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平成30年5月15日 第196回国会 参議院 厚生労働委員会 第12号

地域枠と地元枠の効果と課題

三浦 信祐

公明党の三浦信祐です。
先生方には大変貴重な御意見いただきまして、ありがとうございました。
まず最初に、松田参考人にお伺いさせていただきたいと思います。
今回の法改正というのは医師不足対策の入口という部分ではあると思うんですけれども、まず、医師を目指そうとする学生さんに対しての選択権を与えると。また、それが地域に、将来的に医師としてその地元に残っていただきたいということで、医学部定員の中での地域枠と地元枠というものが今つくられて運用されていると思いますけれども、先ほどフランスの例もたくさん挙げていただきましたけれども、この地域枠と地元枠、本来ならもう少し成功していかなければいけないと思うんですけれども、課題があるということも承知をいたしております。特に日本では、金銭的なフォローアップができてしまうと、その目的を達成する前に、どちらかというと東京から地方に行ったとしてもまた戻ってきてしまうという課題があると思います。
その上で、地域枠とまた地元枠のメリットとデメリット、今後の医師定員のことを考えた上での大学の設置という、人材、枠ということを考えた上で、今後の参考のために是非教えていただきたいと思います。

参考人(松田晋哉君)

まだ全体のことを評価する時期ではないと思いますが、ただ、今までいろいろと聞いている分析の結果によりますと、やはり地域枠、地元枠というのはかなりその地域に定着するということで、それなりに一定の効果を上げていると思います。
ただ、成功している事例を実際に見に行きますと、実は卒前の教育のところからかなり地域の先生方がやはりちゃんとコミットをして教育をしております。やはりその地域に対する愛情を持っていた、愛着を持っていたと。やはり学生のうちからその地域についてしっかりと知っていくという、そういう大学だけでなくて地域の医療界の方々の協力の上でやっているところでは成功しているようでございますので、そういう意味では、地域枠、地元枠につきましても、今後、医学教育の中でやはり見直しも含めて考えていくべき問題じゃないかというふうに考えております。

三浦 信祐

ありがとうございます。
そういう意味では、大学の設置をしていく各大学と地元の連携、また、その成功例をきちっと横展開をしていくということがこれの実効性を高めていくことなんではないかなと思いますので、今後の審議に生かさせていただきたいと思います。

医師偏在解消と町づくりの関係

三浦 信祐

次に、立谷参考人、また今村参考人にお伺いしたいと思いますけれども、プライマリーケアというところをまず重視をしていかなければいけないというのは、将来の町づくりを見た上で極めて重要なんではないかなと。そうしますと、当然、医師偏在があることによって町づくり自体がうまくいかなくなってしまうという課題というのが、少子高齢化が進む日本において、特に地方部で顕在化をしてくるんではないかなというふうに思います。
今回の法改正の中では、都道府県知事が増床であったりとか新たな設置を認めないということのバランスを取るということはあると思いますけれども、それ以上に、やはりコンパクトシティー化が図られるような時代にあって、都道府県だけではなく、むしろ小さな自治体にそういうコマンドをする能力というのも求められてくる時代ではないかなと思いますけれども、この町づくりと医師偏在解消との関係について、是非御意見をいただければと思います。

参考人(立谷秀清君)

まず、医療というのは生活のインフラなんですね。これは震災でつくづく思いましたけれども、あれは水道とか電気と一緒でインフラなんですね。ですから、医療機関のないところに人は住めないんですね。今、そういう問題に直面している自治体がたくさんあります。地方創生どころではないんですね。
そういうことを考えて、そういう自治体の医療の体制をどうするか。いろんな方法論があるんです。例えば、しっかりした道路造って、高速道路で患者運んじゃえという方法もあります。ですけど、プライマリーケアとして、最初に診るドクターがいないといけないと。これを県知事が県単位でコントロールできるかといったら、かなり難しいですね。自治体も難しいですね。
ですから、先ほど話に出た地域枠とか推薦枠とか地元枠とか、これもちょっと甘い夢を見過ぎたんですよ。東京のサラリーマンの娘さんが弘前大学の医学部の地域枠で入って、卒業したら親は戻しますよ。借金しても何しても戻しますよ。そんな遠くに一人で置くよりも、娘さん戻しますよ。そういう現象がいっぱい起きたということなんですね。ですから、最初から地域の人入れればよかった、東京の人入れたのが間違いだったと、そこら辺甘く考えたんでしょうね。ここはしっかりやらなきゃいけないけれども、そういうところでもって長期的に医師の育成を考えていく以外ないと思いますね。
あとは、さっき言った地域別診療単価のようなことを考えていくしかないと思いますね。ただ、難しいです。本当に難しいです、これは。知事に権限与えたぐらいでどうにもならぬと思いますね。

