海空連絡メカニズムの運用促進策
公明党の三浦信祐でございます。
三人の参考人の先生方には大変貴重なお話をいただきました。心から感謝を申し上げたいと思います。
坂元参考人、小谷参考人にお伺いしたいと思います。
私自身は、日中のこういう危険な状態をいかに早く脱するかということに日本はしっかりと全力を尽くさなければいけないと、間違っても武力紛争等は起きないようにするために全力を尽くしたいと、そういう視点で質問させていただきたいと思います。
海空連絡メカニズム、これがなかなか運用されないと。運用されるために必要な方策についてお伺いしたいと思います。
海空連絡メカニズムにつきましては、防衛省が第三回の会議をやり、また、外務省は高級事務レベル協議を第十二回やっておりまして、そのホームページ上での内容を拝見しますと、取りあえずそういったメカニズムの重要性については日中両国とも共有をしていると。ただ、ホットラインの開設というのが重要なんですけれども、これについてまだ進捗がなされていないということですので、まずはこれを行うべきではないかということが第一点と。
第二点は、本日申し上げましたように、海空連絡メカニズムでは、今焦眉の課題になっています中国の海警、それから日本の巡視船の不測の事態が生ずるということがあっては困りますので、そうしたものも対象に加えるというようなことも併せて交渉したらどうかというのが私の今の考えでございます。
私からは以上です。
中国との信頼醸成あるいは危機管理の問題というのは、そもそものこの危機管理に対する考え方が違いますので、難しいということが言えます。米中間にも様々な危機管理のメカニズムがございますが、危機の際にこれが機能しないというのがこれまで分かってきたことです。危機が起こった際に、ホットラインを設定、設置していても、アメリカ側から電話を掛けても中国側が取らないということがこれまでもございました。
日中の海空連絡メカニズム、これはまだホットラインさえ設定できていないと、設置できていないという状況ですので、まだこの危機管理に関して日中間の枠組みというのは、まだ非常に発展途上の、初期の段階にあると言わざるを得ないと思います。
本来、この危機管理のメカニズムというのは、当局同士でこの危機を避けるために運用するものですけれども、やっぱり中国の特徴は、非常に政治的な判断がこれに絡んでくるということになりますので、当局同士でこれを運用するために幾ら議論してもなかなか難しいのだろうと思いますので、これは政治レベルで、相当上のレベルでこれを常に確認し運用していくことを議論していく必要があろうかと思います。
尖閣におけるグレーゾーン事態の解消策
今先生から重要なお話をいただいたと思います。現場レベルではなかなかというところで、だからこそ日中外相電話会談も先般も開かれ、そしてコミュニケーションをたくさん取ってもらいたいというふうに先般も大臣にも要望させていただきましたけれども。
小谷先生に伺いたいと思いますが、尖閣についてのグレーゾーン事態、これ、軍事衝突のエスカレートリスクが内包されている。それを解消されるための先生がお考えになられる具体的取組について、何か知見があれば教えていただければと思います。
このグレーゾーンに関しては、日本側も、海上保安庁と自衛隊の連携、特にその海警行動に関して迅速な手続ができるということで、やるべきことはやってきたのだろうと思いますし、また、自衛隊と海保の間の訓練等も増えているところです。
ただ、やはり中国側がこのグレーゾーンの存在を認めていないという問題があります。中国の専門家などと話をしていると、海自が出た瞬間で、それはグレーではない、ブラックだという言い方をします。
また、この問題は、意外とアメリカの中でもそういう反応が出てきます。名前は挙げられませんが、アメリカの軍の相当上の人でもこの海警行動について知らないというのが数年前ございました。それで、海自が出れば挑発してしまうのじゃないかというような懸念を示されたこともあります。
ですので、様々なチャンネルを通じて、まず中国側とこの海警行動についてきちんと説明をするとともに、アメリカを含めた周辺諸国に対しても、この日本独自の、独特のこの海警行動について理解を事前にしてもらうということが大事ではないかと思います。
大変重要な御示唆をいただきました。
向田参考人にお伺いしたいと思います。
そうなりますと、徹底的に海上保安庁に頑張っていただかなければいけないというのが今の現状であるということだと思います。
当然、外交努力をしていくというのは当たり前でありますけれども、先ほど、海上自衛隊と同様に海上保安庁もOBの活用をという御提案をいただきました。私自身も、自衛隊の働く年齢を延ばすということが極めて重要でありますし、何も、若い隊員さんが本当にその仕事に従事をしていくことが全体の安全保障上に活用できるかどうかという、ヒューマンリソースをどう整えていくかという課題を超えていくためには、やはり知見があり、そしてある意味セキュリティークリアランスをお持ちのOBの方に力を貸していただくというのが私は大事だというふうに思っております。
海上保安庁でのOBの活用、私が安易に考えれば、灯台守であったりとか、また基地でのいろいろな後方支援のところにもその知見を生かしていただければいいんではないかなと。また、長年の伝統的な継承をしていく教育現場でも御活用をいただくということはありなんではないかなと。特に、私も十一管に行かせていただきましたけれども、前線で日々本当に緊張感ある中で仕事されている方にもその休養を取るということも含めて、多くの可能性を含めているのがOBの方の活用だというふうに思います。
向田参考人の御知見をいただければと思います。
今のOBの活用の関連しまして、このところ海上保安庁では、定年延長のことも踏まえまして、非常に急激な増員を踏まえて、現場の方では、ノウハウの伝承といいますか、そういうこともままならないということと、船を動かす有資格者あるいは飛行機を飛ばす有資格者というのも十分でないといったこともありまして、六十五歳までの再任用というものも継続しているところであります。そういったところではやっているものの、やはり再任用で対応するということになってきますと、若い世代のいわゆる昇進といいますか、士気にも関わってきますので、そういった内部の問題もございます。
それと、実は尖閣の対応というよりも、先ほども申しましたとおり、全庁的あるいは全国的な規模で見ますと、尖閣対応以外の我が国周辺の各部署というのは非常に劣悪な人的体制、マンパワーの体制で頑張っております。そういう中で更に尖閣の方に人も取られるということになっておりまして、そういう意味では、全国津々浦々の海上保安体制をもっと充実していかなきゃ我が国周辺の海上保安体制というのはおぼつかないということになります。
そういう意味で、全国各地に散らばっております海上保安庁のOBの活用というものは、それまで、首都圏とか大規模な都市においてはそれなりの大きな海上保安部署での対応というものはありますけれども、さらに、地方の地域における海上保安官OBの活用というものは非常に重要ではないかというふうに考えております。
今の御提案、しっかりと受け止めさせていただいて、きっちりと支援できるように、また、当然財源の問題もあると思いますけれども、やはり国民の生命と財産を守るというところに従事されている方々が存在してこそいろんな議論ができると思いますので、しっかり取り組んでいきたいと思います。
ありがとうございました。