脱炭素化における地方自治体の役割
公明党の三浦信祐でございます。
三人の参考人の皆様には、大変重要な、また貴重な機会を頂戴したことに心から感謝申し上げたいと思います。
いかにこの脱炭素化、水素利用、利活用、これをチャンスにつなげるかという視点で、その際の課題克服についての知見を是非教えていただきたいという思いで質問させていただきたいと思います。
まず、竹内参考人と中澤参考人に伺います。
今回の法案において、国、事業者の責務に加えて、第五条において地方公共団体の責務が規定をされております。
日本全国で低炭素水素社会構築に当たっては、地方公共団体との情報共有であったり、また政策共有並びに遂行というのは欠かすことができないというふうに私は思っております。そうなると、具体的には、住宅インフラとしてのEV車の導入であったり、それに関わる充電器の施設、また公共移動手段、そして公共施設のエネルギーや水素供給ステーションの整備などが想定をされるんではないかというふうに思います。
一方で、今いろんな課題がありますけれども、その中でも地方公共団体の財政体力と人材の違い、これが政策遂行においての大きなギャップを生じさせることも懸念されるべきことであるかなと。そうなりますと、本法案の規定というのはとても重要であり、記載されている内容、実行すべき項目に対応できるということが重要であると思いますけれども、この具体性を考えるならば、地方自治体が果たすべき役割、これは本当に整理をしていかなきゃいけないというふうに思います。
その際の財政的な支援、技術的な支援の在り方について、御見解を伺いたいと思います。
では、まず竹内参考人からお願いしていいですか。
御質問いただきまして、ありがとうございました。
まさにこれ、社会の構造の転換ということでございますので、今、三浦先生御指摘のとおり、国、自治体、そして事業者、そして市民含めて一体となって取り組むということが極めて重要で、そしてその中で、やっぱり住民と近い、地域と近いということで、自治体が果たす役割というのは極めて大きいというふうに期待をされるわけでございます。
ただ一方で、御指摘にあったとおり、いろんな意味での体力ですね、といった点で、いきなりその地方自治体に大きな役割をお願いすることが適切なのかどうか、これは水素の、経済産業省さんの委員の中でも、例えば保安に関する部分についての議論の中で、極めてけんけんがくがく議論があったところでございますけれども、ああいった、今回、水素の高圧ガス保安法といったようなその保安の部分については、当初は国が全面的に面倒を見ますというようなところで、年数がたっていわゆる知見の蓄積等も含めて時が来たという段階で自治体に権限を移譲していくといったような形で、言わば特殊な特例の扱いを設けたといったようなところは、やっぱり時期によって国と自治体の責任分界点が異なるのではないかといったようなところを現実に即して議論をしたといったようなところが反映されているかなというふうに思っております。
私からは以上です。
御質問ありがとうございます。
先生御指摘のとおり、地方公共団体、それぞれ都道府県ごとの財政力というのも大きな差がございます。
実際我々がいろいろ話をしている中で、東京都のように財政力の豊かなところにつきましては、非常に水素社会実現に向けて積極的に多額の予算を計上して、実際我々、京浜島に我々のシステムを入れるというようなことまでやるというところをやっているところもございます。
一方、小さいところでは、何をしたらいいのかということで御相談も受けるわけでございますが、やはり本当に人材という部分も大変だと思います。我々は、たまたま企業局という独立採算のところがやっておりますので、水力発電事業で稼いだお金でつぎ込んで、なおかつ電気の専門家の職員がいましたので、彼らが中心になってこのシステム動かすことができたんですけど、今こういう公営電気やっているというのは全国で二十四都道府県しかございませんので、それ以外の県で自前でこれをやるというのはまず無理だと思います。
ですので、やはりこれは、民間の事業者の方々、我々はPEMをやっておりますけど、旭化成さんなんかはアルカリをやっております。福島県でアルカリやっていますので、そういうような形の中でいろんな手法があるかと思っておりますので、それをうまく取捨選択しながら、あと、地元の企業の皆さん方の脱炭素化にどのように県が音頭を取って引っ張っていけるのか。先ほど近藤先生がおっしゃったように、地域で大きな絵を描いて、そこへいろんな仲間を、企業家の人たちや地元の自治体の人たちが入り込んで進めていくということが、都道府県の役割になっていくのかなと思っております。
以上でございます。
大変重要な御示唆をいただきましたことに感謝を申し上げたいと思いますし、国の役割の一端も御説明をいただいたかなと思いますので、法案審議ではしっかり役立てていきたいというふうに思います。