参考人(今村聡君)

今、医療と町づくりのお話をいただきましたけれども、日本医師会も今、大きな柱に町づくりということを申し上げているところです。やはり地域で頑張っておられる先生方、開業医はたくさんいらっしゃって、その方たちが本当に町の住民に対して、単に医療だけではなくて、介護だとか福祉だとか様々な分野で参加をされて貢献されていると。日本医師会は赤ひげ大賞ということで本当に地域に貢献している先生方を顕彰する仕組みというのを設けておりますけれども、推薦に上がってこられる方たちを見ると本当に地域で立派な活動をされているなというのは、つくづくそう思います。
ただ、それが本当に全国全ての開業医がそういう町づくりという視点で関わっているかどうか、これはまた別の問題だと思っておりますけれども、医師会としては、先ほど立谷先生からお話あったように、医療のないところにはもうこれ人住めないというのは全くそのとおりだと思いますので、医療だけで町をつくれるということではないわけですから、全体の市町村行政と地域の医師会が連携をしながら、医療として何ができるかということを改めてしっかりと検討していかなければならないと。そのためには、地域で貢献していただく医師をどうやって養成していくのかという、先ほどの地元枠、地域枠、立谷先生ちょっと極論で、東京の先生が弘前にというお話ですけれども、大部分は地元の県や近隣の県から来られている地域枠というのが多いと思いますが、あえて地元枠と言っているのは、自分の県から地元の大学に行く方たちの定着率はより高いと、やっぱり地元愛が高い学生さんたちに参加をしていただこうということですので、日本医師会も積極的にこの地元枠の活用ということを申し上げています。
以上です。

三浦 信祐

最後に端的に伺いたいと思うんですけれども、町づくりという部分で今お話しいただきましたけれども、今度は地域医療構想と病院経営の安定性との関係性が成立をしませんと、所詮机上の空論になってしまうんじゃないかなという心配があります。その中で、地域医療対策協議会であったり地域医療構想調整会議で様々な議論をされて、実行に移される段階に入っていると思いますけれども、万が一の経営不安があった場合には公的資金を投入して公設病院に替えるというような、出口が明快に逆になってしまっているところに若干の不安を感じておりますけれども、その経営の安定性という部分に我々が貢献できることは何なのかということは考えていかなきゃいけないと思いますけれども、今村参考人にお答えいただければと思います。

参考人(今村聡君)

まずは、どうやってしっかりと医療機関が経営を続けていくかというのは、診療報酬という問題、それから税制という問題、補助金の問題、様々にあろうかと思います。
昨今、やはり社会保障の抑制ということで、今、骨太の方針でもまた医療費の抑制ということがかなり厳しく議論されているようですけれども、やはり地域の住民にとって適切な医療が提供されるためには医療機関の経営がしっかりとしていなければこれはどうしようもないことでありまして、先生方には是非ともその点の御理解をいただきたいと。特に、働き方改革をするに当たっても当然のごとくこの財源が必要なわけで、それを無視して医療現場に働き方改革をしろということを求められるのは非常に困ると。
それから、まあちょっと話は違いますけれども、例えば、医療機関の経営を良くするために、海外に行って医療を提供してそこから利益を得てくればいいんじゃないか、あるいは海外からの患者さんを受け入れて、そういう方を利益にすればいいんじゃないかということがありますけれども、そういったことをするにも、やはり医療機関の経営がしっかりと健全に安定的に行われていることが前提でそういうことに取り組めるのであって、もう医療現場は非常に今疲弊をしてきているということをよく御理解いただいた上での改革ということをお考えいただければ大変有り難いと思っております。

