参議院 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会

第208回国会 参議院 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会 第4号 令和4年6月8日

北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会

三浦信祐君
公明党の三浦信祐でございます。

北朝鮮による拉致被害者家族連絡会事務局長の飯塚事務局長、そして特定失踪者家族会事務局長の竹下事務局長、本当にお忙しい中、急遽であるにもかかわらず国会にお越しをいただいて、大変貴重な、そしてかつ、身につまされるようなお話をいただいたことに感謝をさせていただきたいと思います。

私、まず冒頭、質問させていただきたいんですけれども、両参考人にお伺いしたいんですが、実は私も常にこのブルーバッジ付けさせていただいております。このようなことは絶対にあってはいけないという思いと同時に、このブルーリボンバッジが何かということはいまだに聞かれるという、非常に身につまされる思いを更に重ねているというのが実態であります。拉致という単語は知っていても、どのような運動をされているかということに縁する方が若い世代に比較的少ないかなというところがあって、これを絶対に風化なんという、そういう次元であってはならないという思いで、私も神奈川でありますし、川崎に行けば当然そういう思いになることも代弁をしていかなければいけないという思いでありますけれども。

今、この拉致問題について解決をするに当たって、国民的理解を更に深めていくと同時に、教育現場できちっとこの実態把握を、また理解を進めるということ、これがやはり欠かしてはいけないんだろうというふうに私は思っております。

その点について率直に、両参考人の方から、今の現状と課題、また要望についてお話をいただければと思います。

参考人(飯塚耕一郎君)
ありがとうございます。

教育現場における啓蒙活動としてですけれども、ちょっと細かいデータというのは私の方が十分に把握していないんですが、ただ、映画「めぐみ」、あっ、アニメ「めぐみ」でしたりとか、今回新たに私の漫画の方をその啓発活動の一環として使っていただくという形を取ってもらって、政府、内閣府の拉致対策本部の方にはいろいろ推進をいただいているんですが、一方、ちょっとその現場、教育現場の方々から聞くと、やはり、そもそもちょっと、アニメを例えば道徳の時間で使うでしたりとか、あと我々を講演に呼ぶでしたりとかというところは、やっぱりちょっとかなり限られた場所でしか行われないわけです。

それは小中学校しかり、大学しかりで、まあちょっと現場の方々がどのようなお考えなのかというのは分からないんですが、ただ、もっとその点に関しては積極的に教材として、道徳なりのその教材として積極的に使っていただきたいと思いますし、この問題、過去ちょっと聞いたのは、この問題を扱うということ自体がもうタブーというか、まあ対北、親北の方々に対していい思いをさせないからちょっとタブーになりつつあるみたいな現場の声もあり、そこはネガティブになっているみたいなことをちょっと歪曲して聞いたこともあるんですが、そういうことを抜きにして、この問題が本当にひどくて、今現在進行形になっていて、早く助けてあげないんだという、そこの人間の本質のような考えに基づいて各教育現場で普及していただくような手配ができないかなというのは私個人の感想でございます。

参考人(竹下珠路君)
私は、考えてみますと、二〇〇二年の当時、二十歳以下だった方たちは、今、現在四十歳までの方たちはほとんどそうということですよね。四十歳までの方が今、日本でどれだけいるか分かりませんが、その方たちが拉致ということを覚えていないんですよ、知らないんですよ。

そのことを私たちは、しかし、私たちの家族、飯塚さんのお母さんも含めて、飯塚さんのお母さんと私の妹は同い年なんです。その人たちがいなくなって日本から消えているというこの事実を四十歳以下の方たちはほとんど知らない。そうしたら、国として、もっと皆さんに知って、自分たちの自分事だということを分かっていただき、この問題を日本人として解決しなければいけないということを思っていただきたい。これは当然だと思います。

三浦信祐君
ありがとうございます。私もしっかりと啓発活動をやっていかなきゃいけないということを改めて教えていただいた思いであります。

その上で、もう一つ伺いたいんですけれども、今ずっと一貫して講演活動をしていただいておりますけれども、御参加いただいている年齢層であったり、また地域によっても違うとは思うんですけれども、どのような声がその講演をされた後に寄せられているか。私たちは、皆さんのその講演の先のところで、その聞いた方、また聞かれる前から、どういう思いで来られているかということもしっかりと知っていかなければいけないかなという思いがありますので、この場で是非両参考人からお話をいただければと思います。

参考人(飯塚耕一郎君)
私、コロナ禍以前でしたら、月に一度ないしは二度ぐらいな形で各地の講演はさせていただきました。

おっしゃられるとおりに、やはりその参加者の方々というのは大概六十代以上の方々が多くて、たまに二十代、三十代、四十代の方が見かけられると。ただ、その年代の方々がわざわざ自分の娘さんとか息子さんを連れてきてくれて真摯に聞いていただいているというのが実態でございます。講演終わりで各その講聴者の方々から感想を聞くことがあったあるケースでは、やはりこの問題は本当に知らなかった、かつ、自分たちのイメージだと、やっぱり早紀江さん、滋さんが一生懸命歩いているという、そこのイメージしかなくて、実際掘り下げた形の知識というのをやっぱり有していなかったということを暗におっしゃっている部分が多いと思います。

ですので、今この問題って、確かに千五百万筆という未曽有の署名をいただいているんですけれども、やはりこれはもっと若い世代、私ぐらいの世代も含めてですけれども、やっぱりより分かりやすく啓発をしていくというところが必要ではないかなというふうに思っております。

参考人(竹下珠路君)
私はそれほどあちこちではないのですけれども、私の仲間がつい最近にも岐阜県の方の高校生、中学生相手に話を、機会を得ましてお話ししてきてくれました。そうしたら、そこの学校でしてくださったんですけど、その後、また後、名古屋の町で署名活動で出会ったときに、あっ、あのときの方ですよねといって、うちに帰って、拉致のこと、お話あったことをうちに帰って家族と話しました、そして、他人事ではないんだなと、私たち一人一人が考えなければいけないことなんだなということを話しましたと言ってくれたそうです。これは割合少ないケースかもしれませんが、私も小学校の生徒さんにお話ししたこともあります。

三浦信祐君
飯塚参考人に伺いたいと思います。

先ほど、こういうことが二度と起きないようにと、今解決すべきことは、もう本当に北朝鮮におられる方を一刻も早く帰国をさせるということでありますけれども、一方で、二度と起きないために法整備もというふうに御発言をいただきました。

具体的に、平和と安全を真剣に考えているのかと、厳しい御意見も当然受け止めていかなければいけないと思いますけど、この法整備について、何か具体的な項目、またイメージをお伝えいただければと思います。

参考人(飯塚耕一郎君)
繰り返しですけど、我々ちょっと活動家になってしまうので、そういう点に関してはなかなか発言を発するというところは難しい部分があるんですが、先日の衆議院の拉致特別委員会でも当会の代表である横田拓也が言及しているとおり、スパイ防止法なり、国内に対して、この問題が二度と起きないというところに対してどういう形を、考えられるものは可能な限り考えてほしいという発言があったかと存じます。

三浦信祐君
ありがとうございます。

しっかりと我々も党派を超えてこの問題を解決するということを結束して取り組んでいきたいということをお誓い申し上げて、私からの質問とさせていただきます。

ありがとうございました。