水素供給拠点の大規模化への投資
次に、近藤参考人と竹内参考人に伺いたいと思います。
水素供給拠点の集約化についてでありますけれども、大規模化ということと中規模拠点、これは構築していくには重要なことではないかなと私自身は思っております。エネルギーシフトに際しては、大きな設備変換に対しての投資、これをどのように円滑にできるかということが鍵になるというふうに思います。
例えば、日本の原油コンビナートでも、中東産の原油に対応できるような構造になっていますけど、これが別なものになるというときは、設備投資は多大なコストとして乗ってくるんではないかと。一方で、アンモニアを活用しようと思った場合には、ガスタービン自体は替えなかったとしても、その供給システムを変えなきゃいけないということにもなっていきますので、投資に見合う、そのコストが吸収できるかどうかということも課題になってくるというふうに思います。
そこで、既存のアセットからの変更に当たって取り組むべき、特に水素を活用するという部分では、具体的な対応、これはどのようなものかということについて御教示をいただければというふうに思います。
では、近藤参考人からお願いします。
御質問ありがとうございます。
まず、供給の大きな受入れですね、今までは石油を中心とした受入れ拠点がありましたが、水素、アンモニアとなってまいりますので、ここはやっぱりまずすぐに投資が回収できるとは思えません。ですので、今回の法案にありますように、きちんとした国の支援をいただきながら、大規模、中小規模をつなぐハブ・アンド・スポークという考え方の中で、いかに地域全体に大規模から中小に配っていくかというシステムが必要かと思います。
一方で、使う側の投資も必要になります。例えば、私が企業のときにやったシステムでいいますと、やっぱり重油を使ってコージェネレーションといって電気と熱をつくるシステムよりは、天然ガスを使うと上がっちゃうんで、コストが、でも、それはやっぱり環境的に見れば重油よりは天然ガスがよかったし、天然ガスを使った方が効率が上がりますので全体効率は上がっていく。そのときには、やっぱり国の支援をいただきながら、例えば省エネとか新エネという支援をいただいて、設備投資の何%かという支援をいただいたこともあります。
ですので、これ、鶏と卵の関係になりますけど、やっぱり拠点整備をしたら、次は使う側にいかに使ってもらえるか、特にその末端にありますような事業者に使ってもらえるかどうか、大規模ではなくですね、こういうところまで含めたときの支援制度というのは、これはセットで進めなきゃいけないと思いますので、時間軸まだございますけれども、大規模受入れ拠点の整備が進む中では、いわゆる使う側、需要者側の支援というのをどう考えていくかというのは、また検討が必要かなと考えております。
御質問いただきまして、ありがとうございました。
ただいまその支援の在り方については近藤先生からお話ありましたので、私からは、ちょっと引いた目でコメントさせていただければというふうに思います。
この法案につきましては、やはり皆様重要性を認識していただいていて、極めて前向きな御質問も頂戴しているなというふうに思っているんですが、一方で、この支援というところをなぜ国がするのかと。これは、やっぱりこの脱炭素、CO2を出さないということが価値としてやっぱり認識されなければならない。これ、国が最初は支援をする。
ただ、いつまでもやっぱり支援するわけにはいきませんので、当然、CO2を出さないということに対して価値を感じる、言わばカーボンプライスを導入することによって出さない技術が安くなる、で、市場で競争力を持つ。そういった制度をつくっていった上で市場で自立をして普及をしていくようになってもらわなければ、基本的にずうっと支援をし続けるということになってしまう。
加えて、このエネルギーですとか、例えば鉄などの素材もそうだと思いますけれども、CO2を出さずに造った鉄と出して造った鉄と、鉄としてのクオリティーはもう全く一緒ですということになりますと、その価格差というのは、要は、本当にCO2を出さなかったことということに対して社会が負担をするということによってでなければ賄われないわけですね。
こうした仕組みをつくっていって、マーケットでその技術が自立をするように誘導していくといったようなところが、支援というところで最初に手は差し伸べたとしても、将来的にきちんとマーケットでというところが求められるところではないかというふうに思っております。
以上でございます。
大変にありがとうございます。
日本の技術標準化と脱炭素化の戦略
次に、近藤参考人と竹内参考人に伺いたいと思います。
