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令和7年5月8日 第217回国会 参議院 外交防衛委員会 第11号

核不拡散条約準備委員会の反応

三浦 信祐

公明党の三浦信祐です。
条約四件の質問に入る前に、ゴールデンウイーク中の外遊について岩屋大臣に質問させていただきたいと思います。
先般、NPT、核兵器不拡散条約の運用検討会議の第三回目の準備委員会が国連本部で開催されました。私も四月の十七日の本委員会にて、準備委員会に出席をということを、そして核不拡散の不退転の決意で臨むべきだと訴えさせていただきました。岩屋大臣、御出席お疲れさまでございました。また、この御段取りに当たられた外務省の皆様、関係各位にも敬意を表したいというふうに思います。
さて、準備委員会にて大臣は演説をされましたけれども、各国の反応について大臣の御認識、また受け止めについて伺いたいと思います。

国務大臣(岩屋毅君)

このときの演説では、国際協調の枠組みが非常に困難に直面している中であるだけに、やはり対話をしっかり行って協調の精神を最大限に発揮して来年の運用検討会議を成功させなきゃいけないと、過去二回、成果文書がまとめられていないじゃないかと、やっぱりここにいる全員にその責任があると、またその役目があるということを訴えさせていただきました。
その評価については、自分で述べるのもいかがなものかと思いますが、各国の代表団からは肯定的な評価をいただいたと聞いておりますし、また、事後に、議長を務められたアジマン議長さんからもNPT及び核軍縮分野に対する日本のコミットメントに謝意が示されたと聞いておりますけれども、引き続きNPTの中での取組をしっかり進めてまいりたいと考えております。

三浦 信祐

戦後八十年、そして被爆八十年、国連創設八十年と大事な局面でありますし、来年のNPTの会議とても重要でありますので、その役割をしっかりと果たしていただくようにこれからもお願いしたいと思います。
他方で、残念ながら、ウクライナ侵略も相まって、世界では、核兵器に対する関心、また核抑止についての注目が高まってしまっております。特にヨーロッパでは、核抑止の必要性について議論と世論が高まっていると感じることがあります。
このような状況について、政府としてどのような理解をしておられるのでしょうか。岩屋大臣に伺います。

国務大臣(岩屋毅君)

現在、欧州においては、NATOの枠組みにおいて拡大抑止の政策が取られているわけでございまして、例えばNATOのウェブサイトにおいては、核兵器が存在する限りはNATOは核同盟であり続けるという記述がございます。また、ルッテ事務総長は、先般の演説において、米国による核の傘が欧州の安全保障の究極の保障であるということを述べられたと承知をしております。
その上で、委員御指摘のように、先日、マクロン・フランス大統領がフランスの核抑止力を活用した欧州同盟国の防衛に関する発言を行うなど、様々な議論が行われていることはまさに御指摘のとおりでございます。
欧州において、こういう核抑止を含む安全保障に関する議論を行うこと自体は決して否定されるべきものではないというふうに考えておりますが、我が方としては、唯一の戦争被爆国として、NPT体制の下で、現実的で、かつ実践的なアプローチで最終的な核兵器のない世界の実現に向けて引き続き取り組んでいく立場でございます。

三浦 信祐

是非、事あるごとにその姿勢は御発言をいただくことがとても重要だと思いますので、お願いしたいと思います。
大臣は、ゴールデンウイーク中に、先ほどもありましたけれども、国連、ニューヨークを始め各国を訪問されてこられました。その中で、バチカン、セネガル、フランスを訪問され、日本との関係強化に取り組まれたと承知をしております。
それぞれ、両国関係深化において最も進展したことについて、なかなかこういう機会もありませんから、大臣から是非お訴えをいただければと思います。

国務大臣(岩屋毅君)

バチカンは御葬儀への参列でございましたが、先刻も申し上げたように、弔問外交と申し上げていいかどうか分かりませんが、そこに御参集のたくさんの各国の要人の方々としっかり会話を交わすことができました。
セネガルは、今年のTICAD9の成功へ向けて、西アフリカで非常に政情も安定しているこの国の存在は非常に大きいというふうに考えておりましたので、外務大臣あるいは大統領への表敬などを通じて関係強化を確認をしてきました。ここでは日本がつくった職業訓練センターが間もなく四十年を迎えるわけですが、もう七千人以上のエンジニアをそこから輩出していて、セネガルのみならず、アフリカ各地でその国の発展に役立っているという大変高い評価を得ているということも確認をしてまいりました。
フランスは、先刻も申し上げましたが、いよいよ来年、議長国、G7の議長国でありますし、今いろんな国際場裏でそのフランスのイニシアチブというものが目立ってきておりますので、しっかり意思疎通を行う必要があるというふうに思ってフランスを訪問した次第でございます。バロ外相と会談したほか、バイルー首相、なかなか外国要人には会わない人らしいんですけれども、会談をすることができました。特にフランスが今積極的に関与を進めているウクライナ情勢など、地域情勢についても率直に意見交換を行うことができました。
また、ユネスコの事務局長、アズレー事務局長と会談をして、教育、科学、文化などあらゆる分野における日本の貢献を強調し、また先方からも感謝が示されたところでございまして、こういうそれぞれの国、機関において一定の成果を上げることができたというふうに考えております。