三浦 信祐

ありがとうございました。終わります。

委員長(島村大君)

以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。

委員長(島村大君)

ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。

三浦 信祐

公明党の三浦信祐です。
初めに、町づくりと医療体制の整備について伺います。
不動産業界において、住居物件や地域の評価に際しては医療機関の体制は欠かせないと伺っております。万が一のときの医療体制が整備されていることは、居住地及び居住物件選択には欠かすことができないのが消費者の感覚であります。生活圏と医療機関は町の位置付け、価値を決めると言ってもよいと思います。今後、町づくりと医療機関とのリンクは今後の政策判断として重要になると思いますが、これらについて議論、検討及び推進する体制はあるのでしょうか。
少子高齢化が進む中で、プライマリーケア体制の整備、偏在解消、二次医療圏の体制保持等マネジメントがこれまで以上に必要となってまいります。医療提供体制の構築と町づくりとの観点でこれらが整理されているのでしょうか。関係者が連携して議論、検討していくべきであると考えますが、加藤大臣、対応はいかがでしょうか。

国務大臣(加藤勝信君)

三浦委員御指摘のように、医療は、地域住民にとって、生活をし、暮らしを続けていくためにも大変重要な、不可欠な基盤であったと言っていいと思います。そういった意味で、都市計画と医療提供体制をその中でどう確保していくのか、これは大変大事な視点であります。
特に、急速な少子高齢化の進展で、地方都市では人口がむしろ減少していくことによって医療・福祉サービスを始めとする生活サービス機能そのものがだんだん維持しにくくなってきている。他方で、三大都市圏の都市では、高齢者が増加している中で、そうした増加に対して十分な医療提供サービスの確保ということに対する見通しがなかなか付きにくくなっている。そんな問題がいろいろ指摘をされているわけでありまして、こうしたことを踏まえて、政府としても、生活サービス機能や居住の集約、誘導を目的として、立地適正化計画に基づくコンパクトシティーの形成に向けた取組を進めておりまして、これは、国土交通省が策定をいたしております都市計画運用指針において、市町村が定める立地適正化計画とまた都道府県の医療計画との連携をしっかり図るということが規定をされているところであります。
厚労省としても、地域における都市計画施策と地域医療施策の連携を推進するという観点から、都道府県に対して、コンパクトシティーの形成に際し医療施設の立地が重要であるということに鑑み、また、市町村の都市計画主管部局が医療施設の適切な立地について地域の医療関係者や都道府県の地域医療主管部局と円滑に調整を進める環境を整備することを内容とする国土交通省との連名通知を発出するなど、連携した取組を進めております。
また、今回の法案においても、外来医療提供体制の確保や医師偏在対策も都道府県が医療計画に位置付け、計画的に実施していくということでありますから、地域の都市計画とも整合性が取れて進んでいくように、関係省庁とも連携しながらしっかりと進めさせていただきたいというふうに思います。

三浦 信祐

是非取り組んでいただきたいと思います。
その上で、外来医療を中心としたプライマリーケアの充実があったとしても、二次医療圏、要は入院をベースとしたところの医療体制が整っていなければ、治療、診療、また診察から入院の流れが確立をできず、地域の安心とはなってまいりません。今後、過疎地域が増えてくる予測がある中で、地域によって二次医療圏での医療が受けにくくなるようではいけません。一次医療から二次医療体制へのつなぎ、連携を考慮すべきです。
これらについて議論、検討や、体制についての具体的取組はできているのでしょうか。

政府参考人(武田俊彦君)