我が国の最近の弱点とも言える技術上の課題として、世界標準を取るということであったり、世界共有規格、これを生み出して取り込んで確定させることが、私にとってはこれがとても重要なんじゃないかなというふうに思っています。その戦略構築というのが必要であって、大胆な挑戦ができる政策決断というのが欠かせないというのが、少子高齢化と、稼ぐ力をもってして今後の社会保障制度にも寄与するような、そういう役割というのが今回の脱炭素化、また水素活用の中にはチャンスが含まれているのではないかというふうに思っております。
これらの実現が、ひいては価格低減効果や稼ぐ力、競争力にもつながっていくものだというふうに私は信じておりますけれども、我が国があらゆる分野で規格、標準化を獲得することを実現するためには、強力に推進したいと、そういう決意の下で、今回のこの脱炭素、水素社会の構築過程に我が国としてこのチャンスは包摂されているか、またそこに対してしっかりと投資をしなければいけないのではないかというふうに思いますけど、これらの知見についてお伺いしたいと思います。
では、近藤参考人からお願いします。
先ほども申しましたように、やっぱり日本は水素に、取決めを世界に先駆けてやってきました。そういう意味では、特許もたくさん持っていますし、技術などもたくさん持っています、ある部分では。ですので、基準化、標準化をしようとしますと、こういった裏付けが必要になります。
裏付けを持った国がきちんとした裏付けを基に基準化、標準化をしていくというのが大事だと思いますので、そういう意味では、今までの我が国の持っている、産業界それから学識の持っている知見を最大限活用しながら、水素社会の構築に向けた基準化、標準化というのをリードすべきだと思っていますし、これをやらないと、過去、技術で勝ってビジネスで負けたということになってしまいますので、やっぱり標準化を取るというのは、先生おっしゃったように非常に大事なファクターになりますので、今回、脱炭素という意味の中で見ると、唯一無二、この分野というのは先行できるんじゃないかと考えております。
御質問いただきまして、ありがとうございました。
最近、やっぱり何の政府の委員会で議論をしていても、やっぱり規格化で世界標準を取ることに対しての体力が若干弱くなっているのではないかといったような問題意識は多くの方がお持ちだというふうに思います。こういったところ、もう本当、役所の方たち、そして民間企業の方たちも努力してくださっているわけですけれども、なかなか、やはり日本というのは、G7とふだんは付き合っている、けれどもマーケットとしてはアジアを見ていたりとかするといったようなところで、声が大きくしづらいところはどうしてもあるのかもしれません。
ただ、先生御指摘のとおり、ここで勝たないとせっかくの技術が生きない、技術で勝ってビジネスで負けるということを繰り返すことになりますので、改めてここに注力をする必要がある。
その中で申し上げたいのは、これまでもG7の一端と、一か国として日本は振る舞ってきたわけですけれども、我々のマーケット、これからどこになるのか。アジア、アフリカといったようなところと共同歩調でその規格化、標準化に向けた言わばボイスを大きくしていくといったようなところ、こういった取組をより強くしていく必要があるのではないかと思っております。
ありがとうございます。
PEM型技術の国による支援の必要性
最後に、世界の最先端であるPEM型をつくられている、そしてそれを運用されているという部分で、今お二人の参考人の方にお伺いしたような角度で中澤参考人に伺いたいと思いますけど、もちろん、世界最高のものを今度は売っていく、そして、技術とその能力を確保していくという視点において国が必要だという支援について御意見があればお願いしたいと思います。
御質問ありがとうございます。
先ほどもちょっと御説明させていただきましたけど、本当に国内でグリーン水素を作るというところでは、やはり化石燃料、天然ガス、都市ガスと比べると、価格の部分というのは完全に劣ってしまいます。なおかつ、熱量についても三分の一、水素は、ということがありますので、今回、今法案につきましては、この部分をしっかり補っていただけるということで、我々としては、十五年間助成していただいて、その後十年間はしっかり継続できるように、二十五年間、二〇五〇年のカーボンニュートラルに向けてまでしっかりやるということを我々としても取り組んでいくということになっておりますので、今法案につきましては、本当に我々としては願ってもない、我々がビジネスを進めていく上で最高の法案になってくると思いますので、我々はしっかりコストダウン、いろんなことを図りながらしっかりビジネスとしてやっていけるように、それから、やはりターゲットの部分というのはアジアになるのかなとは思っておりますけれども、ここにもしっかり売り込んでいけるように頑張っていきたいと思っております。