三浦 信祐

まさに外交は先手を打つことだと思いますし、TICADにおけるこのセネガルの役割というのは極めて大きいと思います。
一方で、TICADを国内でもよく理解していただき、多くの方々にこれを応援していただく必要があると思います。TICADのTは何かというところに関して、私住んでいるのが横浜ですから、その地元でも、そのTの意味というところが実は成り立ちのことから会話にもなるという機会もあります。
是非、いかにグローバルサウスが重要かということを先手を打ってきた我が国の外交でありますから、是非今後とも、しっかりと多くの国々を御訪問いただき、また多くの方々に来ていただけるように、大臣もリーダーシップを取っていただきたいというふうに思います。
その上で、訪問国の一つ、サウジアラビアは、ウクライナ侵略終結への仲介役として米ロの交渉機会を提供するなど、世界情勢への重要な役割を担う中東の大国としての存在が高いと理解をしております。
我が国として、今後、サウジアラビアとの関係強化に対する取組、また具体的な案件はあるのでしょうか。大臣に伺います。

国務大臣(岩屋毅君)

委員御指摘のとおり、サウジアラビアは今、中東情勢のみならず、ロシア、ウクライナ情勢を含めて、国際社会の主要な課題への対応においてその交渉の場を提供するなど、中心的な役割を果たしております。
私は、ファイサル外相との間で、改めて日本とサウジとの戦略的パートナーシップを確認をいたしました。また、ガザ、イランといった喫緊の課題についても率直な意見交換を行ったところでございます。
今、サウジアラビアは、もちろん我が国最大規模の原油供給国ではありますが、クリーンエネルギーのグローバルな供給のハブになるということも目指しておられまして、我が国との間では、水素、アンモニアや持続可能な材料の分野で協力を推進をしております。
そして、首脳レベルで一致した日・サウジ・ビジョン二〇三〇の下で、医療、ヘルスケア、教育、学術、文化を含む幅広い協力も進めているところでございます。
本年二月には東京でファイサル外相と第二回の外相級戦略対話を開催をいたしましたが、その際、両国首脳を議長とする戦略的パートナーシップ協議会、SPCを設置する覚書に署名をいたしました。先週の訪問では、その実施体制を整えていくということで一致をしたところでございます。
こういう幅広い分野でサウジアラビアとの連携を一層強化してまいりたいと考えております。

日・チェコ・ルクセンブルク航空協定の意義

三浦 信祐

まさにこのエネルギーのハブということは重要だと思います。
一方で、サウジアラビアは恐らく工業国として産業をつくっていきたいという大きな願いがあるはずであります。そういう面では、今後いろんな関係性といったところで、その技術供与であったり、また、共にこの中東を信頼をする国々であり続ける日本である、その中心軸になっていただけるように、是非、これからそういう部分もサポートをすることが重要だと思いますので、我々も応援していきたいというふうに思います。
日・チェコ航空協定及び日・ルクセンブルグ航空協定について質問させていただきます。
まず、航空協定を結ぶ必要性、締結することによる我が国における具体的なメリットはどのようなことでありましょうか。
また、日本と相手国との関係進展、交流人口の増加、またアクセス先の複線化など、ニーズが変化することも想定されます。その場合、一度結んだ航空協定はアップデートできるのでしょうか。毎度協定変更による国会審議が必要なのかも併せて確認をさせていただきたいと思います。

政府参考人(林誠君)

お答え申し上げます。
航空協定は、運航する路線、関税等の免除、保安、安全分野の措置、協力等について規定するとともに、紛争解決手続についても定めるものでございます。これらの規定によりまして定期航空業務を安定的に運営することが可能となり、航空企業による事業運営の予見性を高めることにもつながると考えております。
また、御指摘のありましたアップデートにつきましては、航空協定は、締結後の事情を踏まえ、締約国間で協議した上で協定に規定される手続に従って改正できることになってございます。例えば、航空需要の拡大を受けて路線を定める附属書の改正を行うことがあるというふうに定められております。
これまで、附属書の改正でございますけれども、直近の例でいいますと、ネパール、ラオス、ポーランドなどの例がございまして、これらはいわゆるその行政取決めとして締結しているものでございますので、行政取決めの改正ということでアップデートしてきているということでございます。

三浦 信祐

外務省に伺います。
日本と相手国との間に航空便が結ばれていることは、まさに友好と信頼のあかしだというふうに思います。航空協定を結ぶことの外交的意義について伺わせていただきます。
一方で、外交的な関係が整理されたとしても、現実に航空便が運航できてこそ、よりその効果というのが発現されます。我が国において、インバウンドの訪日が堅調に推移していること等航空需要増大が進む中で、特に首都圏におけるスロットの制約とニーズとの関係において就航調整がより重要となります。年二回開催されるIATAのスロット会議でのスケジュール調整と相まって、今後、就航路線拡張には相当な調整が必要な局面が想定されます。どのように取り組んでいかれるのでしょうか。
あわせて、両航空協定締結と我が国のオープンスカイ構想との協議との関係について今後の展望を国交省に伺います。