お答えいたします。
まず、入院医療につきましては、全ての患者が状態に応じて必要な医療を適切な場所で受けられるよう、病床の機能分化、連携を進め、質が高く効率的な医療提供体制を構築することが課題となっておりまして、これらにつきましては、二次医療圏を基本として構築をするということで、各都道府県において地域医療構想を策定していただいているところであります。そして、この地域医療構想の達成に向けた方策を推進するために、協議の場として地域医療構想調整会議が設置をされ、議論が進んでいる状況にございます。
〔委員長退席、理事石田昌宏君着席〕一方、外来医療を中心とした一次医療につきましては、地域における外来医療提供体制の状況を関係者が共有し、医療機関同士の機能分化、連携の方針を協議することが必要であることから、今回の改正案におきまして、新たに外来医療の在り方に関する協議の場を設置をするということを内容として盛り込んだところでございます。
この外来医療の提供体制の在り方は、さきに申し上げました二次医療圏単位の入院医療の提供体制の在り方と極めて密接に関連するものでございますし、この入院医療の在り方と整合的に議論されるべきものである、こういうことを考えますと、外来における協議の場につきましても、この地域医療構想調整会議、入院医療の在り方の議論の場とこれを兼ねるということが大事ではないかということで、私ども、この議論の場につきまして兼ねることが可能であるというふうにしたところでございます。
御指摘のように、一次医療と二次医療の間の切れ目のない医療提供体制を構築するためには、入院医療と外来医療、この提供体制の連携が今後更に重要となっていくというふうに考えておりますので、今後とも、この入院医療の議論と外来医療の議論が一体的に議論が行われ、この議論が活性化するように、私どもとしても支援をしてまいりたいというふうに考えております。

三浦 信祐

その上で、医療圏の設定は、人口や経済圏ベースで考えるべきだと私は思います。
具体的には、都道府県内の複数の市町村単位で設定をされている二次医療圏について、例えば県庁所在地が近接をしている地域、あるいは片方の県庁所在地が県境に、県の境目に近い場合ではマネージしづらいのではないかなというふうに思います。また、同一都道府県内で人口集中地域が県の面積の中央部でない場合など、地域バランスの課題も生じると思います。
ましてや、医師多数区域、少数区域の設定について、医師偏在指数の入れ込み方は自治体ベースだと整理できないケースが想定されるゆえ、整理方法を細部にわたって検討すべきだと思います。医師偏在指数の設定には、偏在指数をそのまま活用できない可能性への対応が必要だと思います。いかがでしょうか。

政府参考人(武田俊彦君)

御指摘のとおり、医療におきましては、地域の実情というものが全国で異なるわけでございますし、こういった地域の実情に配慮してきめ細かな対策が行われていくべきだというふうに考えております。
まずは、その医療圏の設定につきましては、医療法上、昭和六十年の医療計画の導入以来、地理的条件等の自然的条件や日常生活の需要の充足状況、交通事情などの社会的状況を考慮して、一体の区域として一般的な医療提供体制を確保すべき単位としていわゆる二次医療圏というのが設定をされているところでございまして、これにつきましては、医療機関の連携による限られた医療資源を効率的に提供する体制の構築と患者の医療アクセスの確保の両立を図るための区域として長期にわたり定着をしてきている圏域であるというふうに考えております。
このため、今回の法案におきましても医師偏在指標というのを導入することになっておりますけれども、医療ニーズや人口構成に加えまして、患者の流出入を踏まえ、医師の偏在の状況を全国ベースで客観的に示す指標として、この二次医療圏を単位として基本は設定をするということにしておりますけれども、これを都道府県内の医師偏在対策の基礎として活用していただきたいというふうに思っているところでございます。
一方で、この二次医療圏単位の医師偏在指標を基本としつつも、実際の対策の実施に当たりましては地域様々な事情がございます。これに対応してきめ細かい対応を図ることが必要になってまいりますので、二次医療圏よりも小さい区域、又は複数の二次医療圏を超えた区域で医師確保を一体的に行うことが適当な場合もあるわけでございますので、施行に当たりましては、こうした柔軟な対策を行うことが可能であることを都道府県にお示しをし、また、先進的な事例について情報提供を行うことなどについて私どもとしても十分検討してまいりたいというふうに思います。

