中核SSを指定しています。
そこで、現在、中核SSは日本国内で何か所指定しているか、今般の熊本地震で実際に機能したか、また今後強化すべき点について、井原政務官にお伺いいたします。
○大臣政務官(井原巧君) お答えを申し上げます。
お話しのとおり、東日本大震災では停電等でSSの多くが稼働停止をいたしまして、石油製品の供給に支障が生じ、救援、救護、復旧活動に影響を及ぼしたということでございまして、この教訓を踏まえて、災害時に警察、消防等の緊急車両へ優先給油を行う中核SSを全国約千六百か所整備をしてきたところでございます。
その効果として、熊本地震におきましては、熊本県内にある三十四か所全ての中核SSが、発災後十日間で緊急車両に対して延べ約千六百回の優先給油を実施いたしました。円滑な災害復旧活動の下支えになったと評価をいたしておりますが、他方で、また学ぶべき点もございました。
熊本地震では、一つには、一般の避難者、被災者の方々が余震を恐れて、テレビでも報道されておりましたが、多くの被災者の方々が車中泊をされておりました。また、一部の避難所の周辺では、稼働するSS数が少ないために特定のSSに来客が集中して混乱が生じたというところがございまして、緊急車両のみならず、一般の避難者、被災者の方々が給油できる拠点を整備する必要性を感じたところであります。
こうしたことから、今後、災害時に地域住民の燃料供給拠点となる住民拠点SSを全国に約八千か所整備していく方針といたしております。このため、平成二十八年度第二次補正予算において、SSへの自家発電機導入や地下タンク大型化への支援措置を二十億円盛り込みまして整備に着手したところでありまして、今後とも引き続きその整備に取り組んでまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
三浦信祐君 ありがとうございます。
今後は、東日本大震災の教訓という部分では、首都圏でもたくさん車が並んだという事例があります。この指定SSの地域バランスというのも是非検討していただきたいと思いますし、自治体がちゃんと理解をしていかなきゃいけないという点もあると思います。これも逐一モニターをしていただきたいと思います。
中核SS、住民拠点SSを整備をしたとしても、災害時に実際に動かせないと困ると思います。それをどのように担保をしていくのか、また、どこの中核SSが動いているか、自治体や住民への情報提供をどうしていくのか、この制度を周知徹底するための方法、加えて情報提供の訓練はどの程度実施をしていくのか、経済産業省に伺います。
政府参考人(山下隆一君) お答え申し上げます。
中核SSや住民拠点SSは、国の支援を受けまして自家発電機を設置することから、災害時に停電が生じたといたしましても稼働を継続することが可能となってございます。また、より多くの燃料を蓄えられるように、燃料タンクの大型化についても国から支援を行っております。これで災害時における対応力の向上を図っているところでございます。
なお、中核SSや住民拠点SSにこういった支援を実施するに際しましては、設備の損壊などやむを得ない場合を除きまして、災害時に燃料供給を継続する旨の誓約をしていただくようにしてございます。加えまして、毎年、中核SSでは災害時を想定いたしました訓練を実施しております。住民拠点SSでも同様の訓練を実施してまいりたいと思ってございます。そして、災害時に、一般の方々がエネ庁のホームページで住民拠点SSの稼働状況、こういったものをできるだけ早く速やかに把握できますように、必要なシステムの構築も進めてまいりたいと思ってございます。
今後ともしっかり取り組んでまいりたいと思います。
三浦信祐君 ありがとうございます。
ガソリンスタンドはまさに公共インフラとしての機能を担っていただいていると思います。しかしながら、資料の四に示しますように、ガソリンスタンドを取り巻く環境は非常に厳しい。需要の減少が年平均二・五%、ガソリンスタンドの数は一日三・五か所も減っております。過疎地では、高齢者への灯油の輸送であったり、給油のためのガソリンスタンドがどんどん少なくなって社会問題化もしております。
そこで、ガソリンスタンドを公共インフラと認識しているか否か、また過疎地の部分の、SS過疎地は現在どのような程度にあるのか、この問題にどう対処していくか、井原政務官、御見解をお願いいたします。
○大臣政務官(井原巧君) お答えを申し上げます。
御指摘のそのSS過疎地ですね、これが同一市町村内のSS数が三か所以下というふうに定義付けておりますが、平成二十七年度末において、全国千七百十八市町村ありますが、うち二百八十八市町村に上るということでありまして、御指摘のように年々増加をしているというのが現状であります。
様々な支障を来すということが出ておりまして、資源エネルギー庁ではこの問題に対応するために、一つには、SS過疎地対策協議会を設置して、SSの運営コストを削減するために、SSに例えば隣接する店舗等の従業員がSSに駆け付けて給油などすることができる仕組みを消防法上の解釈を明確化にして取組を行うようにしております。また、過疎地や中山間地に灯油を配送するコストを抑えるために、共同の配送等に対する支援も実施しているところであります。
三浦信祐君 ありがとうございます。
是非、セーフティーネットの構築のために様々な御検討を加えていただきたいと思います。
最後ですけれども、地元の自治体は災害時の燃料供給をガソリンスタンドに依存しているわけであって、公共インフラたる中小ガソリンスタンドの経営安定化のためにも、平時から官公需の優先的な契約締結に努めるべきだと私は思います。こうした考え方に基づいて、平成二十七年の八月には官公需法に基づいて、平成二十七年度中小企業者に関する国等の契約の基本方針が閣議決定をされております。この中に中小石油販売業者に対する配慮条項が新設をされ、本年も閣議決定をされています。しかし、契約の方針が周知徹底をされていない事由が何ともいっぱい挙がってきております。
そこで、ガソリンスタンドがいざというときのために備蓄をしていけるように自治体との常時の契約等、周知徹底と実効性を確保すべきだと思います。見解はいかがでしょうか。中小企業庁に端的にお答えいただければと思います。
政府参考人(吉野恭司君) お答えいたします。
おっしゃられました点、二十七年度から実施をしておりますけれども、自治体と石油販売業の組合の方が災害時には供給をするという協定をあらかじめ結んでおくと、その場合には経済合理性や公平性に反しない範囲で分離発注、分割発注、さらには随契ができるという仕組みでございます。この仕組み、基本方針につきましては、閣議決定後、速やかに各自治体首長さん方に通知をしておりますし、都道府県の発注担当者などにも説明をし、協力を要請しているところでございます。昨年、今年でございますけれども、本年八月の実績でございますが、都道府県、人口十万人以上の都市三百三十七自治体に対して調べましたところ、協定が今百九十四、随契が六十九というところまで来ております。
引き続き、私どもも、今、好事例を紹介しながら、またその自治体への説明をしっかりやりながら、できるだけこの協定などが増えていくように努めてまいりたいと思います。
以上でございます。
三浦信祐君 ありがとうございます。是非お願いいたします。
この東日本大震災の教訓をしっかりと生かしていくことが、国民生活を守っていく上での大事なことだと思います。政府一体となって取り組んでいただけることをお願いし、質問を新妻議員に引き継ぎさせていただきます。
ありがとうございました。