ありがとうございます。
参考人の先生方、ありがとうございました。
以上で終わります。
以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたしました。
参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。
参考人の皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
では、午後二時に再開することとし、休憩いたします。
午後零時三十二分休憩─────・─────午後二時開会
ただいまから経済産業委員会を再開いたします。
二酸化炭素の貯留事業に関する法律案を議題といたします。
午後は、本案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。
御出席いただいております参考人は、東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻教授辻健君、日本CCS調査株式会社代表取締役社長中島俊朗君及び東北大学東北アジア研究センター・同大学院環境科学研究科教授明日香壽川君でございます。
公明党の三浦信祐でございます。
三人の参考人の皆様には、重要な知見を頂戴しましたこと、心から感謝を申し上げたいと思います。
早速質問させていただきたいと思います。
辻参考人、中島参考人にお伺いします。
先ほど古賀先生からもありましたけれども、CCSの事業の投資性、また予見性を確保するに当たっては、ビジネスモデルとしてどのように、事業構築だったり収益構築がなされていくのかということがとても重要だというふうに思います。そういう点から見ると、やっぱりスキームのイメージをしっかりとここで知見を教えていただきたいなというところもありますし、また、どれぐらいの規模感であれば経営だったり運営が成立するのかということ、これも併せて、感想的な要素でも結構ですので、お示しいただければと思います。
では、辻参考人からで。
済みません、最後の御質問の規模というのはコストということでしょうか、規模というのは。済みません。
今の規模というのは、貯蔵する面積、容積的要素です。
分かりました。ありがとうございます。
まず、先ほどの最後の容積的な話ですけれども、CCSへの要求されるCO2の削減量というのも大きいのは現実でして、これはもう日本の経済産業省が発表しておりますが、一・二億トンから二・四億トンかな、そのCO2を二〇五〇年までに削減したいと。それは、今の年間のCO2排出量が十億トンですから、かなりの量をCCSでやる。そうしないと、なかなかCO2が削減できないというのがあると思います。
そうなったときに、数百本の井戸が必要になってしまうわけです。それを日本国内でやるとすると、日本の周りには確かに井戸、掘削井がいっぱいできてしまうと。一方で、石油の掘削井というのはもっと数が多いですから、それは現実的じゃない本数でもあると私は思っています。
そうなったときに、やはり人材の育成とかというのは非常に大きな課題になってきて、本当にそれを達成できるのか、スピード感を持って今から取り組む必要があるんじゃないかなと思っています。
それと、コストの方は、コストも初めちょっと、ビジネスモデルですけれども、これはちょっと繰り返しになってしまうかと思いますが、やはり企業が競争するような方法をいかにつくっていくかというところが重要になるかと思います。
以上になります。
お答えいたします。
まず、規模のところから先に申し上げます。
これは、特定の規模、幾ら以上であればということでは必ずしもないと思いますけれども、基本的に、一地点で貯留をする量、あるいは排出源さんの側であっても、なるべく大規模な排出源のところで回収をしていくという方が設備の規模の経済が働くであろうということは言えると思います。
ですから、貯留地点でいいますと、一地点である程度大量かつ長期間貯留ができる、そういったところであれば、例えば井戸一本掘るために数十億円のCAPEXが掛かっていくわけですので、それは、その一本の井戸でなるべく長期間、大量に、安定して貯留することができれば、トン単価はどんどん安くなっていくということになりますので、そういった地点を探していくというのが一つ重要なポイントになると思っております。
そういう意味で、先ほど、適地の中で一地点当たり一億トン以上のところで十一地点抽出したというのは、そういった意味合いもあるということでございます。
それから、そのビジネスモデルとして成立するスキームというのはいろんな考え方や方策はあると思いますけれども、基本的に、現在大量にCO2を排出している排出源者さんは、鉄であれセメントであれ電気であれ、排出しながら何らかの有価物を製造していらっしゃるわけでございます。