三浦 信祐

是非、厚生労働省が司令塔にならなければなかなかうまくいかないケースもありますので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
一つ飛ばさせていただきます。
タクシー会社では、人手不足、ドライバーの高齢化で車両稼働率の低下に拍車が掛かっていると、地方の現場で直接訪問をさせていただいて伺いました。一方で、都市部においても、インバウンドの増加による需要増加に伴う人手不足、生活タクシーとリムジンタクシーとのドライバーの給料形態の違い等によるドライバー充当の不均衡が生じているのも実態であります。
全国各地で今後更なる高齢化が進む中で、ドア・ツー・ドアのサービスを提供できるタクシーは、ふだんの通院や、救急車を呼ぶほどではないものの救急医療に受診する場合の大切な足として欠かすことはできません。生活実態に即した公共交通として役割がますます重要となるタクシーのドライバー確保がこの地域医療の中でも極めて重要になっているというのは御案内のとおりだと思います。
乗り合いタクシー、デマンドタクシー等を実施している自治体があることも承知をしております。しかし、国交省として様々取り組んできたとは思いますが、従来どおりでは問題解消していないのが実態でもあります。
実態に即した課題整理の上、全体としてのドライバー確保、生活圏でのタクシードライバー確保、経営安定化等について新たな取組をすべきだと思います。国交省に伺います。

政府参考人(早川治君)

お答えいたします。
委員からも御指摘ございましたけれども、タクシー事業は国民生活や地域の足を支える重要な公共交通機関としての役割を担っており、その担い手の確保は非常に重要であると認識をいたしております。
しかしながら、トラックなどを含む自動車運送事業の運転者の有効求人倍率は平成二十九年度は二・八一と全職業平均と比べ二倍以上となっておりまして、他の産業よりも更に人手不足が深刻な状況にございます。
タクシー事業の労働環境の実態を見ますと、長時間労働、低い賃金水準、運転者の高齢化や女性の担い手の少なさといったことが課題であると認識をいたしております。具体的には、タクシー運転者の平均年間労働時間は二千二百六十八時間でございまして、全業種と比較して長い一方、平均年間所得は全業種と比べると約三割低くなっております。また、運転者の平均年齢は平成二十九年で約五十九歳と、運転者の高齢化が進んでおりまして、他方、女性の割合は二・五%と、全産業の平均と比べて極端に低い数字となっております。
このような現状において必要な運転者を確保していくためには、タクシー事業における労働生産性を向上させるとともに、労働条件や職場環境を改善するなどいたしまして、職業としてのタクシー運転者の魅力を向上させるということが重要であると考えております。
このため、国土交通省といたしましては、タクシーの生産性向上を目指して、配車アプリを活用した実証実験などを実施いたしますとともに、女性が働きやすい職場環境の整備、二種免許の取得の支援などに関係省庁と連携をして取り組んでいるところでございます。
また、全国タクシー・ハイヤー連合会におきましては、本年三月、働き方改革の実現に向けたアクションプランを策定をし、タクシー事業における働き方改革の実現に向けて業界として取り組む事項や時間外労働の削減に関する数値目標などを定め、積極的に取り組んでいくことといたしております。
政府といたしましても、今後、自動車運送事業の働き方改革に関する関係省庁連絡会議におきまして、労働生産性の向上や多様な人材の確保、育成などの長時間労働を是正するための関連制度の見直しや支援措置等を取りまとめた行動計画を早期に策定、公表することといたしておりまして、働き方改革の実現、そして運転者不足の解消に向けて、国土交通省といたしましても、関係省庁や事業者団体とも連携を図りながら、引き続きしっかり取り組んでまいることといたしております。

三浦 信祐

今、国交省からも御答弁いただきましたけれども、タクシー業界は生活圏の安定と医療サービス享受をつなぐ重要な役割を担っております。地域医療の担い手の一つであると言っても過言ではないケースもたくさんあると思います。厚生労働省として、まずこういうことに関する認識はいかがということを伺いたいと思います。
その上で、地域医療体制の観点から、医療と公共交通、特にタクシーとの関係を整理し、国交省と厚生労働省がしっかりと連携をして、タクシーが医療上の重要インフラと明確化し、支援拡充に取り組むことを強くお願いをしたいと思います。将来的には自動運転がこれらを担う時代が来たとしても、タクシー業界のノウハウが関与することは明白であります。患者のアクセス確保の視点が重要であり、各省庁が連携して対策を進めるべきであると考えますけれども、高木副大臣、いかがでしょうか。

副大臣(高木美智代君)

