対談 日本の進むべき未来③
〜平和と教育と科学技術を語る〜
三浦が奉職していた防衛大学校で、2006年から5年8カ月にわたり、学校長を務めた五百旗頭眞氏。
久しぶりの再会を果たしたこの日、教育・人材育成の要(よう)諦(てい)から、生命と平和を守り抜く使命、さらに科学技術の重要性について、熱のこもる議論が展開された。
五百旗頭眞(いおきべまこと)
1943年兵庫県生まれ。京都大学法学部卒業、同大学院法学研究科修士課程修了。広島大学政経学部助手、助教授をへて、神戸大学法学部教授。小泉純一郎首相の働きかけで2006年から防衛大学校長に就任、2012年まで務める。現在、熊本県立大学理事長。
未来を正視眼で見据える“パブリック”の意識
三浦 ところで、防大では校友会と称する運動部が非常に活発です。先生は学校長時代、よく抜き打ちで校友会の視察をなさっていましたね。
五百旗頭 そうですね。また、先ほども話題に出ましたが、私は月一回、全校の学生を対象にした講話を行っていましたら、学生から、「学校長ゼミをつくってほしい」という要望が寄せられました。そこで、二〇人ぐらいを限度にしたゼミをつくりました。それは、単位として認定されました。
当初は学校長といっても、学生たちと親しく接する機会がほとんどなかったのですが、ゼミを持ってからは、学生たちと直接、話し合うことができ、防大生が何を考えているのかを知る貴重な機会となりました。加えて、校友会の野球部や柔道部や剣道部をいきなり訪ねていって、練習の様子を見るのが好きでした。学生たちはびっくりしていましたけれども、自分たちが一番打ち込んでいる場所に学校長が来るということは、やはり発奮材料になったようです。本当に楽しい思い出でしたね。三浦さんは、スポーツはどうですか。
三浦 防大で卒業生を自衛隊に送り出す側からはこれまでいなかったと思います。
五百旗頭 三浦さんのような清々しい青年が、パブリック(大衆)のために身を投じたいとの志をもって政治に立ち向かっていく。すばらしい決意だと思います。
ジェットエンジンの開発・研究をしていた知識や経験を土台に、科学技術の復興、さらには将来の原発のことや廃炉問題もケアしようと考えてくださっていること、ありがたく存じます。パブリックを支える中でも中心的政治の場で、日本の未来に責任を持つとの覚悟でおられる三浦さんにはぜひ、頑張っていただきたいと思います。
三浦 ありがとうございます。「大衆とともに語り、大衆とともに戦い、大衆の中に死んでいく」というのが五〇年前に結党した公明党の精神です。今後とも先生にはご指導をいただきたいと念願しております。どうぞよろしくお願いいたします。