そこで、その製造を、脱炭素をしながら事業を継続していくという考え方に立てば、その排出源者さんが、分離回収をするところ、あるいは輸送、それから貯留のコストまでを一旦全部負担をして、輸送事業者に対しても、あるいは貯留事業者に対しても対価を払うという形は考えられると思います。
ただ、それだけでいくと、そのコスト全部をその製造された製品の原価に加えていくということになって、それが国際競争力を保てるかどうかという問題になりますから、政策支援をどこに投入していくかという観点では、排出源者さんに寄せていくという考え方もあると思いますし、逆に、そういう形ではなくて、輸送は輸送、貯留は貯留、排出は排出という形で何らかのその資金が回る仕組みをつくるという考え方もあると思いますので、これは今後の議論ではないかと思っております。
以上でございます。
ありがとうございました。大変参考になりました。
先ほど午前中、近藤参考人から御発言がありましたけれども、水素は脱炭素のペースメーカーで、CCSはゴールキーパーなんだというお話があり、そうするとボリュームが課題になるなということは今の質問にも反映しているところであります。
そういう中で、どれだけCO2を集約できるかということがポイントになってくるかなと思いますけれども、絶対的インフラとして存在し続ける発電所等が集中立地している、また、あるいは脱炭素化が図りにくい産業、若しくは時間が掛かる分野、これが存在している地域においては、CO2の回収、輸送、そして貯留に係るフローが存在する、あるいは、今後ビジネスモデルとしての展開が予想できるなと思います。
一方で、CO2のこの回収源として想定されている工場というのは大半が民間企業であります。そうすると、工業団地、また港湾地域では、現時点ではCO2の排出源であったとしても、企業経営判断によっては、そのビジネス自体が撤退だったり、集中や選択、用途変更等の想定も当然あり得るんではないかというふうに思います。
そうすると、やはりCCSのビジネスモデルとしての安定性はどう考えればいいのかと。CO2をどう集めてくるかということも、先ほど船の話もありましたけれども、この辺のビジョンというのがやはり重要になってくるんではないかなと思いますけれども、このことについて、中島参考人と辻参考人に伺いたいと思います。
中島参考人からで、じゃ、よろしいですかね。お願いします。
お答え申し上げます。
非常に難しい御質問であると思っております。
基本的に、CCSが成立するためには、CO2のチェーンが全体で結び付く必要があるということは、委員御指摘のとおりだと思っております。
したがって、その排出源側では、安定的にその分離回収を行ってCO2を出していくということが必要になりますし、貯留側はそうやって受け取ったCO2を確実に貯留をしていく、あるいは輸送側も着実に輸送をするということが必要になって、これは、逆は逆で、貯留者側からすれば、排出源の方にはきちんと分離回収をしたCO2を渡してくださいねということになっていきますので、これはまさに排出源、輸送、貯留が一つ、一体となってバリューチェーンを構築していき、そこできちんと役割分担や責任の所在を明確にしていく必要があると思っております。
初期段階においては、恐らくは一対一といいますか、の関係で進めていくべきだと思いますけれども、だんだんに進んでくれば、それは、ハブ・アンド・クラスターという呼び方をしているケースもございますけれども、ある程度その排出源のところが一まとまりになって集めるか輸送をして、貯留地点も一地点だけではなくて複数の地点に振りまくというようなn対nの関係に発展させていくということで、そういった、どこかが駄目になっても全体としてはバランスして円滑な操業ができている状態ということになってくると、CCS事業の全体の安定性というものは高まっていくのではないかと考えておりますけど、それにはまだもう少し先の話で、まずは、今経産省さん、JOGMECさんがされている先進的事業というものにおいて、コンソーシアム内で排出源、輸送、貯留がセットになって今検討が進められておりますので、これを確実に実現していくことがまずは重要ではないかと思っております。
以上です。
ありがとうございます。
もう中島参考人のとおりかもしれませんが、今は先進的CCS事業、既に御説明あったとおり、一つのチェーン、グループになって、回収、運搬、貯留までをグループになってやっているんですけれども、私は、本当はそれぞれ、中島参考人からの説明もありましたとおり、それぞれの分野で個々にそういう会社ができていく方がビジネスという形ではやりやすいんじゃないかなとは思っています。