お答えいたします。
都道府県が策定する医療計画におきましては、病床の整備を図るべき地域の単位である二次医療圏を設定する際に、地理的条件などの自然的条件、また日常生活の需要の充足状況、また交通事情などの社会的条件を考慮することとしております。
一方で、医療機関への移動を含めた地域の足の確保につきましては、ただいま御答弁ありましたとおり、国土交通省におきまして、地域の実情に応じ、バスなどの運行費や人材育成、ノウハウ面などの支援が行われております。
厚生労働省といたしましては、先ほど委員からコミュニティーバス、またデマンドタクシー、乗り合いタクシーなどというお話がございました。こうした交通手段なども含めまして、地域の実情に即した医療提供体制が構築されるよう助言を行うなど、関係省庁ともしっかりと連携をしながら地域の取組を支援してまいりたいと考えております。

ドクターヘリと医療圏の連携

三浦 信祐

次に、ドクターヘリについて伺います。
主として都道府県単位が活動単位となるドクターヘリと医療圏との関係はどのようになっているのでしょうか。本法改正において医師偏在地域の明確化が図られていく中で、医療圏内での議論の俎上にドクターヘリの受入れの問題提起、体制整備の議論があることも想定ができます。都道府県同士の連携は欠かせないと思いますけれども、いかがでしょうか。

政府参考人(武田俊彦君)

お答えいたします。
ドクターヘリでございますけれども、このドクターヘリにつきましては、都道府県が策定する医療計画等に基づき都道府県の要請を受けた救命救急センターに配備をされておりまして、その出動範囲につきましては、救急医療対策事業実施要綱におきまして原則として県内全域を対象とするものとし、必要に応じて他都道府県に及ぶものについても対象とするというふうになっております。
現在、都道府県を越えた運用を行っているものといたしましては、ドクターヘリを保有している近隣都道府県があらかじめ互いの都道府県をまたいで運航する相互応援の協定を結んでいるのが二十八府県ございます。ドクターヘリが未配備の都道府県や自都道府県のドクターヘリでカバーできない地域のある都道府県があらかじめ他都道府県に応援してもらう共同運用という協定を結んでいるのは七府県ございます。
ドクターヘリ、現時点では四十二の道府県で五十二機が導入をされておりますけれども、それで全てカバーされない場合もありますので、こういった同一都道府県を越えた運用がされてきておりまして、私どもといたしましても、今後もドクターヘリの運用に関しまして、都道府県間でちゅうちょなく柔軟な運用を進めることができるよう、助言などに努めてまいりたいと考えております。

三浦 信祐

まさに今回の法改正に関連して、厚生労働省として様々アドバイスをしていただきながら都道府県がしっかり協定を結ぶということに指導していただきたいなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
先日、神奈川県立こども医療センター並びにその近傍にてNPO法人が事業を行っているファミリーハウス、リラのいえを伺い、病気のお子さんを支える体制と親御さんの御苦労、経営上の大変さをお聞きいたしました。親御さんの経済的健康、体力的健康がお子さんの治療に欠かせないこと、また病院との連携が大事なこと、そして、このような親御さんが安価で継続的に滞在できる施設がより充実することが不可欠であることを教えていただきました。経営上は多くの企業や関係者が涙ぐましい寄附や物品提供をしていただくことで支えていただいている、これによって安価な利用料を何とか維持しているとお話をされておりました。しかし、絶対にこの事業は継続をしていくんだとの強い決意も伺いました。極めて大切な取組であり、血の通った支援だと私は痛感をいたしました。
小児が、手術、治療あるいは難病等で総合病院、子供医療センターに中長期にわたる入院が必要となった場合、親御さんのケアが欠かせません。親御さんが滞在しながらお子さんのケアが必要となる場合が大半ですけれども、その際の滞在費はとてつもない経済的負担となります。宿泊施設が近傍になければ更に御苦労が重なります。このような、医療機関の近傍に低額で安心して滞在、あるいは生活の軸ができるような宿泊施設が整備されることが治療にも効果があると考えます。厚生労働省として、まずは子供医療センターの周辺に体制が整っているのか、現状調査をしていただきたいと思います。その上で、自治体と連携をして支援を実施をしていただきたいと思います。
加藤大臣、是非行っていただけませんでしょうか。

国務大臣(加藤勝信君)