政府参考人(林誠君)

まず、私の方から外交的意義についてお答えさせていただきます。
航空協定の締結によりまして、航空業務の安定的な運営が可能になるとともに、航空企業による事業運営の予見性が高まりますことで相手国との人的交流及び経済交流が一層促進されまして、我が国の経済的利益や二国関係、二国間関係の強化が期待されるということがあるというふうに考えてございます。

政府参考人(中山理映子君)

お答え申し上げます。
我が国は、定期便の開設に係る取決めを行うに当たりましては、両国の航空企業による具体的な運航計画等を踏まえながら両国で設定することとしておりまして、日・ルクセンブルク航空協定では、これまでの運航実績等を踏まえまして、我が国における貨物便の運航可能な地点として、東京、大阪及び小松を指定するなどとしてございます。
また、可能な場合には、我が国は、諸外国との間で、国際線の就航に関しまして航空会社がそれぞれの判断で新規路線の開設や増便を行うことができる航空自由化、いわゆるオープンスカイを推進してございまして、この日・チェコ航空協定につきましてはこのオープンスカイという形になってございます。
その上で、この航空企業が今御説明をしましたような航空協定で定められた定期航空路線を運航するに当たりましては、航空企業によって発着枠を、それを実行するための発着枠を確保することが必要となってございます。我が国の、首都圏空港を含みます我が国の混雑空港におきましては、国際的なガイドラインに従いまして、第三者機関である国際線発着調整事務局が発着枠の調整を行っております。
国土交通省としましても、この日・チェコ、日・ルクセンブルク間の人的交流、経済関係の深化に資するよう後押ししてまいりたいと思います。

三浦 信祐

選ばれる国であるということと、そのスロットをしっかりと互いにメリットがあるように調整するということはとても重要だと思いますので、今後、オープンスカイを上手に活用して両国間の発展に、活躍するということを是非お願いしたいというふうに思います。
昨年八月、チェコを訪問させていただきまして、チェコ上下院議会の皆様との意見交換する機会に恵まれました。日本からも自動車産業等が進出をされてビジネスをされております。両国の経済上の関係性について、現地法人の皆様との意見交換も行いました。そのときにはフランクフルト経由で行きました。でも、直行便があったらなというのが必ず挨拶代わりに出てきたものであります。
その上で、日本とチェコとの両国関係の実情と連携の重要性について、今後の展望も含め、大臣に所見を伺いたいと思います。

国務大臣(岩屋毅君)

チェコは去年、EU加盟二十周年、NATO加盟二十五周年を迎えております。そういう意味でいいますと、外交・安全保障政策においてもEU、NATOとの連帯を基本としている国でございまして、我が国にとっては価値と原則を共有する戦略的パートナーだというふうに認識をしております。
今委員御指摘のように、チェコには製造業を中心に二百八十社の日系企業が進出をしておりまして、製造業を中心にチェコ経済に広く貢献しております。最近はその分野も自動車からいろんな分野に広がってきているということも承知をしております。今回の協定によって、またそういうビジネスチャンスが更に拡大していくことを期待をしております。
また、チェコはウクライナの近隣に位置しておりますので、我が国がウクライナ復興支援をこれから進める際にも連携すべき重要なパートナーになり得ると考えておりまして、こうした観点からもチェコとの関係を更に発展をさせていきたいというふうに考えております。

三浦 信祐

大事な御発言いただきまして、ありがとうございます。

WTO改革に向けた日本の取り組み

三浦 信祐

最後に、WTOについて一問だけ質問させていただきます。
WTOの課題として、紛争解決手段が有効に機能していない点が挙げられます。現状、WTOに対する我が国の認識を伺うとともに、WTOの理念の実行こそ自由貿易体制を確保、堅持するために重要であると私は考えております。今後、我が国としてWTO改革に具体的にどのように取り組むのでしょうか。外務省に伺います。

政府参考人(林誠君)

お答え申し上げます。
WTOを中核としますルールに基づく自由貿易体制の維持強化は我が国の経済外交の柱でありまして、日本経済を含む世界経済の成長に不可欠な基盤を提供してきているところでございます。
一方で、近年、WTOは、加盟国の増加に伴いましてコンセンサスが必要な新たなルール形成が難しくなってきておりまして、デジタル経済の発展などの世界経済の変化、さらには不公正な貿易慣行といった課題に十分に対応できてきていないところでございます。また、委員から御指摘がありましたWTOの紛争解決手続につきましては、上級委員会が二〇一九年から機能を停止しているところでございます。
我が国といたしましては、引き続き、WTO改革におきましては三本柱として、二十一世紀の現実を反映したルールづくり、紛争解決制度の改革、さらには協定を履行させる監視機能の強化につきまして、同志国と連携して粘り強く取り組んでいく考えでございます。

三浦 信祐

まさに我が国が自由貿易の旗手としての役割を果たすということがとても重要でありますので、WTOはその、難しい局面だとは思いますけれども、取組をしっかりやっていただきたいと思います。
以上で質問を終わります。ありがとうございました。