ただ、それ、一気にそこまで行くのはなかなか難しいですから、手を挙げる企業なんて難しいですから、まず初めは先進的CCS事業のようにグループになって、一体となって、多分恐らく問題も多く出てくると思います。問題といいますのは、ここが足らなかったとか、そういうのを一体となってまずやって、それがもう成功したら、僕は、個々の貯留会社、運搬会社、回収会社というふうに分かれて、それぞれビジネスとして強いところを打ち出していくということをやった方がいいと思います。
実際、ノルウェーとかではもう貯留する会社とかがある程度できておりまして、一トン回収すると幾らもらえるという、そのビジネスのスキームができつつありますから、そういう形になれば、日本でもどんどん進んでいくんじゃないかなと思います。
以上です。
大変参考になりました。ありがとうございます。
辻参考人に引き続き伺いたいと思います。
先ほど、貯留サイトの決定において評価機関の役割が重要だというお話をいただきました。まさにそのとおりだというふうに私も共鳴をしているところです。
であるならば、日本ではその技術はどのレベルにあるのか。また、それを評価できるような手法だったり機関というのは、現状と、そして今後はやっぱり人材が重要なんだろうなというふうに思います。これについての知見を是非御披瀝いただければと思います。
ありがとうございます。
日本は元々、資源、石油、天然ガスがない国ですので、そういう点では、そういう探査をする、モニタリングする技術というのは、アメリカとかよりは小規模ではあると思います。しかし、JOGMECは三次元探査船を持っていますし、技術レベルはそういうアメリカとかに引けは取らないとは思っています。
それで、僕は、どちらかというともっと日本の技術レベルを上げていきたいなという気持ちの方が強くて、それで、CCSが始まったときは、日本で、これからアジアとかでもそういうのが行われる可能性があると思いますので、そういうとき、日本がそういう技術を持っていって、そこでそういう探査とかCO2の貯留適地を調べる、そういう将来になったらいいなというふうには私は考えております。
以上です。
ありがとうございます。
中島参考人にお伺いしたいと思います。
我が国において災害に見舞われるケースが多発する中で、特に地震の発生が多いというのは先ほど来御説明をいただいているところです。地中埋設として行われるこのCCS事業が安定的予見性を持って実行していくためには、地震対策というのは、当然誘発をさせないというのは当たり前でありますけれども、これは必須だというふうに思います。
今回、苫小牧での実証実験、そして地震との関係についても検証についての御教示をいただきました。今後、CCSを安定的に実施していくということ、そして、日本国内での各所でということになっていったときに、このエビデンスということについては、この知見、これについては、ほかの地震だったり、また、ほかの地盤の流動等におけるいろんなメカニズムがあると思いますけど、これについての活用は可能であるかどうか、また、足りない部分の知見というのは何かというのを是非御教示いただきたいと思います。
お答え申し上げます。
まず、知見を活用していただくことは十分に可能であろうと思います。苫小牧実証で実施したそのモニタリングの中には、地下の温度、圧力の計測、それから、海底地震計あるいは井戸の構内にも地震計を設置いたしまして、そういったところで圧入中の微小振動が生じていないかどうか、これが誘発地震の一部になるわけでございますけれども、そういった観測体制はしいております。こういった方法は今後もそれを標準化していくことは可能ではないかと思っております。
苫小牧の実証の例では、圧入期間中に圧入に附帯して生じたと思われる微小振動は起きませんでした。より深度の深いところでの自然地震、小さい規模のものは観測されておりましたけれども、誘発地震は起こらなかったということですけれども、これはどのサイトでも必ず起きないかということでは必ずしもないので、そういった観測をしていくことで、誘発地震が起きているかどうか、それから、先ほど辻先生からお話のあったような自然地震と誘発地震の区分の仕方の技術といった、そういったことをきちんと明確にして、その情報をリアルタイムに公開していくということが何より重要ではないかと思っております。
苫小牧、胆振東部地震が発生したときも、やはりCCSをやっているからではないかという風評被害的な、特にSNSを通じたうわさは立ちましたけれども、早期に情報を開示して、あるいは専門家の御意見を伺ったレポートを出すということでそういったものが鎮静化できたと思っておりますので、やはりきちんとしたデータの取得とその開示ということが非常に重要になってきますので、その手法を更にブラッシュアップしながら適用していただければ、ほかでも十分活用できると思っております。
モニタリングの標準化というのは大事だということで、後押しをしていきたいと思います。
ありがとうございました。