私も子供が病気でちょっと入院をする、まあ家のそばでしたからそれほどではありませんが、それでも結構大変でありますけれども、難病等ということになれば専門の病院が必要になってくると。そうなるとなかなか家の近くというわけにはいかずに、かなり距離が離れたところで入院をし、子供の看護の補助をし、そして御自身もそれなりにやっていかなきゃいけない。そういった意味において、難病等で中長期に入院をする子供さんを抱えるそうした御両親の負担を軽減していく、そして、そうした形で親御さんがその子供さんを支援をしていくということをしっかり支えていくということが大変大事だと思います。
厚労省では、小児がん等の治療を要する子供に付き添う家族の経済的負担を軽減するため、家族用の宿泊機関を医療機関等に整備する入院児童等家族宿泊施設整備事業を平成二十七年度補正予算において全国八か所を対象に実施をしております。また、小児がん拠点病院での療養生活を円滑に送れるよう、二か所の小児がん拠点病院に対しては小児がん患者に付き添う家族の宿泊施設等の整備等の補助も実施をしているところであります。また、がん等の小児慢性特定疾患を抱える子供の御両親の負担を軽減するため、地方自治体が実情に応じて児童の一時預かりや通院等の付添い、また家族の付添い宿泊支援等の各種支援を実施する場合にはその経費の一部を負担するとして、平成二十七年度では延べ九自治体、平成二十八年度は延べ十二自治体、平成二十九年度は延べ十六自治体を通じて支援を行っているところでございます。
今後も、先ほど申し上げた御両親の負担の軽減、また病気の子供をしっかり支援をしていく、またそうした支援をしている団体の皆さんもいらっしゃいますから、そういった方との協力等の事例等もしっかり把握をし、また取組の実施状況、これを調査をしたその結果も踏まえて、可能な限りの支援を行わせていただきたいと思います。

三浦 信祐

是非、今調査をしていただいてということで多くの方が希望を持ったと思いますので、是非抜かりなくやっていただきたいと思います。

医療者の倫理教育の現状

三浦 信祐

次に、医師養成過程における教育について伺います。
医療者育成過程で、生命倫理、医師としての倫理をしっかりと教育、行動規範となるべき指導が必要であるということは論をまちません。カリキュラムの必須化と内容の整理が重要であると思いますけれども、文科省としてこれまでどのように取り組まれてきましたでしょうか。

政府参考人(信濃正範君)

医学を学びます学生が卒業時までに身に付けておくべき必須の学修目標を提示しております医学教育モデルカリキュラム、ここにおきましては、医の倫理と生命倫理に関する項目が従来から盛り込まれているところでございます。これを踏まえまして、各医学部におきましては医師として求められる倫理観等を涵養するための教育が実施されてきたところでございます。
また、国民から求められる倫理観、医療安全、チーム医療、地域包括ケアシステムなどの多様なニーズ、これらに対応できる医師を養成するために、平成二十九年三月にモデル・コア・カリキュラムを改訂いたしました。そして、臨床倫理や職業倫理に関する理解をより深めることができるように、医師として求められる基本的な資質、能力に関する学修目標を充実させるとともに、新たに医学研究と倫理に関する学修目標も追記したところでございます。
こういった動きを通じまして、引き続き、医の倫理に関する教育の充実に向けて各大学における取組を促していきたいと考えております。

地域医療政策における人材育成

三浦 信祐

時間がないので次飛ばさせていただきますけれども、是非、文科省の中ではこの地域医療の位置付けというものもしっかりと教育の中に入れていただいて、一人の命を守っていくという医師の育成に是非全力を傾けていただきたいと思います。
さて、平成二十八年、全ての都道府県で地域医療構想が策定され、現在、これに基づいて施策が進められていると承知をしております。本年度からは国民健康保険の財政運営が都道府県単位化されました。地域医療政策について都道府県の責任はこれまで以上に重要であり、役割が増大をしております。
一方で、都道府県職員は、保健医療から税財政、産業、教育、公共事業等、広範に部署異動が行われるために、専門性が高い医療関連の人材育成が難しいとの指摘があります。今後、都道府県において、医療に精通し、地域の医療関係者や大学医学部などと協力して政策を進めることができる人材育成が課題と考えます。
厚生労働省としてどう対策をしていくのか。また、場合によっては都道府県へ人材派遣、人事交流も視野に入れるべきだと考えますけれども、加藤大臣、いかがでしょうか。

国務大臣(加藤勝信君)

地域医療構想を含めて地域の医療提供体制改革を、あるいは具体的にその構想を前に進めていくためには、都道府県、大学医学部、また関係団体と円滑な協働体制を構築してマネージしていくということが大変大事でありますし、そのためには、保健医療政策、病院経営等にも精通した人材が都道府県庁の中において育成され、そして確保していくことが大変大事だというふうに思います。
また、都道府県、今回の法律も含めて様々な権限を付与させていただいておりますから、その権限を十二分に活用していただく。そして、地域に根差した医療政策がその実情を踏まえながら展開をしていただく。そのためにも、各都道府県担当者に加えて、大学医学部や都道府県医師会等の関係者も対象にした医療政策研修会を定期的に開催して、そうした言わばネットワークをつくっていただく。
〔理事石田昌宏君退席、委員長着席〕また、地域ごとのデータ分析の支援や先行事例の提供、あるいは関係省庁や関係団体と医療政策、人材養成等を進めるための協議会の立ち上げ、こういったことで都道府県を支援をしていきたいと思っておりますし、また、地方自治体からは厚労省に対しても医系技官を是非派遣をしてほしいという要望もございます。現在二十名程度出向しているところでありますけれども、今後とも、もちろん限られた人数の中ではありますけれども、できるだけ地方自治体の要望にお応えをさせていただきたいと思います。

三浦 信祐

大臣、是非、都道府県だけではなくて、都道府県と今度は地元の市町村との連携が取れる人材を交流をしていただいて、そういう人材育成、しっかり取り組んでいただきたいというふうに思います。
少し飛ばさせていただきます。
先日、世界トップレベルのAI開発集団である9DWさんを訪問をさせていただき、医療現場へのAI導入について将来ビジョンの議論をさせていただきました。AI活用により、動作をしながら声を出して記録、整理可能なシステム構築が可能であり、医師や看護師が手術、医療に専念できること、労働環境の改善や人員配置の最適化を図ることができるようになると伺いました。
今後、医師等医療従事者からの観点、医療業務経営からの観点、診療、治療を受ける側からの観点、それぞれを踏まえ、保健医療分野においてより効率的かつ経済的な環境を整えるためにも、AI活用のシステム設計、活用、発展を国がバックアップしていくべきであると思います。
なお、このメーカーの、手術室での話をしながら全て記録が残っていくというプロトタイプがあと二か月後に神奈川県内の横須賀の病院に導入をしてやってみるということもありますので、是非大臣も見に行っていただければと思いますけれども、この取組、大臣に是非お願いをしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

国務大臣(加藤勝信君)

今、AIやICTの活用、これは医療分野のみならず様々な分野で、もう入れる入れないじゃなくて入れていかなきゃならない、こういう状況だというふうに思いますし、保健医療分野でも、今委員御指摘のように、医療従事者の負担の軽減、医療の均てん化、新たな診断法や治療方法の創出、あるいは様々な意味で、経営的な意味でもプラスになってくること、様々な効果が期待をできるところでありまして、厚生労働省としては、平成二十九年の六月に保健医療分野におけるAI活用推進懇談会の報告書を取りまとめまして、ゲノム医療を始め六分野をAI開発を進める重点領域と位置付けて、今保健医療分野のAI研究開発を進めておりまして、今年度は、単にAI研究者だけではなくて医療従事者、医療機関、業界団体、AI開発企業など様々な関係者で構成される保健医療分野AI開発加速コンソーシアムを立ち上げて、AI開発を更に加速するための提言を取りまとめていただこうというふうにも思っているところでありまして、世界でいろんな形でAIの活用が図られておりますけれども、日本もそれに負けずにしっかりと、またほかの国で進んだものはどんどん取り入れていくということで進めさせていただきたいと思いますし、今、委員、横須賀でのお話がございました。またそうした先駆的な取組も、やはり百聞は一見にしかずということでもございますので、機会を見て私も現場に行かせていただきたいというふうに思います。

三浦 信祐

是非、この法改正を通して、国民が日本で医療を受けやすくなった、将来的に安心だということの入口をつくっていただきたいということをお願いして、終わります。
ありがとうございました。